2014年11月27日
・昨日はワイン会だった、一回休んだので結構久々な気がする。遠方の酒屋さんもいらして、ソムリエの裏話を耳が痛い他山の石として聞きながら、全体としては楽しくて充実した晩餐になったと思う。まずワイン寸評から
あずみアップル コンコード プレミアム ヌーボー 2014
コンコードというのは甘口に仕上げるとワイン通の人からとかく馬鹿にされ安い品種であるが、ちゃんと作ればボディーがある赤ワインにもなる。それを分かった上で再びフルーティーで軽い、ブドウジュース的なヌーボーにしたらどうなるのか。淡い赤にイチゴのような香り、しつこくない甘さに嫌味がないアルコール(というか、度数の割りに全然分からないとの声多数)で、とってもおいしいヌーボーになってました。日本人の女性には特に受けそう。
あずみアップル シャルドネ プレミアムヌーボー 2014
ではシャルドネという白の王様的人種で同じような感じにしたらどうなるのか?シャルドネの個性は消えてしまうのかというと、ちゃんとシャルドネの香りもするけど、やっぱり飲みやすいヌーボーになってました。無濾過で割とまったりした甘さですね。とは言え食事で飲み続けるには甘いのが続くねという話が
ノヴェッロ・ビアンコ・ガルフォリ2014
イタリアのヌーボで、ベルディッキオ種とシャルドネ種から作られたワイン、イタリアは醸造技術の向上で品質も格段によくなっている一方、地場品種が多数あってフランスとはまた違うのだとか。一般には甲州のようなさらっとした飲み口らしいです。確かに酸味があって、ここらへんが食事に合う普通のワインだよなぁと
あずみアップル ソーベニヨンブラン
リストにないワインが差し入れであったので、急遽使って下さったのだが、それだけに自信作というか素晴らしいソーベニヨンブランになっていた。グレープフルーツのようなはつらつとした酸味がはじけていて、非常に元気。正直、NZのソーベニヨンブランが至高だと思っていた私も「こっちの方がいいな」と思わせる出来映え。決して大衆に迎合するわけじゃないけれど、日本人に向けた日本のワインとしてワイナリーの方向性が定まっているのを感じる。
ノヴェッロ・ロッソ・ガルフォリ2014
モンテプルチアーノ種100%の新酒、今気がついたけどビアンコと同じメーカーのですね。うん、美味しかったと、思うけど、記憶が、曖昧。
ボジョレ・ヌーボー・2014
ヌーボー続きです、マーケティングが功を奏したボジョレです。ソムリエはボジョレーが軽さ一辺倒に変質してきているので、ちゃんと熟成するボジョレーとしてお持ちになったのだけれど「それってヌーボーじゃなくてヴィラージュで沢山あるんじゃないですか?」と聞いた所「ヌーボーの作り方とビラージュの作り方は違う」というお答えだった。確かに強さはかなりの物で、ガメイでも濃厚にするとこんな濃い赤になるんだとは思ったけれど、一方でヌーボーらしさは感じられず、であればヴィラージュでいいようにも思った。ま、ヌーボーでもちゃんとワインとして熟成もするし肉にも負けませんな。
お酒屋さん曰く、ボジョレーはマーケティングが先行して最近は半分ネタで買ってく人が多く、大手が色々色々やるので取り扱いは2ライン程度との事。普通に楽しんでくれる人もいるんだけど1人だそうな。
安曇野ワイナリー・シャトー・安曇野 2012
国産ワインコンクールの欧州種赤部門の部門最高金賞を取った、日本一の赤ワインがまさかの登場。前も書いたんだけど、もう入手出来ないと思っていただけに感動の体面だった。メルロー種ってあのシャトーの前の奴ですか?という他からもらった疑問をぶつけたら、なんかちょっとはぐらかされた感があった(てか酔っぱらっててイマイチ分からなかった)が、自社畑であそこらへんではあろう。ただ、シャトー前の畑はまだ細いような話されてたから別の畑があるのか、有力な畑を買い取ったのか。
味は山辺の畑の番人のような「鋭く冷たい」系ではなく、かと言って塩尻の「丸くて暖かい」系でもなく、その中間と言った感じ。それが評価が難しい所で、この尺度だと「平熱で無表情」って感じになるのだけれど、飲んだ印象もまさにそんな感じだった。分かりやすいキャラがなく、皆「美味しいし高いワインだろうと思うけど、どこかフランスの有名シャトーの物であろう」と言う感じ。もし本当にいいワインであれば、まだ熟成が足りないのかも知れないが、多分もう比較試飲する機会はないだろうなぁ。
濱田酒造 すももリキュール
北海道の名寄というジャガイモの一大産地(カルビーがある)で、かつては非常食になるとして塩漬けにしていたすももを、花見用に記念植樹して活用していなかったのを、濱田酒造さんに送ってリキュールにしてもらったという物。梅酒をすももで造った感じだそうで、良く出来た梅酒で感じる種の部分の苦みが美味く出ていた。締めに良い。
番外 ミヤマ・ブロンド
締めで行ったソバ屋で飲んだ美山錦という醸造好適米を使ったビール、一杯目に良さそうです。ざるそばと合わせると夏の一杯には最高すな。地ビールは割と甘いのが多い中、しつこくなくて普通に頂けるというか、ある意味大手のラガー系っぽいような。白ビールっぽい感じもする。
さて、今回のソムリエはいつになく饒舌に日本のワイナリーとそれを取り巻く環境について、NAC制定に関わったなど深い経験から色々お話くださったのだが、具体的な名前をここでは書けないのでいろいろ。まずワイナリー乱立に関しては、日本のは弱小基盤が多くそれが品質向上と継続性に限界をもたらしていて、最低2ヘクタールの規模は必要と言っておられた。2町歩=20反を醸造だけで栽培して、それを自分で醸造というのは家族経営で両親と子供2人ぐらいいれば可能かもなぁ・・・って規模。醸造葡萄は生食よりは手が掛からない部分もあるが、規模としてはほんと大きい。ざっぱで言うと30tぐらい取れて醸造歩留まり7、リスクヘッジが8分で20キロリットル3万本前後の規模かな。棚栽培やナイアガラ・コンコードのような豊産種ではまた多少は違うだろうけど、価格も安いので、品種や仕立て方でも違うと思うが、これが継続的に維持出来る最低ラインだと思っているそうだ。これ以下でも有名な所はあるが、それはカルフォルニアのガレージワインの成功例であって、現実にはアメリカでも食えなくて廃業のガレージワイナリーは沢山あるそうで、日本もブームで小規模ワイナリー乱立して路頭に迷う人が増える事は危惧していた。今、長野県はワイン特区などで小規模でもワイナリー設立を個人レベルで推奨しているけれど、私もそこは問題だとは思う。別に本業収入がある趣味であれば全然いいって話で、それは他の中規模ワイナリーでも資金面でもうかってる業種からもらうのはある。(多分節税要素もあるだろうし)。そして、ガレージワイナリーの悪い所は、栽培醸造技術は高いがそれをアテにしてマーケティングをおろそかにして販売先を確保しないまま開業してしまう事だと言う。あー、分かるわ。確かに城戸ワイナリーとか小布施ワイナリーのように高品質で宣伝を敢えてしない事で売れているというか、宣伝を避けているような所もあるけど、ちゃんとメディアに取り上げられて知名度はある。問題はそうじゃない所だろうな。
で、本業収入がある所が出資してワイナリーと言うパターンで一番多いのは3セク(公共と私企業の合弁会社、実際は自治体と農協である事が大半)のワイナリーである。で、とある地ワイン産地は数十年前はかなり有力なポスト塩尻と呼べる所であったそうで、現在もウィキ検索だとかなりいい数字が並んでいるが、実際はかなり売り上げを落としているとの話である。理由としては直接的には輸入ワインや濃縮果汁を加えた水増し醸造に手を染めて、国産ワインではなくなってしまった事を挙げておられた。要は国産ワインの並びに入ってこないので、メディアでも扱いに困る訳ね(実は全く同様な事を私は某ワイナリーで見て違和感を持っている。ただ、大規模なワイナリーでは純国産ワインも作れば輸入マストからの醸造もやってそれを表記して売ってるので、棲み分けが出来る規模なら仕方ないとは言える。たとえばサントリーは当然そういうのも、直輸入ワインもあると思うが、プレミアムラインや登美の丘なんかは純国産で、それを混ぜなければ問題はない)。しかし、もっと問題なのは、三セクのワイナリーは労働者がサラリーマン化して、そういうブレンドに対してモラルハザードがおこっていても知らん顔だし、顧客の方を向いていない。農家なども意識向上が起きず、危機感もなければ理想もない、役人天国化しているとの話だった(本当にソムリエの話よ、私が意図的にそこを抜き出した訳じゃなくて)。失われた信頼を取り戻すのは本当に大変だし、補助金頼みになってしまった所に将来はないんだなぁと感じた所だった。もちろん、行政やそこに働きかける政治家の中には、民間の活力を引き出そうと必死で地域のために働いて下さっている人がいる事は否定しない(胎内ワインとか)。でも、そういう人が目立つぐらい、そうでないケースの方が多いのだ。
とは言え、あずみアップルは安曇農協系であれだけ発展しているし、結局は企業内部の人の努力、特にトップの人間の伝達力や情熱次第だと思う。民間企業のパトロンなんてそうそう見つからないし、逆に言えば3セク以上に親分の気分次第で浮沈しかねないからな。
さて、ソムリエが居たので、某ワイナリーの接客関係について疑問というか不満をぶつけた所「ああ、ダメですね」と即断された。一度ダメ出ししてもらった方が改善の機会になると思うし、今大丈夫でもあと10年で機材建物更新になった時の経営体力のためにも修正が必要だと思う。あと、嬉しい事に自前ワイン会についての催促も別の方から頂けた。問題は皆さん忙しいので、日程調整がたいへんという事だ。日程さえ決まってしまえば飲みたいワインは沢山あるし、料理も信頼出来るのだが、会に偉い人を沢山呼ぼうと思えば思うほど開催が遠のくという矛盾がある。一番いいのはこのワイン会のように定例会にして先に日程を決めてしまい、ある程度の回数やって様々な人に参加しやすくする事だが、この会場は一度に10人ぐらいいないと夜に営業しないってのがネック。これが普通のレストランならホント普通にやれる事なのに・・・
Posted at 2014/11/27 09:09:30 | |
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2014年11月24日
・リンゴ収穫でお手伝いで高所作業車に乗っていたので、体が軽く船酔いしてる。今回新しい機種と古い機種を乗り比べられたので、良し悪しや改良点についてメーカーに読まれない事を祈りつつ(嘘、共立さん、ユーザーはこんな事思ってるよ)レポートしてみたい。新機種はKCG-320Hで古い奴は・・・忘れた。カバーの番手で検索すると違う機種が出てくるのだが、現在のラインナップでは無くなってしまった高級機種である。農家さんとは「古いセルシオ」と呼んでいる。新しいのはさしずめ「新しい軽自動車」、両者は新旧の差で良くなってる部分もあれば、やっぱりクラスを超えられないって部分もあるのだ。大雑把に比較すると
「新しい軽自動車」 「古いセルシオ」
サイズ ナロートレッド ワイドトレッド
重さ 軽いが、550kgあたり 多分700kgぐらい
操作性 油圧の直バルブ制御 リレーサーボ
積載量 100kg(きっちり) 100kg(130kgは上がる)
アーム長さ どっちも同じぐらい
補助運搬能力 ゼロ 120kg
アーム振り角度 48度 多分55度ぐらい
アーム動作方式 電動油圧 エンジン油圧
新しい奴はポンプも元気でオイルも新しくエンジンも力があるので、負荷が軽い所ではキビキビ動く。アームも全然揺れないので船酔いがおきないし、オーバーシュートしてガクガクして怖いという事もない。んが、アームの振り角度が小さいので、大きい奴では突っ込める場所にゴンドラが入っていかない。理由として、軽量でトレッドが狭いため、土台が横転してしまわないように制限を加えていると思われる。それ以上に斜めにしたければ車体自体を斜めに回せばいいという考えである。
しかし、トレッドが狭いためにキャタピラで横に向けようとすると、反対側のクローラーが滑ってしまってあまり横を向いてくれない。古いセルシオはキャタピラ操作はリレーか何かで軽いので、超信地旋回をしようと思えば指先で出来るのだが、新しい軽自動車は直バルブなのか操作が重くてストロークが長いため、同じ操作は指先ではできないので、なおさら横向きが難しい。恐らくこの操作系の改悪は安全性が絡んでくるのだろうとは思う。ゴンドラでリンゴの木の懐に入れると、枝が突っ込んできてコントロール系を押してしまう事がありうるので、思わぬ事故がおこりうる。とは言え、操作の効率はかなり悪くなった。
また、高所作業車は単体で運用すると運搬車が別途必要になるが、ワイドトレッドの古いセルシオは車体横にカゴが乗せられ運搬能力があった。一人で完結した作業系だったのだが、新しい軽自動車だと別に運搬車が必要。随伴歩兵がいるし、載せ替えの手間がさらに増える。まあ、作業機が狭いので通路は狭くても良くなったが、リンゴは幅狭く密植すると暗くなるので狭いメリットは「軽トラに乗せられること」以外ない。とは言え、軽トラに550kgの作業車乗せるのは(公道走行しない場合でも)色々おっかないので私は絶対やりたくない。圃場に置いておくと盗まれるとか、圃場が飛び地で持っていきたいとかあるのかも知れないが、6種類ほどあるモデル全部が同じような概要だとメーカーは何考えているんだろうって思う。ま、唯一全旋回のがあるけれど、価格が2倍ほどになるし、トレッドは同じなので横転リスクが増える。
操作系は安全対策の他に内部の構造の簡素化、ユニット化がされていた。油圧モーターで回していて、微速調整が出来るのは進歩している(価格も本質的にはかなり安くなっていると思う。信頼性とか補修性は知らん)。また、横のスイングだけは電動化して、エンジン切っても動くのだそうだ。ただ、これがまたくせ者で、完全に電動化しているのもあるだろうが、すごい遅い。古いセルシオは最初乗ると怖いぐらいキビキビと動くし、へたってオーバーシュートするので慣れが必要だが、ともかく速い。また、傾斜地ではどのみちペダルで油圧リリースするとフリーで動くようになるので、アーム下降は動力いらないし、横にもそんな苦労しないで動くけどなぁ・・・って感じ。まあ、進歩は感じるが、だったら全部電動化してエンジン発電のシリアルハイブリッドにした方が楽ではないか?って気はする。そうすればエンジンは小型に出来るし静かだし。まあ過渡期だろうね。
作業重量はメーカーさんは文字通りの設計をしただけなので悪く言えないが、古いセルシオは3箱乗せて作業者乗せて上下出来た。一箱20kgで作業者の装備重量が85kgあたりだと145kgらへんになるが、それでも動く。現実問題として、100kgというのは80kgの作業者だと余裕が20kgしかないので、1箱しか収穫出来ないという事になる。実際は工夫して最初上げておいて降下させながら取るとか出来るけど、150kg程度の作業能力は必須だと私は思う。何故なら、リンゴは選別して収穫する必要があるので、箱一つだと全く選別出来なくなってしまうからだ。
さて、メーカーに望むことだが、まず「軽トラに乗せる」機能を全部のモデルにやらないでほしい。スペック的に見てB35と320Hは重複しすぎる(B35は新しいので、あるいは併売時期だけかも知れないが)。250Hも軽トラ用軽量モデルな訳だが、価格と機能を考えるとほんとそれだけ。361はアーム伸縮の意味がわからん。トラックフレームから上で回す361は運搬能力を持たせられないので、ほんと需要が分からない。もちろん、リンゴ農家だけがこういうの使う訳じゃないかも知れないが。
自分だったらこうするのにという部分だと、やっぱり操作系の軽さ、レスポンスは古いセルシオぐらいじゃないとストレスが溜まる。移動で両手がふさがるのはしんどいし、安全のためとは言え操作系が重すぎる。スイッチではなく多段階サーボのリモートが出来れば一番いいんだが・・・作業重量に関して思うのは、ゴンドラ側を軽く出来ないだろうか?ここが軽ければ積載量も増やせるし、横転リスクが減るからアーム旋回角度も上げられる。あるいはアームを長く出来る。なのに、ゴンドラはゴツイ鉄で出来てるし、荷台もアングル材みたいなのだし、アームもぶっとくて厚い鉄だ。もしかしたら業界の設計基準で安全対策上鉄とか決まっているのかも知れないが、素材強度で言えば軽合金でもいいし、FRPのような複合材でもいい。多分FRPで設計も合理化したゴンドラなら10kgぐらい軽くなるだろうし、アームなんかも鋼材から見直せばもっと軽く出来そうに見える。農家さんと話す点としては、コンテナの上げ下げが面倒ってのがある。作業重量を減らす観点からしてもコンテナだけ上げ下げ出来るエレベーターがアーム上あたりにあれば、わざわざ重いコンテナを一緒に上げなくてもいい。ただ、選別して並べて入れるためには、やっぱり手元にコンテナがあった方がいいのも事実。これが穀物みたいな物ならオーガーみたいにグレンタンクに収穫する手も使えるんだが。
もっと根本的にはリンゴの仕立て方、圃場の立地が、この手の高価で高性能な農機を前提としない方向になっているという部分もある。平地園であれば、こんな高性能な機械じゃなくて250H以下の物でも充分だろうし、ワイ化してあれば高所作業車すら不要って事もあるかも知れない。今のリンゴ園も初期のワイ化であり、それ以前のリンゴは開盆仕立ての立ち木で、こういう立ち木のリンゴが好きという声も聞かれるのだが、傾斜地の立ち木という悪条件分美味しければ、それに見合う価格を請求しなければ成り立たないだろう(松川町とかは脚立かついで立ち木にとりついている人もいたなぁ)。
・狼やキツネと犬の交雑の話を書いていて「そういえば本当にできるんかいな?」と思って検索したら、イエイヌとイヌ科の動物の交雑はカニド・ハイブリッドと言うそうで、その中で一番メジャーな狼との交雑を狼犬(ウルフドック)といい、品種固定されているのもあるそうだ。キツネもあるそうで、DOX(ドクス=FOX+DOG)と言うそうな。しかし、ドクスはイエイヌのメスとキツネの雄の交雑として時々偶発的に発生したという伝説に近い感じであり、確実にそうという物はいないらしい。うーん、キツネの雄と犬の雌で人工的に繁殖して確認しようという人はいないのだろうか?そして、タヌキのカニド・ハイブリッドは「確認されていない」とあるので、こいつらは交雑しない物と考えられる。しかし、キツネとタヌキはアカギツネという同じ亜科にあり、キツネで出来るんならタヌキもワンチャンとか思ったりする。オオカミとイエイヌは同属レベルなので、むしろ交配出来ない方がおかしく、そうするとニホンオオカミの血が入ったイエイヌが和犬の中にいるかも知れない。
・ラジオで新人っぽいアナウンサーが「雨が降りつづけるでしょう」という、なんとも珍妙な言い回しをしていた。ん?意味は分かるけど、普通はそうは言わないよな?何が間違っているのか、あるいは間違ってないのか、久々に活用とか考えて見たけど日本語の文法はこれ分類した人アホだな。日本人が分かりづらいわ。
問題は「続けるでしょう」の部分。意味として普通は「続くでしょう」が使われる。「続く」の活用は5段活用なので、「続く」の活用は終止形か連体形、「続け」であれば仮定形である。「でしょう」というのは助動詞の「です」の未然形で、丁寧な断定を意味し、一部の同士の終止・連体形に接続するとあるので、答えは「続くでしょう」が正解。んじゃ、「続けるでしょう」は言わないのか?「彼は肺ガンになってもタバコを吸い続けるでしょう」、ぱっと思いついたので内容はともかく、日本語として破綻はしていないように思う。逆にここを「彼は肺ガンになってもタバコを吸い続くでしょう」とは言わない。文法的には「です」は体言にも付くので、名詞・代名詞なら付く。たとえば「明日は雨でしょう」は通じる。動詞であっても、形式名詞にして「○○こと」としても繋がる。たとえば「雨が降ることでしょう」。でも、天気予報で「雨が降ることでしょう」と言う事もまずないだろうと思う、文学的な香があっていいけれど。普通は「雨が降るでしょう」となって、終止・連体形の降るに直で付ける(降るも五段活用しているから)うーん、OKなのかNGなのかはっきりせんな。
文法が私の知識不足もあり手詰まりなので、かなり危険なのだけれど意味論からアプローチしてみたい。「雨が降り続けるでしょう」から私が受ける印象は「本来意志がない天候がまるで自分の意志で降り続いている」ような感覚だ。「タバコを吸い続けるでしょう」にも、意志を感じる。能動的にする動作なので、逆に「続くでしょう」という言葉には放任的な響きがあっておかしく感じる。ただし、意味論は主観要素が強いので、そう感じない人が多くてもおかしくない。そんな事を考えていたら、あれ?続けるって本当に五段活用だろうか?って疑問が出てきた。
五段活用の見分け方は否定形を付けて語尾変化が「あいうえお」ならば五段とある。「続く」の否定を「続かない」と考えるなら五段活用であり、上のような見解になるのだが、「続けない」という活用なら「下一段活用」になる。
未然(ない) 連用(ます) 終止 連体(とき) 仮定(ば) 命令
「続」 続か 続き 続く 続く 続け 続け
続け 続け 続け 続ける 続け 続け
で、活用させてみたのが上なんだが、五段活用はまあ問題なく活用するんだけれど、下一段活用もしてしまった。という事で、語幹が「続」という動詞は日本語では2種類がある事が分かった。じゃあ、2種類の違いはどこよ?って事になる。
ここからは意味論を出しても多分通じるだろう。主体の意志を感じる物に対しては「下一段活用」、感じない不随意の物に対しては「五段活用」が使えそうな感触はあるので、その境界を探れる。まあ、擬人化含めて動物は意志があるので五段だろうし、それ以外が下一段活用で「ない」例が見つかれば反証になる。てっとりばやく人間が主語で五段活用しちゃうかどうかである。
「彼は歩み続ける」 ○
「彼は歩み続く」 ×(ないわ)
「彼は暗愚であり続ける」 ○
「彼は暗愚であり続く」 △(ちょっと古語、文語調だが苦しい)
逆に天気や主語が動物でも集団的な物はどうか?
「雨は降り続く」 ○
「雨は降り続ける」 △(違和感の元)
「大衆はヒーローを求め続く」 ×
「大衆はヒーローを求め続ける」 ○
うーん、「状態の継続」のような、あまり意志が介在しないと思われる物でも五段と下一のギャップを埋める意味論的な事例は受け入れがたいな。逆に違和感程度だったラジオのアナウンスがハッキリと誤用であると自覚するようになった。ここで、ちょっと思いついたのだが、日本語には主格を表す接尾語には「は」の他に「が」が使える。調べると「は」は周知の事柄、「が」は新しい情報と思う物に使われる事が多いらしい。本質的には日本語では主語がそれほど強くないので、「ゾウは鼻が長い」と言っても間違いではなく、述語の「長い」がむしろ支配的だという人もいる。欧米の動詞が主語によって色々変わるような支配的な関係とはまた違うけれど。では、「続ける」と「が」の関係はどうか?新しい情報の強調であれば、「が」と「不随意の続く」の相性は悪く「意志の続ける」の相性は良いのではないか?
「雨が降り続けるでしょう」 △
「雨は振り続けるでしょう」 △
「雨が降り続くでしょう」 ○
「雨は降り続くでしょう」 ○
うーん、「不随意の続く」で主格の程度による違いは感じないな。どっちもどっちの違和感である。でも、統計を取れば有意差が見られるかも知れない。卒論ぐらいだったらやってたかもな。では、「意志の続ける」の相性はどうか。
「豚は娯楽を追い続ける」 ○
「豚が娯楽を追い続ける」 ○
「豚は娯楽を追い続く」 △
「豚が娯楽を追い続く」 △
・・・カオス。意味論で許容度を測っているつもりが「豚だから娯楽を求めるのか、娯楽を求めるから豚なのか、豚は何かの比喩なのか」とか混乱してくる。それでも「大衆はヒーローを求め続く」より「豚が娯楽を追い続く」の方が、なんとなくだけど許容出来そうな気がする。村上春樹の小説の夢の中でフロックコートを着た豚がルーレットをし続ける風景があったら、ありそうな気もするのだ・・・ないか。他に色々考えられられそうな例。
「それでも地球は回り続ける」 ○
「それでも地球は回り続く」 ×(自然現象なのにおかしいな)
コペルニクスさん、大激怒ですよwwwどうも、一定の状態である意味の続けると、動作を示す続くでも違う模様。
「彼は茂みに隠れ続ける」 ○
「彼は茂みに隠れ続く」 ×
うーん、状態の継続の意味であっても、主格が動物っぽいとダメか。
「温泉が湧き続ける」 ○
「温泉が湧き続く」 △(古風ならありそう)
あれ?不随意で状態でもダメだぞ!?と思ったが、この文章では倒置すると何故かどっちでも行けてしまうという気がしてきた。ただ、これ、古語の違う活用と偶然同じだけじゃないか?という気も(古語はもういやぁだ)。
「湧き続けるは温泉」 ○
「湧き続くは温泉」 ○
じゃあ、倒置なら先ほどの例で意味論がカオスになった例を当てはめてみよう
「娯楽を求め続けるは豚」 ○
「娯楽を求め続くは豚」 ☆ もう、どうでも、いい
他には日本語だと他動詞と自動詞という分類もある。たとえば「汚れる」と「汚す」のように、同じ現象でも対になるとある。識別方法は目的を示す「を」を動詞の前に取るかどうかである。
「彼は人生の晩節を汚した」 ○
「彼は人生の晩節を汚れた」 ×
ま、この言葉の場合は熟語になっているので、意味が通じるように自動詞と他動詞を入れ替えたとしても、言ってみればベクトル変換しても、元のニュアンスは戻ってこない。ま、意味は通じるけどね。
「彼の人生の晩節は汚れた」 △
では「続ける」「続く」は自動詞と他動詞の対の関係なのだろうかと言うと、「続ける」は動作の継続を示す言葉が続く事が多いので、「続」単体で評価していいのだろうか?って疑問は生じる。というのは、感覚としては自動詞と他動詞の関係も疑えるが、「を」をどちらも取らない気がするのだ。
「雨が続く」 ○
「雨を続く」 ×
「雨が続ける」 ×
「雨を続ける」 △ (文法としてはありだけど、意味論で違和感)
最後の「雨を続ける」が意味論的な制限である自発性と不随意性から来ていると未だ言えるなら、目的語が意志で「続ける」物であれば違和感は大分減る。たとえば
「状況が続ける」 ×
「状況を続ける」 ○(軍隊の演習用語とかの意味で)
「状況が続く」 ○ 一般的にOKだろう
「状況を続く」 ×
ふむ、こうすると「が」と「続く」は相性が良く、「を」と「続ける」は相性が良さそうで、他動詞自動詞なんかも知れない。
では、動詞との連用状態ではどうか?
「雨が降り続く」 ○
「雨を降り続く」 ×
「雨が降り続ける」 △
「雨を降り続ける」 ×
ふむ、続ける単体での分析に近い感じだ。と、ここで「じゃあ自動詞他動詞に意味論を入れると違和感が出たり引っ込んだりするなら、連用される方の動詞自体の自動詞他動詞はどうなるんだろう?」といういらない疑問が・・・比較がそろそろ面倒になったので、結論の分だけ出すと
「雨が降られ続ける」 ×
「雨が降られ続く」 ×
って事で、日本語は語尾変化が多いからか、連用前の動詞をいじっても違和感は消せなかった。というか、日本語の感覚だと
「雨に降られ続ける」 △(微妙だけど、受け身の意味の重複がくどい)
「雨に降られ続く」 ×
「雨に降り続けられる」 ○(実際に言いそうな言い方はこっち)
Posted at 2014/11/25 21:01:37 | |
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2014年11月22日
・犬種についてここ10年ほどでよく耳にするようになった豆柴についてちょっと調べてみた。というのは、お隣に豆柴がいてかわいいのだが、うちにいた柴犬の雑種とあまりにも性格が違っていたのだ。それは個体差と豆柴って犬種なんかなと思っていたが(色が黒で、それが豆柴だと最初思ってた)、最近近所でかわれだした柴犬(茶色)も随分快活な性格だったからだ。
まず最初に分かった事は、豆柴という犬種はいないという事だ。というか、柴犬の場合まず大前提としなければならない問題として、ジャパンケンネルクラブと日本犬保存会という二つの組織が血統書を出している(=標準を定めている)。そして、血統書とかそういうの考えたのは洋犬の世界なので、本質的にはケンネルクラブの考え方が筋が通っていると思う。ケンネルクラブの考え方とはなんぞやと言われたら、その犬種の遺伝子が固定されていて、同じ親同士から同じ子供が生まれてくるという品種固定に他ならない。そして、同じ品種であるために「標準」が定められていて、それを外れると「その犬じゃない」って事になる。これは良し悪しとかじゃなくて、品種の考え方のお話。歴史的に見れば欧米で品種改良が進んで目的別にこういう犬はこう、ってのを「人工的」に作ったから。一部自然発生的な犬種も定義しているが、それは天然的な品種を原種として定義したかったからだろうと思う。
一方、日本では在来種の犬を厳密に定義づけしてこなかった節がある。一部有名な犬種もいるけれど、大部分は「イエイヌ」みたいな雑な範疇で地域性がその犬種のすべてだった。それは今定義されている和犬が柴犬以外全部地域の名前を冠されている事からも明かだ。もちろん、その土地土地の犬も品種同定の観点から標準は定められており、日本犬保存会も日本在来種小型犬を柴犬って分けたのは標準によるものである。小型犬を地域性で峻別しなかったのは何故かと言われるだろうが、そもそも洋犬が入ってくる前は品種に対する認識はほとんどなく、その希少性に気がついて固定品種化しようとした時にはすでに地域性がなくなってしまっていたという話がある。また、一部で優秀な日本犬を作ろうと盛んに地域間交流をやってクロスブリードをしてしまったという批判も聞いた事がある(現在の柴は美濃地方の地柴をベースにした柴同士のハイブリッド)。以前は長野県の柴犬は信州柴と言って別に分けられていたが、血統書上で分けられてはいない。ウィキだと他に太平洋戦争の影響を挙げている。
で、豆柴は昨今の小型犬への要望を受けて柴犬を小型化した品種らしい。標準が足りてないので、血統書がそもそも作れるはずもなく、規格外柴犬の子って感じであり、ペット業界の体質もあり定義がない事を逆手にやりたい放題って部分もあるが、かわいいペットとして健全な固定品種として作る事自体に反対はしない。犬の小型化は同じ品種の小型な物を掛け合わせてワイ化する事で比較的容易に得られるとされていて、洋犬でもプードルなんかは大きい順に「スタンダード」「ミディアム」「ミニチュア」「トイ」という品種がある。OK,柴犬もワイ化して豆柴って固定品種がそのうちちゃんと認められるだろう・・・と考えるのは難しい所。
まず、業界に流通している豆柴の出所がよーわからん。たとえば過去に血統書付き柴犬がいて、それの子供を累代繁殖して小型化したとしよう。その場合は遺伝的には柴犬だと言えるんだけど、血統書の標準は外れているので、ある時点からは規格外の掛け合わせになってしまう恐れはある。そこに別の犬の血が混じっている可能性に関しても疑問を見る。具体的犬種を挙げてないが「ある洋犬の血を入れている」という指摘があり、また有名犬舎がそれを否定しているのだが、どうやらポメラニアンの血を入れたのではないか?という疑いがあるようだ。ハーフだと割と明かな品種特徴を併せ持つので識別出来るけど、薄めたら分からないかも。実際私が豆柴とうちの柴犬の違いで感じる事に毛のモコモコ感の違いというのもあり、うちのはあそこまで長毛ではなかったように思う。また性格もポメラニアンの血が入っていると言われたら納得しそうな点がいくつかある。人懐っこくて、遊び好きで、あんまり縄張り意識がない。ただ、吠え癖はポメや柴より少なくて鳴かない犬だなぁという印象(訓練もあるが)。特定犬舎はやってなくても、そういう豆柴がどこかで混入流通してないとは言えないだろう。
ただ、犬は小型化するほど活動的になるので、その結果豆柴っぽい性格が作られている可能性はある。これも血統書で別品種化して標準の再定義を要する問題だが、洋犬でも同様な事はある。他の課題としては、幸いうちの隣の豆柴は健康長命なのでいいのだが、急激な品種改良が進んでいるという事はクロスブリードでなおかつワイ化個体というイレギュラーをかけている事による弊害が懸念される。人気犬種になり血統書の定義の外にある事で、なおさらこの手の問題は大きくなりそうな気がする。病弱短命であったり、おつむが弱かったりする犬が大量に出回り柴犬の一種だと思われて遺伝子汚染を起こさないか?そこがケンネルクラブや保存会が豆柴に慎重な態度を示している最大の理由じゃなかろうか。
あ、うちの柴犬はそこらへんの家の血統書もついてない雑種っぽい奴だったので、本当の柴犬知らないだろうと言われそうなので書いておくが、柴犬で本当に在来品種であると言われて県の天然記念物になっている川上犬という信州柴がいるのだが、こいつがまさにうちの犬そっくりだった。寡黙で人見知りがすごく、私も契約書書いて飼っている人の個体を見せて貰った事があるが、他人にすごい冷たい。自分から遊ぶ事もないし、そっけないけが、主人には忠実でボディーガードっぽい感じがある。ウィキにある「タヌキ顔は信州柴」というのとは逆で、どちらかと言うと「キツネ顔」だと思うが主観要素があるので、タヌキと言われればタヌキっぽい気もする。伝承ではニホンオオカミの血が入っているという話もあるが、山に置いて交配してたのがキツネやタヌキだったら笑えるな。
・こんな事書いてたらかなり大きな地震があった。最近この地域では浅い場所で地震が多発しているので、それに比べると長くて弱い横揺れだと思ってたら、長野市(80kmぐらい離れている)で震度6弱というかなり強い揺れだったみたい。ここは震度4かな。ちょっと被害が心配だ。ちなみに、久々に携帯の地震アラームがなったが、ほぼ到達と同時刻で意味なかった。
・地震や作業小屋の問題で考えたのだが、ライフラインというと「水」「電気」「ガス」らへんが定番だが、独立家屋で自給出来るのだろうか。まず水だが、これは場所によるが、井戸水を使っている地区はある。ただ、下水との絡みもあるし、いろんなリスクを考えると井戸水を自前で掘るってのは現実的じゃないかな。大人しく水道を使おう。しかし、この市は検索かけると「高すぎる」と評判だったりする、下手すると日本一かも知れないぐらい高い。とくに下水が上水と連動してないとか、頭おかしい請求だそうな(実家なのであんまり知らない)。ガスはここらへんはLPガスが主流だが、私はIHでガスは切り離している。ボンベで寄越すので実はかなり割高で業者格差もあるが、閉鎖市場なので競争が進まないそうな。ま、ストーブで代用出来てるからいいか。電気は中部電力だが、最低このぐらいか?って程度のシミュレーションで3000円ぐらいだった。従量分が2000円、基本料800円、他200円ぐらい。年3万ぐらいである。
これは30A契約で月100KWh使ったという想定である。これってソーラーで自給するの可能なの?って事で軽く調べる。大前提として蓄電池で100V30A出力って3000Wなのでインバーターがまず無い。不公平だが、料金的にそう違う物ではないので単純に「使った電力」で計算する。100KWh=100,000Whだから、1日平均だと3300Whだ。変換ロス10%、充放電ロスが30%と見積もって必要電力は4000Wh程度だと思うが、完全にスペックだけで見ると日照時間8時間で割ると500Wのセルでいける事になる。今よく見る屋根ソーラーが250Wだから2枚だな・・・うそん。って事で、もっと手っ取り早くシステムスペックと実発電量のメーカーHPからの引用だと5KWのシステムでうちの県で年間6800KWH発電している。100KWの12ヶ月分は1200KWなので単純には1/5のシステムでまかなえる計算だから1KWぐらいのパネルで行ける事になる。これだと4枚だ。でも、季節差(特に悪天が多い冬と梅雨時)を考えるともう少し余裕が必要そう。とは言え、この程度だとほんとDIYでも組めそうな大きさ。
問題はバッテリーだ。1KWシステムを全部飲み込むバッテリは12Vだと100A近くなる。ディープサイクルバッテリーのソーラー用だと20時間率で100Aクラスの物はあるけれど、受け入れ能力や極力浅く使おうと思うと実際は50%で3日程度の余裕が欲しく、さらに鉛蓄電池の保守係数が80%程度って話を入れると800A程度のプールが必要って事になる。100Aクラスが一個2万ぐらいだから、16万円程度って事か。もっとも、このぐらい本気のバッテリーを入れると負荷が通常はかなり軽いので、寿命や使い勝手はフレキシブルになるとは思う。一方で、バッテリーの容量バランスの問題から、後から足すとか言うのは難しい。ま、最悪、ジェネレーターは持ってるので、年に数回ある電力不足は発電して補えばいいだけの事ではあるが。
Posted at 2014/11/24 17:34:11 | |
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2014年11月22日
・今朝は久々に7時台に起きたが、まだ明るいのな。夜型生活になっていたから、てっきり朝も8時ぐらいまで暗いような気がしてたよ。山羊の世話してリンゴ運びをやったんだが、1日で170ケース+αというとんでもないハイペース収穫で運搬疲れたよ。なんで手伝いの老人があんな元気なんかね。もっと大変なのは運搬車から車に乗せて倉庫で降ろすパートなんだが、パレット積みとか省力化難しいんだよな。下手にフォークリフト使うなら手で降ろした方が早いし崩れないし、必要なケースだけ降ろせる。海外だと落下したリンゴを拾って全部加工とか、スペインとか労働力が安い所から持ってくるとからしいけど。
・昼は会田高原の新蕎麦のほぼ十割蕎麦を頂いた。美味しかったが、新蕎麦の香りとはまた違ったような。十割は技術難易度が高いので、そういう意味では自慢にはなるが、その技術で9:1蕎麦作った方が私は好きかもなぁ。十割にする奴って多分だけど製粉段階からなんか違うんじゃないかと思う。精白度が高いというか、滑らかすぎるというか。
・ヴィラデストワイナリーから会報が届いて昨今の活動を知った。東御市はワイン特区になってるが、今度「日本ワイン農業研究所(JW-ARC)」という組織を作って普及研究をやるんだそうな。ワインアカデミーは塩尻などもやっていて、新規就農者を取り込みたい訳だが、前書いたようにワイナリーを新規で立ち上げて生計を立てるのは非常に難しい要素が多い。小規模生産者が単純に増える事は同じような業界の者としては心配も多い。それを実際に請け負い醸造やるワイナリーとしてJW-ARCを作ったのは立派だなと思う。まあ、実際はこれまでヴィラデストがやっていた事を独立した事業として切り離したんだけどね。とりあえず新規ワイナリーも一つ増えたそうで、これで「信州ワインバレー構想」の目標は一つ達成された事になる。ARCとは別のドメーヌナカジマという所で、作業場面積が81㎡の非常に小規模生産者さんだそうな。
・この話の後ですると辛いというか、悪意があるように思われるかも知れないが、先日買って読んでた「遊楽部ワイン物語」の富岡ワイナリーが苦労の末作られて、今どうなっているのか半分こわごわしながら検索かけたら以下の事が分かった。富岡ワイナリーは2006年に事業を札幌酒精という会社にゆずっている。本の著者の飯田清悦朗さんの動向は検索しても分からなかったが、昭和2年産まれという事を考えると御年87歳だからとっくに引退されているだろう。その公式HPも平成20年のペラ一の物から変わっておらず、ラインナップもビンテージ表記のない物が少数みつかるのみで、ほんと生きているのか怪しい。何が言いたいかと言うと、ワイナリーを建てるという目標自体は設定しやすくブームの間は維持できるかも知れないが、農業生活というもっと大きなテーマで重要なのは持続性ではないかという事。社会動向の変化や消費者の嗜好の変化、作物の改良などで農業の形はずっと変わり続けている。それはまるで川のような物で、そこに「ある」のだけれど、一方でずっと流れ続けていてはじめて価値があり、止まるなら川ではなく池や沼である。その川の一形態としてブドウがありワインがある。
・明日の予定 バッテリー充電して某機械のチェック行けるようにする
リンゴ収穫 藁運び(もうデラ園は一杯だから、巨峰園にでも置く)、作業スペースとして使えるかも知れない家の下見。元がブドウ農家さんの家らしいので向いているっちゃ向いている。聞いた限りだとちょっと住宅が集まった場所にある感じなので、そこは気を使う。普通の人は「平地で市街地に近いほどいい物件」なのだろうけど、私は「極力人里離れてる方がいい」と思っているぐらい(車が前提でね)。ただ、山里にはいると今度圃場から遠くなるし、そういう意味だとメインの圃場に近いのはいい。それを言えばそもそもメインの圃場の地主さんちも今空き家なんだけど、あそこは色々難しいからなぁ。
Posted at 2014/11/22 20:43:55 | |
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2014年11月21日
・ヤンマーが新型トラクターでコンセプトモデルで見せた斬新なデザインを量産導入するってニュースがあった。今回はコンバインみたいで、確かにキャビン回りはちょっと変わっている気もするけれど、トータルでは別にそんな違わないような。価格が異常に高い訳ではないので、コンセプトモデルのようなお遊び感はないのだけれど、従来の現場をかっこわるい呼ばわり繰り返すヤンマーの姿勢はどうなんかなと。まあ、そこらへんは今後の売り上げで判明すると思うけれど。
気になって国内農機のシェアを調べたら、大まかに言うと45%ぐらいがクボタ、25%ぐらいがヤンマー、20%ぐらいがイセキ、他有象無象って感じらしい。クボタは前の本でも読んで感心したが、トータル企業になっていてアジア進出も進めている。イセキは安くて手堅い技術でかためているので現場人間の評価は高い。ヤンマーは一族経営で良く言えば独自路線が通りやすいが、国内シェアに甘んじていると大型は海外メーカーのが多く入っているので、もう少し生き残りをしないと今後の大規模化にはついていけないってのがあるのかも知れない。シバウラを受け入れた時点で色々・・・はたしてスーパーカーのカッコつくってた人が良い農機具を安く作れるか見物である。
・また電気料金が上がるそうだ。今は円高の最後の残りで辛うじてソーラーパネルとか安いので、オフグリッドの電力供給について調べてみた。と言ってもオフグリッドソーラー自体は別に普通にあるシステムだからいい。問題は室内のAC配線に自前の電源流せるのか?って疑問である。あ、もちろん商用電源は完全に取っ払った上で完全自給体制のね。仮に自前電源がいくらあっても、それ用の配線を室内に這わせ回るのは得策ではない。既存のAC電源に入力してやったらどうなのか?って話なんだが、純粋自給の人は見あたらなかったので良く分からなかった。ただ商用と併用している人は漏電ブレーカーの手前に入れていて、そうすると商用に逆潮流するから売電契約して売電メーターとやらを付けると出来るらしいから、ただ接続しなければ普通に使える物と予想出来る。
ただ、AC100Vって商用ではいいとしても家庭で使う場合、AC配線は捨てて12V直で引っ張った方が楽かもしれない(その場合は資格いらない)。どういう事かと言うと、今の電気機器は内部は12Vで動いている物が結構あるのだ。いろんな国で使えるようにインバーターでいろんな電圧に対応していて、中身は12Vってケースが多い。AC/DCコンバーターは電気を捨ててるような物なので、まずインバーターで12Vなり24Vのバッテリーを100Vにして、またコンバーターでDCにするというのは、いかにも非効率な話である。各々10%から15%のロスを見込むと30%捨ててるような物になる。ただ、12Vだと電圧が低いので送電ロスや配線の太さの問題は出てくる。もちろんAC前提のモーター類(多分洗濯機とか扇風機とか)もあるし、IHとかも無理。てかそもそもIHを独立電源で動かすのは辛そう。冷蔵庫とかもモーターだろうしなぁ。ゼロベースで考えれば車載用の家電(?)もあるので、12Vで動くタイプの物も結構あるとは思うが。
・衆議院が解散して総選挙するそうだが、民意もへったくれもないな、もう。一応増税の約束を確認するため(自民)、アベノミクスの効果の確認(野党)って話しではあるが、そもそも前の選挙の争点に増税のお約束なんてあったっけか?なかったよな。また、もっともな意見としてネットで見るのは「この解散はGDP速報値が年率マイナス1.6%という想定外の非常に低い数値なので、その責任を取らされたか、いまだ増税路線の財務省との確執だとか、国民がその意味を理解する前に解散総選挙で延命したいだとか聞きます。スタグフレーションの話しは何度もしましたが、現在はもう「金融市場だけ株価上昇(円安とかで)」「実体経済は下降」「給与はそれより下がる」という見たことない経済指標になっているようです。次は通貨危機だし、もはや金融政策とかでどうなる問題でもないので、一番ありうるのはやけっぱちになって戦争はじめて統制経済に移行、ある意味社会主義国化って気がします(日本が沈めばアジア発通貨危機になるし)。
・マッシュドポテト作ってリンゴとウィンナー混ぜて食べてます、うめえ。リンゴの酸味とポテトの塩気、ウィンナーとクリームの脂分で完全食品。ニンニクを潰して加熱して混ぜるとさらに強烈な味になる。
・今日はワラを運んだり、はさかけ棒を片付けたり、草を刈ったり。水道も不凍栓を閉じて冬に備える。はさかけ棒のラックはもうはっきりと崩落をはじめていて、あそこに置いてもさらに崩れるので建て直し不可避、面倒だわ。一応鉄パイプなので、下にブロックをコンクリ止めして、場所も一箇所だと重すぎるので分散させたい。崩落の危険が少ない場所もあるのだが、そこにラックを移すと交差点の見通しが悪くなってしまうのが辛い所。ラック増設してもいいが、そもそもこの水田で使う量の3倍から5倍の棒のストックがある事が問題。
・近所で柴犬の子犬を飼いだしたそうで、話は聞いていたが散歩で出くわしたのでじっくりと触ってみた。えらい人懐っこくおてんばな犬で、腕に飛びついて手をカジカジしながら暴れまくり、一人でクルクル回っている。柴犬の子犬ってこんなヤンチャだったっけ?と思うけど、人形とかはボロボロにする事があるので、そんな物だったかも知れない。
Posted at 2014/11/22 02:46:09 | |
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