
ディーラーでの
「左足のガタ」についての診断結果は、
私のiRに対する気持ちをさらに離れさせた。
そして、その半年前交換したばかりの
ハブベアリング不良というモノは、iRへの不可思議度や、
メカニックに対する不信度をさらに深めるものであった。
ディーラーに見せてから、
さらにガタつきも酷くなっているように感じる。
日々、悪化しているのだろう。
とても、車検の10月まで持ちそうにないと感じた。
何とか10月まで持たせるように、ソロソロと走ったとして・・・、
いや、そうして走るのならばiRに乗る意味があるのか?
直す気力もほとんど失せていた。
どうせ直らないのだから・・・。
誰も直せないのだから・・・。
誰も分からないのだから・・・。
もちろん大金をかけて、ゴッソリ替えればソコは直るだろうが、
しかし・・・。
「もうやめておけ、もうやめとけよ」と私の中で止めるモノがある。
以前と違い、たとえ2・3万円でも払う気にはなれなかった。
そんな中、同県のTeeさんから連絡があった。
少し前、「足回りの異音」問題を見て、
「事故をした部品取り車があるからどうですか?」
と言ってくれたので、
ならば(異音とは関係無いが)ボンネットのダクトを
安価で譲っていただけないかと、お願いしていたのである。
なぜ、ボンネットダクトなのか?
それは、次に乗るクルマがどんなクルマであろうと、
iRのダクトを付けたいからである。
それは自分がiRに乗っていたんだ、
という未練がましい意味は無く・・・、
(いや、ほんの少しあるかもしれないが)、
単純にダクトの形状とダクトが付いているボンネットが
好きだからである。
iRを手放す時・・・、
そのまま廃車で「解体屋行き」ならば、問題無くダクトを取れる。
しかし、誰かに売るコトになった時は、
ダクト無しというわけにはいかない。
つまり、現在付いているダクトを外して、次の私のクルマに付け、
今回買ったダクトを手放すiRに代わりに付けようと考えたのである。
すでに、もう手放すコトを考えている。・・・そういうコトである。
受け渡し場所に行くと、初対面のTeeさんはメカニックであった。
そして、3台のiRがあった。
TeeさんのiRと、事故をされた知人のiRと・・・。
そこには、懐かしい再会があった。
元DAIさん号である。
部品取り車として購入されていたのである。
まさかココで再び出会うとは・・・。
何年振りだろうか・・・、備北で横に乗せてもらったな・・・。
話が、「左足のガタ」のコトになると、
Teeさんが親切にもジャッキで上げて見てくれると言う。
ハブベアリングが半年でイクのはオカシイと。
診断は、確かにハブが異常であるということだった。
そして、元DAIさん号のハブの移植を提案してくれた。
これ以上iRに金をかけるつもりが無かった私は、
そのありがたい提案にも一瞬戸惑ったが、
HPを見てくれていて、私のiRに対する想い、
ヘンタイ度を知っているTeeさんなら、
ご自身もiRオーナーのTeeさんならば・・・と、
お願いすることにした。
私のiRのハブを外しにかかる。
するとTeeさんが、ガタの原因を発見した。
ハブ本体の不良であった。
通常はその段階では抜けてはいけないハブが、
簡単に抜けてしまったという。
そのハブの損傷は、
通常なら前回のディーラーでのハブベアリング交換作業時に、
当然発見されて対処されるべきものであるらしい。
その時に報告されて、交換していれば・・・。
さらに、
他の箇所のボルトの締め付け不足という単純なミスも発覚した。
もう笑いしか出ない。いまさら怒りも無い。
先日、丁寧に説明してくれた日産のメカニックは、
当時右側を担当したと言っていた。それは私も覚えていた。
そのヒトに「左側の作業には問題は無かったか?」と尋ねたが、
答えは「問題無かった」というものであった。
当然である。同時に左右を二人がかりで作業し、
格上の問題無く右側の作業をした一人が説明に来る。
もう一人が反対側の左側を問題無く作業をしたと信じて・・・。
そこに落とし穴があるのか・・・。
大勢のメカニックがいて、一人一人の顔が見えない状況が・・・、
責任の所在が希薄になりうる状況が・・・。
Teeさんによる移植作業は進む。
ナックルごと元DAIさん号のハブが付いた。ガタつきは無い。
さらに、「右足のガタ」まで、気にしてくれた。
「右足のガタ」であるショックの回転の原因のピロアッパーを、
手持ちの物と替えてくれたのである。
ピロアッパーのガタは、ピロそのものではなく、
台座(?)のねじの脱落とゆがみであった。
特にねじの脱落は、外す前から見抜いていた。
全ては「経験・知識」である。
湾岸ミッドナイトではないが、
今日は「経験値」の違いを、まざまざと見せられ感じた一日であった。
やはり、その個体や仕様により
「求められ、身に付く経験値」は違うということであろう。
私のヘンタイ度を知っているヒトが、
確かな知識と技術で親切丁寧に作業してくれている。
それを、近くで見学させてもらっている。
私が夢に思い描いていた理想的な状況が、そこにはあった。
もちろん、Teeさんも本職で、お仕事でやっている領域なので、
私はソレに度を越えて甘えないようにしなければならないと
わかっているつもりである。
しかし、長らく「安住の地」を探して・・・、
「ディーラー迷子」「ショップ迷子」状態になっていた私にとって、
今日の出来事は、かなりうれしかったのである。
アライメントも、丁寧にきっちりとってくれた。
何度もやり直してくれて、帰る時もステアリングのセンターは
バッチリ出ていた。
乗った感触はどうか?
家に帰るだけで、
まだ落ち着いて距離を走っていないのではっきりしないが、
左足のガタが原因かと思われた最近の「細かい感触」の大部分が、
どうやら私の勘違いだったように感じた。
もしかしたら、その「細かい感触」は、
以前からあったものかもしれないし、
ここ数日で出たタイヤの「次の層」が関係しているのかもしれないが、
まだ何とも言えない。
とはいえ、発進時やステアリングを切った時などの、
微かなグラつきを感じる不安定感は確かに無くなったように感じる。
何より目に見えてわかる、
手で押し引きした時のタイヤのガタつきが無くなったのは、
精神的にかなり楽になった。
アライメントもバッチリ決まったことにより、
タイヤの偏磨耗からも解放されるというのもうれしい。
あとは、ハブ不良が、過走行などによる単なる消耗による寿命で、
他の機械的な部分に原因があるものでは無い事を祈るだけである。
iRに対する気持ちも、また少し変わった。
とにかくうれしかった。
だが、それ故に、何だか複雑な気持ちでもある。
Posted at 2018/11/16 16:38:37 | |
PULSAR GTI-R | クルマ