
朝9時過ぎに、ディーラーにiRを持ち込む。
前日に電話をすると、
「翌日には部品が入荷し、
代車も用意できる」と言うので、
ハブベアリング交換を依頼したのである。
仕事は休みを取った。
行く途中の異音&衝撃の回数は、さらに酷くなっていた。
今回、ハブベアリング交換を依頼したのは、
前回エアコンを外したブルーステージの
隣にあるレッドステージである。
ディーラーを変えた理由は、
やはりブルーステージでの
「洗車ナンバー曲げ事件」のことがあるからである。
お互いに少し良くない印象が残った感は否めない。
まあ、ブルーでもイイかと思ったのだが、
まだレッドもあるし・・・ということで。
それに、日産のスポーツは、
スカイライン、Zを扱っているレッドだろうと以前から思っていた。
ではなぜ、最初にブルーに行ったのか?
それは、たまたま地理的にブルーが先にあったから・・・。
ブルーを通り過ぎれば、すぐレッドがある。
今回わざわざ隣のレッドを選んだのは、
レッドで大きそうな所が、前回のブルーの隣だったからである。
ディーラーに着くと、
店の様子が自分の予想と違っていることに少し驚く。
今回、そのディーラーには初めて訪れたのだ。
前回のブルーの時は、
下見がてら事前に小物をちょこちょこ買いに行って、
ここならばイイかとドラシャブーツ交換や
エアコン外しを依頼したのだが、
今回は事前に行くことなく、
サービスの人との数回の電話のやりとりのみだったのである。
店の前を通り過ぎただけでは
キレイな看板や屋外の真新しいアスファルトが目に付く。
数年前に隣のブルーが最新のディーラーに建て替えた後に、
レッドも張り合うように工事をしていたので、
ブルーと同じように最新鋭のキレイなディーラーを
イメージしていたのだが、
道路から屋外展示スペースを通り過ぎ、
奥に引っ込んだ形になる建物に足を踏み入れるとそこには・・・、
一昔前のディーラーの風景があった。
さらに奥に目をやると、ピットもまた一昔・・・二昔前の・・・。
道路に面したキレイなショールーム。
2・3台の展示車両が並べられ、天井は高く蛍光灯は明るく、
広い空間にデザインされたインテリア、
テーブルがまばらに置かれ・・・、
ピットも広い建物の中に何基ものリフトが並び、
明るくキレイな感じの「隣のブルー」。
それに対してレッドは・・・。
一昔前。
完全に道路からの見てくれだけを化粧直しした感じである。
しかし、そんなことは問題ではない!
要は中身の問題である。
もちろん、器は、設備的な事や精神的な面で、
働いてる者に影響を与えるだろう。
だが、私にとっては見てくれの器などどうでもイイ。
要は「職人」が居ればイイのだ。
チラッと見える工場のリフトに、
32GTSや初代プリメーラが上がっているのが見えて、
何だかホッとする。
建物に入り、
電話で話しただけのサービスの人と挨拶を交わすと、
早速代車のマーチが用意され、
作業が終了次第電話をくれるということで、話しが終わる。
当然、どんな症状であるかを
詳しく聞いてくるであろうと思っていたし、
それにからめて洗車の事とか
サイドスリップの話をしようと思っていた私は、
あまりにあっけなく終わったので戸惑いながらも、
(事前に電話で症状はあらかた話をしてるし、
症状もはっきり出てるので乗ればわかるか・・・。
サービスの人もそう思って別に聞かないんだな)と思い、
洗車の事などを話せなかったコトを後悔しながら、
ディーラーを後にした。
そして、この時に症状を話さなかったことが
後に問題となるのである。
家に戻り連絡を待つ。
一昔前だったディーラーの様子の事。
十分にコミュニケーションができなかった感のある引渡しの事。
洗車などの事を伝えられなかった事。
異音の原因がハブベアリングでは無かったら・・・など、
様々なことを考えながらひたすら待つ。
数日前の電話で、作業時間は、
すんなりいって3時間と聞いていたので、
まあ、午前中はムリだろうと考えながら、
早くて午後2時頃かな、遅くても4時頃かな、などと考えていた。
以前の電話で、一日で終わる(お泊り無し)ことに、
私がかなりこだわっているように
サービスの人には伝わっているだろうし、
今日も仕事を休んでいることは知っている。
終わり次第連絡をくれると言っていたし、
それなりに時間の事は考えてくれているだろうと思っていた。
もちろん私のiRのためだけに、
世界が動いているわけではないのは百も承知しているが、
午後3時を過ぎる頃になると、少々心中穏やかではなくなる。
朝イチで持ちこんだのに・・・。
4時頃になると、もうそろそろだろうということで、
見切り発車で代車に乗り、ディーラー付近を目指す。
電話が入った時に、すぐにディーラーに向かうために。
適当に街中を流して連絡を待つが、来ない。
まだ来ない・・・。
あまり催促はしたくないのだが、
ついに5時頃ディーラーに電話をする。
すると担当のサービスの人は外出中だと言う。
帰って来るのは1時間先か2時間先か・・・ということだったので、
(まさかiRはもう作業終了してるのに、
その人待ちか?)と思い、
「赤黒パルサーはどうなっているか?」と聞くと、
別のサービスの人が電話に出て、
「今、片側が組み終わったところで、
もう1時間半ぐらいかかる」と言うので、
いつからやってるのかと思いながらも、
「異音の原因は見つかったか?」などと質問すると、
「特にそういうものは見られなかった」と言う。
で、もう一度メカに話を聞いて戻ってくると、
「あと3・40分で、出来るみたいです」と言う。
まあ、仕方がないとは思いながらも少しイラついていたので、
今朝言えなかった「洗車はしないでくれ」という事と、
「サイドスリップを見てくれ(金は払うから)」という事を伝えて、
再び作業終了の電話を待つことにした。
適当に代車を走らせて連絡を待つ。
ディーラーからなるべく離れないようにぐるぐると回る。
そうこうしているうちに、このままでは、
今朝代車に給油した分を使い切ってしまうと思い、
適当な駐車場に停めて待つ。待つ・・・。
6時になっても、連絡は来ない。
だんだんとイラつきは増す。
ついに半ばキレて、
ディーラーとは反対方向にある仕事場に行き、グチっていた。
すると7時になってようやく携帯電話が鳴った。
まだ、担当のサービスの人は帰っておらず、
さっきの代理のサービスの人からの電話であった。
内容は、作業は終了したが、
異音が止まったかどうかはわからないので・・・、
というものであった。
聞けば最初に試走した段階では、
どうやら異音がどういう時に、
どんな感じで鳴るのかが、
やはりわかってなかったというのである。
元々、今回のハブベアリング交換は、
私が異音の原因を予想して
覚悟を決めて踏み切ったものであり、
それで異音が止まらなくても
ディーラーの責は問わないというものなので、
その点では別にイイのだ。
が、しかし、
「そのハブベアリングの交換作業をする上で、
異音の原因と考えられそうなものを発見したら教えて欲しい」
ということにはなっているので、
最初に異音の様子をはっきりと認識していないと
おハナシにならないのである。
それを何を今更!
なんで今朝聞かないんだ!
そうでなくても数日前の電話で大体は伝えたはず。
その伝えた人は今どこへ?
ということで長時間待たされて、
そんなことかと思わずキレかかり、電話でそのことを伝える。
が、とにかくディーラーに向かうことにする。
ディーラーに着くと、代理のサービスの人は、
「異音は停車時にステアリングを切った時に起こるものか?」と、
相変わらず見当違いのことを聞いてくる。
そんなものじゃないとあきれながら、
とりあえず助手席にメカの人を乗せて試走に出る。
クラッチを踏んだ瞬間に強烈な違和感を感じる。
ペダルを踏んだ感触が、スカスカのジャラララ~というカンジ。
(うわ~、やっぱりな~)と思った。
普段クラッチを踏み慣れていない人間、
また、MT乗りだとしても、クルマによって、
仕様によってクラッチの踏み方は様々に違ってくる。
履いている靴も影響あるだろう。
特にフルバケを入れた私のiRは、
ももが上がる状態になりシートを目一杯前にやらないと
クラッチを丁寧に踏めない状態にあると思う。
今までも、軽い整備などで、
ディーラーやショップの敷地内をメカニックの人が
数十メートル動かしただけでも、
直後に私が乗ると何か変な感触・アタリがついていることがあった。
その時は少ししか距離を走っていないので、
ごく小さな変化であり、短時間で元の感触に戻ったのだが・・・。
今回はおそらく予めどんな異音かも知らないで、
異音を感じようとしたものだからそれなりの距離を走ったのだろう。
ちょっとヤバイんじゃないのかと思うぐらいの
変な踏み心地であった。
まずは、横のメカの人にそのことを伝える。
クラッチの感触は乗っているうちに
だんだんと元の感触に近づいていくようであったが、
まだ元のようにはならない。
が、とりあえず異音の事と、
ハンドルのセンターが出ているかを見極めるということに
神経を集中させる。
何度か低速で右折をしたが、ポキッという異音は出なかった。
ステアリングもセンターが出ているようである。
横のメカの人は若く、20代半ばぐらいに見えたが、
私の疑問に対してとても丁寧に説明し、対応してくれた。
(ちゃんとしてるな~、プロだな~)と感心した。
メカの人に聞いたところ・・・。
・やはり、私の言う異音が
どのようなものかは事前に伝わっておらず、
試走では確認できぬままハブベアリング交換に至った。
ただ、「ブレーキスカッ」は体感した。
・ハブベアリング交換の際に足まわりを見たが、
特に異音の原因になると思われる破損や
異常は見られなかった。
・ただ、ストラットにガタがあった。
おそらくショックかピロアッパーにガタがあるのではないか?
・交換して外した元のハブベアリングにも、
走行距離それなりの状態であったが激しい損傷は無かった。
・一応、足まわりの各部の増し締めを行った。
・作業終了後はやはりステアリングがナナメになっており、
サイドスリップ調整とステアリングのセンター出しをした。
ということであった。
もちろん最初から、今回ディーラーには
「異音を止める」という依頼をしたわけではないので、
ハブベアリング交換がカンペキに行われていれば、
それ以上私が文句を言うものではないので
料金を支払いディーラーを後にした。
しばらく試走するが、異音は出なかった。
ただ、ここ最近100パーセントの確立で
異音が発生する状況がある。
朝一番、駐車場を出て最初の角を右に曲がるときである。
必ず「ポキッ」と鳴るのだ。
翌日の朝、いつもの状況で鳴らなければ、
まずは一安心できるのである。
翌日の朝の事を考えると、興奮してなかなか眠れなかった。
ついに午前5時頃まで眠れなかった。
2時間程寝て、いよいよ出勤するためにiRに乗り込む。
そして、問題の角を曲がる。
鳴らない!!
もちろん次の日の朝にまた鳴らない保証は無いし、
まだ不安感は残るが、とりあえず一安心である。
が、しかし、新たな問題が・・・。
クラッチの感触が、まだおかしいのだ・・・。
・ハブベアリング交換(フロント)・・・技術料 22,000円。
部品代 12,840円 合計35,000円(税込み、値引きあり)