2015年12月07日
・苗木の植栽間隔、1度作ってあったが他の意見を入れて見直した。ペイントツールで作ってあったが、やろうと思うと割と簡単に苗木の枝の線の色だけ消すという事が出来たので、作業は楽だった。消しゴムツールで色1を消したい色、色2を背景色にして、右クリックで作業すると特定の色だけ消える。ただ、下の線は当然消えてしまうので引き直しが若干必要。あと、直線引く定規欲しいと思っていたら、シフト推しながら引っ張れば真っ直ぐ引けるのね、そういえばフォトショでもそんな事を習ったわ。
・さて、樹冠面積だが、これは経験が蓄積されている途中で、2008年~2010年の山形農試のデーターだと樹冠拡大が早いのはやっぱりH、I型でWH型は樹冠拡大が遅いので、累積収穫量は5年目で500kgばかり少ない。ただ、5年で500kgと言えば一年で100kg程度であり成園で見れば誤差の範疇になるし、5年目以降はもちろん同等だ。品質についてはデーターにばらつきが多いのだが本文だと「同等」とあるのでいいんだろう。長野県の栽培マニュアルだと「主枝長さ7~8m,最低70平米、標準100平米」とあるので、ほぼその通りにするには逆にWHかE型にせざるを得ない。H型だと主枝が10mはないと100平米にならない。
逆に樹冠を広げるべきという論拠としては苗木をけちれる他、乾湿害に強くなるという事が言われている。つまり、その心配がない機械潅水が出来る場所ならコンパクトに作ってもいいが、そうでない場合には広げた方が安全という事である。これはTR比が適正になる事だと説明される。特にシャインの場合、裂果には皮ごと品種という事を考えると驚異的なほど強いようなのだが、カスレの原因として最近この乾湿害が言われ出した。カスレは完熟果の果皮に見られるようになるアザというか斑点で、見た目が良く無いし病害だと思われていたのでランクが下がってしまっていた。しかし、詳しい病理分析の結果、これは果皮の内側の細胞が破れて内部に液体がしみ出すのが原因と分かった。一応外因性のスレでもなるであろうが、ここまで成熟とリンクしているので、細胞壁が弱くて破れた、内部で裂果の小さいのがおきているような物だと判断されている。防ぐには裂果対策と同じ事をする事になるので、樹冠拡大も有効とされている。
・ところで、うちのデラの失敗園についても、「もしかしたらアレか」という事を考えている。それは窒素の過剰施肥だ。今月の現代農業で出ていたが窒素が強いほど細胞壁が弱まり病気に弱くなるという話が出ていた(いわゆる徒長)。デラ園は別に徒長するほど強くないし成分施肥でも窒素の過剰は無かったと思うが、草生栽培でのヘアリーベッチを2、3年続けていた。結局ベッチは絡まりすぎるのと草生栽培の難しさで退治する事になったのだが、あれだけのベッチだとかなり大量の窒素が取り込まれたはずで、それが裂果にあそこまで弱い木の原因かと少し考えられる(まあ異常気象は地理的要因が大きいが)。なぜその可能性を深く疑わなかったかというと、デラが古木や障害木が多くて徒長するほど強樹勢ではなかったと言うのが大きい。雨よけ園なんかもっと徒長するが裂果はしない。だから隠れ肥満というか、痩せて見えてもメタボな人がいるような感じだったのではないかと思う。
・このシャイン、数本を近所の農家さんにも同時に買ったのだが、やっぱり計画植栽、平行整枝の意味を理解してくれてない。後でなんとかなるわ、って感じで困る。確かにブドウにはそんな所もあって、老化木で新短梢に切り替えとかも一応出来るのだけれど。
・電動剪定ハサミを実戦投入してみた。リキシオンとかではなくて、中国製の怪しい奴だけど、価格は1/7ぐらい。リポの別体バッテリーで一応昨年から少し使っていたが、棚の枝を切るのははじめて。色々改良点は見つけられるが、一言で言えば「電動使うと手動には戻れないな」ってぐらい快適だった。こいつは刃の開き具合が2段階に調整出来るが、巨峰でも1段階目で充分で、その速度でスパスパ切れる。別に奥まで挟まないでも切れるので根本まで噛ませる必要がない訳だ(一応その範囲では奥に入れてるけど)。反動が全く無く、トリガーのレスポンスも鋭く、なんか面白くなってきた。また右手でも左手でも同じように切れるので、案外左手で持って右手で枝引っ張るのがいいかも知れない。棚の進行方向を問わない。あまりに軽く切れるので、手ハサミで切ってみたら普通タイプはかなりきつく、ラチェット式でも3回ぐらい握る必要があった。さらに切れた時に衝撃がかなりある。他には刃の形状が良くて、普通のは先端が少し尖っているし、ラチェット式は逆に少し引っ込んでいて先端でツルを切るのは苦手なんだが、こいつは案外思った所を切れる。
デメリットとしてはまずは重量、肩というか広背筋のあたりが痛くなった。慣れもあるだろうけど、持ってる負担がそこら辺に来る。ただ筋力で持ち上げる種類のこわばりは生じなかった(肩には来ない)。バッテリーは腰ベルトの袋に入れたので重さは特に気にならず。先端は書いたように使いやすいが、やっぱり棚線に深く絡んだツルなんかは切りたくない(棚線も簡単に切ってしまうため)。
要改良点としてはまず電源スイッチが本体になくてバッテリーのみな事。少しハサミを置きたい時にバッテリーボックスを探す必要があるし、ケーブルとスイッチが逆方向に出ているので、スイッチを手前にするとケーブルが遠くなる。本体には電源ランプの類もないので、通電しているかどうか簡単には確認できない。トリガー引いてみるしかない。また開き具合を調整するスイッチのクリックがなくて軽いので、少し心配ではある。今の腰袋はハサミまで入れる大きさがないので、そこらへんも使用者が適宜工夫する必要がある。
サイズや握りやすさに関しては、リキシオンとかの方が小さかったと思うが、別に不便に感じるほどではない。でも女性だと少し大きすぎるし、オーバースペックにも感じるので、もう少し軽くて小さいブドウ専用ぐらいのが欲しい。これだと梨とかまで対応は出来るだろうけど。SSもそうだけど、ブドウって専用なら小型な物がいいのだけれど、他の物と共用になると大きい物をあてがわれてしまう感じがする。
それにしても今年は枝が弱い!1m無いような枝が沢山あったり、主枝が干上がってるのもある。夏場に日照不足と多雨で玉伸びして養分が果実に吸われ、収穫が遅かったというトリプルパンチが2年連続だとさすがに木がかわいそうだ。来年はせめて2/3ぐらい、1スパンで12房の所を8房程度にしないと終わるな。
・棚線の緩みはアンカーがあれから抜けてるのが1箇所見つかったが、他は緩みみたい。隅柱まで緩いのは少し気になるけれど、特定方向だけは強いので大体の理由は推測がついた。多分道路拡張でステン線に張り替えた時はまだ木があったので重かったけれど、それから木を切ったので軽くなったのだろう。間柱が妙に高くついていると思ったが、恐らく伐採時は間柱を抜いたが、そうしたら棚線がダルンダルンになってしまったので、埋めずに支えとしてだけ戻したのではないだろうか(畑をやってた)。
植え付け位置は柱立ててアタリを付けた。図面より一つずらした場所もあったけれど、概ね均等で管理しやすい場所になり、SSの周回方法も決まった。棚下短梢はSSがまたぐ部分で果実を傷めやすいのだが、間柱を抜ける分はじっこの回転は楽になる。うちの巨峰園だと際に植えてある木があったりして非常に厄介だったりするのだが、ここは比較的楽そうだ。
・仕事はあとは枝焼き、一年放置だったので大分弱くなっていて、ほとんど炭にはならないだろうと思っていたが、さすがに量があったので軽トラ1杯分以上は出来た感じ。今回はユンボでかき混ぜながら消火したので、ドラム缶1本ちょっとで鎮火できた。消防署に揚煙届けを提出したときに、「今朝消防車見たけど、ライトまわしてたけど乾燥注意の広報じゃなかったようだけど」と聞いたら新型車両が導入されたそうだ。以前から見ていたタンク車(4tベース)に比べるとかなり小さい2tクラスに見えたが「タンク車の更新ですか?」って聞いたら「あれはポンプ車です」と言われた。まあ、2tだとポンプ積んだらタンクなんて積めないけど、今は消防署はタンク、消防団がポンプって感じだと思うが、「CAFSが導入されたんです!」と言っていた。
CAFSというのは発泡消火のことで、ただの水じゃなくて発泡した泡を送る方式です。泡にする事で少量の水で高い消火能力が得られるので、放水による建物への被害(水損)がおさえられるほか、ホースが軽く反動も減るので筒先の負担が減ります。実際消火活動だと毎分200リットル程度は放水しているのが3本、4本と数時間放水するので現場ってグチャグチャになるんですよね。窓ガラスなんかに当てれば当然壊せますけど、そういう判断は団では出来ない(煙突になっちゃうかも知れないし、財産破壊にもなるから)。だから外側からずっと水かけてるだけになります。ただ、そういう延焼防止の放水はぶっちゃけ団のお仕事で署の消火活動はもう少し専門性と積極性が高い。
今の家は内部で燃え出した場合、外壁は耐火仕様が義務付けられてますから簡単には穴があきませんので、外から直接火元に放水消火が出来ない。だから内部に上がりこんで消火する必要がありますが、有毒ガスだの煙にまかれるだの危険性が大変高いので装備が充実し訓練を受けている署の人たちがやることになります。で、彼らは1サイズ以上細いホースを引っ張って入るのですが、通常でもあのホースってかなり重い訳です。そういう室内アタッカーにはCAFSってのは有効なんだろうと思われます。タンク車でもCAFSはありますが、今見たら5.5tクラスなんで小回りが利かない。初期消火に関してはタンクで駆けつけ給水ラインを設置、そっから必要ならCAFSにするとか、狭路用にポンプ更新してCAFS付けたとかそんな感じでしょうか。現場で活動することが少ないほうがいいものですが、それでもより高度な消火能力獲得には期待したいところでした。ええと、そうそう、炭焼きでCAFS使うよりユンボでかき混ぜたほうがいいって話でした(だっけ?)
・最近はVHVI油(HIVIって書いてるメーカーもあってただでさえ混乱しやすいのに困る。高度水素精製油)が化学合成扱いになって末端消費者は選びづらくなっています。別にVHVIが悪いとか良いではないのですが、価格差と表示がPAO系と見分けられないのは問題ではないかと。二つが完全に同じ性能ならいいのですが、よく「粘度指数はVHVIもPAOも120前後だから同等!」って主張を聞くと「粘度指数だけがオイル性能でもあるまいに」と逆に怪しく思ってしまいます。
まあ粘度指数は重要ですし、潤滑性能だとリンが含まれている分、PAOとミネラルオイルだと後者の方が潤滑性能は高いそうです(あくまでベースオイルだけの話しね)。ただ、私がもっとも問題にしたいのは「耐熱性」です。そんな激しい走り方しないでも、エンジンの中って部分的に結構高温になってたりします。油温80度でもピストンスカートなんかは茶色く焼けてたりするわけです。そうやってスラッジが発生すればオイルは汚れますし、洗浄性能も低下します。たとえばエステルベースなんかは耐熱温度が1000度あたりまであるので、この熱スラッジが非常に発生しづらいように感じますけれど、VHVIがどの程度耐熱性があるのかどこにも書いてない。それがわからない以上、化学合成とか言って売るのはやめて欲しい、というかこれもアメリカさんの身勝手なやり方に毒された感じらしいですけどね。
Posted at 2015/12/07 21:57:05 | |
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