
今日から12月もうすぐクリスマスがやってきます。雪の季節をあたたかく過ごすためにも、ほんわかする絵本を紹介しましょう。 絵本の題名はMICHKA (ミシュカ)、フランスで戦時下の1941年、Marie Colmont (マリー・コルモン)が執筆し、Rojankovsky (ロジャンコフスキー)が暖かい挿絵を描き、ロングセラーとなっている作品です。原人が持っているのはロジャンコフスキーの絵をもとに
Gérard Franquin (ジェラール・フランクイン)が新たな絵をかいた作品です。 著作権の関係もありますので、絵をすべてお示しすることは控えますが、ロジャンコフスキーとフランクインの絵をおりまぜてみなさんに楽しんでいただければ幸いです。文に関してはインターネットでも流布されていますので原人訳をつけてお示しします。
数回に分けてクリスマス前までにお贈りする予定です。 なお、ロジャンコフスキーの挿絵の
日本語版のミシュカはアマゾンで手に入ります。
第一話 ぬいぐるみのクマさんミシュカはどうしてエリザベトの家を出たのか?
ミシュカは足踏みをして、雪の中を歩き出しました。その朝、朝日で窓が白くなったとき、彼は家を出たのです 彼の家、ほんとうは彼のご主人様エリザベトの家なのですが、そのエリザベトは暴君で気難しい女の子でした。
En se réveillant, il s'était senti tout triste et dégoûté. Elisabeth n'était pas gentille ; il lui fallait vingt-cinq joujoux à la fois pour l'amuser et, quand on avait cessé de lui plaire, il n'était pas rare qu'elle vous secouât et vous jetât d'un bout à l'autre de la pièce ; tant pis s'il lui restait une de vos pattes dans la main.
ミシュカは目覚めた時、悲しくうんざり感じました。エリザベトはやさしくありません。彼女は25個のおもちゃで次々に遊ぶまで満足しません。遊びおわったおもちゃはふりまわされて部屋のはしからはしまで投げ飛ばされます。手をつかまれたら最悪、ちぎれちゃうでしょう。
ボクはここのおもちゃでいることに疲れた、ミシュカは両手で目をこすりながらつぶやきます。なんといってもぼくはクマさ。ひとりで歩き、すこしでもすきなことをしよう。いじわるな女の子のきままに従わずにね。
エリザベトが寝てる間は部屋は暖かくてここちよいけれど、ミシュカは猫のドアから抜け出した。さあ、雪のなかをいきます。
ミシュカは片方ずつあしをあげます。ひとあし、ひとあし、たがいちがいに、あしを上げて、あしをつくたびに小さな丸い穴が雪にあきます。


あ~あ、ミシュカ君家出しちゃった。だいじょうぶかな? 外は冬、雪がたくさんつもって寒いよ。
この続きは次回をご期待ください。
ミシュカ もくじ
第一話 ぬいぐるみのクマさんミシュカはどうしてエリザベトの家を出たのか?
第二話 ミシュカ、小鳥のキクイタダキに会う
第三話 ミシュカ、はちみつのびんを見つける
第四話 ガチョウたちの会話
第五話 ミシュカ、トナカイにお手伝いをたのまれる
第六話(最終回) ミシュカの決断
下記コメントについてのお詫びと訂正:
次回のタイトルは「ミシュカ小鳥のミソサザイに会う」としていましたが、「ミシュカ小鳥のキクイタダキに会う」に訂正させていただきます。 「roitelet」の訳としてはミソサザイ(英名Eurasian wren; Troglodytes troglodytes)とキクイタダキRoitelet huppé (King wren = Goldcrest wren; Regulus regulus)がありますが、ロジャンコフスキーの絵をみると頭に王冠・菊花をかぶったように見える、キクイタダキのほうだと思われます。次回をお楽しみに。
Posted at 2016/12/01 21:44:54 | |
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