父の最後のクルマがついに我が家にやってきた。車庫証明も取ったし、あとは名義変更とナンバー変更をすることでウチの一員になるのだ。生前の話では、来年の5月に父の免許返還のあとに譲り受けるはずだったが突然の出来事で半年以上も前倒しになった。このクルマは弟が父に最後のクルマとしてプレゼントした大切な一台だ。父が受け取る際にも、乗れなくなったあとにワタシが引き取ることが迷惑になると心配までしていたそうだ。弟がそんなことはないと説得して受け取ってもらったというエピソードを聞いた。
父はクルマが届いたときは大層喜んでいた。弟に心から感謝していたに違いない。
父はウチら兄弟に一台づつクルマを買ってくれた。兄にはアメリカ在住中に友人から譲り受けたスープラ、ワタシと弟には就職祝いに、それぞれインテグラとシビック、クルマ好きなオヤジとウチらにはぴったりの思い出だ。そのときのお礼とお返しの一台なんだ。
ワタシは少なからず、来年クルマを譲ってもらえることに期待をしていた。愛車の車検も2月に切れるし、処分したあとの3ヶ月はクルマなしでどうしようか悩んでいることを知ったオヤジは、それまでには渡せないことに、申し訳ないと大変恐縮していた。何でそんなことに謝ってくれるのか、もらう立場のワタシにそんなに気を遣うなんて、本当に気が優しくて細やかな気遣いができる人なんだと感動したことが昨日のように思い出す。
結果的に前倒しになって、無事に後継車も手に入った。まるで、心配したオヤジが少し早いが自らワタシのためにクルマを置いて、旅立ったのではないかと考えてしまう。だから、死期を早めたのは自分のせいではないか思うと、さっさと取りに行くのはどうしても気が引けて行くことができなかった。初盆も無事に終わり、実家でのみんなの足としての役目を終えた今、引き取ることを決断した。
明日は、ワタシのイソジの誕生日だ。オヤジからのプレゼントだと思って大切に受け取ることにしよう。
オヤジの大切な愛車をワタシが引き取ることに快諾してくれた母と兄弟、特に書類の準備から運送に自ら運転してくれた、愛すべき弟に、心から感謝をのべたい。ありがとうございました。
ずっと大切にするね。
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2015/10/28 18:48:48