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オリヴィエ・アサイヤス監督作品。
フランス映画。

女優が女優を演じる。
時の流れ、プラスに働く場合もあればマイナスに働く場合もある。
女優にとってはなかなか味方に付けにくい。
美しさは保てても、間違いなく老いはやってくる。
女優に限らず、女性にとっては少なからず直面する部分があるんじゃないか、いや男性でもそういうのはあるな。


名作と言われた過去の主演作のリメイク作への出演オファーをもらった女優、マリア・エンダース(ジュリエット・ビノシュ)。
しかし、マリアに求められた役柄は20歳の主人公シグリットではなく、シグリットに翻弄され自殺する中年女性ヘレナ役。
そんなマリアと時間をとともに過ごすマネージャーのヴァレンティン（クリステン・スチュワート）。
ヴァレンティンの言動を通じ、マリアの気持ちや葛藤がよく伝わってくる。
ヴァレンティンとマリアの、依存しているようで緊張感のある関係性。
そして、シグリッド役に指名される新進ハリウッド女優ジョアン・エリス（クロエ・グレース・モレッツ）は、まさに怖いものなしといったキラキラの自信満々オーラを持っており、マリアと対照的。


時間と女優というテーマを、舞台に望むまでのマリアの心模様と言う内面的な情景を、ずっと前から変わらないスイスの美しい自然のなかで描いた印象的な作品。
82点。クリステン・スチュワートが素晴らしい演技だった。