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2019年08月09日

コーダトロンカ

コーダトロンカ 自動車デザインの用語に「コーダトロンカ」というのがあります。

これはイタリア語でして、英語では「カムテール」と呼ばれています。

そもそも「コーダトロンカ」とは?

「コーダ(coda)」はしっぽ、「トロンカ(tronca)」は切り落とされた、という意味です。

細長く続くものを、途中でスパッ!と切った様なカタチ。

そんなデザインのことを言います。





飛行機等では、空気抵抗を少なくする為に、上図の様な水滴形になっています。

これが自動車の場合、小回りするので、あの長いしっぽが重くてちょっと邪魔なんです。

さて、どうしたもんかな・・・?

すると、スイス人の自動車技術者、ヴニバルト・カム教授から、こんな理論が発表されます。


流線形の長いしっぽを切り落としても
空気抵抗はあまり変わらない



長いしっぽがなくても、まるで仮想しっぽがあるかの様な、効果があるそうです。

多少の乱気流は発生しますが、概ね空気はきれいに流れてくれるのだとか。

しかも、コーダトロンカ。

しっぽが短くなったことで、空気とボディが接触する面積が減少します。
(空気と当たる部分の長さが、短くなります)

空気とボディが接触すると、そこには接触抵抗が発生し、それが即ち空気抵抗となっているのです。

しっぽが短くなれば、接触面積が減少するので、空気抵抗も減るのです。






そんなメリットもある、コーダトロンカ。

そんな効用を抜きにしても、私はカッコいいと思います。

しっぽが短くなることで、長さが短くなり、塊り感が出てくるんですよね。

フェアレディZ(Z32)の時にも書いた様に、なるべく重量物が重心に集まったデザインが好きなんです。

コーダトロンカもリアを短く切るので、そういったデザインに見えてきます。


このテールぶった切りデザイン。

日本ではあまり「カムテール」とは呼ばれず、「コーダトロンカ」の方が一般的です。

それには、このクルマの影響があったからかと、思うのです。





アルファロメオ ジュリア TZ


60年代のアルファには、コーダトロンカのモデルが多くありました。

でもよく見ると、ぶった切っているとは言え、結構リアオーバーハングが長いのですね、TZって。

ちなみに、この「TZ」。

「T」はTubolare(チュボラーレ)で、鋼管スペースフレーム構造を意味しています。

そして「Z」は、ボディを製作した「カロッツェリア ザガート」のことです。

このザガートがデザインしたモデルには、コーダトロンカが多かったですね。

他には、こういうモデルとか。





アルファロメオ ジュニア Z


先程のSZは、公道走行可能なレーシングカーなのに対して、このジュニアZは、あくまでロードゴーイングカーです。

なので、SZほどぶっ飛んではいませんが、コーダトロンカであることは、十分に分かります。


このコーダトロンカ、なにもイタリア車の専売特許ではありません。





バラードスポーツ CR-X


名前にこそ「スポーツ」とありますが、元々このクルマのコンセプトは、インサイトと同じ。

80年代の技術を使って、どこまで燃費が伸ばせるか?

その為には、空気抵抗の少ないボディデザインにしたい。

その結果が、このコーダトロンカでした。





サイバー CR-X


2代目は、エコよりもスポーツを特化させました。

デザインもバラスポより、ワイド&ローになって、よりカッコ良くなりました。

今インサイトに乗っていますが、後ろ姿はサイバーの方が好きですね。





初代インサイト


そして遂に登場、20世紀の技術を全部乗せのクルマです。

こちらは、燃費追求の為のコーダトロンカ。

しかも、リアトレッドを絞り、おまけにリアタイヤにはスカート付き。

本当はリアバンパーの角を、もっと角ばらせたかったそうです。

その方が、空気の剥離が良いので。

でも、ただでさえトレッドを狭くしたリアが、余計に狭く見えて貧弱な印象になると。

そんな理由で、市販車には丸みをつけたそうです。

折角、ここまでぶっ飛んだデザインなんですから、見た目が貧弱になったとしても角をつけて欲しかったなぁと、私は思います。





2代目インサイト


初代のイメージをうまく生かし、実用的な4ドアに仕上げています。

先日ツインリンクもてぎで久しぶりに見たのですが、最近のホンダ車の様なゴテゴテデザインではなく、スッキリとしたコーダトロンカは、カッコ良く見えました。





クラリティ


プラグインHVや燃料電池車をラインナップする、一歩先をゆくエコカー。

これも、空気抵抗低減の為に、もちろんコーダトロンカです。



最近はプリウスでも2代目から採用している様に、コーダトロンカもさほど珍しいものではなくなりました。

でもそれよりも前から続いている、ホンダのコーダトロンカ。

空気抵抗もありますが、きっとホンダはコーダトロンカが単純にカッコいいと思っているのではないでしょうかね。
ブログ一覧 | ホンダ | 日記
Posted at 2019/08/09 10:12:02

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この記事へのコメント

2019年8月9日 12:48
こんにちわ!

子供の頃、このコーダトロンカって言葉が、まるで魔法の呪文のように思えたものです。
そのデザインがしてあるだけでスッゲー‼なんて(笑)
セリカLBやギャランGTOのダックテールも、これを取り入れてるのかな?それまでの日本車とは、かなりデザイン的に変わったような気がします。
大胆な例で言えば、マツダRX500か。
ああ、なんと夢に溢れてた70年代。
思春期真っ只中のオイラは、すっかりやられていたものです。
コメントへの返答
2019年8月9日 17:12
こんにちは。
コメントありがとうございます。

どこまでがコーダトロンカなのか、あんまり明確ではないみたいです。

私のイメージは、後方視界が歪んで見えるくらいの高さで切っているものが、そうなのかなぁ。

以前、サイバーCR-Xに乗っていましたが、あれ、後ろの車の姿が歪んで見えます。

マツダRX500は、ほとんどルーフが下がらないでのぶった切りなので、そうですよね。

そうなると、アコードエアロデッキは?
あれは違う気がしますが・・・
2019年8月9日 13:01
こんにちは
コーダトロンカって言葉を読んだのはやはりTZの記事でした。でも、尻上がりでないので、ちょっと違うかもしれませんが、ダックテールの方がピンときますね。何代目かのプレリュードが出たときの記事でコーダトロンカを採用ってあったので、ザガートの真似か?って思ったことがありましたが、以外にも多いんですね、ホンダ車。

最近、近くにあった紅いインサイト、動いてないなっておもってたら最近路上でよく見ます。走ってるのを実際にみると、なんか道路から浮いてみえます。
コメントへの返答
2019年8月9日 17:17
こんにちは。
コメントありがとうございます。

やっぱりカムテールよりは、コーダトロンカですよね、イメージは。

イタリア車が多く採用していると印象があります。

4代目プレリュード、セナがCMをしていたモデルが、ちょっとコーダトロンカ風でした。

左右サイドをかなり絞り込んで、トランクがありましたけどぶった切りデザインだったので、カッコよかったですね。

ちょっと購入を考えていました、プレリュード。
2019年8月9日 20:58
コーダトロンカという言葉をインサイトに乗るようになって知りました。
最初、ロシアの民謡かフォークダンスの一種かと。。。

CR-Xもそうですよね。
アルファロメオは名前までは出てきませんが、あのカタチ好きです。
アバルトもそんなイメージなのですが、お尻はキュッとしてるけど丸まっていたかも。
あと、スパッと切ったカタチでは、コブラのデイトナクーペとかもカッコいいですね。

インサイトのメンバーは、実際にバンパーに自作のスポイラーで角ばったのにしてる人が何人か居ます。
あと、リアスポイラーを延長させ、テールランプのところだけ三角の逃げをつくっていかに後ろに長くさせるかやってましたが、本来コーダトロンカって、スパッと切ったところが、流線型とあまり変わらないから採用してるハズなのに・・・と(笑)

ネタ込みで、いろいろダベりながら楽しんでました。
コメントへの返答
2019年8月10日 2:16
こんばんは。
コメントありがとうございます。

コーダトロンカ、今回はアルファ、特にザガートを例に出しました。
そういえば、アバルトもコーダトロンカに分類されていますよね。
でもビアルベーロだと、あれはダックテールかな?
レコルトモンツァは、丸いので違うのかな。

80年代あたりのホンダは、イタリアンデザインが好きでしたよね。
初代トゥデイ、ビート、あと、このサイバーCR-Xとか。

この頃のホンダは、凄かったと思います。
到底、他のメーカーでは考えつかない様な、お米食べてる人では出てこない様な、そんなデザインが多かったです。

バンパーが角張ったインサイト。
アメリカで発表した時は、あのプロトだった気がします。
あのプロト、日本で公開したのでしょうか?
一度見て見たいものです。
2019年8月10日 10:34
日本でもお披露目があったのかは、わかりません。

自分、恥かしながらインサイトがデビューした事すら気づきませんでした。 たまたま街で見かけたのが最初で、そのタイヤの見えない奇抜なカタチに「ホンダ・・・とうとう歴史に汚点を作ってしまった・・・涙」と感じていました。

完全にバイク主体で、自分が手に入れる、という目線では車を見ていませんでした。(ロゴが気に入っていたので)
コメントへの返答
2019年8月10日 11:43
こんにちは。
コメントありがとうございます。

あのシトラスイエローの試作車、今はどうなっているだろう?
もし残っていれば、今年はインサイト生誕20周年なので、是非見せてもらいたいものです。

インサイトのCM、観た覚えがありません。
師匠の話だと、Youtubeにあるものとは別バージョンがあったらしいのですが・・・

ディーラーでも、新車時から積極的に売り込んでいません。
購入希望の方には、定価販売だったと思います。
売れば売るほど、赤字が大きくなりますので。
2019年8月10日 21:18
こんばんは
以前に飲み会の席で友人とコーダトロンカの定義について議論した事が有り、(勝手な)結論を下記の様にしました。
 ・リヤウインドウが45度以下の角度で傾斜している事
  (後ろよりも空が見える)
 ・切り落とす高さはウエストラインよりも高い事
  これ以下の場合はファストバック
  (ヴニバルト・カム教授の理論では
  『断面積が車の最大断面積の50%になるポイントで
  切り捨てられたテール』となっています)
 ・切り落とした面が絶壁状で有る事
  (逆スラなら最高)

これでいくとルーフ後端が(一応)窓になっているRX500は適合しますが、エアロデッキは不適合。
ケンメリや710バイオレットはファストバック扱いだけど、チェリークーペはコータトロンガ。
まぁ、デザインの定義ってのは曖昧ですから、完全な定義付けは難しいですね。

余談ですが、音楽用語にもコーダというのがあり、ソナタ形式の終結部等を意味します。コーダトロンガと同じく尾っぽが語源です。
で、これの記号が丸に十字を組み合わせたものなんですが、ちょっと卑猥なあれのマークに似ているので、中学の時にまわりで はやった事を思い出しました。
ほんと、馬鹿でしたねぇ・・・・
コメントへの返答
2019年8月11日 5:42
おはようございます。
コメントありがとうございます。

コーダトロンカの定義、ありがとうございます。
デザインの話になるとあまり数値化出来ないので、結構曖昧だったりします。

ザガートはコーダトロンカが多かったので調べていたのですが、レコルトモンツァもその範疇としているものも。
テールが丸まっていたら、それは違うのでは?と思いますが。

テールの断面積が最大断面積の50%以上、これが最も特徴を表しているかと思います。

チェリークーペって、コーダトロンカでしたっけ?
ファストバックだと思っていたのですが・・・

あっ、F-IIの方ですか!
すっかり抜け落ちてました。
あれも、そうですね。

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