
学生時代に毎日のように一緒に遊んでいた
友人から雑誌が送られて来た。
学生時代を共に過ごした遠き地で、
中古車雑誌のライターをしているらしい。
まさに「なんちゃってライター」である。
クルマのコトは何にも知らないし、
興味があるわけでもなかった。
それが、どうなっているのか今はライターらしい。
数ヶ月前に、
「学生時代の私」を元にして話を創ろうと考えているので、
当時のクルマのコトを教えて欲しいと言ってきた。
話を聞いてみると、「非力なマシンで大活躍する」というような、
ありがちな話を創るみたいだったので大丈夫かなと思ったが、
ネタが無くて困っているのだろうと思い、
当時私が乗っていたミラージュのスペックを教えた。
どうやら、非力なクルマの題材としてミラージュが浮かんだようで、
そのクルマで峠を誰よりも速く走り抜けるという
カッコイイおとぎばなし(どこにでもある)を考えているようだった。
まあ、私がおもいっきり美化されて書かれるのも
悪くないな、と思っていた。
そして、その記事が載った中古車雑誌が送られて来た・・・。
その内容は、私が想像していたものとは違い、
全くの作り話ではなく事実に基づいたモノであった。
しかし、半分は都合良く構成された作り話であったが・・・。
以下、ツッコミ
ヤツの名は「医王山の狼」の巻
↑「おっとカッコイイタイトルじゃん!」と、
ちょっと期待してしまった。
読者のみんな、新年あけましておめでと~。
今回はお正月SPECIALということでザンゲはナシ。
チョット趣向を変えて、毎年元旦になると思い出す
大学時代のある出来事について語ることにする。
↑こういう出だしを見ると、
業界人ぽいな~と妙に感心してしまうが、
実態を知っているだけにみんな騙されんなよ~と思う(^0^)
そして実際にコトが起こったのは正月ではない。
正月発売に合わせて、都合のイイように変えたらしい。
クラスにK君という自称走り屋がいた。
彼の愛車は、親から譲り受けた
90年式ミラ○ジュ VIE SALOON X
(1500ccSOHC12バルブ4気筒、85ps、12.5kgm、
ATという驚異的なクルマ。もちろんFF)。
↑「自称走り屋」だと~~~、ウムム・・・。
スペックは、私から聞いたのを、
そのまんま載せてソレっぽく書いているが、
おそらく彼には何が何だかわかっていない。
しかし、なんでミラージュが伏字なんだ?
とにかく見た目重視の彼は、
廃物利用の怪しげな自作エアロや、
3連温度計(笑)などで愛車をソレっぽくカスタマイズしていた。
↑「見た目重視」か~~~、ウムム・・・。
自作エアロはミラージュではなくてミニカの時だ!
勘違いしてるゾ!
3連温度計はホントだけど・・・。
そんなK君がホームコースとして足繁く通っていたのが、
金沢では有名な走りのメッカ、医王山だ。
「医王山の狼」-自らをそう呼ぶほど、
K君は医王山の走りに自信を持っていた。
↑これはホント毎日のように走ってた。
ただ、ホントの走りのコースとは違ったみたいで、
ソコを本気で走っているのは私だけ・・・
というようなカンジだった。(^^;
ちなみに「医王山」(いおうぜん)と読む。
「医王山の狼」はシャレ。
「医王山の下りならGT-Rにだって負けん!」とか、
よく言ってたっけ。言い忘れたが、
基本的にK君は口だけだ(だって見た目重視だし)。
↑言ってねーよ、そんなコト! 面白おかしく書きやがって・・・。
何度か、峠を攻めている時に同乗したことがあるが、
パワーが足りない時は自ら「ガオーン!!」と
吠えていたのが印象的だった。
↑まあ、吠えた か な~~~。
ちなみにK君のポリシーは-
1.どんな時も反対車線は越えない。
2.知らない道では飛ばさない。
3.使いこなせばATの方が速い(つまりMTには乗らない)。
-の3点だった。
冬になっても雪が積もらない限り、K君は医王山を走っていた。
↑1、2、3と、どれも似たようなコトは言ったような気はするが、
微妙に勘違いして伝わっているようだ。
元旦の朝、僕は1本の電話に叩き起こされた。
初夢を妨げられて憮然としながら電話に出てみると、
K君だった。
彼は電話の向こうでこう呟いた。
「あのさ~、実は事故っちゃったんだよね~。
だからJAF呼びたいんだけど~、電話番号知らな~い?」。
何でも初日の出を拝みに医王山へ出かけた帰り、
スリップしてクルマごと道路脇の谷へ落ちたというのだ。
道にはガードレールも縁石もなく、
クルマは雑草を踏み倒してようやく止まったらしい
(後日、現場へ連れていってもらったが、
谷といっても深さはせいぜい3mほどしかなく、
むしろ土手から落ちたという方がピッタリだった)。
幸いK君自身はケガはないとのこと。
僕は急いで電話帳でJAFの連絡先を調べ、教えてあげた。
↑このへんから、おそろしく「ウソモード」に入っていく。
まず元旦ってのはウソ。
電話したのは、クルマ好きの後輩の電話番号を聞くため。
それから数日後、K君がミラ○ジュに乗ってやってきた。
僕が驚いて、クルマは大丈夫なのか!?と聞くと
「イヤ~、それがさ、オレも廃車覚悟で
クルマ屋に持ってたんだけどな。
どこも問題ナシってことで修理費ゼロ!!
ボディにはちょっとキズがついちゃったけどね」
と涼しい顔でのたまった。
↑なんでこんなしゃべりなんだ?
私はもっと上品な話し方をする。
実際はクレーンで引き上げて、そのまま自走して帰った。
よって廃車覚悟でクルマ屋に持って行くはずもない。
何とも無かったのはホント。
さらに、たまたま車内にあったカメラで事故現場の写真を撮り、
某クルマ雑誌に投稿したというから開いた口がふさがらない。
転んでもタダでは起きないK君に、
僕は走り屋としての器の大きさを見た気がした。
↑そんなに都合良くカメラなんて無い。
後輩に買ってきてもらった。器の大きさを感じたのは正解(^0^)
数ヶ月後、K君の投稿は見事雑誌に掲載され、
K君のもとに記念品のステッカーが届けられた。
その後、ゴ○メ・ステッカーを貼ったミラ○ジュが、
我が物顔で医王山を走り回ったことは言うまでもない。
↑いや~、私の才能っていうかなんというか、
ちょっと技を使って採用されました。
「ゴマメステッカー」なんて存在しないのに・・・。
こういうところが「素人」なんだよな~。
それにオプションステッカーは助けに来てくれた後輩にあげました。
医王山の狼語録
「GT-Rやランエボは停まってたって一目置かれる。
でもミラ○ジュは、走りで見せないと認められないんだ!!」
↑このまんまのセリフでは無かったが、
似たようなコトはよく彼に言い聞かせていた。
今回の記事の中で最も光ってたのは、
これを憶えていて記したことではないだろうか・・・。
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Posted at
2018/11/13 17:34:41