MINI原人のブログ一覧

クリスマスに向けてお贈りする、フランス絵本MICHKA （ミシュカ）。　前回第1回目ではクマのぬいぐるみミシュカは暴君の女の子エリザベトに愛想をつかし、無謀にも家出したのでした。ミシュカは森の中を歩いていきます。







 par Rojankovsky


第二話：　ミシュカ、小鳥のキクイタダキに会う

 par Franquin

5分ほどキクイタダキがあとをついてきました。キクイタダキはいたずら好きです。尾をひねり立ててぴょんぴょん跳ねます。いつもひとを笑いものにしているように見えます。

このとりは「ぴよ、ぴよ！」とミシュカのうしろでさえずります。ミシュカがふりむくと、ミシュカの足でできた小さな丸い穴のひとつに飛び込みました。

ふむ、とミシュカ、「聞こえたとおもったけど」。
穴のなかでキクイタダキが笑っています。

 par Rojankovsky

Mais tout de même, à la fin, du coin de l'oeil, Michka l'aperçut.
- Brrr ! lui fit-il au nez en se retournant d'un seul coup.

何度もするうちに最後にはミシュカは目の端でトリをみつけました。
―　バア、かれは急に振り向いていいます。

 par Rojankovsky

Pauvre roitelet ! Il eut si peur qu'en volant il emmêlait ses ailes et que ce fût miracle s'il ne tomba pas. Il se blottit sous un buisson et se tint désormais tranquille.

かわいそうなキクイタダキ。あまりにびっくりこわくて、羽をもつれさせ、落なかったのが不思議なほどでした。やぶの下に逃げ込み、ひっそりとしていました。

 par Franquin

- Tradéridéra, tralala ! chantait Michka en continuant sa route, c'est très amusant d'être un petit ours qui se promène dans la campagne. Je ne veux plus jamais être un jouet !

トラデリデラ、トラララ！ミシュカはそういい、旅をつづけます。山里を歩くクマでいるのはとてもたのしい。もう二度とおもちゃにはなりたくない！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ええっ！　ミシュカ君、トリさんを脅かして、まるでエリザベトのよう。　悪い子のまねはいけませんよ。　ミシュカ君は旅をつづけ、もうすっかり日が昇ってお昼近くになってきました。

次回第三話：　ミシュカ、はちみつのびんを見つける　をご期待ください。

 par Rojankovsky

ミシュカ　もくじ
第一話　ぬいぐるみのクマさんミシュカはどうしてエリザベトの家を出たのか？
第二話　ミシュカ、小鳥のキクイタダキに会う
第三話　ミシュカ、はちみつのびんを見つける
第四話　ガチョウたちの会話
第五話　ミシュカ、トナカイにお手伝いをたのまれる
第六話（最終回）　ミシュカの決断

本日は大型の低気圧が北日本に張り出し、北海道と東北は大荒れの天気になるはずだった。　朝7時頃の天気予報でも本日は強風と雪のため吹雪になる予想だった。





しかしどっこい、よほど原人の普段の行いが良いせいか、あるいはフォースの暗黒面にて雪雲をよせつけなかったのか、雪はほんのはらはらとしかふらなかった。　積雪０である。　幸運な雪なしの日であり、神に愛されている感じだ：　Ein glücklicher schneefreier Tag (Gott liebt mich)


衛星写真をみてみよう。



8時55分：　赤丸の留萌市の原人の住所には雪雲はかかっていない。



13時10分：　赤丸のところには雪雲はまったくない。



16時30分：　原人のいるところ（赤丸）だけを避けるように雪雲が分布している。

MAY DARKSIDE OF THE FORCE BE WITH YOU.



原人蔵書のSESAME STREET DICTIONARY である。　雪とは雲から降る小さな白い水の凍結片であるそうだ。　原人は I HATE THE SNOW- SO, SO MUCH.である。

さむいにょはキライ。

昨日のブログでフランスの古典的絵本ミシュカの第一話をお贈りしたが、次回のタイトルを「ミシュカ小鳥のミソサザイと会う」と宣言し、本当は「ミシュカ小鳥のキクイタダキと会う」とすべきところを間違えてしまった。
　これはフランス語のROITELET 英語のWRENが科が異なる２つの鳥を示すことがあるためです。　しかし、フランス文学でいえば、ROITELET (小王）の名がつく鳥はやはり、頭に金色の王冠が乗っているキクイタダキ（和名では菊花＝皇室紋章を戴く）を示すようです。原人の不勉強でした。

ミソサザイ（英名Eurasian wren; Troglodytes troglodytes)
おかりしました。

キクイタダキRoitelet huppé (King wren = Goldcrest wren; Regulus regulus)
おかりしました。

そこでいろいろインターネットを調べていたら、絵本MICHKAに使われている単語を学習用に絵にまとめたものをみつけました。原人のようなフランス語初心者にはありがたい「神ってる図」です。カタカナの読み方をつけてお示しいたします。



ミシュカは固有名詞なので冠詞はつきません。男性名詞にはUN（アン）、女性名詞には（ユヌ）、複数不定名詞にはDES（デ）がつきます。

○　une méchante petite fille　は邪悪な小さな女の子

○　un petit garçon malade　は病気の小さな男の子

邪悪な小さな女の子の家はメゾン（邸宅）です。病気の小さな男の子の家はカバン（掘っ建て小屋）です（フォースの暗黒面のほうがリッチになるのです）。

あなたの家はメゾンですか、カバンですか？　原人の家は古いメゾンです。

今日から12月もうすぐクリスマスがやってきます。雪の季節をあたたかく過ごすためにも、ほんわかする絵本を紹介しましょう。　絵本の題名はMICHKA （ミシュカ）、フランスで戦時下の1941年、Marie Colmont （マリー・コルモン）が執筆し、Rojankovsky （ロジャンコフスキー）が暖かい挿絵を描き、ロングセラーとなっている作品です。原人が持っているのはロジャンコフスキーの絵をもとにGérard Franquin (ジェラール・フランクイン）が新たな絵をかいた作品です。　著作権の関係もありますので、絵をすべてお示しすることは控えますが、ロジャンコフスキーとフランクインの絵をおりまぜてみなさんに楽しんでいただければ幸いです。文に関してはインターネットでも流布されていますので原人訳をつけてお示しします。

数回に分けてクリスマス前までにお贈りする予定です。　なお、ロジャンコフスキーの挿絵の日本語版のミシュカはアマゾンで手に入ります。

第一話　ぬいぐるみのクマさんミシュカはどうしてエリザベトの家を出たのか？



ミシュカは足踏みをして、雪の中を歩き出しました。その朝、朝日で窓が白くなったとき、彼は家を出たのです　彼の家、ほんとうは彼のご主人様エリザベトの家なのですが、そのエリザベトは暴君で気難しい女の子でした。　



En se réveillant, il s'était senti tout triste et dégoûté. Elisabeth n'était pas gentille ; il lui fallait vingt-cinq joujoux à la fois pour l'amuser et, quand on avait cessé de lui plaire, il n'était pas rare qu'elle vous secouât et vous jetât d'un bout à l'autre de la pièce ; tant pis s'il lui restait une de vos pattes dans la main.

ミシュカは目覚めた時、悲しくうんざり感じました。エリザベトはやさしくありません。彼女は２５個のおもちゃで次々に遊ぶまで満足しません。遊びおわったおもちゃはふりまわされて部屋のはしからはしまで投げ飛ばされます。手をつかまれたら最悪、ちぎれちゃうでしょう。



ボクはここのおもちゃでいることに疲れた、ミシュカは両手で目をこすりながらつぶやきます。なんといってもぼくはクマさ。ひとりで歩き、すこしでもすきなことをしよう。いじわるな女の子のきままに従わずにね。

エリザベトが寝てる間は部屋は暖かくてここちよいけれど、ミシュカは猫のドアから抜け出した。さあ、雪のなかをいきます。

ミシュカは片方ずつあしをあげます。ひとあし、ひとあし、たがいちがいに、あしを上げて、あしをつくたびに小さな丸い穴が雪にあきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

あ～あ、ミシュカ君家出しちゃった。だいじょうぶかな？　外は冬、雪がたくさんつもって寒いよ。
この続きは次回をご期待ください。

ミシュカ　もくじ
第一話　ぬいぐるみのクマさんミシュカはどうしてエリザベトの家を出たのか？
第二話　ミシュカ、小鳥のキクイタダキに会う
第三話　ミシュカ、はちみつのびんを見つける
第四話　ガチョウたちの会話
第五話　ミシュカ、トナカイにお手伝いをたのまれる
第六話（最終回）　ミシュカの決断

下記コメントについてのお詫びと訂正：
次回のタイトルは「ミシュカ小鳥のミソサザイに会う」としていましたが、「ミシュカ小鳥のキクイタダキに会う」に訂正させていただきます。　「roitelet」の訳としてはミソサザイ（英名Eurasian wren; Troglodytes troglodytes)とキクイタダキRoitelet huppé (King wren = Goldcrest wren; Regulus regulus)がありますが、ロジャンコフスキーの絵をみると頭に王冠・菊花をかぶったように見える、キクイタダキのほうだと思われます。次回をお楽しみに。