
現在所有しているクルマは、3台。
N-ONE、アクティは4スト、スバル360は2ストです。
今年は、コロナ禍の影響やガソリンコスト削減の観点から、クルマの利用を控える様に努めています。
それでもN-ONE、アクティは、年2回、合計4回のオイル交換が必要なんです。
今まで使っていたのは、エルフ アレ。
だいたい¥4,000/4Lくらいでした。
このオイル、性能的に不満はないのですが、もうちょっと安価だったらいいかなぁ。
そこでオイルコスト削減すべく、検討をしてみました。
代替にあたり、条件は以下の通りです。
・オイルの硬さは、N-ONE、アクティ共通の0W-20
・素性は、鉱物油、合成油かは不問
オイルの硬さは体感出来ました。
ですがベース油の違いまでは、体感出来なかったからです。
コスト優先であれば、きっと鉱物油ベースの部分合成油なんでしょうね。
調査の結果、今回はこれになりました。
カストロール GTX ウルトラグリーン
¥3,000/4L程で買えました。
エルフに比べて、1,000円程のコストダウンです。
オイルはどう変わったのか、エルフと比べてみます。
素性はどちらも部分合成油でした。
つまり鉱物油ベースですね。
続いて、API(アメリカ石油協会)規格。
カストロールは「SN」、エルフは「SNレベル」でした。
エルフは性能上SN同等なんでしょうけど、未認証なんでしょうね。
API規格の認証は、かなりの費用を要すると聞きます。
これを取得すれば、きっと製品価格に反映されてしまうでしょう。
だとしたら、外部機関の保証はなしでコスト優先というのも、アリですね。
ちなみに現在のAPI規格の最高グレードは、今年発効された「SP」です。
カストロールは、API以外にもILSAC(国際潤滑標準化認証委員会)GF-5もクリアしています。
エルフにあった目視でも分かる様な添加剤は見当たりませんが、スペック的には同等と言えそうです。
ある日、近所のホームセンターで、なんとなくオイルを見ていました。
そこにあったのは、そのお店のPB品。
0W-20で¥2000程でした。
さすがはPB製品、コスト勝負になると強いですね。
多分鉱物油ベースなので、性能的には同じだろうと缶を見てみると・・・
全合成。
全合成? 初めて見ました。
全部が合成油って事なので、100%化学合成油と同じなの?
それって、「バナナで釘が打てちゃう」オイル界最強のモービル1と同等?
そんな高性能オイルが、なぜこんなに安いの?
この全合成オイル、調べてみました。
この話のポイントは、ベースオイルの種類です。
エンジンオイルは、ベースオイル+添加剤で作られています。
このベースオイル、APIにて5つのグレード分けがあるんです。
・グループⅠ
溶材精製された鉱物油
原油に近いので、分子の大きさがマチマチ
・グループⅡ
水素化処理精製をされた鉱物油
グループⅠよりは、分子が均質化されています
・グループⅢ
高度水素化精製された鉱物油
VHVIとも呼ばれます
グループⅡよりも更に分子を均質化
中には化学合成油に匹敵するものもあるそうです
・グループⅣ
PAO(ポリアルファオリフィン)と呼ばれる化学合成油
いわゆる100%化学合成油と呼ばれているもの
・グループⅤ
グループⅠ~Ⅳに該当しないもの
エンジンオイルの場合は、エステル系が属します。
また、その配合で分類名が決まります。
・鉱物油
ベースオイルが、グループⅠ~Ⅲのもの
・部分合成油
鉱物油にグループⅣ、Ⅴのオイルを混ぜたもの
・化学合成油
グループⅣベースのもの
こんな具合になります。
それがアメリカで、ちょっとした事件が起こります。
USカストロールから発売されたオイル、「シンテック」。
このオイル、ベースオイルはグループⅢです。
つまり、高度に精製されている鉱物油ですね。
ですが「性能的にはグループⅣと大差ないから、これも合成油って事で良いよね」と言う事で、化学合成油として発売しました。
「いや、いくら性能的に同等と言っても、鉱物油由来のものだから、それは合成油じゃないでしょう」
異を唱えたのは、元祖「100%化学合成」でおなじみ、モービルです。
一体、グループⅢのベースオイルは、合成油? 鉱物油?
この論証の決着は、審議会に委ねられました。
その判定は・・・・合成油!
この時以来、グループⅢは合成油と名乗ってOKとなりました。
それまで、グループⅢにグループⅣを添加したオイルは、部分合成油と言う扱いです。
ですが現在は、グループⅢは合成油同等という判断になりました。
そのグループⅢに、元々の合成油グループⅣを添加した場合、どちらも合成油なので「全合成油」と呼ばれる様になったのです。
まぁ、なんともややこしい。
以前は、合成油と100%化学合成油は、違うものとしていました。
ですが最近は、どちらも合成油として括られているみたいです。
敗訴したモービルでも、今ではグループⅢを合成油と呼んでいます。
なるほど、ホームセンターの安価な「全合成油」は、そういう素性のものなんですね。
このオイルの分類ですが、あまり明確な定義はないそうです。
「全合成油」と名乗ってしまえば、もう「全合成油」なんですね。
オイル缶にベースオイルは表記されていないので、「全合成」と「100%合成」の判別は難しそうです。
多分私は、違いがわからないと思います。