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2018年04月15日

ホンダコレクションホール <初の四輪市販車編>

ホンダコレクションホール <初の四輪市販車編> ツインリンクもてぎ内にある、ホンダコレクションホールへ行ってきました。

ここは年度単位で、少しずつ入れ替えをしています(多分)。

そういえば昨年度は、一度も行ってませんでした(反省)。

今回は、この車のご紹介を。





T360


ホンダ初の四輪市販車で、なおかつ日本初のDOHCエンジン搭載車です。

デザインがカエルくんみたいで、かわいいですね。

スポーツカー用高性能エンジンの象徴とも言える、DOHCエンジン。

日本における歴史は、意外にもトラックから始まっています。





搭載されたのは、このAK250E型。

354ccの水冷で、しかも4気筒。

エンジンが極端に前傾しているのは、シート下に搭載するので高さを抑える為です。

なので、あのボンネットを開けてもエンジンは見えません。

代わりに鎮座されているのは、スペアタイヤです。

軽トラックは、低回転での力強さが重視されます。

でもこのエンジン、全く正反対の高回転高出力型になっています。





キャブレターも、前期型は4キャブです。

1シリンダー1キャブレターなんて、当時でも一部のスポーツカーくらいしか採用されていませんでした。

ところで、どうして軽トラなのに、こんな高回転高出力なエンジンを搭載していたのでしょう。

それは、この車との関係もあるのでしょう。





S360


ホンダは初の四輪市販車として、この2車種を並行で開発していました。

「速く走れるスポーツカーこそが、自動車のあるべき姿」と考える本田宗一郎さん提唱のS360。

「経済復興途上の日本で、必要なのは商用車」と考える藤澤武夫さん提唱のT360。

それぞれ異なった用途なので、専用エンジンをそれぞれ用意出来れば良かったのでしょう。

ですが、当時のホンダにそこまでの設備投資は、負担が大き過ぎます。

そこで、この2車はエンジン共用となったのでした。


それから、実はもう1つ理由がありまして。

T360の性能要件に「最高速100km/h」というのがありました。

それを実現する為に必要な馬力は、30馬力。

馬力は、トルクと回転数に比例しますので、高回転化出来れば高出力になります。

そこで要求馬力から逆算された必要回転数は、9000rpm以上。

その為には、4気筒で1シリンダー1キャブレター(4キャブ)が必須となりました。





エンジンをシート下のスペースに収める為には、高さを抑えなければなりません。

そこで開発当初は、空冷水平対向4気筒で行われていました。

ですが、スペースの都合なのか、この方式では4キャブを収めることが出来ません。

そこで、エンジンは水冷直列4気筒に変更されました。

つまり、T360にスポーツカーの様なエンジンを搭載しているのは、この30馬力要件を達成させる為です。

実はS360の存在とは関係なく、T360はこのエンジンにせざるを得なかったのです。

ただ、S360との共用化で、製造コスト低減は狙っていましたが。






排気も慣性効果を狙い、パイプによる等長化が施されています。

現在ならば機械曲げですが、当時は設備がなかったのか火あぶり手曲げだったそうです。

量産部品なのに、手作りだったとは・・・





ここまで並行で開発された2車ですが、結局市販されたのはT360だけ。

当時、自動車自体の普及が進んでいない日本で、スポーツカーの投入は時期尚早と判断されたのです。

そこでスポーツカーは、海外での販売も視野に入れ、世界で通用する車へと進化させました。

排気量も日本の軽規格とは関係のない、500ccへ。

それに伴いボディも大型化され、この車で市販されました。





S500


排気量が拡大されたのには、もう1つ理由がありまして。

当時、貿易自由化に対応すべく、特振法を成立させる動きがありました。

この法律は特定産業を指定して、その業界が海外勢と十分渡り合える様に強化するというものです。

自動車は、この特定産業に指定されました。

その結果、新規参入メーカーの制限、既存メーカー再編(合併)を行う動きが出てきました。

プリンスと日産の合併劇も、実はこの影響なのです。

当時のホンダは、まだ二輪専門メーカー。

この法律が施行されれば、四輪メーカーになれません。

その為には、早く四輪生産を開始して実績を作らなければならないのです。

その実績を軽自動車と普通車で作っておけば、施行後、車種拡充する際に有利に働くのでは、との思惑もあった様です。

ですが特振法、結局は廃案となり施行されませんでした。

しかもこのS500、発売から1年も経たずして、馬力不足を理由にS600になっています。

ホンダの四輪車メーカー黎明期は、いろいろと大変だった様です。
ブログ一覧 | ホンダ | 日記
Posted at 2018/04/15 05:50:01

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この記事へのコメント

2018年4月15日 7:55
おはようございます。

ここにいけば、しばらくネタには困らないですね
私も夏休みに行ってみようかなぁ~
コメントへの返答
2018年4月15日 8:29
おはようございます。
コメントありがとうございます。

当初は「行きました」で1回の予定でした。
ですが、1台書いてこの長さ・・。
急遽、小出し作戦に変更しました。

あそこは少しずつ入れ替えしますので、お時間があれば是非!
2018年4月15日 9:23
おはようございます!

以前、T360のオーナーとお話ししたことがあるのですが、音だけ先行しますよなんて笑っておいででした。維持するのも大変とも…
この高回転型エンジンならさもありなんと、非常に納得したものです。

このエンジン、ホンダの汎用(OHV)エンジンと似てる気がするんですよね。これも丈夫で良いエンジンでした。
コメントへの返答
2018年4月15日 9:49
おはようございます。
コメントありがとうございます。

トラックなのに空車時最高速で性能評価していたので、こういうエンジンになったのでしょうね。
きっと積載時登坂性能で評価したら、後のTN360みたいな2気筒になっていたのでしょうね。

むかし、初めてこのエンジンを見た時、一瞬どうなっているのかわかりませんでした。
プラグコードついている部分が上、と思っていましたが、プラグコードはカバーで覆われているし、上面には何もついてないし・・・。
2018年4月15日 10:20
ほんと、T360ってカエル顔してますねっ。
アマガエル色に塗り塗りして。(笑)
アマガエル号とツーショット、ってのも、いいなぁ。(爆)

ところで、Wikiを見たのですが。
『サイドブレーキおよびシフトレバーはステアリングコラムの右側に配置されているが、これは助手席に子どもが2名乗せられるようにとの配慮であった』

あれっ、当時は、子ども二人を大人ひとり分に数えていたのでしょうかねぇ。(ヨクワカラン)
T360って、乗車定員2名ですよねっ。
今じゃ、乗車定員オーバーで、アウト!
コメントへの返答
2018年4月15日 14:04
こんにちは。
コメントありがとうございます。

T360は、今の軽自動車の様に、セミキャブオーバーです。
(最近の軽トラックは、フルキャブオーバーに戻りましたが)
ということは、あのカエル顔を今のアクティでやってもいいのでは?と思います。

子供の換算ですが、子供1.5人で大人1人です。
なので子供2人乗せるのはアウトです。

ホンダは、緊急時の乗車を気にすることが、よくありますね。

例えばCR-X。
輸出仕様は2人乗りです。
ですが日本は、緊急時に短距離だけど人を乗せることがあるかも?ということで、かなり狭いですがリアシートを付け4人乗りとしています。
2018年4月15日 17:25
こんにちは。
T360のシフトレバーが右というのを初めて知りましたが、子供2名乗せられるような配慮は不思議に思いました。当時、軽自動車は検査対象外だったからなのか、子供の頃、軽トラの荷台に後ろ向きのシートが付いたのがあった記憶があります。その記憶が定かでなかったので、世代の上の方に聞いたことがあり、確かにあったらしいです。だとしたら、そこまでしなくても、なんです。TN初期の頃まではあったと記憶してます。ほぼ背中が直角になるでしょうが、足元はひろびろ、1マイルシートよりは快適だったかも、です。
コメントへの返答
2018年4月15日 21:02
こんばんは。
コメントありがとうございます。

荷台にシートが装着されている車といえば、スバルブラットしか思い浮かびませんでした。
でもあれは逆輸入車ですからね。

実際どんなものがあるのか検索してして見ましたら、消防分団車というのに辿り着きました。
でもこれは、一般ユーザーには所有出来ないですね。

普通にトラック荷台にシートが増設出来たとは、初めて知りました。
どこかに写真がないものか、もう少し探して見ます。
2019年9月3日 21:30
もてぎができる前、サーキットボウルの地下に、ホンダのお宝が眠っているという噂がありました。
その後、コレクションホールではないですが、ボウリング場の地下の面積分のこじんまりとした博物館ができ堪能させてもらっていました。

'89のオープンの年、どんなもんができたんだろう?と興味深々でロゴを走らせ、ゲートをくぐってグランドスタンドからコースを見下ろした感動が忘れられません。
 もちろんコレクションホールも行きました(笑)
本物の博物館ができていてびっくり。。。
 しかもめちゃめちゃ広く展示車両の多さにも。。。

なんか、東日本大震災以降、車両を分散保管するという話も聞きました。(ほんとかどうかわかりませんが)

S500かぁ。  僕はクーペが欲しいなぁ。できれば同い歳の'67年式が(笑)
上がりのクルマになったら、最高です。
コメントへの返答
2019年9月4日 8:34
おはようございます。
コメントありがとうございます。

ボーリング場の下にあった頃、2回ほど行きました。
確か最初は出来たばかりの頃。

ボーリング場の横を歩いていても最初は気付かず、小さな看板があってやっと分かりました。
鈴鹿には乗車出来るクルマもありました。
その時はNSX-Rがあって、レカロのフルバケ初体験をしてきました。

もてぎには、乗車出来るクルマがないんですよね。
2019年9月4日 20:55
申し訳ありません。

茂木のオープンは1997年です・・・汗。
コメントへの返答
2019年9月4日 22:44
こんばんは。
コメントありがとうございます。

思い出しました。
もてぎオープン時、1年間の期間限定だったか、入場料無料パスを貰いました。

あっ、あと鈴鹿開設50周年の時にも、年1回使える無料入場券を貰いましたね。

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「@中島乗り さん 片山さんって、渡米前から有名人だったんですね。」
何シテル?   08/21 21:22
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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