2015年08月09日
インテグラと付き合い始めて丸二年経った頃だった。友人たちとカラオケに行って、翌日のテニスの試合のために一足先に帰ることにした。真っ暗な田んぼ道を一人で帰路を急いでいた。ふっと目の前にY字路に近づいてとっさに左にハンドルを切った。確かに切った。しかし、インテグラはその意志に応えず鼻先をやや左に向けただけでそのまま真っ直ぐ、Y字の真ん中をめがけて突っ込んでいった。瞬時にヤバイと感じた身体は硬直し、両腕はハンドルをグッと握りしめ、目をつぶってしまった。
最後にフロントガラスから見たものは交通標識の白い柱だった。
次の瞬間、大きな音と共に強い衝撃が顔と胸を襲った。
おそるおそる、目を明けてみると目の前にはクモの巣状のヒビが入ったフロントガラスが広がり、その向こうには白い煙が上がっているのが見えた。。
ダッシュボードに飛んだ眼鏡を拾い、身体の痛みを確かめると鼻の下に強い痛みを感じた。歯医者で歯茎に麻酔をしたときのように指で触っても感触がないような感覚だった。クルマからゆっくりと降りて、状況を確かめてみると、突っ込んだ標識は折れ曲がり、フロントガラスを叩いたようだ。柱の根っこ側は、ボンネットにV字に食い込んで、その下には緑色のラジエーター液が流れていた。一人で状況を確認し途方に暮れながら、これからの行動を考えていると、先ほど別れた友人が追い付いてきた。異変に気付いた友人はクルマから降りて声をかけてきてくれた。

Posted at 2015/08/09 19:41:45 | |
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