
先日アップしました、バイクによる2年間ハイオク使用の結果。
プラス10%と、2ストディオでは効果絶大でした。
う~ん、でもこの結果、一般的な見解とは合っていません。
これ、本当にハイオク効果だったのでしょうか?
今一度、検証したいと思います。
そもそもハイオクって、何が違うのでしょう?
ハイオクとレギュラーの違い、それはオクタン価です。
このオクタン価、ノッキングと関係があります。
この値が高い程、ノッキングしにくくなるのです。
では、ノッキングってなんでしょう?
これはエンジンから発生する「カリカリ」といった異音、振動の事です。
主な原因は、点火プラグ以外の熱源で発火する異常燃焼によるものです。
厳密には異常燃焼が起因のものは、ノッキングに含まないのだとか。
でも実際には、このケースが多いです。
例えばマニュアル車において、高いギヤで低速から加速しようとした場合。
アクセルを踏んでいくと「カリカリ」と音が出る事があります。
これはエンジン回転数が一定でアクセルだけ開けたので、吸入混合気量が増えてシリンダー内の圧力が上昇。
それによってシリンダー内が高温になり異常燃焼が発生し、異音が出るそうです。
ノッキングはエンジンの圧縮比と関係があります。
高い圧縮比だと高圧高温になるので、発生しやすくなるのです。
では今回の昭和バイク、圧縮比ってどのくらいなんでしょう?
ディオ(50cc 2st)) 7.3
YSR(80cc 2st) 7.4
ジェンマ(125cc 4st) 8.5
2stは4stよりも圧縮比が低い傾向にあります。
圧縮比は、ピストン下死点の最大容積とピストン上死点での最小容積の比率です。
4stの場合、バルブで吸排気を制御しているので、ピストンの下死点から圧縮が始まります。
(厳密には吸排気バルブが開いているオーバーラップがあるので、ちょっと上からですが)
つまり最大容積は、ほぼストローク分全てです。
これが2stになると、掃気/排気ポートが閉じてから圧縮開始となります。
つまり最大容積は、4stのものより少ないのです。
この圧縮比の低さが、2stにハイオクは適さないと言われる所以なんです。
参考までに、他のバイクではどうでしょう?
ライブディオ(50cc 2st) 7.1
現行タクト(50cc 4st) 12.0
初代ディオよりハイパワーなライブディオは、なぜか圧縮比が低いですね。
それに比べて、驚いたのは現代のスクーター、タクト。
タクトは、今や4st水冷で触媒付きです。
パワーは4.5psしかありませんが、これだけ厳しい状況下で効率を上げるには、高圧縮化は必須なんですね。
さて、ハイオクガソリン。
違いはオクタン価だけで、それ以外は基本的に変わりません。
洗浄効果は、ハイオクに分があると言われていますが。
それ以外は、燃焼エネルギーも含めて変わらないんです。
確かに昭和の原付、ハイオク入れても速くなった体感はありません。
オクタン価が上がっても、それに見合う様な調整機能も付いていませんし。
でもなんか変わったかな? と言うのが1つありました。
それは、始動性。
以前、始動性の悪さを話題にしました、ジェンマ。
先日、フューエルコックがエンジン始動に関係なく、常時オンになっていたのが発覚。
もしかして始動性が悪い原因は、ガソリンが多く流れていてカブリ気味なんじゃないだろうか?
その後コックをエンジン負圧連動に変えましたが、あまり改善はされませんでした。
それと最近公道復帰した、ライブディオ。
最初は急場凌ぎで、草刈り機用の混合燃料を使用。
そのままスタンドでハイオクを給油し、現在に至っています。
ライブディオはセルが不動なので、キックで始動しています。
当初は5回もすれば掛かったのですが、最近は20回くらいキックしないと掛かりません。
この2つの案件、どうやらハイオクと関係がある様なのです。
オクタン価が高いのがハイオクの特徴。
高温高圧になっても、自己着火しにくくなっています。
言い方を変えれば、平常時では着火しにくいという特性があるそうです。
エンジン始動時は冷間なので、混合気が着火しにくい環境です。
そこにハイオクを使うと、着火しにくい特性が出て始動性が悪くなるのだとか。
ひょっとしてジェンマの燃費悪化は、着火しにくいハイオクが原因なのかも?
そんな気もしてきました。
では良くなったディオは、なぜ?
これはさっぱり分かりません。
昭和のバイクとハイオクガソリン。
「変わらない」が大半で「良くなる」という情報は少ないです。
となるとこれは、1度レギュラーに戻してどうなるか? 確認をせねばなりません。
実は先日、まん延防止処置下ではありましたが、いすゞプラザへ行ってきました。
藤沢までは、片道145km。
往路はハイオク、復路はレギュラーでの走行です。
往路、復路とルートは変えていますが、距離の差は復路が+1.3kmと、ほぼ同等。
所要時間は、渋滞の激しかった復路が+28分です。
その結果は、以下の通りです。
往路 41.61km/L
復路 43.67km/L
レギュラーの方が、5%良くなっています。
渋滞が酷く、環境的には悪かったにもかかわらず、です。
やっぱり低圧縮比の2stバイクには、レギュラーの方が合っているのでしょうか?
2年前、ハイオク変更時に燃費が上がったのは、なぜだったのか?
もうちょっと他のバイクでも、検証をしてみます。