今回は以前に書いた
2月23日
CX-5、アクセラ、アテンザのリコールについて
2月24日
リコールについて
に続く記事です。
今回のリコール対策の詳細を耳にしたので、記載しておきます。
(1) インジェクタ取付ナットの締結力が不適切なため、油圧警告灯が点灯することがある
発表に記載されている通り、インジェクタ取付ナットを増し締め等ですね。
(2)整備作業時の燃料リターンホースの取扱い不適正による燃料漏れ
これも発表に記載されている通り、燃料リターンホースを改良品と交換。
よくわからないのが、下記3つの不具合の改善措置が、「全車両、制御プログラムを対策プログラムに修正」としか書かれていないこと。詳細を確認したら、下記の通りでした。
(3)吸気バルブとバルブシート間に煤が挟まり圧縮不良となって、エンジン回転が不安定になる
「エンジン回転の変動から、減速時の圧縮抜けを検出した場合に、減速中の燃料カット復帰を早くし、ススの押し潰しを行える様にする」
煤の噛み込みらしきことが起こったら、燃料を供給することで気筒内の圧力を上げ、文字どおり「煤を押し潰す」ということですね。
DPF を経由した LP-EGR により、比較的煤の問題が起きにくい SKYACTIV-D 1.5 ですが、HP-EGR では煤が含まれる排ガスを吸気するのは SKYACTIV-D 2.2 と同じです。
しかし SKYACTIV-D 1.5 は SKYACTIV-D 2.2 に比べて圧縮比が高いので、こういった問題は起きにくいと思われます。
(4)インジェクタ制御回路の電圧変化によるノイズ対策が不適切なため、当該回路に許容を超える電流が流れる
「インジェクタ駆動回路の作動電圧を下げて、駆動回路の損傷を防止する」
これは単純に駆動電圧を下げることで、定格を超えた電圧をインジェクタに供給しない様にするということですね。
SKYACTIV-D 2.2 に採用されているピエゾインジェクターが、SKYACTIV-D 1.5 に採用されているソレノイドインジェクターに比べて圧倒的に駆動電圧が高いのが要因の1つですので、SKYACTIV-D 1.5 についてはあまり心配しなくて良いかと思います。
(ピエゾインジェクターはコストが高く、高電圧も必要なため、ソレノイドの性能向上もあり、デンソーの最新世代のインジェクターはソレノイドに回帰しています)
(5)アクセル全開等の際にブローバイガスに含まれるオイルが燃焼室内で燃焼し、エンジンが過回転する
「エンジン回転が規定値に達した場合に、吸入空気を遮断して、エンジンの回転の上昇を抑制する」
燃料供給をカットするだけではなく、吸気スロットルを閉じてオイルの吸入を防ぐということです。
このオイルですが、インタークーラーなどに溜まった液化したオイルが、アクセル全開時にミストになって供給されているのでしょうか。
SKYACTIV-D 1.5 は水冷インタークーラーにより吸気系がコンパクトの上、過度の冷却も抑えられていますから、こちらもインジェクタと同様に、さほど心配しなくて良いかと思います。
(一般的に絶対的な冷却性能は空冷の方がいいんですけどね。水冷は安定性が高いのがメリットですが…)
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Posted at
2017/02/27 14:12:58