2014年10月31日
・F4の話でコメントを頂いて、M61A1,通称バルカンの命中精度が低いというお話があったので、どういう物なのか調べてみた。バルカンは20㎜のガトリング砲であり、F104以降の米軍機の基本兵装になっている他、CIWS(ファランクス)なんかにも使われている。で、こいつの命中精度は1000フィートで8フィートという情報があった(その円内に8割が当たる)。300メートルで2.4メートルって、それマジで酷いな・・・これ以前は米軍はブローニングM2という50口径の傑作機関銃を搭載していた訳ですが、こいつはアルゼンチン紛争以降遠距離精密射撃に用いられるほど命中精度が良く、同じ弾を使うバーレットだの対物ライフルは記録的な命中度を誇ります(たとえば1000ヤードで4インチだから900mで10cm程度ですね)。単純計算だとバルカンだと3倍だから7.2m円内に当たるかどうか・・・
さらに、バルカン砲ってのは銃身が回転してますんで、弾丸がそのズレを受けながら飛んでいきます。銃振り回して当たるはずないですよね。それを見越した照準をすればいいかと言うと、今度バルカン砲はスイッチ押してから規定の回転数にあがるまで物理的なロスが0.5秒ほどあるそうで、その間は弾数が減りますし、ズレもまた違ってくるそうです。もうね、どう考えても空戦向きの銃には思えないです。一瞬しか射撃のチャンスがない空戦で、トリガー引いたら最初はチョロチョロ、しかもバラバラに飛び出す弾。
また弾速は物理的な限界があるので知れてます。初速は900m程度と20㎜としては頑張ってますが、M2なんかも似たような数字です。あと、恐らくですが、弾道がたれるんじゃないかなと。零戦のパイロットなんかも空中戦での20㎜の使いずらさを書いてますが、威力があっって当たれば強いが、弾道が弓なりで遅く当たらないと。発射速度はバルカンは4000~6000発/分で使っていると思われますが、M2が700発前後ですから確かに速い。ただ、米軍機は翼内に4丁なり6丁を並べて配置しているので、6丁積んでるF4F(ワイルドキャット、WW2のプロペラ機ね)とかと似たような物かなと。射程は3kmほどと、50口径の2kmあたりと比べると遠くまで飛びますが、計算だと3km先だと24mの円内に、3秒後に当たるんで、当てられたらエスパーです。まあ米軍機ならその距離はミサイルの交戦距離でしょうけどね。
じゃ、バルカンでドッグファイトはダメなのかと言うと、この予測命中円がでっかい事、機首なんかに積んでて弾のゼロインは考えなくていい事なんかはメリットでもあるんですね。一種の散弾みたいな使い方なんだと思われます。さらに20㎜の場合、弾頭が選べます。12.7㎜だとりゅう弾は仮に作れても威力不足なので、せいぜい焼夷徹甲弾らしいのですが(対空でFSDS使うかな?CIWSはコレ)、バルカンはりゅう弾がデフォで使えます。近接信管のりゅう弾をばらまけば、一種の対空砲火的な当たり方をする訳で、直撃させる必要はないわけです。ま、これはミサイルも同じで、あれも近接信管とかのはず。
他にF4ファントムの弾が当たらなかったと言われる原因で「そういえば」と思って出てきたのがバルカンポッド問題。いやね、F4に固定武装がないと言ってもバルカンポッドで外部のハードポイントにその手の物付けて色々使えたはずだよな?と思って調べたら、固定武装が付いたのは空軍型のF4E以降で海軍型のF4Jとかはバルカンポッドを使ってました。F4は当時としてもかなり大型の機体でした。ミサイル8発積めて強力なレーダーの複座型で2発でマッハ2が出せる、マルチロールのヘビーファイターな訳です。その性能は優秀だったので海軍も空軍も使った訳ですが、海軍の場合空母に搭載するのにスペースの限界があります。あんまり長いとエレベーターに乗らないとか出てくる訳です。なので空軍型はノーズ伸ばしてそこにバルカン積んだみたいですが、海軍はそれが出来なかったんですね。んで、外部にのっけたバルカンポッドは案の定弾がぶれまくるわけです、機体のロール軸から遠い場所にありますし、あんま無茶は発射速度出すとぶれますし(反動が2tだとか)。
そういう事もあったのか、F4はすごい長命な機体ですが、海軍が一番先にF14とFA18に切り替えて1986年に退役してます。一方空軍は1996年までアイダホ州で使っていたそうですが(てか、州に軍隊あるの!?)、一般には1991年で終わっていたようなので、言うほど差はないかも知れません。つうか、日本はまだ使ってるんだよな・・・そうそう、F4は元が海軍型で、空軍型は当初F110と呼ばれていたそうです。もちろん、センチュリーシリーズには普通は含めません。
そうそう、目視レンジでの発射という政治的制約がスパローの戦果を落としたと先日書きました。具体的にはスパローのベトナム戦争初期の撃墜率は7%ちょいだったそうで、そりゃ駄作って言われるよな・・・では、なぜ目視してから撃つようになったかと言うと・・・やっちゃったんですよ、フレンドリーファイヤー。IFF自体は第二次大戦時にもうあったようにWikiには書いてあるんで、ベトナム戦争時にも当然あったと考えるのが自然ですが、まあファントムがファントム墜としてしまったんで、IFFあるけど目視もやろうねって事になったようです。ちなみに、現在の米軍の交戦規定ではIFFの確認だけでミサイル発射出来るように改まっているそうなので、ワンサイドゲームが復活しています。また、F22などステルスのIFFは当然ながらトランスポンダーの返答やっちゃうと意味ないので、データーリンクシステムでやってますから、同士討ち対策に関しては米軍も色々考慮しているんでしょう。
逆に言うなら、IFFなり戦術データーリンクはステルスやミサイルキャリアーのアキレス腱だと思われます。大規模侵攻で自軍の連携も諦めるならジャミングしまくれば肉弾戦、少なくともIRミサイルのレンジまでは接近出来ちゃうかも知れません。そしてF22はステルスながらF15以上の機動性を持つという変態なんですが、模擬戦では撃墜判定をもらっているのがこの手の格闘戦という話もあります。一つはEF2000(ユーロファイター)なんで、まあ分からないでもないですが、もう一つがT38タロンという高等練習機だそうで。これは西側同盟国向けの供与機のF5の練習型ですね。
他にちらっと聞くのはデコイ兼キャリアーであるドローンを戦闘機に混ぜるってな計画もあるみたいです。実際、エースコンバット6でそういう敵が出てきますが、本体はステルスに近くロックオンするとすぐにドローンが割り込んでくるし、ドローンは無人機なので変態機動するしで、かなり厄介な敵でした。全てのドローンに音速性能とか持たせると、もうそれ単体で使えばいいんじゃね?って事になると思うので、あくまで戦闘機に随伴させるって考え方にはなりますが(そういやマクロスFでも御曹司がドローン運用してましたね。あれのAIはX9ゴーストの機能限定版って事が分かる描写がありました)。
Posted at 2014/10/31 09:31:45 | |
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2014年10月30日
・最後の収穫をした。ケースで20ぐらいを荷造りすれば今年の出荷は完全に収量する。なんか例年より達成感があったというか、妙にクッキリと終わった感がある。最後の方に出荷を集中させたからかな。朝方まで荷造りしてたので軽く昼寝したのだが、その中でやけに印象的な夢を見た。
私はとある紳士と街を歩いている。私達は誰かを見舞いに行こうとしているようだが、その人は死にかけているらしい。紳士はモーニングに山高帽というクラシックなスタイルだ。病人が伏せっているはずの場所に来たら、そこではかしましい淑女が何人かと話しをしている。この淑女もシェークスピアの劇のような重厚なお召し物をしているが、活発におしゃべりしているので宝塚の役者のように見える。紳士と淑女は知り合いのようだが、紳士はその女性を嫌っているようで、やや憮然とした面持ちで眺めている。病人は彼女だったのだろうか?
建物には入らず、さらに街の道を歩いていくと、向こうに紳士そっくりの格好をした人物が歩いて行くのが分かる。それまで超然としていた紳士が少し驚きながら、自分がその人物に憧れて真似た存在である事を明かす。確かに、そのオリジナルの存在はさらに神々しく、まるで白く見えるほど輝いているのだが、顔の部分は黒くて一体どんな人物か分からない。そんな所で目が覚めた。
寝ぼけながら、「ああ、あれはブドウの木だな」と漫然と思った。きっと根っこが養分を取り合って仲が悪いのがおるんだろう、みたいな(笑)。じゃあ、紳士はあの木で、淑女はあの木で、超紳士は・・・どれだ?となる。いや、もっと漠然とした象徴であって、紳士と淑女はブドウ園の二つの側面なのかも知れない。栽培技術や管理と言った人の技、理性や知性の権化である紳士と、自然の厳しさと優しさ、コントロール出来ない恵みを表した淑女、ロゴスとグレートマザーみたいな物だろうか。いや、女性はどう見てもグレートマザー的な優しさは感じなかったけどなぁ。紳士は自分と同一視はしてないが、一種のシャドーで、あの超紳士が恐らくワイズマンなんだろーな。びっくりするぐらいステレオタイプな解釈がなりたつ。
夢に全てのアーキタイプが登場する必要はないかも知れないが、この大きなマップの中で大きく欠落しているのは大地母神キュベレイでありグレートマザーであるし、紳士はそれらをあまり好んではなかった。となると、死にかかっていて訪ねていった先はグレートマザーで、しかしその表層部分であるアニマしか見られなかった考えるべきなんだろうか。ま、厳密な分析だと私は女じゃないのでアニムスがいないはずで、でも紳士はアニムス的なので、無理矢理そういう分析をする必要もないんだけどさ。
・ゲーム機の接続がめんどい。うちのは全部D端子接続にしてあるが、テレビにはD端子は1つしかない。繋ぎたいのはPS2.PS3,XBOX360。このうちPS2は多分HDMI接続は最初から存在しないし、今からケーブル足すような物でもない。XBOX360は付属品がD端子ケーブルだったが、HDMI端子も存在する。PS3はケーブルすらないので、買わなければならないぐらいだ。そうするとX箱とPS3をHDMIにするか?そうすればテレビはD端子1のHDMI2なのでセレクターいらない。
ただ、その前に結構嫌なのは、テレビのスピーカーはしょぼいのでサラウンドシステムに接続しているのだが、そっちはピンプラグ1,光1とかと少ない。本来はテレビから再び出力できればいいのだが、テレビの音声出力は地上デジタルのみなので、各入力の音声は出せない(と説明書だとなっている。もしかしたら繋いだらあっさり出たりすると嬉しいが)。するとHDIMI接続のはしょぼい音声になってしまいそう。
・車で移動していたら、女子高生がなんか咥えて自転車に乗っていた。パンかなーと思ったが、なんか口元にヒラヒラしている物があり「まさかタバコ?」と思ったら、ラップで巻いた白米のおにぎりだった。嬉しい、嬉しいんだけど、なんだろうこの微妙な感じ。
Posted at 2014/10/31 03:05:22 | |
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2014年10月29日
・腰が痛くてお休み、収穫まではしたんだけど、1日立ちっぱなしで重い物運ぶと辛い。今回は足首の柔軟性がなくなったのが腰に来た感じで、それほど痛いって訳ではないんだけどだるくて危険なので。夕方になって選果を軽くやって、補充で収穫、もう明日で今年の収穫が終わるなぁ。出荷終わったら、ワイン会で飲みまくって、雑草退治して、バイク乗って、防風ネット張って、ゲームして、堆肥まいて・・・フラグなんだかフラグじゃないんだか。
・三鷹市のブランド品の一つ、キウイワインというのを頂いた。いろんなフルーツワインを地場産業の活性化で作る取り組みは評価したい。三鷹に住んでたけど、あんまりキュウイ作っていたイメージはなかったが。生産緑地があちこちで保護されていた記憶はあるんだけれどね。まあキュウイはそれほど産地を選ばないかも知れないし、自分の経験から見ると栽培は楽な部類に入る。最近はゴールドキュウイとか美味しいよねぇ。輸入品でも一個100円ぐらいだから、手間考えたら国産でも生食で太刀打ち出来そうだけれど、取れる時期が遅く、そこから追熟があるから、個人で販売するのはちと辛い商品だ。
ソレはともかく、飲み物としてどうかなんだが、ビールの瓶に入っていて発泡していて、製造元も越生ブリュワリーというビールっぽい名前のメーカーだ。しかし検索するとここ、ワインからリキュールからビールから日本酒までやっている麻原酒造という所のブランドの一つだ。とは言え埼玉らへんでブドウはそれほど作ってないので原料は山梨などから買ってるみたい。発泡具合から吹き込み方だとは思うが、それなりに発泡していて美味しい。甘口とあるが、キュウイがかなり酸味が強いので、ベタベタに甘くはなくスッキリと飲めるかな。
ただ、酵母のせいなのか、装置のせいなのか、偶然なのか分からないのだけれど、飲んでいるとビールのように感じる時がある。いやね、ワイン作れる所だから、なおさら断定が出来ないのだけれど、先日ましのワリナリーの信濃リースリングを飲んだときにも感じたのだけれど、「そのワイナリーの本業のお酒の味が副業で作っているお酒でもする」気がするのだ。ましのはシードル・林檎ジュースが強いので、どこかシードルの風味を感じた。ここのはビールの感じがする。醸造責任者の方向性がそうさせるのだろうか?別に樽を共用している訳でもないだろうしなぁ(スパークリングはステンタンクが普通だし)。
・先日の中間管理機構を絡めた地域の農業の未来についてつらつらと書いてみたい。まず、大まかに見るなら、農地と宅地のせめぎあい問題があるわけ。以前は農地は相続して20年耕作すると相続税が減免になっていたので、宅地化したい人達はそれにすがって耕作してきたわけだが、最近になって耕作をやめればどのみち相続税という事になった。一面を見れば農家への土地貸し出しが増える可能性があるが、一面では相続税払っても転用かけちゃう諸刃の剣かな。農業振興地域であっても中に家たたるのはほんとやめてほしいけど。ただ、宅地は利用率が低下して空き家が増えているにも関わらず、アパートなんかを新築するという、言ってみれば「宅地の遊休荒廃地化」が進んでいて、無駄に農地つぶすのがおかしい訳。政府も未利用住宅への課税を増額して食い止めようとしているが、日本では住宅の資産的価値がすぐに減ってしまうし、古い家はスクラップアンドビルドでないと快適にはならないので(欧米の石造りの家だと筐体そのままで内装リフォームで新築同様に生まれ変わる)、100年住宅が増えれば・・・という前提条件が厳しい。
農業で言えば「後継者不足」が問題であり、例の中間管理機構が言う「農地集約による効率的な営農」というのはこと果樹に関して言えばあまり当てはまらない。平地の水田でもインフラ的にも現在の一枚2反ぐらいが限度じゃないかなぁ。ただ、青年部支部長が質問していたように、管理機構は白紙委任で受け持ち貸し出すので、水田を果樹に改植するとかに関してのハードルが(制度通り進むなら)低くなる。よって、水田を管理機構から水田として受けて果樹にしてしまう人は増えるかも知れない。もっとも、現在の農地の賃貸借は耕作者の権利が高く設定されているので、よっぽどでなければ貸しはがしは出来ない事になっている。一方、管理機構は10年で確実に一区切りなので、そこで地主が返してくれってなる事はありうる。まあ、地主が果樹を出来るケースなんてないだろうから、それも困るけどね。
差し迫った課題としては、現在の優良園地の引き継ぎによる産地維持,問題なのだが、これは他の多くの参加者も言っていたが「そもそも現在主力に位置づけられている人・農地プランの中核農家はすでに手一杯回していて遊んでいる訳じゃないから、優良園地を借り受けられない」って問題がある。別に機構通さなくたって、優良園地であれば上がりは相当になるので、紹介があれば借りてるだろう。現実には出てくるのは不良園地なのか、受ける余裕がないかである。唯一考えられるのは、現在借りている農地の不良部門を捨てて新しい園地に乗り換える事だが、それやると産地全体は守れない。というか、分かっている人には分かっているが、個人の事しか考えない奴は考えてないのが浮き彫りになるのがこの問題なのだ。
たとえば水田で優良農地を区画整理された一枚が大きい田んぼだとしよう。よくある。不良農地をそのなかの小さく区切られた農地だとしよう、これまたよくある(多分面積統合が上手く行かなかったとか)。さて、不良農地は維持に値しないから後継者なんかいらない、転用してくれって話になると、水田の中に宅地が出来ちゃったりする。そうすると、優良農地が農作業他諸々で大きな制約を受ける。夜間作業はダメ、泥はねはダメ、日陰が出来る、通行に支障などなどね。そうすると不良農地を切り捨てると優良農地もダメになるわけ。これは果樹における害虫の問題、棚の問題でも同様だし、巨視的に見ると「効率が悪い集約的果樹」と「機械化しやすい水田」というのも同じだ。みんな水田しかダメになったら果樹で実質的な利益を得ている農家は水田も捨てないといけなくなる。むしろ、「不良園地に補助金出して維持する」ぐらいでないとダメなんだが、優良園地でも捨てられる昨今、不良園地への投資はドブに金を捨てるような物という認識があるのだろう、一理ある。
新規就農者がこの制度で集まって新規参入が楽になるのではないか?というのは一つの目玉だと思うが、地元民や意識が高い人はいいとして、結構懸念されているのが「機構から補助金もらって規模拡大してダメで投げ出される」というケースだ。機構には白紙委任というので怖いのはここでもあり、優良農家が新規就農者に貸し出したがらないだろう。アイデアとしてはトレーニング園として使えばいいじゃないかと言うのもあるらしいが、どうかなぁ。今度は優良農家への負担が大きすぎる気がする(要は入植を助けるだけ助けろって事だからね)(でも、産地全体としてみればそれを支援するのは当然だが)。
・生放送で「今の戦闘機は後ろにロックオンできるから」とか言う人がいて「レーダー誘導でそれないだろ」と思って調べたら、面白い事が分かった。というか、まず現在の戦闘機がドッグファイトのレンジまで近づく事が間違いなので、後ろにつかれて反撃のためにミサイルって考え方自体が大きな間違いである事は述べておく。昔の近距離ミサイルは赤外線誘導で、このシーカーの補足レンジが小さかったし単なる誘導素子だったのでフレアなんかで逃げる事が出来たみたい。当然前しか撃てないし、射程はこれでも10km以上あるのでそれほど苦労はしないだろうけど。後にレンジを広げるためにシーカーを物理的に首振りにしたりしていたらしいけど。ロシアはなんかこのレンジがえらい広い方式を持っていてMIG29とからへんの頃から使っている。西側・米国のサイドワインダーも名前は同じだけれど、以下の形は誘導方法がどんどん良くなっているので、別物と言える。
えーと、この素子の画角向上がどんどん進んだわけだけれど、角度が上がるという事は相手のエンジンが画面に収まらない事が出てくる訳で、今度は空気との摩擦熱なんかも感知できるように高感度になってくる。また赤外線が画像センサーになってプログラムによって識別なんかも出来るようになっているみたい。なので、以前はロックオン発射だった訳だが、今のはロックオンしないでも発射してから適当に誘導しといてミサイルが自力で追尾するようになった。オフボア性能・スタンドオフ性能が向上したという事らしい。最新のAIM9Xでは真横の敵まで攻撃する能力があるとされている。当然ならがHUDではパイロットはみられないので、ヘルメット自体にモニターが組み合わさったタイプが必要。
じゃあ中距離ミサイルはどうか。そもそも中距離射程ミサイルで後ろを撃つ必要がない訳なんだけれど、なんらかの理由で目標に背を向けたまま攻撃出来るかと言うと出来るみたい。初期のスパローのようにセミアクティブレーダーでキャリアー(戦闘機)が誘導電波を出してなければならない場合は、当然これは使えないと思うのだが、今のスパローとかはミサイルに自前で完結したレーダーがついているので、自分でレーダー照射して目標を探す事が出来る。とは言え、仮にヘルメットにボアサイトが表示されるタイプを使ったとしても、真後ろに首回らないよな?
あと、調べて居て勉強になったのはセミアクティブ方式について。私は母機が誘導自体をしていると思い込んでいたのだが、母機はレーダーを照射しているだけで、別にミサイルに司令電波を飛ばしたりしている訳ではないらしい。いや、そういう機能もあるにはあるらしいのだけれど(データーリンクの中間誘導とか)、本質的にはミサイルのレーダーはパッシブな受信のみ。これはレーダー照射には大出力が必要でミサイルに積めなかったかららしい。
もう一つ、ベトナム戦争初期にはミサイルが役に立たなくて戦闘機が再び機関砲を積み出したという話がある。よく聞くのはIRホーミングがフレア、太陽、地表などで外れるってのと、F4のレーダーのルックダウン能力が低くてNOE飛行の小型機をロック出来なかったという物。しかし、他にはこの中距離ミサイル、スパローが当たらなかったという要素があると言う。本来目視外戦闘を想定したスパローだが、政治介入で目視戦闘を強要されると、近距離でスパロー使う事になってしまったそうなのだ。確かに考えて見れば上で出たIRホーミングの問題はアクティブ・セミアクティブホーミングであれば関係ないし、ルックダウン能力も目視外から補足してれば、相手が常に地表を這いずり回ってない限りは関係ない。てか、今でも本当に山の稜線の下飛んでれば映らないかも知れないけど、それは敵戦闘機としての脅威にならんのかも。ともかく、目視外戦闘が許可されたベトナム戦争後期ではスパローの戦績は数倍になり、サイドワインダーやバルカンを上回ったとある。
スパローの後継、アムラームは完全にアクティブ誘導なので、初期の慣性誘導とかデーターリンクやっとけば後ろにも撃てる・・・はず。というか、こいつらアクティブレーダー積んでるなら、後ろ向きに積んでおけばデーターリンクで後ろにもレーダー照射出来るんだろうけど、今度前に飛ばすのが面倒になるな。
遠距離ミサイルは有名なフェニックスだが、運用はもう終わっているらしい。というのは、ソ連崩壊で想定していた艦隊をねらう爆撃機編隊というのが無くなったから。誘導方式は初期セミアクティブ終末アクティブなので、アムラームとかスパローとかと同じというか、この方法を小型化したのが今の中距離ミサイルなんだろうね。じゃあ、フェニックスで後ろの敵を撃てるのか?まずやらないだろうけど、ここらへんの問題は運動性である。遠距離ミサイルほど大型化するので運動性能が下がる。まあ、だからと言ってマニューバで引きはがせるかと言うとアレだけど、相対速度持って接近している敵に当てるのは難しくなるのは事実だ。また、フェニックスは速度がかなり速く、マッハ5とある。サイドワインダーが2.5,スパローやアムラームが4と書いてある。それだけ誘導は大変なんじゃねーかな。
ロシアはどうなのか?後ろを攻撃出来ると明確に書かれているのはAA12アーチャーというので、データーリンク+IRホーミングで全方位攻撃性能、オールアスペクト性能があるらしい。他のも同じような感じで、現行のは素人が考えても良さそうな方法を積んでいる。他に分かる事は近距離はIR誘導が多い事かな。アクティブホーミング系はステルスの影響を受けるわけだが、IR誘導範囲だと(一応ナイトホークとか熱ステルスもやってはいるが)あんまり関係ない気がする。ステルス性能が非対称バランスの戦闘だと、恐らくIRのオフレンジからアクティブミサイルで攻撃するという事になるんだろうか。
しかし、不可解なのはミサイルとキャリアーのマッチングの問題で、ソ連系はステルスより運動性能重視の第5世代戦闘機を開発してきた。ドッグファイトに強いと言える訳で、それはシーカーの射角は狭くても攻撃出来るって事だし、どうせ見つかるのならセミアクティブ誘導などECM妨害に強く誘導性能も優れる方式のがいい気がする。逆にF22のようなステルス機は、セミアクティブは論外としてアクティブも完全ステルスでの攻撃は出来ないので、超強力なECMで押し切られたり複数の機体だと警戒されてしまう気もする。末端誘導がIRの慣性誘導中距離ミサイルとかでいいような。ま、それを言えば、F22だってレーダー使えば相手に分かってしまうんじゃないかな?逆にロシア系の機体はIRホーミングが強そうだから、F22でもドッグファイトに持ち込めば普通に攻撃出来そうな気がする。よくシミュレーションや戦闘訓練で対F22の損害比を出して、「F22無敵」みたいな話題が出てくるけど、そっこまでの物なのかねぇ。実際、中堅のF18とかタイフーンあたりでのシミュレーションでも全く落とせてない訳でもないし。
Posted at 2014/10/30 15:55:16 | |
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2014年10月28日
・昨日は1日頑張って36箱出せた。軽く出荷にかかる時間を計測していたのだけれど、良い状態の一房パックを作る場合、1箱は6分ぐらいで出し終わる。8房入っているから一個で45秒ぐらいか。すると1時間で10箱80房出せるから8ケースになるけど、これは集中してやってるからでさすがにだれる。でも本当にロスがない荷造りの場合は精神的にも疲れないから結構いけるだろうけどね。一方二房の状態が悪いのを脱粒注意して扱ってたりすると、3箱で25分ぐらいかかってた。一箱8分~10分と1.5倍ぐらいかかる。それでもロスがあるからパック数は思ったより増えない。最後はそういう怪しい房は全部加工用にふるって粒にしてジップロックにしてしまった。それでもマズイからあんまり生で保存って気はしないけど。まあ全部捨ててるデラよりははるかにマシか。
・36ケースの半分、まあ18ケースの荷造り時間は軽い休憩はさみつつ3時から7時までかかったので4時間ちょい。25箱だったので、一時間で6.5箱ぐらい。一箱10分だが、これにはケースの組み立てとか運搬とか周辺作業も含まれる。収穫は大体45分ぐらいなので、1回転がトータルで5時間ちょっとという事になる。2回転は10時間で、そこには食事とかは含まれないので、やっぱり2回転は連日は辛い。
・オーバーパンツがまた破れている。股の部分が良く裂けてしまうのだ。これ、構造的に破れてくれと言わんばかりで、ちょっとメーカーの悪意を感じるなぁ。オーバーパンツは下に色々着込んだ上に履くし、高い位置まで引っ張り上げられないので、股を開く動作を行うと普通のパンツ(スラックス)以上に股の部分が引っ張られる。なのに裁断が普通のパンツ一緒なので、当然おまたの部分が裂ける。もうアホかと。ここは乗馬用のズボンみたいに、股部分を一枚布で作ってあるといいんだけど、乗馬ズボンで検索すると趣味が悪い土方のボンタンしか出て来ない。いやね、あれ、ちゃんと機能的になってるんだと思うよ?でも、社会的なイメージが悪すぎる。
・農地中間管理機構についての説明会があった。すごい端的に言うと、果樹地帯では利用できないも同然の制度であったが、試験的に中山間や果樹で機能縮小版をやってみるよ!機構自体は農業開発公社に丸投げで、さらに農協に丸投げするよ!制度がどうなるか分からないけど、とりあえず名前書いて!って事らしい。機能縮小した部分は時間短くして、費用は名目多くして、本来禁止である貸与先の指定を許可するので、闇賃貸の人はこれに応募すると補助金出るらしい。ま、そこらへんは専門的なので割愛。
私が感じた問題としては、これから地域農業はますます多くの課題と、この手の毒ダンゴが配られると思う。んで、実質的に現場を受け持つ農協には基本的にそれらを判断する権限もなければ、分析する責任もない。配置される人によっては能力もないし、やる気がある人も配属がかわればダメだ。なので、その土地の農業者自身でコンセンサスを得て采配を振えるようにならなければならない。本来の意味の農協にはそういう力もあったが、今は公平性とかサラリーマン化でそれを求めるのは無理。モデル地区になったのだって、課長の采配が大きい。
となると地元農家組合の組織としては果樹部会というのがそれに該当する(今回のケースでは特に)。部会役員は忙しいそうなので、賢人会議みたいな物をつくり、分析結果を役員にあげて、役員から組合員に概略を伝えて協力してもらう仕組みが必要なんだと思う。そして、将来的には諸々の問題にそれぞれ担当の人を当てるぐらいでないと立ちゆかないだろうとも。ただ、今日の会議を聞いていても思ったけれど、声が大きい人がちゃんと将来を考えてくれているか怪しい事もあるんだよなぁ、言っちゃ悪いけど。つまり、将来じゃあそういう部会指導にどうやって協力を頂けるかって事になる。村八分が出来た時代は楽だったろうけど、それが良い訳でもないしなぁ。
・ワイナリーに関するちょっとした疑義を元取締役に伺ったが「あれ?これでいいのか?」って感じに。簡単に言うと制度上の取締役が、代表権があって実際に動いていた人から、農協職員の兼務の非常勤って形になり不在になった。どっちが良いかは言うまでもないね。
・あと、ワインのラベルの絵を描いた画家さんの個展があったので見てきた。実物の絵は細密画で迫力があり、色づかいもモダンでおされ感があった。ブドウ以外も書いているが、基本ブドウが多い・・・というか同じようなブドウの絵をえんえんと描いてある感じ。で、「この人はなんのブドウをモデルにして書いてたんですか?」と伺ったら「これらは写生ではなく全部想像です」という答え。ああ、なるほど、と思った。正直ね、原画レベルだとラベルにしてもおかしくないとは思うんだけど、比較しちゃうとラベルのはなんだかなぁと思う。たとえば西洋には有名な画家が沢山いる訳だけど、ラファエロでもミケランジェロでもルーベンスでもフェルメールでもピカソでも、ラベルを書いては・・・書いてるか(ピカソがムートン書いてたはず)。まあ、ピカソはリアルタイムで生きてて書いてるので除外して、要は絵画的な絵をそのままラベルにする例は皆無で、絵の良さとラベルの良さは別であるという事です。
Posted at 2014/10/28 21:20:14 | |
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2014年10月27日
・出荷2回転は辛い。あと3日で出し切れるか、エクストラ出荷するか、霜でダメになってしまうか。変則的な時間で活動していると眠いんだかそうでないのか分かりづらい。1時間寝て作業するつもりが、真夜中まで6時間寝てしまった。昼間暖かかったのに、急激に寒くなったんだよなぁ。選果はブドウぐらいだと小屋でも出来るんだけど、うちは軒先。大口の人は小屋が多いので羨ましいし、小屋であれば雇人してお願いも出来るんだろうけど。まあ、うちの作業場も拡大して壁張っちゃえって話もあったりなかったり。物は正直最後の一角は毎度微妙、色は割と来ているんだが、味が酸っぱい。
・軽トラの衝突アセス見てたら怖くなった。なんか最近事故の話多いよなぁ。安全性が全てではないし、セミキャブに過度な期待を持つのもどうかと思うけど、新規格でもフルキャブの潰れ具合は30kmあたりで足に怪我して40kmあたりだと頭部もそれなりに受傷、50kmはクリアしたと呼べるのかソレ?って所あるからなぁ。旧規格だと20kmあたりでも足は受傷、30kmでキャビンなかったりして。アセスでずば抜けてすごかったのは旧型アクティ(HA7、9だっけ)で、堂々と衝突して歪ませた車体を公開してたけれど、「これぶつかったの?」って感じだった。現行は皆56kmオフセットの対応までにしており、しかも試験内容に特化したような補強具合なのはちょっと気になる。ちょうどモード燃費と同じで、あの衝突試験は方法が厳しく定められているから、たとえば斜めからぶつかられるとか不安。あとサンバーって旧型の頃からフレームで受ければ頑丈という印象だったけれど、アセスの画像を見る限り「これ新規格か?」ってぐらい酷い潰れ方をしていた(バンだけどね)。サンバーはエンジンが後ろな分、キャビン設計の自由度が高く本質的には強固なキャビンが作れると思っていただけにショック。
・政治はなんか今のタイミングで資金管理の不具合を出してしまおうというラッシュになっている感が。やっぱり自民も金権政治だよなぁ、これで寄付行為を合法化してもっと大きくやろうとか言ってるんだから呆れる。
・もう一つ呆れているのはオバマのエボラ対策。西アフリカにエボラ関係で出国した医療関係者は、帰国して3週間は自宅待機などして万一に備えるという州の方針を「医療関係者が萎縮するからダメ」だとか、お前エボラなめてんのかと。ICUで治療しててさえ二次感染出してしまったのに、普通に軟禁でさえ甘すぎる。それは医療従事者の方がしっかり認識しているだろう。封じ込めを行うには、発生国からの出国時に3週間の検査拘留を行うべきだとは思うし、第三国経由の危険性もあるけど、じゃあ直接ウィルスを持ち込まれるのはOKかなんてそんな訳がない。結局の所、エボラってサルがキャリアーで、アウトブレイクなんかでもサルに噛まれて広がるなんてあったけれど、アメリカもチンパンジーが病気を広げるなんて事にならなきゃいいけどな。そうそう、日本でも疑いがある奴が入国しようとして体温チェックで引っかかったらしいが、そういう悪意が疑われる奴はISISに送り返そうぜ(国籍カナダだそうだ。どうせ独立発生型テロリストだぜ、自称ジャーナリストだけど)。
Posted at 2014/10/28 08:11:36 | |
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