リアカメラ映像が少し変(原因はフェライトコア)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
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今回のテストパターンでの卓上実験では、この画像のように、カメラケーブルを切断して中の芯線を取り出し、ギボシでつないだ映像線にのみフェライトコアを付けてます。
(今回の為に切断したのでは無く、前からいろんな実験で使ってるのです)
また画像の右端のように、ケーブル自体の被覆の上からフェライトコアを付けた実験結果も後述します。
フェライトコアは1MHz(メガヘルツ)あたりから上の高周波ノイズを熱に変換して減衰されるらしいのです。(もっと低周波用のもあるそうですが)
それに対して、映像信号、特にデジタルミラーなんかのリアカメラはAHDと呼ばれる高画質のアナログ映像なんですが、その信号の周波数というのが、検索しても出てこないのです。
気にはなってたのですが、AHDの防犯カメラの取り付け説明書なんかが出てきて、ノイズ対策の一つとして「同軸ケーブルにフェライトコアを取り付ける」なんて書かれてあって、フェライトコアが同梱されてるわけです。
以下に「アナログHDシステム関する調査報告書」があり、
https://www.ssaj.or.jp/jssa/pdf/hd_system.pdf
14頁に従来のアナログ映像と比較して、同じように「バースト信号周波数は約10~70MHzが用いられており」と書かれていて、フェライトコアによるノイズ減衰領域と重なるように思えます。
まぁ、映像に関わる技術者からすれば、その周波数とかは当たり前のことかもしれませんが、私のような素人には説明されても、よくわかりません。
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これは車で映像信号線に取り付けていたフェライトコアの画像です。ここでも、カメラケーブルの上からでは無くて、中の映像線を取り出して付けていた事になります。
実際には映像線を接続したリレーからの配線にフェライトコアを付けてます。
私はこれまで、車内の大量の電装品には、主にその電源線にフェライトコアを多用してきました。
カメラケーブルなどの映像線には無意識に避けて来たんですが、今回、その映像にノイズが乗るので、何とかしたいという思いで付けてたんです。
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画像はフェライトコアを付けていた位置を示したリレーの図です。
映像信号線には、前の画像にもあるようにリレーからの白、黄、赤にそれぞれ1個ずつ計3個ですが、この図のように信号線上で同時に機能するのは2個になります。
前述のデジタルミラーの取り付けの整備手帳にも繰り返し書いてますが、私はリアカメラを車内と車外の2つ取り付けて、図のようなリレー(エーモン3234)とワイヤレスリモコンで、リアカメラを切り替えて使ってます。その為にカメラケーブルを切断して映像線を取り出してます。
これはもう3年以上前からです。車内カメラと車外カメラでは、どうしょうも無い一長一短があり、いずれか一方にする事は出来ません。そんな切り替え可能な製品が出ればいいのですが、無いのでDIYで対応してます。
この画像のように、映像信号線にダイレクトにフェライトコアを付けてました。
一般的なカメラケーブルの被覆の上から付けるとどうなるのか、それも実験しましたので、後述します。
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実際のリアカメラの映りはどうだったかというと、車に取り付けた状態での違いを、人に見せるのは難しいのですが。
左が以前のデジタルミラーのカメラケーブルをそのまま使っていた時の映像で、
6月16日の午後2時です。
右はカメラケーブルを新たに引き直して、その時にフェライトコアが2個機能するようにした映像で、11月1日の午前11時です。
三差路の交差点での旋回中で、季節も時刻も違うので、比較は難しいですが、私の印象としては、右の現状のリアカメラの映像は、なんか赤っぽく映り、ベタッとしたメリハリの無い絵なのです。以前はこんな映像では無かったと感じていました。
以下の映像でPCでも拡大出来ます。
https://www.dropbox.com/scl/fi/er0ml516wigz0y66nxskx/6-16_PM2-11-1_AM11-1.jpg?rlkey=cc0ftvk2jm9tta09qcu7mudcj&dl=0
この映像はAKEEYOのV360S用のリアカメラで撮影されていて、3年前からX2GRの車内用リアカメラとして使ってました。
このV360Sのリアカメラは暗視性能と防眩性のバランスがとてもいい車内専用カメラで、ずっと見慣れてる映像なんです。
それがこれまでとは違うと感じてました。
デジタルミラーを現在のWOLFBOX G900に変えてからも、車内カメラは同じV360Sのリアカメラを使い続けているわけです。
HDRやWDRは、カメラ自身が持ってる機能、能力と思われ、これまでにカメラを別の本体と入れ替えても、そのカメラの映り方や特徴は変わりませんでした。
そして、左側の以前のカメラケーブルでの映像には、空に短い鉄道模様のような「横縞ノイズ」が多数見られるのがわかるでしょうか。
これがずっと気になってたんです。これが無くなったので、やれやれと安堵して、映りが、なんかおかしいという事には目をつぶっていた感があります。
何が原因かといろいろ考えたら、フェライトコアしかないだろうと。
実験してみると、フェライトコアが映像に悪影響があるのを確認したわけです。
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今回の実験に使ったカメラケーブルは、このような同軸構造をしてます。
この画像は車に使ったAKEEYOのV306S用のミニUSBの新しいカメラケーブルです。(カメラ側がミニUSBです)
今回の実験に使ったのは、同じV360S用のミニUSBケーブルなんですが、古いので、なぜかカメラ側のピンの配線が違っています(切断して中の配線を使ってます)
この画像のように黒い塩ビ被覆の下にはアルミ箔があって、外部からのノイズをシールドしてします。さらに黄色の映像線にはGND線が巻き付けてあります。
このカメラケーブルは以下で購入出来ます。
https://www.akeeyo.co.jp/collections/car-recording/products/rear-cam-cable
↑新しいミニUSBケーブルで、前述のとおり、カメラ側のピンの配線が違っていて、古いV360Sの車内専用カメラを接続しても映りません。
このような同軸ケーブルは外部からのノイズに強いと言えます。が、この上からフェライトコアを取り付けても、効果は得られないであろうと、今回の実験で推察されます。
Youtubeなんかで見ても、理屈ばっかりで、ノイズの塊とでも言える車内での効果的かつ具体的なフェライトコアの使い方を教えてはくれません。
フェライトコアの取り付け方には、ノイズの流れる向きによって、コモンモードとディファレンシャルモード(ノーマルモード?)があり、同じ向きのコモンモードの場合は、全体を1個のフェライトコアでよくて、向きが逆の場合は、それぞれの配線に1個ずつフェライトコアを付けないと意味が無いと解説されてます。
ところが、カメラケーブルの中は、リアカメラからの映像信号、リアカメラへの駆動用の5V、バックランプなどからの12V、GNDと4本がセットになっていて、信号(電流)の流れる向きも異なります。
それらに1個のフェライトコアでいいのか、ダメなのか。
またその被覆の下がアルミ箔などでシールドされてると、その上からフェライトコアを付けても意味が無いのか。
あるいはアルミ箔シールド無しのカメラケーブルだったら、何かしらの影響はあるのか。
映像信号だけに直接フェライトコアを取り付けると、悪影響があるのは今回の実験で確認出来ました。
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一般的な4ピンのカメラケーブルでは、この画像のような黒い塩ビ被覆の下にアルミ箔のシールドがあるのは珍しいと思います。
これはWOLFBOXオフィシャルストアから取り寄せた4ピンの10mのリアカメラケーブルです。
https://ja.aliexpress.com/item/1005005690427788.html
内部にアルミ箔シールドがあるとは知らずに、黒い被覆の上からアルミテープを巻いていたのが、画像の左端に少し見えます。
WOLFBOXのデジタルミラーに付属してる6mのリアカメラケーブルもこれと同じだと思うのですが、確認はしてません。
一々、カメラケーブルを切断して、中にシールドがあるのか確かめるわけには行きませんが、私はフロントウィンドウのピラー周りは、地デジのアンテナやそのケーブルへの影響を避けるため、銅箔テープなどで個々のケーブルを覆ってシールドしてきました。
しかし、同じAKEEYOでも以前に使っていたX2GRの4ピンのカメラケーブルには内部にシールドが無かったのかもしれません。それをただでさえ電装品が多い車内のフロアの脇隅を他の大量の配線の束と一緒に通して、後ろまで引いていたのです。
そのカメラケーブルをWOLFBOXのデジタルミラーでもそのまま使っていたので、前の画像のような「横縞ノイズ」を拾ったんだと思います。
その対策として、1つ前の画像のAKEEYOのV360S用のカメラケーブルを引き直して、(USB端子は切り離して、配線のみを使って)ノイズは無くなりました。
が、ついでにカメラ切り替えリレーのところで映像線にフェライトコアを付けたのが、画質がおかしくなった原因でした。
そのフェライトコアを取り去った事で、画質が改善し、さらに電柱などの縦線の右側に出る影(ゴースト)も無くなりました。
車外と車内のカメラ切り替えをリレーですると、避けられないと思っていたゴーストも無くなったのは嬉しい限りです。
これでやっと、一件落着です。
おそらく、画像のような被覆の下にアルミ箔があるカメラケーブルだと、問題は起きないのではないかと思うのです。
もし現状で「リアカメラにノイズが乗る」のを対策しようとフェライトコアを付けても、悪影響しかないというのが今回の結論です。
なので、外部からのノイズ侵入を防止するのが一番の対応策になりそうです。
その為に、なるべく他の配線とは離してケーブルを引き回し、どうしても、他の配線と平行するようなピラーだとか、その部分だけでも、ケーブルにアルミ箔テープなどを巻く、あるいはケーブル自体を貼り付けて固定するように、上からアルミテープ等で覆ってしまうのがいいと思います。
現在のリアカメラは、デジタル信号をアナログに変換して、0.2sqも無い極細の線1本で10m以上送れます。(防犯カメラの解説では同軸ケーブルで500m送れるとか)
これがデジタルのままだと、もっと広帯域が必要となり、細い線1本では送れなくなるし、途中に中継器が必要になるとか。
アナログに変換された映像は、本体でまたデジタルに戻して処理してます。
その変換過程で画質が劣化しますし、アナログ信号は途中でノイズの影響を受けやすいのです。(デジタルなら補完や訂正が可能)
しかもそんなカメラケーブルを車内で前から後ろまで長く引き回す事になるのですから。
現在のはAHD2.0という規格で、その画質は
1920×1080のフルHDになります。
最近の2.5Kのリアカメラは、SDカードに記録する時に画像サイズを大きくしてるだけです。
3年前のフルHDのV360SのリアカメラをWOLFBOXのG900に接続すると(配線加工必要ですが)2.5Kサイズで録画されるのですが、当然、画質的には何ら変わりません。
これは、フロントカメラ別体(分離)型でもリアカメラと同じ事が言えます。全ての製品がデジアナ変換してるでしょう。4ピンなんかで接続するフロントカメラは皆それです。
現在の4K画質の製品は、フロントカメラだけで、しかも内部配線の一体型に限られます。
一部、分離型で4Kをうたう製品がありますが、Youtubeの映像で見ると、フルHDのリアカメラ映像と何も変わらないです。
ただ、記録される画像サイズが大きいだけなら、容量の無駄でしかありません。
前後共にフルHD画質の時は、何の不満もありませんでしたが、フロントの4K映像を見てしまうと、デジアナ変換されたフルHD画質のリアカメラ映像には我慢が出来なくなってしまいます。それほど差があります。
AHD3.0が4K対応らしいので、近い将来、そのような製品が出てくると思いますが、高画質になるほどノイズ対策がシビアになってきますので、難しい面もあると思われます。
それもやはりデジアナ変換しますので、フロントカメラ一体型の画質には及ばないと思われます。
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