2015年10月30日
・ホンダの自動車、どうしちゃったんだろうな?ミニバン専業メーカーになったと思ったら、次はリコールの嵐、今度はバカみたいに高いスポーツカーでタイムだけ出ればいいような物を連発である。NSXとかまあ死に体だったのを引っ張りまくったのは問題だし、スーパーカー作るのはいいんだけど、全体的にそっちに引きずられてシビックもFFでニュル最速とか、誰がそれをホンダに求めてるんだ?というピントがずれた物出してる。値段はバーゲンなんだろうね、性能からすれば、でもかっこわ。この奇妙なデザインのボトムレンジがS660だとすれば割と分かるし、欧州車も最近珍妙なLEDラインを顔に入れるの流行みたいだから、ホンダがというより欧州の車業界が迷走って感じを受ける。イギリスとかもっと趣味がいい車が沢山いたと思うんだけどなぁ。
・仕事が一段落したので、家や車関係を修繕。まずミニキャブはプラグチェックしたが、全然オイルの問題はなかった。残量も充分で、どうやらキャブセッティングが薄くなりすぎたのが問題の模様。という事でニードルを上げて、定期メンテの燃焼室クリーニングをしたら、かなりトルクがある回り方をするようになった。あとスタッドレスも引っ張り出してコンプレッサーでエア圧を2.5kgまで上げておく。今回はフルード交換とタイヤハウスの防錆塗装をする予定なのでちょっと時間を見ないといけない。
家では選果スペースの屋根の覆いを取り外して光が入るようにした。また、薪ストーブの煙突にワイヤーブラシを通して掃除、でも燃焼がいいからか、あまりススは落ちなかった。煙道はほんと綺麗なものだ。あとは、二重煙突にして重くなったからか、煙突がずり落ち気味だったので、支柱を入れて煙突を押し上げてやる。これで横引き部分が逆カントになっていたのも解消した。試しに焚いてみた所、引きも良好で煙もほぼ出ないで燃焼、室温も+5度ぐらいにすぐになった。まあ、これからが本番なんだけどね。
コタツは部材出したのだが、あと足が短い問題を思い出した。布団も長くなったので足延長して寝返りうてるようにするんだった。選果スペースでいくらでも木は切れるし、薪にもどこにも太い木は転がってるので、なんでもいい。
あと、薪置き場の屋根で部分的に張ってなかった所もカバーすべくトタンを買ってきた。これで全部覆えるし、やろうと思えば足部分にパッカー使ってビニールも貼れる。だったらトタンじゃなくて透明素材でもいいのだけれど、なんとなくトタンに。少し窓が暗くなるかもだけど。ところで、トタンで屋根を貼る時の問題は不透明なので桟が見えない事。穴を開けるのも結構当てずっぽになる。プロはどうしてるんだろう?と考えたが、すぐに「墨坪で線打ってるんだろうな」と予想がついた。実際野地板とかにも墨ついている事は良くある。私はこれまで墨壺は使った事なくて、あのレトロな奴ってなんだろう?と思っていた。学校の授業では習わなかったし。ところがホームセンターで見たら今の墨坪は割とオシャレで横向きにも置け、値段もまあまあ手頃。他にチョークを使うチョークライン引きとかもあったし、現代はレーザーという手もあるのだが、とりあえず墨壺を購入してみたところ。試しにやってみたが、綺麗にパーンと墨を打つのは慣れが必要そうだけど、一応線は引けた。明日はこれでトタン貼りだな。断熱材もあるので、通気口を塞ぐ作業もやっておきたい。
・あとは出荷の端数を知り合いの定食屋にやって食事してきた。今年は林道を造ると言っていたが、ユンボではなくチェンソーで木を切るだけとの事。出荷はまだ無理そうだな。で、そこで昨日見た国道沿いの新しい土場というか木材市場の話したら、薪の奴が一つ出来たのと、征矢野建材の需要がどうこうと言っていた。信州Fパワーという林業系のビッグプロジェクトがあって、木質バイオマス発電と製材を組み合わせた取り組みで林業を活性化しようというのがあるのね。背景には森林資源の材積が増えすぎて間伐など活用しなければいけない問題、ロシアの木材輸出減少など資源確保で国産材が再び競争力がある問題、地方の雇用の問題、もちろん化石燃料からカーボンニュートラルな資源へのシフトというのもある。
一方で、末端の林業家に関しては大北森林組合の補助金不正問題が発端で林業組合の不正受給があちこちで見つかっている。それほど問題になってないのは、金額や悪質性もあるのだろうが、大北が県の主導の不正だとごねたために徹底的に叩かれているので、見せしめに恐れをなして恭順姿勢を示して返金しているのもあるんかも知れない。まあ大北は不正受給した物を私的流用もあったので言い逃れのしようがない部分もあるのだが、他の所も林業組合なんて(以下略)。他は征矢野建材の建材をいかに県内で消費するかがある。やっぱり林業先進県の国産素材がかなり安いのに対し、征矢野建材の定価はちょっとおかしいぐらい高い。
よく使っている前田木材さんの徳島杉だと、平米単価が3200円ぐらいだ。欧州赤松で4000円、南部赤松というブランド品で7000円ぐらい。同じスペックの征矢野建材の安曇野の松(まず赤松)は平米単価が6000円と。5~2倍だ。信州の松が特別いいって話は聞かないので一般的な国産赤松フローリングの価格をえいやで出すと平米4000円ぐらいが相場で、かなり高い気がする(あと私は赤松はあんまり木としていい印象がない。材の性質って意味ではなく、植林して作る杉や檜と違い、赤松は荒廃地で勝手に生えてる感じなので、そんな手間かけて作る物じゃないからだ。もちろん枝打ちなんか見た事ない。密生するから勝手に落ちてる。材で見れば無難でヤニとかなければ製材後なら無難、製材で見れば曲がりがデフォなのでロスは結構あるはず)。つまり、地産地消と言ってもちょっと割高ですねぇって敬遠してしまうのだが、ここにはカラクリがあった。
定食屋にいた大工さんが教えてくれたのだが、今長野県は県産材の需要促進という事で補助金を出している。これは昔からあったのだが、結構厳しくて使いづらかった。とくにアマチュアが自宅のリフォームに使う場合はまず無理。ところが、今は材積ではなく金額に対しての補助で、しかも補助率が100%に近いケースもあるんだそうな。最低価格も以前は50万とかだったがかなり下がった。つまり木材の費用がタダになるわけで、そりゃ製材屋は強気な価格つけますわ。まあ、非常識なほど高い訳ではないし、県産材が地元で使われ、地元工務店も潤うというのはWin-Winなんだけど、その原資は税金な訳で、その話を上手く使おうか無視しようか迷う所。以前はかなーりチェックが厳しかったと思ったけど、今は対象拡大で申請は楽らしいし、事務手続きで二の足を踏んでいたので興味はある。ただ、これ、検索しても出て来ないので、業者向けだけにある裏メニューなのか、大工さんの間違いなのか不明。
・日本ワインの定義について国税庁が改めるそうで、3年後には「国産ワインは国内原料100%で国内製造の果実酒のみ国産ワインと名乗れる」とかえるそうだ。また産地表記に「原材料の85%を生産し、醸造を行った場所」という規定も加わる。ニュースのコメント欄を見ると、この「濃縮還元でも輸入バルク使っても国産って言える現在のガバガバ法制度」を知っている識者もいる反面、「TPPで法整備が進む」とか言う的外れなネトウヨ、喩えで出ている「霞ヶ関ワイン」について噛みついたりしている人、国産ワインはコスパが悪くて不味いと未だ思っている人など様々で興味深かった。
TPPと国産ワインはほんと関係ない。どうしてまたこんな恥ずかしい勘違いかミスリードするか分からん。すごい穿った見方をするなら、輸入原料が今後関税が無くなるので現在の基準だとなんちゃって国産ワインがムチャクチャ安くなり、本当の国産ワインが価格面で不利に立たされるってのはあるが、これはそれ以前からずーっと改善が求められていた案件であるし、TPPが契機だとしてもTPPで国産ワイン業界が何にも良くならないのに法整備が進むからいいって理由が良く分からない。霞ヶ関ワインは地名を商品に書いていいという流れで説明しているのであって、具体的な名前書いちゃ色々まずいからだろ。ただ、この問題は根が深いので後で解説する。国産ワインが高いのは残念ながら事実だが、不味いというのは多分ガバガバ国産の方だろう。確かに新興カルトワイナリーにはどうかと思うのもあるけど、少なくとも名前の知れたワイナリーの品質と値段は大体フランスのミドルレンジと互角って所だ。国産で五大シャトーみたいな物はまだ無いし、1000円台は品種自体が違うので比較の意味がない。ただ、1000円以下のチリワインとかに比べられるとおっしゃる通りでございます。そこは素直にデイリーはチリワインでいいんちゃうかな。
産地表記について解説しよう。これは業界人だと逆に知ってても言えないからね。なんで原材料85%と製造地(多分県単位)を表記出来るようにするかと言うと、そうでないケースがままあるからだ。たとえば長野県の原料ブドウを山梨のワイナリーが購入してワインにしてくれるケースとかね。これをどこのワインと言うかはワイナリーのマーケティング次第だ。具体名は避けるけど、山梨の老舗ワイナリーがあって、そこが高品質が高山村原料を仕入れてより良いワインを作った場合は、普通は山梨県って書く。逆に有名メーカーが全国展開しているブランドで長野県の特定地域の原料のブドウをアピールして発売する場合、プラントは山梨にあるけれど信州ワインという面を前面におしてくる。どっちも悪意や騙そうという気持ちでやっている訳ではない事はご理解いただきたいと思うのだが、農家の立場から言えばもちろん「生産地=製造地=ラベル表示」であって欲しいと思う、ワインは農業的な産品だからだ。
そうは言っても、酒造りというのはえてして資本が必要で、特に醸造施設には莫大な金額がかかる。大きい奴なんかいくらかかってるのか分からないけれど、600本とか1000本レベルのマイクロワイナリーでも5000万円、5万本前後のミニでも1億円、もちろんスタッフや運用費用もかかる。それをブドウ産地ごとに設置するのは非常にコスト高になってしまうのはおわかりいただけると思う。一つの醸造施設がより広域的に原料を調達する事は、施設稼働率の向上にもなるし、醸造家の技術向上という点でも(多少産地ごとの個性は薄れるかも知れないが)仕込み回数が増えるだけに有利かも知れない。たとえばフランスなんかでも、ブルゴーニュなんか1桁ヘクタール単位の手作りワイナリーもあるんだけれど、そもそもブルゴーニュって土地の面積が30万平方キロあるわけ。長野県は13万平方キロ、山梨が4万平方キロなので、行政区分で県を分ければそうなんだけど、世界の生産スケールで見れば一つに落とし込んでも全然問題ないし、よって原料の融通はして当たり前だ。だから国税庁の通達はとっても農家よりの厳しい基準だと私は思う。
じゃあ表記がいらないのかと言うと、これが神奈川県で作られる信州ワインみたいな話になると困るわけ。さすがに神奈川県にブドウ産地はないのだが、実はプラントは日本最大だからだ。あと、距離がそれだけ離れると、さすがに輸送時の痛みがバカに出来なくなる恐れもある。だから、あえて原則論にしてあるのだろうと思うし、「霞ヶ関ワインなんて例示はアホじゃないか?」って指摘は、そうじゃなくなる恐れが本当にあるという事なんである。
Posted at 2015/10/30 19:36:36 | |
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