望月三起也さんが亡くなった。アラフィフにとっての代表作はやっぱりワイルド7でしょう。初めて出会ったのは小学生のときに兄が持ってたコミックだった。TVでは実写版が放送されていた。その映像のスナップ写真のメンコが、宝物だった。一番はやっぱりヒバちゃんでした。7人分のマシンを全部揃えるのが目標だったが、結局は揃えることはできなかった。思えば、バイクの魅力に初めて惹かれたのは、間違いなくこのマンガだった。いろいろな装備を持った改造車が一番の魅力だ。左右に飛び出るタイヤで壁と壁の隙間を登ってったり、ロケットランチャーを積んでいたり、非現実的でSF的なところが、バイク好きのメカ好きにはたまらない。その後いろいろ読んだバイクマンガの中では、バリバリ伝説やふたり鷹など、峠ものからレースものへと、はまっていったが、ワイルド7だけは特異な作品だった。結局、工業大学に進んで、親に内緒で自動二輪の免許を取って、散々乗り回して青春をともにしてきて、今の仕事に就いたのも、あの時の強烈な印象が、ずっとどこかに残っていたからかもしれない。白いメットにグラサン、グローブとブーツに茶色の革ジャン。メットにきらめくシンボルマーク。どこをとっても警察には見えないけど、あこがれのバイク乗りたちだった。学生時代のバイクは三十年経った今も、現役で駐車場に置いてある。壁も登れないしロケットランチャーも積んではいないけど。昨年に、ワイルド7の別冊を見つけて購入したが、小学生時代のようなインパクトはなかった。原作者のご冥福をお祈りします。