• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

aquablauのブログ一覧

2020年06月01日 イイね!

WLTC と JC08 の比較と WLTC の問題点

しばらくブログの更新をサボってました。
SKYACTIV-X の記事を書きたいなと思ったのですが、その記事を書く前に、燃費表示について記事にしないといけないかなと思って、久しぶりに記事を書きます。

多くの方は「カタログの燃費表示は実際の燃費より高いのはあたりまえ」と思っていますよね。そう、車好きには常識と言っていい話です。

「でも何で?」

と聞かれると、答えられる人ってどの程度いるんでしょうか。

■ JC08 は日本の交通事情を考慮した燃費モード

燃費を計測するにしても、色々な車を比較したい場合は、その走行パターンを統一しなければなりません。
大昔、車の燃費計測のための走行パターンは 60km/h での一定走行でした。しかしこれでは実燃費との乖離が大きいということで、1973年に10項目の走行パターンを想定した10モード、1991年に更に15項目を追加して 10・15モードという走行パターンが採用されました。
しかしそれでも実燃費との乖離が大きく、2011年には JC08 という走行パターンが制定されました。


(国交省 燃費測定モードについてより引用)

これを見ていただければ分かる通り、10・15モードより複雑になり、走行距離も長くなっています。日本の道路状況を想定し、最高速度 60km/h で時々信号にかかる郊外での状況や、最高速度 30km/h で停止時間も長い渋滞での状況、そして最高速度80km/h で高速道路を走る状況など組み合わせ、平均速度は 24.4km/h で、最高速度は 81.6km/h となっています。

■WLTC は世界標準

JC08 日本の交通事情を考慮した燃費モードだと書きました。
同様に、アメリカにはアメリカの、欧州には欧州の、それぞれ独自の走行パターンで計測した燃費モードが定められています。
それに対して WLTC は「世界の交通事情」を考慮し、世界各国で共通の走行パターンで燃費を計測することを目指したものです。


(国交省 乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の概要について より抜粋)

JC08 と WLTC の大きな違いは、JC08 は市街地も渋滞も高速道路も全部まぜこぜにして1つの燃費だけを示していましたが、 WLTC は WLTCモードという燃費だけではなく、市街地モード(WLTC Low)、郊外モード(WLTC Midium)、高速道路モード(WLTC High)の3つの燃費も併記されることです。


(国交省 燃費の表示内容が変わります! より抜粋)

ここまで長かったですけど、みなさんご存知ですよね。
本題はここからです。

■WLTC の問題点

ここまではWLTCが導入された2年前に記事にしたとしても「そんなことはわかってるよ」と言われるような内容です。
しかし、改めて2年前のどの記事を読んでも、JC08 に対する WLTC の問題点(懸念点)が記載されていません。

ですので、改めてここで記事にしておこうかと思った訳です。

【問題点1:日本の交通事情と乖離している】

すでに書いた通り、JC08 は日本の交通事情を勘案して、走行パターンが定められています。
しかし WLTC(WLTP)は世界(日米欧印韓)の実際の走行パターンを勘案して作っていますので、どうしても日本の実情とは乖離します。

そのため、日本では WLTC で定められている、最高速度131.3km/h を想定した超高速モード(WLTC Ex-High)」が省かれています。



しかしそれで解決した訳ではありません。

私が考えるもっと大きな問題は、市街地・郊外・高速道路の走行パターンの比率が、日本の実情と全く合っていないのです。


(環境省 WLTCの国内導入について より抜粋)

この右側円グラフを見て分かる通り、

日本:市街地4割、郊外4割以上、高速道路2割以下

世界:市街地2割以下、郊外2割、高速道路3割、超高速3割以上

という交通事情の違いがあります。
日本では、車が走行する大半の時間(8割)が、市街地と郊外なのに対して、世界的には市街地を走行する距離は少なく、高速道路が主なのです。

ですが、残念ながら日本のWLTC燃費は世界標準に合わせて計算されています。

【問題点2:停止時間が短い】

皆さんご存知の通り、日本は国道でも信号が多く、多くの運転時間を停止時間として費やしています。

この停止時間ですが、JC08 では実に 29.7% が停止時間なのに対して、WLTC では 15.4% しかないのです。


(国交省 乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の概要について より抜粋)

これも日本の交通事情と、世界の交通事情の違いが理由です。

これを受けて、トヨタは大胆にもアイドリングストップを廃止しました。

 新型ヤリスがアイドリングストップをやめた意外な理由 燃費至上主義に終止符!? それとも…??
 https://bestcarweb.jp/news/122785

トヨタの広報の公式回答は、

「スマート&ストップ(=アイドリングストップ)は、燃費改善のためのアイテムです。今回のRAV4、カローラ、ヤリスは、TNGAエンジンを採用しており、スマート&ストップがなくても、充分競合性があるためにスマート&ストップの設定をしておりません」

だそうですが、要は「JC08 から WLTC になったらカタログ燃費には大して影響しないのでやめました」ということです。さすがカタログ値を追い求めるトヨタです。

 「クルマを走らせる楽しさ」へのこだわり――マツダ・アイドリングストップ開発の哲学
 https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1006/29/news004.html

「実際に、i-stopを搭載したアクセラセダン(AXELA Sedan 20E/5速AT)を借りて、金曜日夕方の都内を走ってみた(2010年6月25日16時40分~18時)。すると、1時間のうち約23分はアイドリングストップをしている。」

カタログ燃費にはほとんど影響がなくても、現実には30%以上もの停車時間があるとしたら、アイドリングストップは要らないと言えるのでしょうか。
私はアイドリングストップのお陰で、渋滞時のイライラが大きく解消したので、簡単には否定できません。

■結論

WLTC でどうやってカタログ燃費を見るべきなのかの結論です。

・WLTC 燃費は無視
・大都市圏に住む人や、買い物などに使う車は、WLTC 市街地モードを参考にしましょう
・郊外や旅行などに使う車は、WLTC 市街地モードと郊外モードの平均を参考にしましょう。
・毎日30分以上、渋滞もなく通勤に使っている人は郊外モードを参考にしましょう。

これだけで実燃費との乖離は相当抑えられると思います。
Posted at 2020/06/01 13:58:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | | クルマ
2019年12月04日 イイね!

マツダ藤原副社長インタビューの連載

私は自動車評論家という職業を全く信用していないのですが、池田直渡さんだけは、この人の評価軸と自分の評価軸が似ていることもあって、参考にしています。

その方のWeb記事で面白い連載があったので、備忘録としてブログ記事にしておこうと思います。

 CASEは「独自部分だけでも、クルマ1台分の開発費がかかってます」 
 マツダ藤原副社長インタビュー(1)
 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1911/27/news044.html

・構造改革のステージ2は遅れがあったものの、大成功、商品の売り上げは倍増
・利益が悪いのは、全部為替にやられている(国内生産のリスク)
・マツダは価格は上げすぎて失敗したと見られているが実は違う
・価格が上昇しているのはCASE対応のためのコストであって、これは他社も同じ(20万円〜40万円)

池田 今、クルマを普通に買う人って40代、50代あたり、あるいは60代も入るかもしれませんね。その人たちは、もしかしたら新車で100万円の感覚が残っちゃってるんですよね。

藤原 だと思います。

池田 赤いファミリアが100万円で買えたとき。今は軽自動車でも100万じゃ、なかなか厳しいですよね。

藤原 買えないですからね。ちょろちょろっといろいろなものを付けていって、200万超えたりするようなことが平気であるじゃないですか。そういう意味では、皆さんの中にある価格の物差しが、相当ずれ始めているんじゃないかなと思うんですけど。

・今までやってきたことに、さらにCASE対応でやったことのないことをやらなければならなくなって、コストが大変上がっている

藤原 だけど、やらなくちゃいけないので、例えば今回のマツダコネクト2なんていうのは、前のマツダコネクトで大変失敗しましたので。

池田 (笑)

藤原 あれはあれでやっていてよかったなと思うのは、やらなくちゃならないことを相当理解したんですね。ソフトウェアの中がもうスパゲティ状態になっているやつを、1つずつ解いていくという、きれいにしていく活動もやってきたので。

池田 あれ、どっか変わったところで作りましたよね? 東欧のどこでしたっけ。

藤原 あの当時、一緒に開発してくれる人がいなかったんですよ。13年に出したもんですから、10年、9年くらいから始めたんですけど、「コネクティビティを一緒にやってください」って言っても、誰もこういう未来になると思っていないので、助けてくれる人がいなかったんです。当時の感覚としてはそれをやるっていうことは、ナビゲーションだとかその他の領域のアフターマーケット需要を自分でなくすことでもあるんですよね。

 で、唯一引き受けてくれたのが北米の会社で、実際作るのがハンガリー。そういう状態だったんです。そこも最終的には買収買収でM&Aがあって、ビステオンになっちゃうわけですけどね。そのときにすごく勉強したので、今回はちゃんとやろうと。油断して掛かると後で大変なことが起きるので、しっかりとしたCPUの容量も持たなくちゃいけないしっていうんで、いろいろなことを検討した結果、今のマツダコネクト2は、トヨタさんと一緒にやらしてくださいということでお願いして、電気自動車や電気系の方も入っていただいて。やってみると、実は80数パーセントはトヨタさんのシステムと一緒なんですよ。共通なんですね。で、残り十何パーセントは、GUIとかその他のグラフィックとかにはブランドと関わる部分もあるので。

池田 今の80数パーセント一緒のところ書いていいんですか?

藤原 いや、どうかな。これは多分言ってないからね。多分カットでしょうね。あ、言ったか。言ったな。中計(中期経営計画)で言っちゃったよ、俺(笑)。

・メガサプライヤーにCASE対応を丸投げすると牛耳られる
・トヨタとのアライアンスでオールジャパンとして基盤のところをちゃんとやる

 為替は「北米に工場を造っても、ほとんど変わらない」
 マツダ藤原副社長インタビュー(2)
 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1911/28/news038.html

・売上倍増だが台数が増えていないのが問題
・本来ならば北米がこんな台数じゃダメ
・北米の販売店ネットワークを整理しているが目標まで到達していない
・ヨーロッパでは第7世代車種が正しく受け止められている

池田 分かっている人はGVCの技術がエンジンベースで出たときに、これ本来は絶対EV用だよなって思ったでしょう。ただ、EVに仕立てた時、あそこまで四輪がびたっと落ち着くものだとは、私も思ってませんでした。

藤原 あれはもともとデミオのEVがありまして、一時期、あれで開発していたんですよ。そのGVC、デミオEVで開発したものをエンジンのほうに持っていったので、その時点でやっている連中は、これですごいものができるとも思っているんですよね。なので、もうすぐに入れよう、すぐに入れようとか言って(笑)。

・北米に工場を作っても為替差損は変わらない、為替差損の原因はドル以外

 ラージの遅れは「7世代の技術を現行世代に入れる。もうそれをするしかない」
 藤原副社長インタビュー(3)
 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1911/29/news032.html

・ラージプラットフォームを遅らせることにした1番の理由はPHV
・欧州は自分たちに都合が悪くなるとルールを変える、米国は公平(フェア)

池田 で、実は、この間MAZDA3を1週間ほどお借りして、その直後にMAZDA6にその場で乗り換えたんです。横浜のマツダR&Dセンターで。そしたら、非常に厳しい感じだったんですよ。

藤原 第6世代にも、良さはあるんですけどね。

池田 何時間か乗っていると、感覚が慣れて、いや、これはこれでいいクルマじゃんって思うんですよ。ただ、乗り換えた瞬間の衝撃はいかんともしがたいし、そのギャップは忘れられない。

・標準オーディオは基礎的な素養の高めて、定位と広がりって相反するところを両立させている
藤原 標準オーディオができあがったときに、BOSEはプレミアムオーディオはどうやってやるんだろうって、これを超えるもん持ってこれるんかって思ったくらいですから。

池田 藤原さん、オーディオに関して1つだけ、あのオーディオの売り方の面白いアイディアをこの間聞いてきたんですよ。MAZDA3を借りた時、オーディオの専門家に聞いてもらったんですよ。そしたら、これ素晴らしいけど、これを文章で一生懸命書いても、普通の人には伝わりませんよねと。だったら、中でガンガンに音量上げといて、ドア、バンと閉めたら、外に音漏れしないでしょう? って。

藤原 しないです。

池田 音漏れしないってかっこいいじゃないですか。「音漏れかっこ悪い」って言っちゃったほうがいいですよって彼は言うんですよ。

藤原 なるほど、確かに。

池田 それはショールームですぐ再現できて、誰にでもすぐに分かる。

藤原 ありがとうございます。使います。これ確実ですから。本当に音漏れしないんで。いや、本当に感じます。今のやつはもう音漏れバンバン(笑)。

池田 それはしょうがない。だってドアの鉄板の裏側にスピーカーがあるんですから。

・第6世代に第7世代の技術を入れていく

 「マイルドハイブリッドの効果はちゃんと出てます」
 マツダ藤原副社長インタビュー(4)
 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1912/03/news040.html

池田 多分ラージのプラットフォームはFRにして、直6っていうのは、すごく正しいと思うんです。ただ、ひとつだけ怖いなと思っているのは、ディーゼルの直6なんですよね。これは、もうまさに世の中との戦いじゃないですか、どっちへ転ぶか。ここはどう見られているんですか。

藤原 もうやらざるを得ないと思って。でも、(ディーゼルは)必ず戻ってくると思っているんです。特にヨーロッパの人には、ディーゼルには簡単に止められないだけの商品価値はあると思ってます。

池田 ディーゼルは死なずですか?

藤原 彼らがヨーロッパ中を、例えばドイツへ出張するとすると、PHVで一生懸命頑張っても、やっぱりディーゼルにはかなわないんですよ。ディーゼルで出張すると、1回満タンにすると1000キロ走るわけじゃないですか。それもあのトルクで、アウトバーンをばーんと走って。彼らは電車で行かないし、飛行機で行かないし、びゃーんとクルマで行っちゃうわけですね。それは今のPHVでできるかっていったら、できないんですよね、やっぱり。重たいものを積んでいるので。

・マイルドハイブリッドは効果がちゃんと出ている(ホント?!)
・ジェネレーション1のガソリンエンジンにもマイルドハイブリッドを付けていくつもり(ディーゼルは?!)
・リチウムイオンバッテリーじゃなくて、安価なキャパシタ採用もある

 第7世代への要望を不躾に言ってみる
 マツダ藤原副社長インタビュー(5)
 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1912/04/news030.html

池田 ちょっと前まで、メーカーみんな横並びだったんですよ。だけどここ1年くらいで、ドングリの背比べを抜け出して、上手いメーカーが出てきちゃったんです。マツダは今、ちょっとそれに取り残されていて、例えばクルコン(前車追従型クルーズコントロール)は、直前にクルマが入ってきたり、出てったりしたときの躍度(加・加速度)がちょっと高いんですよ。

藤原 どんな感じですか?

池田 自分で踏んでいるときだったら気にならない躍度でも、クルマに勝手にやられると、嫌じゃないですか。そこは多分、ドライバーの操作とクルコンの操作では許容値が違うんじゃないかなと。それと、ブレーキも制動開始までちょっと引っ張るんですよね。「おーっ大丈夫か?」て思ってから、かかるんですよ。いや確かに制動距離は足りているんです。距離的には遅いわけじゃない。気持ちの問題です。でも、ゆるやかな減速をもうちょっと手前で軽くかけ始めてくれれば「あ、ちゃんとクルマは状況をつかんでるな」と安心できるんです。こういうのは人間が操作するときとは違うと思うんですよね。機械がやることだから、認識してますよって伝えるクルマと人のコミュニケーションは大事です。

藤原 あー、先に信号を出さな、いかんな。

池田 そうなんです。そこは多分もう藤原さんには言っていることが……。

藤原 いや、分かります、分かります。はい、分かりました。

池田 反応が無いと信用できなくなっちゃう。

藤原 ちょっと頭で仕事をしているやつが多くて、体で仕事をしているやつが少なくなっている感じがするんで、そこは今ちょっと注意しているところです。そこはすぐ直させます。彼らは、頭で考えると、正しいことを言っているはずなんです。人間中心だ、こうなるべきだって言っているんですけど、さっき言われたように、(機械に)任せている限り、先に信号を出してOKっていうのを(運転手に)伝えてやるべきってあたりは、多分体でやっている連中から出てくる話なんですけど、それが多分うまくリンクしてないんです。だから、そこを今、注意しているとこなんですけど、分かりました。ありがとうございます。そこは直します。

・CTS(クルージング&トラフィック・サポート)が、ちょっと左に寄りすぎる

池田 あと時速60キロ以上でアシストが切れることについては、基本的には、GVC(Gベクタリングコントロール:タイヤの接地力を制御する機構)がすごくよくできていて、高速巡航の操舵(そうだ)は十分に楽だし、正確で気持ち良いので、むしろ変にステアリングを切られるよりは、いいのかなと思っています。ただ、例えば居眠りとか脇見運転とかのときに、ドライバー監視のカメラがあるからって全部任せられるのかと。やっぱり何かのときに、本当にどうしようもないときにはステアリングアシストが救ってくれることは必要なので、常時レーンキープするということではなくて、レーン逸脱の回避機能だけは、60キロ以上でもあったほうがいいんじゃないかなというふうに思ってます。

藤原 それは変えるつもりです。もう決めました。

池田 そういう意見が社内でもあったんですね。

藤原 それはやります。それ議論しました(笑)。ありがとうございます。

・ドライバーをモニターするっていうのはとても重要
・ナビをやるならスマホと戦えるようにしなくちゃいけない、もしくは、極端にいったらあきらめるか

 「日本の自動車生産を維持している自負はある」
 マツダ藤原副社長インタビュー(6) (1/8)
 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1912/05/news038.html

藤原 人間中心っていうのは、2013年ぐらいから言い続けてたんですよ。でも、みんなが同じ思いを持ち始めたのは、多分ここ2、3年ぐらいの話ですね。みんな口では言うんですけど、自分の仕事になかなか落ちてないんですよ。

池田 ほーう。そういうもんですか?

藤原 最近はもう、みんなすべてが「人間中心とは何ぞや」から始まっていきます。一番強く反応したのは、多分エンジンの親分の中井(パワートレイン開発本部長:中井英二氏)なんですよね。それが多分3、4年前かな。彼が、ベルシェイブの動き(リニアに感じる速度変化)だとか、人間はこうだとかって言い始めて、それから、みんなが、「あ、全部それで言えるんじゃん」って、ガタガタガタって全部が変わっていったというか、一つにまとまっていったんですね。出発点は中井だと思いますが、それをサポートした人間がたくさん、部門ごとにいるんですけど、スタートは彼なんじゃないかな。誰かということよりも、多分彼のその一言で変わったんじゃないかと思うんですけどね。

・今、マツダが目指しているハードウェアはミネラルウォーターのように自然なもの、デザインは色気のあるもので、(見た目と中身に)ギャップがある
・ミネラルウォーターの様なデザインを望む人は社内にもいる

藤原 だから、エンジニアリングとデザインのギャップのところは、だいぶんまた議論をし始めてて、あまりにも純粋にやりすぎたかなと。もうちょっと色気のある方向に持っていくのも一つの選択肢だし。今ちょっとやらせているんですけど、ある意味、違う色気のあるものも必要なんじゃないのと。

・トヨタのヤリスも Mazda3 と同じように操作系のフィールを統一して整えてきたが、ブレーキだけはオーバーサーボが残っていた。

池田 ところが、ヤリスはそうなってない。ブレーキだけリニアではないっていうと、トヨタの人たちはまじめだから、ものすごいメモ取りながら聞くわけですよ。で、もうちょっと深く質問してきて、当然MAZDA3のブレーキの話になって。ただ、これを国内で4割もシェアを持っているトヨタがやったら、「ブレーキが効かない」っていう苦情が山のように出てきますよ。実際は効かないんじゃなくて踏力に比例させているんだから、踏めばもっと効くわけですけど、普通のドライバーは、その「踏む」の基準がオーバーサーボのブレーキになってしまっている。だからいつものつもりでは踏力が足りなくなりますよね。

(中略)

池田 だから、そういう意味でいうと、マツダが今、志している方向で、ああいうブレーキを仕立てたっていうのは、私はすばらしいと思っていて、すごく勇気が必要だっただろうと思うんですよね。

藤原 本当はすべてのクルマがあの世界になると、多分交通の流れはすごいきれいになるんですよ。今は交通の流れ、全然きれいじゃないので。カックンブレーキのクルマが前を走ると、もう本当に車間距離を空けないといけない。いつキュッとやられるんだと思うと、もう怖くてつけないっていう状態なんですから。だから、みんながリニアなブレーキだと、きれいに行けて、それが本当の渋滞対策でもあるはずなんです。だから、私は本当は皆さんにそっちへいってほしいと思ってます。一気にそこにいかないまでも少しずつでも変えていきたいと思うんですけどね。


池田 しかし、そこは難しくて、クルマ好きな人に限っても、でっかいディスクブレーキほど偉いとか思ってたりするじゃないですか。

藤原 (笑)

池田 だけど、でっかいディスクブレーキって、特に低速域のリニアリティ精度って全然ダメじゃないですか。なのにロードスターのブレーキを、もっとごついのにつけ替えたいみたいな人、いっぱいいますよね。でも、それは分かってないなって話じゃないですか(笑)、本当は。

藤原 ロードスターのブレーキはものすごく良いと思ってます。大きければ良いってものではないんですけどね、本当に。いや、分かります。すごくよく分かります。

池田 今だからマツダの最大の課題は、自動車偏差値が高い人じゃないとやっていることが理解できないということだと思っています。

藤原 考えます。

藤原 大事ですよね、本当にね。今回のヤリスは、ぜひ乗ってみたいなと思いました。

池田 いや、あれちょっとびっくりしました。っていうか、アクアと同じメーカーが作っているクルマとは、本当に思えないですよ。アクアは早く引っ込めろとか酷いことを書いてるんですけど、トヨタは怒らないですよ(笑)。

(そう、アクアはトヨタの失敗作です。断言します。もちろんあれに満足して乗っている人がいるのも知っています。私も何度も乗っています。大変売れているのも知っています。でもあれが売れているのは、日本市場の自動車偏差値が低い証拠だと思っています。売れる車が良い車ではない証拠です。)

藤原 だからわれわれなんてトヨタ以上に危機感を持って、常識を壊していかなくちゃいけないんです。

池田 でもそれをやってきてますよね? シートだって本当にモノになるまでは、すごい時間かかったじゃないですか。だけどモノにしてきたわけですから。

藤原 すんごい時間かかったんです。あれはシート屋さんの持っている常識を変えささないといけなかったんです。理論は分かっても、シートを作る側に、こり固まったものがあるので。結局ずっと長いことやっている連中の常識がなかなか変わらない。これが正しい、これが当たり前なんだと思っているところを、どうやって変えるか。これ静粛性も同じだったんです。

池田 良くなりましたねえ。

藤原 変わったでしょう? すごく。

(私は Mazda3 のシートをものすごく高く評価しています。
あれは疲れない。
でも、乗る人が意識して背もたれを立てないと意味のないシートでもあります。
そういう意味でも自動車偏差値が高い人じゃないと理解できないんでしょうね。)

藤原 はい、すごいです、本当に。怖いです。でもあともう一つだけ言わせていただくと、トヨタには全く及びませんが、マツダとしては日本の自動車生産を維持している自負はあるんです。まあ為替に弱いんですけど、国内生産が日本の(自動車メーカーの)中で2番目なんで、生産量は(笑)。これだけは私、逆に自慢なんですよ。軽自動車も作っていないのに、日本の生産量はトヨタに次いで2番目で、スズキよりも多いし、ホンダよりも多いし、日産よりも多いって。これは何かというと、日本の経済を何とかしたいという思いもあるし、そこまで大きなことを言えないとしても、広島、山口の経済は、支えているんだと。

池田 それはそうですね。

藤原 海外に出ていけば為替の安定は図れるんですけど、やっぱりそこは絶対やっちゃいけないと思っています。広島、山口と一緒に、共に作ってきているのもありますし、かつて助けられているので、広島にいなかったら多分今はないんですよ。住友銀行から多分見放されてたんですけど、「おまえらがもしやめたら、広島経済はおかしくなる」ってフォードの資本を入れて残してくれた。私は広島に助けられているブランドだと思っているので、そこは安易に外に出てはいけないというのはあるんですよね。

池田 そこは責任なんですね。

藤原 まあ、そう。責任です。世界各地で一緒にやってくれている連中にも同じく責任があります。北米でずっと50年頑張ってくれている販売店の人たち。その人たちのためには、米国にちゃんと工場を造ってやらないかんっていう覚悟もあるし、よく豊田章男さん(トヨタ自動車社長)が言う、出ていったところは自分のホームタウンだから、そこをちゃんと大事に、切ることなく、ともに生きていこうというところはやっていかなければと。まあ自動車業界って利益追求型じゃなくて、どっちかっていったら、みんなと共に経済をというところしか、ないんじゃないかと思うんですよ。

()内は私の感想です。
それでは。
Posted at 2019/12/04 17:24:01 | コメント(5) | トラックバック(0) | | クルマ
2019年11月19日 イイね!

マツダ純正 燃料添加剤新発売

みんカラでも様々な人が、様々な添加剤を試されている様ですが、私はマツダが添加剤を使用しない様に案内していることもあり、手を出さない様にしていました。

実際、特定の添加剤を使っている方で、当初は調子が良くなったものの、しばらく経ってから立て続けに DPF 再生が不良となり、インジェクタを交換しても治らず、DPF交換に至ったケースもありました。

ということで純正の添加剤が出ないかと思っていたのですが、やっと?とうとう?マツダが純正の燃料添加剤を発売したようです。

マツダ純正部品
SKYACTIV-D 専用
DIESEL DEPOSIT CLEANER





【ディーゼルデポジットクリーナーの効果】

 ①インジェクタノズルの洗浄
 ②キープクリーン効果
 ③アクセルレスポンスの回復
 ④DPF 再生頻度の回復

使用頻度は、1万km/1回をお勧めします。

◆使用方法

①軽油キャップを開け、本製品を燃料タンクに1本添加して下さい。
②軽油を満タンに給油して下さい。
③最大の効果を得るため途中で給油せず、燃料が少なくなるまで走行してください。
注)またデポジットクリーナー添加後は、なるべく早く燃料を使い切って下さい。

◆Q&A よくある質問
Q1. 燃料が少ないですが入れても問題ないですか?
A1. 問題はありません。ただし、デポジットに洗浄剤が接触する時間が短くなり期待する洗浄効果が得られない場合がありますので、注入後に燃料を満タンにすることをお勧めします。

Q2. 1万キロ毎が効果的とありますが、それより早く入れても問題ないですか?
A2. 大丈夫です。5000キロ毎で使用した場合は、洗浄効果もさることながら、キープクリーン効果が期待されます。

Q3. 1年未満の新車でお効果がありますか?車が古くても効果がありますか?
A3. 1年未満の新車でも、エンジン内部は汚れてきていますので汚れが固着しないうちに早めの除去が効果的です。
車が古い場合は、エンジン内部にかなりの汚れが固着していると思われますので、2回以上の連続使用をお勧めします。

Q4. 水抜き剤や他社品と同時に使ってもいいですか?
A4. 燃料に添加する他社品との混合使用は絶対に避けて下さい。他社品との併用は、効果が期待できないばかりか悪影響が出る恐れがあります。

Q5. ガソリン車には使用できないのですか?間違って使用した場合は、どうすればよいですか?
A5. ガソリン車には使用できません。間違って注入した場合は燃料を抜き替えて下さい。

私の場合は、直近10回のDPF再生間隔は、最大300km、最小150km、平均227km なので全く不満はありませんが、②キープクリーン効果を期待して、次回軽油満タン時にでも使ってみようかと思っています。
Posted at 2019/11/19 08:55:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | | クルマ
2019年10月01日 イイね!

車名変更

アクセラが第7世代になって Mazda3 になるのはまだ理解できる。

アテンザが第6世代のままで Mazda6 になり、デミオも第6世代のままで Mazda2 に。

これは第7世代のブランド化にマイナスじゃないかと思っている。
ブランド価値を向上させるために、第7世代を特別なものとして広めなければならないのだから、第6世代のままなら車名は変更すべきではなかったのでは。

第6世代はカタカナ名のままにして、第7世代でMazda+数字になれば、消費者もわかりやすいのに。

マツダは何を焦っているんだ?
Posted at 2019/10/02 06:30:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | | クルマ
2019年05月31日 イイね!

CLEAN DIESEL is...

「SKYACTIVD-D 【クリーンディーゼル】って今まで乗っていたガソリン車とどこがちがうの?」という、ディーラーで展示されていたチラシを以前にご紹介しました。

 クリーンディーゼルの注意点
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/39376355/

これとは別の冊子を配布していたので、そちらの抜粋もご紹介します。



クリーンディーゼルについてメリットや違いを紹介した冊子ですが、車に負担がかかる乗り方と、その対処法が記載されています。



 シーン① チョイ乗り運転
  "短距離・短時間"運転の繰り返しのみ

 シーン② 長時間のアイドリング
  エンジンをかけっぱなしでテレビ視聴、そのままエンジンオフ

 シーン③ 短時間のエンジンON/OFF
  駐車場での入れ替えだけでエンジンOFF

こんな使い方が多い人へのアドバイスが次のページです。



このようなシーンのような使用が多い場合は、エンジンのコンディションを整えるため、週1〜2回30分以上の走行をおすすめします。

とのことでした。

例えば普段は近所の買い物や子供の送り迎えのみとか、タクシーの様に車での待機が多いとか、家屋の事情で駐車場の入れ替えが頻繁とか、そういう場合は週1〜2回30分以上の走行をしましょうということです。

私の場合はこれには当てはまらない感じですね。
Posted at 2019/06/01 00:06:46 | コメント(2) | トラックバック(0) | | クルマ

プロフィール

「@おとぅさん 軽油ってレギュラーガソリンと比べて、店舗によって値段のばらつきが大きいと思います。」
何シテル?   08/23 08:20
BL アクセラから BM アクセラに乗り換えました。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/9 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

リンク・クリップ

いまのマツダの方向性 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/09/09 05:43:38
現存天守閣12城制覇、加えて木造再建天守閣5城も 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/12/21 09:13:43
マツコネナビ ルート案内放棄の原因が判明!? 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/10/15 10:56:35

愛車一覧

マツダ アクセラスポーツ(ハッチバック) マツダ アクセラスポーツ(ハッチバック)
マツダ アクセラスポーツに乗っています。

過去のブログ

2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation