
思い起こせば、最後に名古屋に行ったのは、いつの事だろう?
ブログを遡ってみたところ、2020年3月以来でした。
2019年の暮れにN-ONEが納車されるも、2020年からはコロナ蔓延。
それが少し落ち着いてきたのを見計らい、間隙を縫って行った様に記憶しています。
まさか、それから2年も、あの騒動が続くとは・・・。
愛知には、スバル360とかクルマ以外の事とか、いろいろ相談させて頂いているみん友さん(と言っても人生の大先輩ですが)がいらっしゃいます。
久しぶりに、近況を尋ねてみました。
そうしたら、まぁ驚いた!
所有車が、かなり入れ替わったそうで。
外出自粛の反動が、クルマ爆買いに向かったのでしょうか?
送られて来る写真を見るたびに、驚嘆するやら果ては爆笑するやら。
なんで? どうして? のクルマが連発です。
それらの写真を見ているうちに、なんか気付いちゃいました。
これ・・テーマがある?
で、聞いて見たんです。 やっぱりありました。
そのテーマは・・・
水平対向エンジン
ポルシェとスバルでしか生産していない、今や希少なエンジン。
そんな水平対向、昭和の時代に生産していたのは、スバルだけではなかったのです。
今回購入されたクルマも、スバルではない水平対向エンジン車でした。
パブリカ(初代)
思えば初代パブリカ、かなり異端です。
それまで水冷直列4気筒を作っていたトヨタが、なぜか開発した空冷水平対向2気筒。
参考にしたシトロエン2CVの影響だったそうです。
2CVの影響は、エンジン以外にも見られます。
キャビンまでのモノコックボディから、前方に飛び出したサブフレーム。
そこにエンジンが搭載されています。
この構造も2CVと同じです。
購入されたパブリカは、オープンカーとの事。
「コンバーチブルですか?」との問いに対して「デタッチャブルトップだよ」との返答。
デタッチャブルトップ? コンバーチブルじゃなくて?
パブリカでオープンと言えば、「パブコン」ことコンバーチブル。
デタッチャブルトップという事は、それに別体ハードトップが載ったモデル?
オプションでハードトップがあったのでしょうか?
そういえば、マツダ ロードスターにはありましたよね、
こんな感じです。
オープンカーの上にハードトッが付いています。
パブリカも、こんな感じなのかな?
早速2年ぶりに、愛知へ逢いに行きます。
300kmを走破し、いよいよパブリカとご対面。
エンジンが700ccから800ccに拡大された、初代の後期型でした。
なるほど、確かに屋根は幌ではありません。
別体のFRP製ハードトップが付いています。
と言う事は、マツダロードスター同様、幌も装備しつつのハードトップなのかな?
あれ? 幌がありません。
その証拠が、この穴。
ドアの後ろ、セダンならBピラーの辺りにあります。
コンバーチブルであれば、ここに幌骨があるのですが、それがありません。
つまりこのクルマ、ハードトップ装着のクローズか、それを外したオープンしかないんです。
つまり、パブコンじゃないの?
パブリカのオープンカー、実は2種類あったんです。
左が幌屋根のコンバーチブル、右がFRP屋根のデタッチャブルトップ。
デタッチャブルトップの存在、今まで知りませんでした。
どうやら販売台数99台という、とんでもない希少車なんだそうで。
こんなクルマがあったなんて、ほんと驚きです。
今回、運転もさせて頂きました。
走り出しは、旧車の常、重いステアリングです。
しかもレシオがスローで、かなり回さないと小回りが効きません。
これはノンパワステの中、操舵力との兼ね合いでこうなっているのは、仕方ないです。
軽量な空冷2気筒エンジンですから、決して回せないほどの重さではありません。
水平対向2気筒エンジン、発進直後は、鼓動が感じられます。
これは水平対向だからと言うよりは、2気筒だからかな?
大むかしに乗った2代目レオーネ(1.8L)に比べると、ドコドコしてません。
なんか水平対向のイメージとは、違うかな。
これが3000rpmを越えた辺りから、ビート感を残しつつ軽やかに回っていきます。
回転で馬力を稼ぐエンジンではありませんが、小排気量故かレッドギリまでとは言わずとも、そこそこ回して走れば気持ちよく走れます。
2車線のバイパスくらいの流れだったら、問題ありません。
このビート感を伴いながらも、軽やかなエンジン。
250ccの単気筒バイクに似てるかな。
旧車全般に言えますが、ドアハンドルが特徴的ですね。
今だと樹脂成形したハンドルユニットを、ドアに開けた四角い穴にはめ込むのが一般的。
ですがそんな樹脂成形技術がなかった当時、ドアハンドルは金属製(鍛造品?)で、質感もあります。
当時のクルマは、取手と開閉ボタンの2部品構成。
それがこのパブリカ、取手の前側を引き上げる事で、開閉ボタンの機能を持たせています。
1つの部品を多機能で使うところ、カッコいいです。
ですが、このレバー、前側が開く構造故に、レバーが歩行者に刺さると言う事故が発生し、以降使用が出来なくなった様です。
モノコックボディの屋根を切れば、当然落ちるボディ剛性。
それを補う為、ドア開口部に板を貼り付け、剛性アップを図っています。
まるでコンペティションモデルの様で、大胆な手法です。
実はもう1台、ボクサーエンジン車を見せて頂きました。
今回はエンジン不調で走行は出来ませんでしたが、いずれはイベント参加に向けて公道復帰させるそうで。
完調になった暁には、また見せてもらおうかと思っています。
人生初の空冷フラットツイン、良い体験をさせてもらいました。
クルマって走らせて見ると、当時どんな思いで作られていたのか、その片鱗が感じられたりするので楽しいですね。