
今回も
マツダ技報から抜粋しての紹介です。
■アクティブエアシャッター
アクセラ SKYACTIV-G 2.0 には、アクティブエアシャッターという機構が搭載されています。
(同じものが CX-9 にも搭載されています)
これは、ラジエターの前に取り付けられているシャッターで、必要な時(冷却する時)にシャッターを自動的に開け、必要でない時はシャッターが自動的に閉まり、ラジエターへの通風を止めるというもの。
目的としては空気抵抗の低減とありますが、正直なところ、3% の空気抵抗低減のためにしては大掛かりだと感じます。
空気抵抗低減よりも、冬季の暖気時間の短縮化の方が、より大きな目的ではないかと想像しています。
BMWの一部の車種など、ヨーロッパ車でも同様な機構が搭載されていたりしますが、130km/h 一定走行で 2.7% の燃費低減とのこと。日本車は 100km/h 以上出すことはありませんから(建前)、燃費低減効果はそれ以下ですからね。
インターネットを検索すると、冬季にはラジエターを段ボールで塞いでいる方がいるようですし、大昔には手動でシャッターを開け閉めできるラジエターシャッターという機構を搭載した車もあったりしました。
暖気時間の短縮化は、燃費に影響します。一般的なガソリンエンジンは、暖気完了、つまり水温が60℃前後になるまで,吸入空気量および燃料噴射量が増加します。これはエンジンオイル温度が低いと,エンジン内部の摺動抵抗が大きくなり,しかも三元触媒が活性前の温度では,十分に排ガスを浄化できないからです。
■SKYACTIV-D 1.5 の場合
ディーゼルエンジンは三元触媒はありませんが、暖気時間の短縮は燃費に好影響を与えます。
SKYACTIV-D 1.5 には、アクティブエアシャッターに代わり、冷却水回路をモータ駆動の専用バルブで切り替える冷却水制御システムが採用されています。
エンジン始動直後、冷間時には、シリンダーヘッドに対して最低限の水流を供給するだけにして、シリンダブロック,オイルクーラ,ATFクーラ、それぞれへの水流を停止します。
その後、各部が温まるにつれてモータ駆動のバルブを開き、冷却を開始するというもの。
効果についても、冷間始動後200秒での冷却水温度,シリンダライナ壁温度,DOC入口排ガス温度ともに約15度の温度上昇がみられるとのこと。しかも機械式サーモスタットを用いた従来のものより、安定した制御が可能とのことです。
アクティブエアシャッターと違い、空気抵抗の低減効果はありませんが、暖気時間の短縮が目的であれば、よりスマートな機構だと思います。
実際、外気温一桁の始動時に、低水温表示灯(

)は 1km未満程度の走行で消えます。
ディーゼルは三元触媒もないので、冷間始動時の燃費悪化はあまり感じません。その代わりDPF燃焼による燃費悪化があるんですけどね。
Posted at 2017/01/19 00:28:11 | |
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