2018年08月23日
・グーグル先生は最近検索したワードでニュースにぶっこんでくるから怖いわ、いつ私が群馬県民になったのかはおいといて。さて、Nバンのニュースを押しつけられて見ているが、改めて勉強になる点が多数あった。ああ、こういう事やっていいんだ・・・って発見というか。まず一番びっくりしたのは助手席が明らかに折りたたみのためのエマージェンシーシート扱いになっていた点。しかし、その分のスペースとコストを運転席にかけていて、軽貨物としては異例なほど出来がよさそうだ。これ、考えれば当たり前だし、乗用車でも見た目は同じでも助手席は運転席より作りが悪い事は良く合った(カローラとかそうだった)。
次、シートレバー類をオレンジにして目立たせてあるのも良い。サンバーもそうなんだが、折りたたみハンドル類を内装と同じ色にして目立たせないのが良いデザインという考えが一般的だが、探すのに苦労するのでアレほんとやめて欲しい。ホンダはここを思いっきり切り替えてきた。これはテープなり塗装で真似したいな。
地味な所だと大きなフットレストを装備しているのは良い。逆に私がついていけないのはハンドルにいろんなボタンを付けている事。デミオで懲りた。そりゃ便利なケースもあるだろうと思うというか、オーディオ本体の操作系が悪すぎるんだろうが。他に感心したのはメーターが指針式で結構色々表示がある事(モデルで違うのだろうけど)。今はマルチディスプレイの方が簡単なのでデジタル表示が進んでいるけれど、やはり業務ユースで大まかに見るには指針式の方が優れているのか、あるいは耐久性の問題か。
外装では空力的付加物や工夫が見られるかが興味があったのだが、目立って「やってるな」という物はなかった。一見してないから工夫してない訳ではないが、出力に限りがある物ほどそこらへんでツメてくるのでちょっと残念、フロア下がどうなっているかぐらいか。もっとも、バン形状は空力的に見てそれほど悪くはないのかも知れない。いや、ワンボックスはもっともCd値大きいだろ!と言われるだろうし、セダンに比べればそうなのだろうが、例えばミニバンとワンボックスを比較すると一見空力的に優れていそうなミニバンよりワンボックスの方がCd値が低いようなデーターもある。って研究結果を見ていてふと思いついた事がある。その研究はセダンとミニバンの空力特性を翼に見立てて、高さ方向の中心点を結ぶ線を翼形だと見なすと、翼の迎え角度と見る事が出来る(是非は後で議論)。その角度がセダンはマイナス1度ぐらいだがミニバンはマイナス6度と下を向いている。つまり翼が下向きになっている(降下している)ような感じになる、と書いてある。
さて、翼の迎角を中心で考えて良いのか?無論良く無い。古典的なクラークYだろうがNACA系のだろうが、多分抗揚力比が一番高い迎角を結果的に水平と考えているのだろうと思う(一応センターに線を引いて図面化してあるだろうけど)。でもまあ、実際には中心線で結んだ翼形とかけ離れた角度でもないだろう。で、迎角が付くほど揚力(マイナスも含め)が発生して、それは抵抗とほぼ同義になるので、理想は揚力が付きづらい翼形でかつ迎角も付かない事、になる。ソーラーカーなんかはまさにソレだ。で、あれをその形のまま上下に肉を盛っていくと・・・実はスラントノーズを持つミニバンではなく上下で差が少ないワンボックスになる事が分かると思う。あれ、スーパーカーなどいかにも速そうなウェッジシェイプより、マヌケなスクエアデザインの方がいいの?ってなる。まあ実際は今のワンボックスはいろんな理由で多少はボンネットを持っているのだけれど、あれを低くする必要はないのかも。
と無駄な事を考えたが、そもそも軽のハイトワンボックスの断面系は上下より左右の方が狭い。であれば走行風は上下に分けられるというより左右に分けられているのではないだろうか?だからワンボは横風に弱いと言われるが、それは無論横面積が大きいって事もあるけれど、本来なら風を受ける中心と重心が同じならそんな怖くない(平行に移動する)んだけれど、実際は翼を立てて、垂直尾翼的な空力特性を持つため、敏感になっているのでは?とも思うのだ。
そうなると車体底部の空力特性を云々するより側面を考えた方が良くなり、実際Nワゴンなんかは底面処理はすっごいテキトーである。ハッチバックで低いアルトやミライースの方がそこはシビアに処理してきている。まとめてみるが、走行抵抗となるドラッグの低減に関してハイトワゴンやワンボックスは上下で気流を分ける主翼的な考えより、垂直に分ける垂直尾翼的な現象になると思われ、その場合にはサイド気流の再集合の方がドラッグの低減に有効では?という事になる。まあリアの処理はそれでもあまり差がないというか、テールゲートの存在であまりいじれないとすると、左右にいかに風を上手く分けるかが課題になる。
垂直尾翼を考えるなら、これは斧を立てたような形を想定する事になる。近いのは船とか列車であろうか。列車なんかはまあもっと複雑な形状をしているし、船は水の抵抗の方がはるかに大きいので空気は二の次だと思うが。でも比較的低速で走ってる列車なんかは頭の部分は寸胴切りに近いからそれでいいよな。で、列車の話だったと思うが、あれだけスラントした長いノーズを持つにも関わらず、実際の空気の圧力は車体のずっと前で高まっているのだそうだ。分かりやすく言えば雪かきで雪を押すと、そのずっと先まで一緒に押されている。無論雪かき自体の抵抗は少ない方がいいのだが、圧力が出来る形がドラッグをヘラしてくれるなら、抵抗を多少増やしても釣りが出るという事である。ま、ここは見ても正直分からない。ただ、Nバンでは2点ほど「左右面の空力的性能を高めるデザイン」と、1点の傍証がある。
まず左右面で分かるのは側面ビードとルーフ接合面のでっぱりだ。強度を上げるための絞りや製造上必要なでっぱり、あるいは水切れのための水路でもあるのだろうが、その前のバモスにはなかった。狙いとしては気流をまっすぐ後方に向かわせ上下に回り込ませないとかなんだろう。単純な抵抗としてはビート無しの真っ平らな方が低いはずだし、部材もいるだろうが。またルーフ接合面のはデザイン的にはむしろ見苦しい部類だと思うが、それも同じ効果を感じる。そしてリアはルーフから下に向けては何もないけれど、リアのランプはわざと飛び出させてから絞り込む形にしてある。整形が楽なランプは空力デザインされる事が多いが、これで左右からの風を処理しているんだろう。その結果だが、ハイルーフ車とロールーフ車で燃費の差が全くない事になっている。車高でなんと100㎜、パーセンテージで5%も違うのに燃費が同じというのはCd値が5%も良いと言う事になる。ロールーフが悪いというより、ハイルーフでも幅方向で空力特性をコントロールしているから影響をあまり受けないとかじゃないだろうか、わからんけど。
Posted at 2018/08/24 03:32:36 | |
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