• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

aquablauのブログ一覧

2018年09月18日 イイね!

ヴィッツとデミオと SKYACTIV-X と多段AT

前回はヴィッツに乗って不満タラタラだったことを記事にしました。

 ヴィッツに乗りました
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/41955904/

実は以前にも、アクアに乗って不満タラタラだったんです。

 アクアに乗りました
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/39353767/

さらに言えば、この記事で紹介した「プリウスのSUVモデル トヨタ「C-HR」ターボに感じる疑問 | THE PAGE」にある、

先代30型プリウスで、速度制御能力に問題があったトヨタのハイブリッドシステムは、一年前に発売された50型において、大進歩を遂げ、運転することが罰ゲームのようだったプリウスが、普通の範疇に入るようになった。積極的におすすめするかどうかはともかく、少なくとも知り合いが買った時に、口をつぐむ必要はなくなり、燃費のメリットや、リセールバリューまで含めれば、その選択も理解できるところまで来た。

という記述は、私のプリウスの評価そのまんまだったりします。

何を言いたいかというと、燃費を極限まで追い求めて、

 - 燃費は非常に良いが、燃費が良い領域は狭いエンジン
 - エンジンの燃費の良い領域を常に使い続けようとするATプログラム

を組み合わせると、運転のしやすさ、具体的にはリニアなアクセルの反応といったものが失われる恐れがある、ということです。

あまりに有名なので記事を引用しませんが、アクセラにトヨタのハイブリッドを搭載してお披露目した時に、その運転性の良さに驚いたのは他ならぬトヨタのエンジニアで、豊田社長もアクセラに試乗して驚き、その後のトヨタとマツダの対等な資本提携に繋がったというのも、マツダの藤原大明神が認めていたはずです。

さて、前回の記事では、燃費の良い領域が広いエンジンは、燃費の良さを維持したまま、リニアなアクセル操作を実現する、という話までしました。(どこまで説明できているかは不安ですが)

それでは SKYACTIV-X ではどうなるか、です。
(以下、マツダ、技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」を公表より引用)

 - エンジン単体の燃費率は現行の「SKYACTIV-G」と比べて最大で20~30%程度改善
 - 2008年時点の同一排気量の当社ガソリンエンジンから、35~45%の改善
 - 最新の「SKYACTIV-D」と同等以上の燃費率

そういう数字を並べないと記事にならないのはわかりますが、これでは SKYACTIV-X の魅力というか、従来エンジンとの違い、あえて言えば「異常さ」を表現できないのではないかと思ったりします。



SKYACTIV-X では、燃費の良い領域(黄色)が、従来の SKYACTIV-G よりもずっと広くなるとのこと。
もちろん、その中でも更に燃費の良い領域(オレンジ色)がありますが、そこまで燃費を追い求めるのではなく、燃費の良い領域(黄色)を幅広く使う考えのようです。

そうなるとどうなるのか、1つ目は走行条件による差が少なくなります。

前述の発表会では、この様な一節があります。

「ハイブリッド専用エンジンで論じられる様な、最高効率点だけではなく、私たちは燃費率を更に向上させた黄色の範囲を拡大させる様な、燃費率に差がない特性を持つことで、市街地走行から高速長距離走行まで、様々な運転シーン、つまり様々なエンジンの回転と負荷の範囲で、低燃費運転が提供できます。」

「新型エンジンではこの様に、実用域まで広がる燃費特性を持つことで、各モード共通の冷間時で比較してみますと、WLTCモードでも、JC08モードでも、NEDCモードでも、ほとんど数値の差はありません

例えば、アクセラ 15XD の燃費は、低負荷主体の欧州 NEDC では 26.3km/L、しかし日本の渋滞や短距離低速走行の繰り返しを再現した JC08 では 21.8km/L まで落ちます。

この大幅な落ち方こそ、アクセラ 15XD はマツダのダウンサイジングターボだという私の主張をも裏付けているのですが、これに対して、SKYACTIV-X では NEDC でも JC08 でも燃費の差がほとんどないとのこと。

つまり、少し元気に走っても、頑張ってエコランしても、高速を走っても、市街地を走っても、大して燃費は変わらない、ということです。
そんな車が実現するなんて、信じられますか?

更にもう1つ、



ローギヤで巡航させても燃費が落ちないということになります。
従来であれば、6速 100km/h で 2300回転前後、それでも黄緑の領域だったのに対して、SKYACTIV-X では 6速 100km/h で 3000回転でも、黄色の燃費の良い領域が使えるということになります。
2300回転で巡航する従来エンジンよりも、3000回転で巡航する SKYACTIV-X の方が燃費が良いということ。

これを簡単に言えば、スポーツモードで運転しても燃費はほとんど低下しないということです。。
もしかしたら次世代 SKYACTIV-X は、常時スポーツモードの様なギヤ比になるのかもしれません。

これは発表資料でも裏付けられていて、



他社ダウンサイジングターボと比べても、加速時のレスポンスが優れているとのこと。
発表では、ディーゼルと同様のスロットルレスを要因として挙げていますが、私はギヤ比を落としているのも大きな要因ではないかと想像しています。

 - WLTC でも NEDC でも JC08 でも燃費が変わらない
 - 常時スポーツモードで走っても燃費が落ちない

そうなるかもしれないと聞いたら、 SKYACTIV-X の異常さがよくわかりますよね。

そして、もしそういう車が実現するとなると、AT 多段化の意味は?ということになります。
6速よりも8速、8速よりも10速ATの方が偉い、なんて思っている人もいる様ですが、欧州のダウンサイジングターボでATの多段化が進んだのは、ヴィッツと同じく燃費の良い領域をどの速度域でも使うため。

本来は CVT の方がいいのですが、CVT は高価ですし大トルクは伝達できませんし、欧州でよく使われる高速域の伝達効率はあまり良くない。

そういったCVTのデメリットから、燃費の良い領域をどの速度域でも使うため(いわゆる燃費の目玉を使うため)に、ATの多段化が進みました。

しかし SKYACTIV-X は燃費が良い領域がとても広く、6速 3000回転で巡航しても燃費は落ちないどころか、従来よりも良くなるかもしれないとのこと。

それでも8速AT、10速ATは必要ですか?
Posted at 2018/09/18 02:04:50 | コメント(1) | トラックバック(0) | | クルマ
2018年09月17日 イイね!

ヴィッツに乗りました

ヴィッツに乗りましたレンタカーでヴィッツを借りました。
いつもはデミオを借りるのですが、この日はデミオに空きがなく、ヴィッツでした。でもたまには同クラスの車に乗ってみるのもいいだろうと。

ですが、半日で車を返却したくなる気分に…。

このヴィッツ、デミオと同じ 1.3L エンジン、Toyota Safety Sense は付いて、車線はみ出し警告とかも付いていますが、メーターは最低グレードのアナログメーターで、タコメーターも付いていません。
ちょっと調べてみても、ヴィッツのどのグレードかは不明。もしかしたらレンタカー向けの特別グレードかも。



ではどうして半日で返却したくなる気分になるのか、それはやはりアクセルの反応が悪すぎるという一言に尽きます。
デミオは 1.3L 最大出力が 92馬力、最大トルクが 12.3kgf・m、対してヴィッツは 99馬力、12.3kgf・m、カタログスペック上はほぼ同じで、ほんの少しだけヴィッツの方が馬力が高いぐらいです。

ではなぜ半日で車を返却したくなる気分になるのかというと、カタログスペックでは全く表れない、アクセルを踏んだ感じなんですね。

例えばほんの少しの登り坂に差し掛かった時、車の速度はほんの少し落ちます。
速度を回復しようとほぼ無意識にアクセルをほんの少し踏んだ時、車が反応するかどうかなんです。

アクセルをほんの少し、感覚的には5mmだけ踏むと、デミオ 1.3L は馬力はないながらも、アクセルの踏み込みに応じて、ほんの少し加速しようという動きになります。

しかし、ヴィッツは反応しません。ほんの少し踏んでも加速しそうな雰囲気はないため、もう少し踏み込みますが、それでも反応がない。そこで結構踏み込むと、車はガッと加速しようとします。それがとても不快なんです。

それは同乗者も全く同じ感想を抱いていて、【ヴィッツは運転していて気持ち悪い】という表現をしました。

3日後、予定通りヴィッツを返却し、新幹線で少し移動して、予約してあったデミオを借りました。



デミオは車として出来はいいと再確認。やはりヴィッツは乗りにくい。
勝手なことを言わせてもらうと、ヴィッツに乗っていたら運転が下手になると思う。
このアクセルに反応しないという感覚は、実はトヨタ車全般に感じるんです。運転が下手な人に見られる、アクセルを一定に踏まず、アクセルを踏んだり離したりを繰り返すアクセルワークを、パタパタアクセルと呼んだりする様ですが、ヴィッツの様な車に乗っていたら、そうもなるよなぁと。

ではなぜ、そんな反応しない車を作るのかというと、カタログ燃費を良くするためなんです。

まず、エンジンの燃費性能を見るために重要な BSFCマップ と呼ばれるものがこれです。


X-Engneer Brake Specific Fuel Consumption (BSFC)より引用、赤字追記)

これはヴィッツやデミオとは関係ない、一般的な BSFCマップを説明するものとして引用、追記しています。
横軸がエンジン回転数、縦軸がエンジンの負荷です。そして等高線で結ばれた線が、同じ馬力を出すのに必要な燃料の量、つまり燃費です。数字が小さいほど燃費がいいと理解してください。

一般的なガソリンエンジンでは図にある通り、エンジンの燃費が良い領域は、回転数で2000回転前後、負荷でいうと8割ぐらいのところが最も燃費がいいのです。
しかし、燃費の良いエンジンは、この燃費が良い領域が狭くなる傾向にあります。この狭い領域を、どの速度でも有効に活かせるのが CVT なのです。

想像すればわかると思いますが、トップギヤで負荷8割の状態からアクセルを踏んでも、トルクの余力はほとんどありません。エンジンの燃費が良い領域が狭いと、燃費の良い領域を常に使おうと変速比を決めると、アクセルを踏んだ時の余力がなくなってしまうのです。

ではデミオはなぜアクセルに応じて反応するのか。

単純にエンジン負荷を最も燃費の良い領域に合わせると、トルクに余裕はなくなります。
デミオに限らず、SKYACTIV-G は、従来のエンジンよりもこの燃費の良い領域が広いのです。

 SKYACTIV-G は高負荷時に燃費が悪化するのか
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/39263744/

ここに詳細は書いてありますが、従来エンジンよりも燃費が良い領域が広いということは、エンジンのトルク領域を広く使えるので、踏んだ時にリニアに反応する挙動を、電子スロットルを生かして作りやすい、ということになります。

ですから逆に、デミオでもヴィッツの様な「乗りにくさ」を再現することができます。

デミオはどのグレードでもマニュアルミッションモードを搭載しています。
例えば長い緩やかな上り坂で、一定速、例えば 50km/h のままで、できるだけ高いギヤにしてから、アクセルを少し踏み足してみてください。車の反応が鈍いというのが、どういうものかわかると思います。

ですから、ほぼ同じ馬力、ほぼ同じトルク、カタログ燃費も大して違わない車の乗り味が、どうしてここまで違うのかというのは、エンジンのスペックだけではなくて、燃費の良い領域の広さとか、中低速域のトルクとか、それを生かした変速プログラムであるかどうかで、車の印象は大きく変わるということになります。

さて、その上で、次世代の SKYACTIV-X ではどうなるのか。
これがもっと極端になるようです。
もしかしたらガソリンエンジン車の印象が大きく変わるかも知れません。

その辺りはまた是非次回に。
Posted at 2018/09/17 15:32:53 | コメント(3) | トラックバック(0) | 試乗 | 日記
2018年09月15日 イイね!

DPF再生間隔の確認と燃料噴射量補正

本日、DPF再生間隔を確認しに、ディーラーへ行ってきました。

2018年2月に予見性リコールが行われましたが、私のアクセラは警告灯などの予見現象は現れておらず、残念ながら(?)最新型のインジェクタへの交換にはなっていません。
マツダのリコール・サービスキャンペーン等情報の車台番号で検索しても、予見性リコールについては未実施のままです。
予見現象が現れてインジェクタ交換などの対策が実施されない限りは、リコール未実施になるそうです。



この予見性リコールと合わせて実施された、空ぶかしで過回転になるというリコールの制御プログラムの書き換えで、MRCC のスイッチ操作が変更になっていますが、そのほかにも DPF 再生間隔が過去10回まで確認できる様になりました。

そこで、ここ何ヶ月に何度か、ディーラーでDPF再生間隔のログを取ってもらっていたのですが、気付いたことがあります。
それは、2月から現在まで、過去何回か、70km台という非常に短い再生間隔もあったということです。

どんどん再生間隔が短くなっていることであれば、何らかの不具合の前兆ではないかと疑うのですが、最長は 412km、最短は72km で、70km台次は160kmとか256kmとか、再生間隔が短くなっているというより、突発的に短い時があるという感じなのです。

しかも、短距離走行の繰り返し(市街地走行)でDPF再生間隔が短くなっているということでもなく、高速走行でも76kmということもありました。しかし、最近10回のDPF再生間隔は、76km も含めて平均176.8kmと、決して極端に短い訳ではないのです。

また、DPF再生時間も短くなっている様に思います。以前は長いと15分、距離にすると10km以上走行して再生していたのですが、ここ最近は10分程度、距離にして7kmほどで再生が終わります。ですから、燃費も悪くなっていない印象です。
(それよりも熱暑のエアコンによる燃費低下が・・・)

単純にDPF再生間隔の距離だけでは、インジェクタの不調かどうかは即断できない感じですね。

その上で、今日は燃料噴射量補正をしてもらいました。
帰り道、エンジン音が静かになっていることはすぐにわかりました。1年点検や半年点検ではやってもらっているのかな、今度確認してみます。
インジェクタのリークや、各気筒のバラツキを補正しているのであろうことは、エンジン音で想像できます。
あとは、この様子がいつまで続くかですね。
Posted at 2018/09/16 21:58:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | アクセラ | クルマ
2018年08月19日 イイね!

マツダコネクトの位置ズレ再現(三渓園編)

今回は横浜市の三渓園脇を走る、国道357号線でマツダコネクトの位置ズレが起きるということで、再現実験をしてみました。

 ナビ不具合報告(価格.com)
 http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000962484/SortID=21703700/#tab



位置ズレが起きるのは、この三渓園インター付近から、根岸駅の間あたりで起きるとのこと。
位置ズレが起きるという車両は、CX-8 (自社位置演算ユニット付き)ですが、私の車両は自社位置演算ユニットが搭載されていないという違いがあります。
CX-8 の症状としては、CMU を交換しある程度症状改善したものの、この三渓園〜根岸間については、上りは左に、下りは右にズレるそうです。

この国道357号線ですが、ちょっと特殊な構造で、国道も高架なんですが、そのすぐ上に首都高速湾岸線が通っています。



この写真の、地面の上、首都高速の下に挟まれた高架が国道357号線です。

結論としては、

 1)首都高速湾岸線を三渓園から根岸駅方面、および根岸駅から三渓園方面に走ったが、全くずれなかった。

 2)国道357号線を三渓園から根岸駅方面に走ったが、全くずれなかった。

 3)国道357号線を根岸駅から三渓園方面に走った際に、1回だけズレたが、1秒も経たずに正しい位置に補正された。

ということで、この掲示板で指摘されているような、1ブロック隣の道を走るような大きな位置ズレは全く起きませんでした。

1回だけナビの位置がズレた場所があったので、そこだけ記載しておきます。

まず、地図ではこの位置になります。



見ての通り、国道357号線から側道への分岐です。



しかしながら、地図では直進は側道になっています。



よって、車はほぼ直進しているため、ナビでは脇道に入ったかのように位置ズレを起こしました。



車は高速道路の下を走っているにも関わらず、マツコネは側道を走っていると誤認。



側道は行き止まりであるにも関わらず、車は直進し続けているため、マツコネは一瞬停止。



1秒もかからず、マツコネは正しい位置に補正されました。
位置ズレの発生原因としては、以前に検証した、

 マツダコネクトの位置ズレ再現(四ツ木大橋編)
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/41533023/

と非常によく似ています。
ここで注意して見て欲しいのは、位置補正後は高速道路上だと誤認識せず、正しく国道357号線上と認識されたことです。
高度情報を使っているのだと思われます。

GPS の表示が青のままであるのは見た通りですが、もし仮に GPS の位置測定が大きくズレていたら、この時にマツコネは正しい位置に補正できないはずです。
よって、少なくとも私の車両は、 GPS でも大きな位置ズレを起こしていないと思われます。

 1)首都高上を走行する限りはズレは全く起きない
  GPS 衛星が正しく検知できる状況では、全く位置ズレはおきない

 2)首都高が覆いかぶさっている国道357号線上であっても、少なくとも自社位置演算ユニットがない車両でも大きな位置ズレなく走行できる

ということは明確になりました。
つまり、位置ズレを起こすのは「マツコネだから」ではないということです。

よって、あとは自社位置演算ユニット特有の問題なのか、それとも単なる故障なのかの切り分けが必要になります。
どなたか、自社位置演算ユニット付きの車両で、ここを走ってみる方はいませんか。
Posted at 2018/08/19 21:01:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | マツダコネクト | クルマ
2018年07月01日 イイね!

SKYACTIV-D 1.5 は、なぜ 1.8 になったのか

□ VWディーゼルゲート事件

2015年9月18日、アメリカの環境保護局(EPA)が記者会見を行い、VWが排ガス検査時に不正を行っていたと発表しました。
これがのちにVWディーゼルゲートと呼ばれる事件の始まりでした。

不正が発覚したのは、米国の環境問題NPOの調査が切っ掛けでした。彼らが実走行時の排ガスを計測すると、走行時に基準値の最大40倍もの窒素酸化物(NOx)が排出されていることが判明したのです。
台上試験にくらべて実走行時(RDE)は、加速度や速度の違いで NOx の排出量は多くなるものですが、それにしても多すぎたのです。
VWは当初、ソフトウエアの誤作動だとして2014年12月にリコールを行ったのですが、当然のことながら改善は見られず、最終的に VWは検査時に不正を行っていたことを認めざるを得なくなりました。

 第318回:VWのディーゼル不正はなぜ起きたのか――
 エンジン開発のプロフェッショナルが事件の背景を語る
 http://www.webcg.net/articles/-/33361

□ 実走行時の排ガス規制(RDE)への影響

当時、欧州では排ガス規制を台上試験だけではなく実走行時(RDE)でも行う方針は決まっていました。
しかし RDE をめぐっては欧州委員会と欧州自動車工業会(ACEA)などの間で綱引きがあり、自動車メーカーとしては、できるだけ規制をゆるくしてほしい、そうでないと技術的に規制を実現できないと主張していたのです。

ところがこの VWディーゼルゲート事件で欧州自動車工業会(ACEA)は欧州委員会に一気に押し切られ、次のように規制を実施することとなりました。



 欧州における検査方法見直しの動向について
 http://www.mlit.go.jp/common/001121839.pdf

つまり、台上試験の NOx 基準値である 80mg/km に対して、新型車は2017年9月1日から、継続生産車も2019年9月1日からは 2.1倍の 168mg/km(EURO6d-TEMP)の規制を守らなければならなくなりました。
更には新型車は2020年1月1日から、継続生産車も2021年1月1日からは、120mg/km となるのです。(Euro6d)

□ マツダの SKYACTIV-D 1.5 はどうなのか

まずはVWディーゼルゲート事件直後に行われた、国交省の調査です。



 排出ガス路上走行試験等結果取りまとめ (国産自動車)
 http://www.mlit.go.jp/common/001121838.pdf

この時の走行コースは、調布の交通安全環境研究所から都内を走行して練馬ICから関越道を通り、鶴ヶ島ICで降りてバイパスを通って熊谷運動公園に至るというルートです。

 排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会 中間とりまとめ
 https://www.env.go.jp/air/car/conf_diesel/ref01.pdf

この結果、SKYACTIV-D 1.5 のデミオおよび 2.2 の CX-5 は、実走行時でもほぼ台上試験(JC08モード)と同等の排出量となる、非常に優秀な成績を納めました。

では SKYACTIV-D 1.5 は、そのまま欧州の新しい排ガス規制をクリアできるのでしょうか。

欧州でもドイツの automotor und sport誌が、独自に実走行時の排ガス試験(RDE)を行なっています。

 日経Automotive 2016年3月号 公道排ガス試験 どのディーゼル車がクリーンか
 http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/318380/201603/

これはシュトゥットガルトからケンゲン、アイヒェルブルクを経由してショルンドルフに至る約 100km を走行し、排出された NOx を測定するもので、前述の Euro6d(-TEMP)の測定方法とは異なりますから、この測定結果をもって Euro6d(-TEMP)に適合しているかどうかは語れません。

しかし、競合他車と比べることはできます。

結論から言えば、VWディーゼルゲート事件が発覚した直後、2015年末時点で試験が行われた、Euro6 (Euro6d-TEMPではありません) に適合したディーゼル車、6車種と比較して、SKYACTIV-D 1.5 を搭載した CX-3 は3番目に位置していました。

他車が NOx 吸着還元触媒や、SCR(選択還元触媒)のどちらか、または両方を搭載しているのに対して、そのどちらもない SKYACTIV-D 1.5 が7車種中3位とは、大変良く健闘しています。
とは言え NOx 排出量は 284mg/km、台上試験での基準値 80mg/km の 3.6倍ですから、余裕で Euro6d に適合しそうだとは思えません。

国交省の測定値に比べて排出量が多くなっている理由は、やはり日本国内より格段に負荷が高いという面があるように思います。
シュトゥットガルト市内こそ最高時速 50km/h ですが高低差はあり、そこからケンゲンまでは最高時速 80km/h、ケンゲンからアイヘェルベルクはアウトバーンで最高時速 130km/h、そしてショルンドルフまでは高低差と速度変化が伴っての最高時速 100km/h です。
実際、ケンゲンからアイヘェルベルクのアウトバーンでは、基準値の7.3倍もの NOx を排出しています。

今後の実走行時の排ガス試験(RDE)、つまり Euro6d(-TEMP)への対応については、CX-3 の開発者が次のように答えています。

 マツダCX-3 開発者インタビュー これが集大成
 http://www.webcg.net/articles/-/38791

「NOx(窒素酸化物)の排出量は、排気量の小さいエンジンほど早く立ち上がってきます(=より低負荷の状態からNOxの排出量が増える)。マツダではこのモデルから燃費表示をJC08からWLTCモードに変更しています。さらにRDEまで見たときに、NOxの立ち上がりを遅らせて高負荷まで使える状態でモードテストを走りきるためには、このくらいの排気量が必要でした。もちろん1.5リッターでも後処理装置を付ければクリアできると思いますが、マツダとしてはそれは“なし”でやりたかった。」(冨山主査)

エンジン出力(排気量)に比べて負荷が軽いほど、NOx の排出量は減る、だから排気量を増やして負荷を減らし NOx の排出量を減らす必要がある。D1.5 だと前出のNOx 吸着還元触媒や、SCR(選択還元触媒)が必要になるが、それを避けるために排気量を増やした、ということになります。

□ 日本への影響

日本でもこの VWディーゼルゲート事件の影響は少なくありません。
国交省は「排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会」を立ち上げ、日本では予定されていなかった実走行時の排ガス規制(RDE)を提言しています。

 排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会
 https://www.env.go.jp/air/car/conf_diesel/post_9.html

『このため、路上走行検査については、欧州の路上走行試験法を参考とし、同試験法 における評価手法である Moving Averaging Window 法を採用しつつ、日本と欧州の 走行環境(走行速度、気温等)、WLTC(乗用車等世界統一試験サイクル)の適用フェ イズの違いを考慮して、別紙2の路上走行検査方法とするとともに、路上走行検査に おける NOx 排出量は台上規制値の 2.0 倍までとして導入することが適当である。』

□ 排気量増加のメリットとデメリット

人は古来から、車の車格を排気量で判断してきました。
デミオに 1.3L は適正、1.5L は大きめ、1.8L は過大、と言う人は少なくありません。
車の車格を排気量で判断する人は、排気量が大きくなるほどエンジンのトルクと出力が上がり、その分重くなり、燃費も悪くなるという意識があるのだと思います。

しかし、SKYACTIV-D 1.8 は 1.5 と同等の最大トルク、ほぼ同等の最大出力、ほぼ同等の重さです。
違うのは税金と燃費と排ガスだけで、燃費と排ガスは向上します。

となると、SKYACTIV-D 1.5 が 1.8 に全面的に置き換わるのは私は当然だと思いますが、それでも抵抗がある人はいるのでしょうね。

□追記

やはりこの記事の通り、マツダは新開発の排気量1.8Lのディーゼルで、尿素SCR(選択型還元触媒)を使わずに、2020年から欧州で始まる厳しい排ガス規制を達成する見通しなのだそうです。

 ディーゼル再興にのろし 常識を覆すマツダ、20年規制達成へ
 https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00795/

□実は・・・

2015年の一般財団法人日中経済協会、日中省エネルギー・環境総合フォーラムで人見光男常務(当時)が発表した中に、「大排気量はコストフリーのエミッションデバイス」だとする発表がすでにありました。



ここに書かれている通り、小排気量の SKYACTIV-D1.5 は、D2.2 に比べて比較的低トルクのうちから NOx の排出量が増えています。

つまり、低負荷領域しか使わない燃費測定である欧州規格 NEDC から、現実の負荷に近い WLTC や、実際に走行して測定する RDE に移行すると、低トルクのうちから NOx の排出量が増える D1.5 は不利だということです。

2015年の時点で、ちゃんとそういったことも発表していたとは。
Posted at 2018/07/02 12:26:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | | クルマ

プロフィール

「@だいずぱぱ クリアテールのままの方が…」
何シテル?   06/09 09:02
BL アクセラから BM アクセラに乗り換えました。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2018/10 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   

リンク・クリップ

人身事故を起こすところでした…自分の対応を反省と謎 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/08/31 17:40:41
CX-3 SKYACTIV-D 1.8 に試乗してきました(後編)  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/06/05 01:46:55
盗難の被害に遭って、みなさんに知ってほしいこと。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2017/04/22 10:14:41

お友達

ファン

36 人のファンがいます

愛車一覧

マツダ アクセラスポーツ(ハッチバック) マツダ アクセラスポーツ(ハッチバック)
マツダ アクセラスポーツに乗っています。

過去のブログ

2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
©2018 Carview Corporation All Rights Reserved.