2014年11月22日
・犬種についてここ10年ほどでよく耳にするようになった豆柴についてちょっと調べてみた。というのは、お隣に豆柴がいてかわいいのだが、うちにいた柴犬の雑種とあまりにも性格が違っていたのだ。それは個体差と豆柴って犬種なんかなと思っていたが(色が黒で、それが豆柴だと最初思ってた)、最近近所でかわれだした柴犬(茶色)も随分快活な性格だったからだ。
まず最初に分かった事は、豆柴という犬種はいないという事だ。というか、柴犬の場合まず大前提としなければならない問題として、ジャパンケンネルクラブと日本犬保存会という二つの組織が血統書を出している(=標準を定めている)。そして、血統書とかそういうの考えたのは洋犬の世界なので、本質的にはケンネルクラブの考え方が筋が通っていると思う。ケンネルクラブの考え方とはなんぞやと言われたら、その犬種の遺伝子が固定されていて、同じ親同士から同じ子供が生まれてくるという品種固定に他ならない。そして、同じ品種であるために「標準」が定められていて、それを外れると「その犬じゃない」って事になる。これは良し悪しとかじゃなくて、品種の考え方のお話。歴史的に見れば欧米で品種改良が進んで目的別にこういう犬はこう、ってのを「人工的」に作ったから。一部自然発生的な犬種も定義しているが、それは天然的な品種を原種として定義したかったからだろうと思う。
一方、日本では在来種の犬を厳密に定義づけしてこなかった節がある。一部有名な犬種もいるけれど、大部分は「イエイヌ」みたいな雑な範疇で地域性がその犬種のすべてだった。それは今定義されている和犬が柴犬以外全部地域の名前を冠されている事からも明かだ。もちろん、その土地土地の犬も品種同定の観点から標準は定められており、日本犬保存会も日本在来種小型犬を柴犬って分けたのは標準によるものである。小型犬を地域性で峻別しなかったのは何故かと言われるだろうが、そもそも洋犬が入ってくる前は品種に対する認識はほとんどなく、その希少性に気がついて固定品種化しようとした時にはすでに地域性がなくなってしまっていたという話がある。また、一部で優秀な日本犬を作ろうと盛んに地域間交流をやってクロスブリードをしてしまったという批判も聞いた事がある(現在の柴は美濃地方の地柴をベースにした柴同士のハイブリッド)。以前は長野県の柴犬は信州柴と言って別に分けられていたが、血統書上で分けられてはいない。ウィキだと他に太平洋戦争の影響を挙げている。
で、豆柴は昨今の小型犬への要望を受けて柴犬を小型化した品種らしい。標準が足りてないので、血統書がそもそも作れるはずもなく、規格外柴犬の子って感じであり、ペット業界の体質もあり定義がない事を逆手にやりたい放題って部分もあるが、かわいいペットとして健全な固定品種として作る事自体に反対はしない。犬の小型化は同じ品種の小型な物を掛け合わせてワイ化する事で比較的容易に得られるとされていて、洋犬でもプードルなんかは大きい順に「スタンダード」「ミディアム」「ミニチュア」「トイ」という品種がある。OK,柴犬もワイ化して豆柴って固定品種がそのうちちゃんと認められるだろう・・・と考えるのは難しい所。
まず、業界に流通している豆柴の出所がよーわからん。たとえば過去に血統書付き柴犬がいて、それの子供を累代繁殖して小型化したとしよう。その場合は遺伝的には柴犬だと言えるんだけど、血統書の標準は外れているので、ある時点からは規格外の掛け合わせになってしまう恐れはある。そこに別の犬の血が混じっている可能性に関しても疑問を見る。具体的犬種を挙げてないが「ある洋犬の血を入れている」という指摘があり、また有名犬舎がそれを否定しているのだが、どうやらポメラニアンの血を入れたのではないか?という疑いがあるようだ。ハーフだと割と明かな品種特徴を併せ持つので識別出来るけど、薄めたら分からないかも。実際私が豆柴とうちの柴犬の違いで感じる事に毛のモコモコ感の違いというのもあり、うちのはあそこまで長毛ではなかったように思う。また性格もポメラニアンの血が入っていると言われたら納得しそうな点がいくつかある。人懐っこくて、遊び好きで、あんまり縄張り意識がない。ただ、吠え癖はポメや柴より少なくて鳴かない犬だなぁという印象(訓練もあるが)。特定犬舎はやってなくても、そういう豆柴がどこかで混入流通してないとは言えないだろう。
ただ、犬は小型化するほど活動的になるので、その結果豆柴っぽい性格が作られている可能性はある。これも血統書で別品種化して標準の再定義を要する問題だが、洋犬でも同様な事はある。他の課題としては、幸いうちの隣の豆柴は健康長命なのでいいのだが、急激な品種改良が進んでいるという事はクロスブリードでなおかつワイ化個体というイレギュラーをかけている事による弊害が懸念される。人気犬種になり血統書の定義の外にある事で、なおさらこの手の問題は大きくなりそうな気がする。病弱短命であったり、おつむが弱かったりする犬が大量に出回り柴犬の一種だと思われて遺伝子汚染を起こさないか?そこがケンネルクラブや保存会が豆柴に慎重な態度を示している最大の理由じゃなかろうか。
あ、うちの柴犬はそこらへんの家の血統書もついてない雑種っぽい奴だったので、本当の柴犬知らないだろうと言われそうなので書いておくが、柴犬で本当に在来品種であると言われて県の天然記念物になっている川上犬という信州柴がいるのだが、こいつがまさにうちの犬そっくりだった。寡黙で人見知りがすごく、私も契約書書いて飼っている人の個体を見せて貰った事があるが、他人にすごい冷たい。自分から遊ぶ事もないし、そっけないけが、主人には忠実でボディーガードっぽい感じがある。ウィキにある「タヌキ顔は信州柴」というのとは逆で、どちらかと言うと「キツネ顔」だと思うが主観要素があるので、タヌキと言われればタヌキっぽい気もする。伝承ではニホンオオカミの血が入っているという話もあるが、山に置いて交配してたのがキツネやタヌキだったら笑えるな。
・こんな事書いてたらかなり大きな地震があった。最近この地域では浅い場所で地震が多発しているので、それに比べると長くて弱い横揺れだと思ってたら、長野市(80kmぐらい離れている)で震度6弱というかなり強い揺れだったみたい。ここは震度4かな。ちょっと被害が心配だ。ちなみに、久々に携帯の地震アラームがなったが、ほぼ到達と同時刻で意味なかった。
・地震や作業小屋の問題で考えたのだが、ライフラインというと「水」「電気」「ガス」らへんが定番だが、独立家屋で自給出来るのだろうか。まず水だが、これは場所によるが、井戸水を使っている地区はある。ただ、下水との絡みもあるし、いろんなリスクを考えると井戸水を自前で掘るってのは現実的じゃないかな。大人しく水道を使おう。しかし、この市は検索かけると「高すぎる」と評判だったりする、下手すると日本一かも知れないぐらい高い。とくに下水が上水と連動してないとか、頭おかしい請求だそうな(実家なのであんまり知らない)。ガスはここらへんはLPガスが主流だが、私はIHでガスは切り離している。ボンベで寄越すので実はかなり割高で業者格差もあるが、閉鎖市場なので競争が進まないそうな。ま、ストーブで代用出来てるからいいか。電気は中部電力だが、最低このぐらいか?って程度のシミュレーションで3000円ぐらいだった。従量分が2000円、基本料800円、他200円ぐらい。年3万ぐらいである。
これは30A契約で月100KWh使ったという想定である。これってソーラーで自給するの可能なの?って事で軽く調べる。大前提として蓄電池で100V30A出力って3000Wなのでインバーターがまず無い。不公平だが、料金的にそう違う物ではないので単純に「使った電力」で計算する。100KWh=100,000Whだから、1日平均だと3300Whだ。変換ロス10%、充放電ロスが30%と見積もって必要電力は4000Wh程度だと思うが、完全にスペックだけで見ると日照時間8時間で割ると500Wのセルでいける事になる。今よく見る屋根ソーラーが250Wだから2枚だな・・・うそん。って事で、もっと手っ取り早くシステムスペックと実発電量のメーカーHPからの引用だと5KWのシステムでうちの県で年間6800KWH発電している。100KWの12ヶ月分は1200KWなので単純には1/5のシステムでまかなえる計算だから1KWぐらいのパネルで行ける事になる。これだと4枚だ。でも、季節差(特に悪天が多い冬と梅雨時)を考えるともう少し余裕が必要そう。とは言え、この程度だとほんとDIYでも組めそうな大きさ。
問題はバッテリーだ。1KWシステムを全部飲み込むバッテリは12Vだと100A近くなる。ディープサイクルバッテリーのソーラー用だと20時間率で100Aクラスの物はあるけれど、受け入れ能力や極力浅く使おうと思うと実際は50%で3日程度の余裕が欲しく、さらに鉛蓄電池の保守係数が80%程度って話を入れると800A程度のプールが必要って事になる。100Aクラスが一個2万ぐらいだから、16万円程度って事か。もっとも、このぐらい本気のバッテリーを入れると負荷が通常はかなり軽いので、寿命や使い勝手はフレキシブルになるとは思う。一方で、バッテリーの容量バランスの問題から、後から足すとか言うのは難しい。ま、最悪、ジェネレーターは持ってるので、年に数回ある電力不足は発電して補えばいいだけの事ではあるが。
Posted at 2014/11/24 17:34:11 | |
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2014年11月22日
・今朝は久々に7時台に起きたが、まだ明るいのな。夜型生活になっていたから、てっきり朝も8時ぐらいまで暗いような気がしてたよ。山羊の世話してリンゴ運びをやったんだが、1日で170ケース+αというとんでもないハイペース収穫で運搬疲れたよ。なんで手伝いの老人があんな元気なんかね。もっと大変なのは運搬車から車に乗せて倉庫で降ろすパートなんだが、パレット積みとか省力化難しいんだよな。下手にフォークリフト使うなら手で降ろした方が早いし崩れないし、必要なケースだけ降ろせる。海外だと落下したリンゴを拾って全部加工とか、スペインとか労働力が安い所から持ってくるとからしいけど。
・昼は会田高原の新蕎麦のほぼ十割蕎麦を頂いた。美味しかったが、新蕎麦の香りとはまた違ったような。十割は技術難易度が高いので、そういう意味では自慢にはなるが、その技術で9:1蕎麦作った方が私は好きかもなぁ。十割にする奴って多分だけど製粉段階からなんか違うんじゃないかと思う。精白度が高いというか、滑らかすぎるというか。
・ヴィラデストワイナリーから会報が届いて昨今の活動を知った。東御市はワイン特区になってるが、今度「日本ワイン農業研究所(JW-ARC)」という組織を作って普及研究をやるんだそうな。ワインアカデミーは塩尻などもやっていて、新規就農者を取り込みたい訳だが、前書いたようにワイナリーを新規で立ち上げて生計を立てるのは非常に難しい要素が多い。小規模生産者が単純に増える事は同じような業界の者としては心配も多い。それを実際に請け負い醸造やるワイナリーとしてJW-ARCを作ったのは立派だなと思う。まあ、実際はこれまでヴィラデストがやっていた事を独立した事業として切り離したんだけどね。とりあえず新規ワイナリーも一つ増えたそうで、これで「信州ワインバレー構想」の目標は一つ達成された事になる。ARCとは別のドメーヌナカジマという所で、作業場面積が81㎡の非常に小規模生産者さんだそうな。
・この話の後ですると辛いというか、悪意があるように思われるかも知れないが、先日買って読んでた「遊楽部ワイン物語」の富岡ワイナリーが苦労の末作られて、今どうなっているのか半分こわごわしながら検索かけたら以下の事が分かった。富岡ワイナリーは2006年に事業を札幌酒精という会社にゆずっている。本の著者の飯田清悦朗さんの動向は検索しても分からなかったが、昭和2年産まれという事を考えると御年87歳だからとっくに引退されているだろう。その公式HPも平成20年のペラ一の物から変わっておらず、ラインナップもビンテージ表記のない物が少数みつかるのみで、ほんと生きているのか怪しい。何が言いたいかと言うと、ワイナリーを建てるという目標自体は設定しやすくブームの間は維持できるかも知れないが、農業生活というもっと大きなテーマで重要なのは持続性ではないかという事。社会動向の変化や消費者の嗜好の変化、作物の改良などで農業の形はずっと変わり続けている。それはまるで川のような物で、そこに「ある」のだけれど、一方でずっと流れ続けていてはじめて価値があり、止まるなら川ではなく池や沼である。その川の一形態としてブドウがありワインがある。
・明日の予定 バッテリー充電して某機械のチェック行けるようにする
リンゴ収穫 藁運び(もうデラ園は一杯だから、巨峰園にでも置く)、作業スペースとして使えるかも知れない家の下見。元がブドウ農家さんの家らしいので向いているっちゃ向いている。聞いた限りだとちょっと住宅が集まった場所にある感じなので、そこは気を使う。普通の人は「平地で市街地に近いほどいい物件」なのだろうけど、私は「極力人里離れてる方がいい」と思っているぐらい(車が前提でね)。ただ、山里にはいると今度圃場から遠くなるし、そういう意味だとメインの圃場に近いのはいい。それを言えばそもそもメインの圃場の地主さんちも今空き家なんだけど、あそこは色々難しいからなぁ。
Posted at 2014/11/22 20:43:55 | |
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