2018年06月22日
<学校の勉強も役に立つシリーズ>ペーハーさんは7より小
先日、次男君の期末試験とやらが終わりましてね。
答案用紙がぼちぼち返却されております。
で、「水の電気分解」の問題が「あたしまえ」の様に出題されております。
これ、電気分解する時に水酸化ナトリウムNaOH)を混ぜるんですが、良く出題されるのが「何故水酸化ナトリウムを混ぜるのですか?」であります。
我が家では兄弟そろって「純水は電気を通さないから、電流を流し易くする為に混ぜる」と回答して、二人共△を食らいました。
正解は「純水は電気を非常に通しにくい為、電流を流し易くする為に混ぜる」であります。
で、私が中学の時「そんなもの混ぜたら、水の電気分解にならないじゃないか」と先生にイチャモンを付けたことがあります。
でも、学校の先生は「いやいや、コレコレこういう訳だから大丈夫」とは言いませんでしたね。
実は水酸化ナトリウム溶液には、陽イオンとしてNa+とH+が混在しています。
この場合、イオン化傾向はNa>Hとなるので、陰極(-)からは水素が発生します。
陰イオンとしてOH-が存在していますが、これは4OH-4+e=2H2O+O2となり、陰極(-)からは酸素が発生します。
まあ、「水酸化ナトリウムを混ぜても、水の電気分解はちゃんとできますよ」と説明する為には、高校レベルの知識が必要になってくるんです。
・・・って気が付いたのは、自分で化学の勉強をやった時でした。
では本題。
水は電気を非常に通しにくい・・・と書きました。
絶対に通さない訳じゃありません。
純水でも常にH2O⇔H++OH-に自己解離しています。
1気圧、25℃の時の水素イオン(H+)の濃度は1.00×10−7 mol/L となっています。
この数値の逆数の常用対数がpHであるから、純水のpH(ピーエッチ)は
pH = log10(1.00×107) = 7.00
です。
これよりH+が多くなる=pHが小さくなると酸性、
H+が少なくなる=pHが大きくなるとアルカリ性になります。
昔はピーエッチと読まずに、ペーハーと独逸語読みしてましたので、我々は「ペーハーさんは7より小」と覚えたものです。
因みにバッテリー液(硫酸)はpH=0、胃液(塩酸)はpH=1とかなりの強酸。
石鹸水でpH=10位の弱アルカリです。
中性は大体6~8程度です。
このpH は
・0より小さい数にならない
・14より大きい数にならない
という決まりがありますが、ここで説明すると長くなりますので割愛致します。
あと、pHは対数を使っていますので、手計算だと面倒なことになります。
私も入試でpHを計算しなさい・・・が出題されたときは、捨ててました。
ところで、水の電気分解には水酸化ナトリウムだけではなく、硫酸を使っても同じ結果が得られます。
クルマのバッテリーを充電する時に、泡がブクブクでることがありますが、泡の正体は水素と酸素。
泡が出ること自体が「過充電」状態なので、景気よくブクブクさせるのは電気の無駄遣いです。
ただ、バッテリー(鉛酸バッテリー)は過充電しても、水が電気分解されるだけでバッテリーそのものを痛めることはありません。
ところがリチウムイオン電池等の高性能電池は過充電するとすぐにダメになります。
なので、ハイブリット車や電気自動車は、充電する時に厳重に管理しないといけません。
この充電の管理がラク・・・ということもあり、鉛酸バッテリーは今でも現役バリバリなのであります。
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Posted at
2018/06/22 22:07:20
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