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aquablauのブログ一覧

2020年06月19日 イイね!

新型コロナの流行と収束について

以前にワイドショー脳と書いたけど、ワイドショーを真に受けて社会や政治にフンダララとか言っている人って、失礼だけど、ちょっと足りない人達だと思う。

それは新型コロナ流行にも言えること。


■PCR検査で疑いのない大量の人を検査してはいけない

ワイドショーでは白鵬大学の医者ですらない学者を散々番組に出して、多くの人にPCR検査を受けさせるべきとか、いい加減なことを連呼させていたみたいだけど、それを真に受けるのはどうかと思う。

まずPCR検査はスクリーニング(多くの人を検査して、陽性か陰性かを分ける)には向かない検査だということ。

PCR検査で正しい結果を得るには、事前確率を高くする、つまり「かなり怪しい人」を主に検査しなければならない。

この時期になって「PCR検査が足りなかった」とか思っている人は、ワイドショー脳だと自覚した方がいい。


■PCR検査は患者にとってメリットはない

実際、症状がある人に対してPCR検査を行ったとして、現状は陽性でも特別な治療があるわけでもなく対症療法しかできず、陰性でも偽陰性(実際は陽性なのに検査で陰性となること)の恐れがあるので、結果が陽性でも陰性でもどちらにしても隔離(自宅隔離含む)しなければならないという点は全く同じ。

患者にとってメリットがある検査ではないし、メリットがない検査を行うのはリソースの無駄な消費。

しかも検査して陰性と判断されることで、自分は大丈夫だと思い込む人まで出てくる。

 須藤元気
 https://twitter.com/genki_sudo/status/1248540842899341313

なんでこんな人を国会議員にしたのかというのはさておき、信頼性の低い検査で陰性となったからと言って、病気にかかってないと思い込むのは愚の骨頂。

 ~神奈川県民の皆様へ~
 (神奈川県医師会からのお願い)
 http://www.amagasaki.hyogo.med.or.jp/forciv/1889/

 ◆ごまかされないで◆
 この新しい未知のウイルスに、本当の専門家がいません。(中略)過去の類似のウイルスの経験のみですべてを語ろうとする危うさがあります。そして専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。

コロナ流行初期、新型コロナに直接向き合う医師が、ワイドショーの無責任な報道に対して、どれだけ苦々しく感じていたのかわかるコメントです。


■海外でも軽症者にはPCR検査をしない

まずニューヨークの検査基準から。

 COVID-19 Testing
 https://coronavirus.health.ny.gov/covid-19-testing

 ・濃厚接触者
 ・危険地域への海外渡航者で症状のある人
 ・検疫のため隔離され症状のある人
 ・他の感染症が陰性で症状がある人
 ・医師と保健当局の合意がある人

咳や熱だけの軽症者は希望しても検査されません。

ニューヨークでは症状がない人までもが不安に駆られて検査を求め、長蛇の列を作りました。結果としてそれが感染を広めたという説もあります。

 柳澤教授(米国日本人医師会会長)
 「たくさんの人々が病院の前に並び何日もそこへ通い『検査をして欲しい』と来ていた。そこでクラスター現象が繰り返されていたかもしれない」

ですから、ニューヨークでもドライブスルー検査の基準が改められました。

『テストは予約制です。 【濃厚接触者で症状がある居住者】は、ホットラインに電話することで(検査を受けるべきかどうか)査定されます。』

とされ、誰にでも検査するようなものではありません。

次にニューヨークの病院で配られたチラシ。

 NOTesting For Mild Symptoms
 https://www.mountsinai.org/files/MSHealth/Assets/HS/About/MSHS_COVID-19_Mild_Symptoms_24x36.pdf

『ニューヨーク市保健精神衛生ガイドラインに従い、Mount Sinai Health System を含むすべての医療提供者は、無症状・軽症者に対して COVID-19 テストを提供しません。』

ニューヨーク市長はNBAが軽症者のPCR検査をしたことについて、医療資源の浪費だと批判しました。

 ニューヨーク市長がNBAを批判 「検査は富裕層のものではない」
 https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2020/03/19/kiji/20200319s00011061104000c.html

次に感染者が比較的少ないカルフォルニア。

 What You Should Know About Coronavirus (COVID-19)
 https://www.coveredca.com/covid19/

『COVID-19の懸念を含め、風邪や咳の症状の受診や治療には、遠隔医療の利用を推奨します(つまり直接診察するのではなく、電話またはビデオでの診療です)』

米国CDC(疾病対策センター)の見解です。

 Testing for COVID-19
 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/symptoms-testing/testing.html

 ・ほとんどの人は軽度の症状で、医療を受けなくても自宅で回復します。検査する必要がない場合があります。
 ・COVID-19のために特に承認された治療はありません。

元CDCの医師が、軽症者には検査をしない6つの理由を述べています。

 Dr. Tom Frieden on Six Reasons New Yorkers with Mild Symptoms of COVID-19 Should Not Seek Care or Get Tested
 https://www.vitalstrategies.org/six-reasons-new-yorkers-with-mild-symptoms-of-covid-19-should-not-seek-care-or-get-tested/

 1)軽症患者が医療機器を使い果たすことで、重症患者が必要な検査ができなくなる
 2)軽症患者が検査を求めて受診することで、医師や看護師、他の受診者に感染するリスクが高まる
 3)感染していない場合、受診や検査の過程で感染するリスクがある。軽症患者を含む多くの人が受診することで、医療現場全体の安全が損なわれる
 4)検査をすることで、あなたがやるべきことは変わらない。自主的に自分自身を自宅隔離すること。 COVID-19の症状を持つ人は、すべての人が陽性だと考えること。検査の結果がどうであろうと、あなたがやるべきこと、医師がやれることは同じ
 5)ウイルスに感染している場合でも検査結果が陰性になる可能性があり、自主的に自宅隔離していないと他の人に感染するリスクがある
 6)現在のところ、検査を行うことで有用な施策や意味のあるデータは得られない。陽性の人が多すぎるため、またこれは重要ではないため、保健局は感染経路の調査を行わない。養護施設や病院での集団発生の防止や中止など、現在他の緊急作業によって COVID-19 に対抗している

スウェーデンの17歳の子供ですら、自主的に自宅隔離する意義を理解して実践しています。
検査してほしいと駄々をこねたりしませんでした。

 グレタさんがコロナ感染か 旅行後に症状、自主隔離―スウェーデン
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032501322

つまり、「症状があるのにPCR検査を受けさせないなんて!」と騒いでいる人は、スウェーデンの17歳の小娘以下ということです。


■韓国ではPCR検査を大量にして防いだのでは?

韓国の防疫については、本当に反面教師としていい事例です。
詳しく書くと長くなるので、簡単に書くと、

 1)当初は疑い例が検査を受けるのは義務ですらなかった
 2)大規模クラスタが発生し、社会がパニックになった
 3)多くの人を片っ端からPCR検査し始めた
 4)病床が足りなくなり、入院できない重症患者が何人も亡くなった(医療崩壊)
 5)慌てて検査基準を変更して、疑い例のみにした

現在、韓国が新型コロナの流行をなんとか防いでいるのは(再流行の話もありますが)、大きな要因としては2つ。

 ・徹底的なプライバシー無視、隔離違反は懲役刑、電子ブレスレッドで監視
 ・初期に大流行したため、欧米から渡航制限を受けた結果、逆に欧米からの第2波が来なかった。

決して韓国の防疫体制が特別に優れている、という訳ではないですよ。

台湾が死者数を抑え込んでいるのは、早い時期(昨年の12月)から情報を得ることで、中国からの渡航制限と防疫処置を行い、新型コロナの流入を防いだからですが、まともな法治国家では WHO が緊急事態宣言(1月31日)をする前に渡航制限をするのは無理な話です。


■医者もPCR検査をしろと要望を出したのでは?

 PCR検査「無症状でも保険適用を」京大病院と府立医大病院が共同声明
 https://mainichi.jp/articles/20200415/k00/00m/040/334000c

本当に毎日新聞などが悪質だと思うのは、記事の見出しでミスリードを狙っていること。
共同声明で要望しているのは、ワイドショーで騒いでいたような

 「無症状でも保険適用して多くの人をPCR検査する」

のではなく、

 「院内感染を防ぐために入院・術前患者をPCR検査するのは保険適用してほしい」

ということ。

 京大医学部付属病院の要望書
 https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/press/20200415.html

これは患者のための検査ではなく、病院のための検査。

また、一時期は疑い例が増えすぎて、東京などの一部地域では、クラスタ対策のための疫学調査に必要なPCR検査まで延滞することになったのは事実だけれども、これはワイドショーが騒いだように「PCR検査が少ないから新型コロナが流行した」のではなく、「新型コロナが流行したからPCR検査が足りなくなった」という事例。

こうなってくるとPCR検査云々ではなく、社会的隔離(外出自粛要請)が必要になる。


■日本は中国由来の新型コロナ流行を防いだ

日本は日本独自と言っていい、厚労省によるクラスタ対策班によるクラスタ対策が功を奏して、中国由来の新型コロナはすでに防いでいます。

 国内で感染拡大の新型コロナは欧米から 「現在は第2波」と感染研がゲノム解析で見解
 https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/04/20200430_01.html

日本での4月からの流行は、欧米から持ち込まれたコロナウイルスだということ。中国由来のウイルスは、4月頃には検出されず、収束したと判断されている。



これは4月中旬の感染者数のグラフだけど、日本は山が2つあり、第1波を押さえ込んだあとに第2波が来ているのがわかります。

つまり、日本のクラスタ対策は、欧米からの再流入さえなければ、大きな被害を出さずに新型コロナの流行を阻止できたということ。

更に言えば、プリンセスダイヤモンド号の検疫、つまり疫病を日本国内に持ち込ませないという目的は達せられたということ。

3月に卒業旅行とやらで欧米に旅行した学生は、京都産業大学の学生だけじゃないはずですよね。
欧米での大流行が発覚するまでは、欧米から日本への渡航も制限していませんでしたし、これはもうどうしようもなかったとしか。

中国からの渡航を早期に全面禁止していれば、とか言っている人もいますが、即座に全面禁止した米国があの惨状で、渡航制限を流行地域に限定した日本は早期に収束させているんですよ。


■厚労省対策班には国民栄誉賞を与えるべき

米国では大流行を起こしたのに、日本版CDCを作るべきとか言っている足りない人もいるようですが、日本の医療体制と厚労省によるクラスタ対策は、世界でも類を見ないほど優れていたと言えます。
死亡者数を人口比で見ればあきらかですから。

日本の勝因は、

・誰でも気軽に、即座に病院にかかれる体制を確保しているため、感染初期の患者を見落とさなかった
(米国がCDCにかけている費用を、日本では国民総医療保険制度にかけていると言え、それが功を奏した形になっている)

・厚労省がクラスタ感染の特徴をよく理解し、感染の要所を抑えた
(1月15日〜16日の最初の日本の2次感染が、のちの東京の院内感染まで繋がっていることをきちんと調査している)

・責任感のある保健所と病院と医師と看護婦、医療関係者が率先して新型コロナの治療を行った

ことで、逆に日本の敗因は、

 ・欧米からの再流入を防げなかった(これは時系列から見てどうしようもない)

ということ。

今でもまだ、

 ・PCR検査が少ないから流行した
 ・中国からの渡航制限が遅かったから流行した
 ・プリンセスダイヤモンド号の検疫は失敗だった
 ・厚労省のクラスタ対策班は役に立たなかったから流行した

とか言っている人は、まずは自分がワイドショー脳だと自覚した方がいいですよ。
Posted at 2020/06/19 06:54:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2020年06月17日 イイね!

欧州でディーゼルが復活

欧州がEV一辺倒になり、ディーゼルは無くなると思い込んでいた人もいるようですが、

 BMW、新世代の直6クリーンディーゼル搭載…今夏から欧州で
 https://response.jp/article/2020/06/16/335635.html

BMWは今夏から、新世代の直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを欧州仕様車に搭載すると発表したそうです。

 えっ、2019年に欧州で、アレが大復活?!
 https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/194452/013100167/

藤:ということで私は、2019年ぐらいに、欧州メーカーはもう1回ディーゼルを復活させると見ています。

一同:えぇ!

F:復活って、まさかヨーロッパで?

藤:そう、ヨーロッパで。これはあくまで私個人の予測ですよ。ヨーロッパの乗用車市場は、ディーゼルの歴史が長いし普及率も高い。それが例の事件、ディーゼルゲート以降ガクンと売り上げが落ちている。

 でもよく見ると、落ちているのは小さなクルマばかりです。メルセデスで言うとEクラス以上、BMWなら5シリーズ以上、あとはSUVは大きな変化はない。あれだけ大きくて重たい車両を走らせようとすると、やっぱりディーゼルエンジンが必要なんです。フェルさんご自身が乗っているからよく分かるでしょう。Gクラスはやっぱりディーゼルが良いでしょう。

F:はい。間違いありません。僕はGのディーゼルを取材の際に試乗して、一発で決めました。あの2.5トンの巨体をグイグイ引っ張るには、やっぱりディーゼルのぶっといトルクが必要です。

藤:ディーゼル復活に向けた動きは既に始まっています。例えばメルセデスは、新しいディーゼル工場をポーランドに造っている。彼らはここまで普及したディーゼルをやめるわけにはいかないのです。だからそのうちドーンと出てくる。私はそう見ています。

「マイルドハイブリッドの効果はちゃんと出てます」
 マツダ藤原副社長インタビュー(4)
 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1912/03/news040.html

池田 多分ラージのプラットフォームはFRにして、直6っていうのは、すごく正しいと思うんです。ただ、ひとつだけ怖いなと思っているのは、ディーゼルの直6なんですよね。これは、もうまさに世の中との戦いじゃないですか、どっちへ転ぶか。ここはどう見られているんですか。

藤原 もうやらざるを得ないと思って。でも、(ディーゼルは)必ず戻ってくると思っているんです。特にヨーロッパの人には、ディーゼルには簡単に止められないだけの商品価値はあると思ってます。

池田 ディーゼルは死なずですか?

藤原 彼らがヨーロッパ中を、例えばドイツへ出張するとすると、PHVで一生懸命頑張っても、やっぱりディーゼルにはかなわないんですよ。ディーゼルで出張すると、1回満タンにすると1000キロ走るわけじゃないですか。それもあのトルクで、アウトバーンをばーんと走って。彼らは電車で行かないし、飛行機で行かないし、びゃーんとクルマで行っちゃうわけですね。それは今のPHVでできるかっていったら、できないんですよね、やっぱり。重たいものを積んでいるので。

まあ、藤原大明神の予言通りでしたね。
Posted at 2020/06/17 21:56:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | | クルマ
2020年06月03日 イイね!

SKYACTIV-X は何が良いの?

以前に SKYACTIV-X の発売が遅れた際に、SKYACTIV-X についてまとめた記事を書きました。

 SKYACTIV-X って何がすごいの?
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/42562812/

ここで冒頭に書いた SKYACTIV-X の特徴は以下の通り。

 - エンジン単体の燃費率は現行の「SKYACTIV-G」と比べて最大で20~30%程度改善
 - 2008年時点の同一排気量の当社ガソリンエンジンから、35~45%の改善
 - 最新の「SKYACTIV-D」と同等以上の燃費率

しかし実際に SKYACTIV-X が発売されて半年、日本では売れ行きも大して良くなく、高いと言われてしまう SKYACTIV-X の何が良いのか、改めて記事にしようかと思いました。

あえて言うなら、

 ・ディーゼルエンジンと変わらない燃費
 ・ガソリンエンジンより伸びやかな走り

そう書くと、WLTC燃費の数値を比較して、いやいや何言っているんだと言われそうですが、あえてそう書きます。

■ SKYACTIV-X の燃費

まず、マツダが公表しているように、先代 Mazda3(アクセラ)と比べて 30% の燃費改善を果たしているのは事実です。
ただし NEDC Combined での、6MT の比較です。


NEDC Combined
先代 Mazda3 SKYACTIV-G 2.0 6MT17.2km/L
Mazda3 SKYACTIV-X 6MT 16inch22.7km/L


数値にして約32%の改善ですから、30%程度の燃費向上という謳い文句は嘘ではありません。

■ 現実の燃費は?

マツダの謳い文句では「エンジン単体の燃費率ではディーゼルと同程度かそれ以上」ということですが、車としての実際の実力はどの程度なのでしょうか。

ディーゼルとの燃費を比較する場合、Mazda3 も CX-30 も、SKYACTIV-D 1.8 を搭載していますから、このエンジンとの比較になってしまいます。

X PROACTIVXD PROACITV
WTLC17.2km/L19.8km/L
WTLC 市街地13.7km/L16.4km/L
WTLC 郊外17.6km/L19.7km/L
WTLC 高速17.6km/L21.8km/L


Mada3 X PROACTIVE の WLTC燃費は 17.2km/L に対して、XD PROACTIVE は 19.8km/L と、結構見劣りします。

しかしこれはあまりに SKYACTIV-X にとって不利、不公平な比較。

だって SKYACTV-D 1.8 は、SKYACTIV-D 1.5 の後継で、ディーゼルエンジンの中でも燃費に優れたエンジンです。その代わりトルクはともかく、馬力は 117馬力ですからね。180馬力の SKYACTIV-X と比べるべきエンジンじゃありません。

本来であれば、SKYACTIV-X は SKYACTIV-D 2.2 と比較すべきもの。

でも残念ながら SKYACTIV-D 2.2 は Mazda3 や CX-30 には搭載されていませんから直接比較できません。
ではどうやって比較するのか。

そこで、SKYACTIV-G 2.0 を基準に、SKYACTIV-D 1.8/2.2 と SKYACTIV-X を比較してみましょう。

まずは現行 Mazda6 の 2.0S PROACTIV と XD PROACTIV の比較です。

2.0S PROACTIVXD PROACITV燃費改善率
WTLC15.017.8119%
WTLC 市街地11.713.9119%
WTLC 郊外15.417.6114%
WTLC 高速17.220.8121%


念の為、現行 CX-5 の 2.0S PROACTIV と XD PROACTIV を比較してみましょう。

2.0S PROACTIVXD PROACITV燃費改善率
WTLC14.617.4119%
WTLC 市街地11.913.9117%
WTLC 郊外15.117.6117%
WTLC 高速16.219.6121%


SKYACTIV-G2.0 と SKYACTIV-D2.2 を比較すると、どの車種もほぼ 120% 前後の燃費改善率です。

次に Mazda3 の SKYACTIV-G 2.0 と SKYACTIV-D 1.8 を比べてみましょう。

2.0S PROACTIVXD PROACITV燃費改善率
WTLC15.619.8127%
WTLC 市街地12.116.4136%
WTLC 郊外15.819.7125%
WTLC 高速17.721.8123%


この通り、SKYACTIV-D 2.2 は 120% 前後の燃費改善率なのに対して、SKYACTIV-D 1.8 は WLTC市街地で 136%(日本ではこれが重要)、全体でも 130% 近い改善を見せています。
特に市街地が重要な日本では、SKYACTIV-D の中でも 1.8 は 2.5L NA ガソリンエンジン並みのトルクがありながら、燃料代はハイブリッドに匹敵する様なエンジンなんです。

それでは Mazda3 の SKYACTIV-G2.0 と SKYACTIV-X を比べてみましょう。

2.0S PROACTIVX PROACITV燃費改善率
WTLC15.617.2110%
WTLC 市街地12.113.7113%
WTLC 郊外15.817.6111%
WTLC 高速17.719.0107%


ほぼ 110% 前後の燃費改善率です。

SKYACTIV-D 2.2 と比べても見劣りしてるじゃん!

はい、その通りです。

でもこの SKYACTIV-D 2.2 は急速多段燃焼を採用した最新型。
アクセラで採用されていた旧型 SKYACTIV-D 2.2 と比べたらどうでしょうか。

残念ながら旧型 SKYACTIV-D 2.2 は WLTC で計測された車種がないので、先代アクセラ、CX-5 2017年式の旧型 SKYACTIV-D 2.2 と CX-5 2018年式 新型 SKYACTIV-D 2.2 の JC08 での比較になります。

JC082.0SXD燃費改善率
先代アクセラ19.019.6103%
CX-5 2017年式16.018.0113%
CX-5 2018年式16.019.0119%


旧型 SKYACTIV-D 2.2 が JC08 で 103%〜113%、SKYACTIV-X が WLTC で 110% ですから、とりあえず「旧型 SKYACTIV-D 2.2 と同程度の燃費」とは言えるのではないでしょうか。

■燃費よりも走り

とはいえ、マツダの謳い文句では「エンジン単体の燃費率ではディーゼルと同程度かそれ以上」なのに、どうして車になった時には SKYACTIV-D 1.8 はもちろん、新型 SKYACTIV-D 2.2 にも見劣りする燃費になってしまったのでしょう。

そのヒントはギヤ比にあります。

20S 6ATX 6ATX 6MT
最終減速比×1速14.515.514.4
最終減速比×2速8.38.88.5
最終減速比×3速5.55.96.1
最終減速比×4速4.14.44.8
最終減速比×5速3.13.33.9
最終減速比×6速2.52.63.0


それぞれのギヤ(4速、5速、6速)、それぞれの速度(40km/h、60km/h、100kmh/h)での、エンジン回転数の違いです。(タイヤの直径を 651mm として計算)

20S 6ATX 6AT比率X 6MT比率
4速 40km/h1335rpm1425rpm107%1559rpm117%
5速 60km/h1492rpm1591rpm107%1888rpm127%
6速 100km/h1999rpm2132rpm107%2432rpm122%


こうやって見てみると、SKYACTIV-X では SKYACTIV-G 2.0 に比べて全体としてギヤ比は低く(回転数は高く)なっているのがわかるかと思います。

これは「同じギヤ、同じ速度」でも、回転数が高いということは、その分、その回転数で出せる最大出力に余裕があるということになります。例えば同じトルクだったとしても、5速 60km/h から加速する場合、20S のギヤ比と比べて X 6MT のギヤ比では 27% も最大出力が増加しているということです。

さらに SKYACTIV-X は SKYACTIV-G 2.0 に比べてエンジン自体のトルクが大きく増えています。



この違いにより 20S ではギヤを1つ落とさなければならない状況でも、X ではそのままのギヤでグングンと加速するという状況の違いが容易に想像できます。

■結論

ここまでの説明を並べると、

 ・WLTC より負荷が小さい NEDC 燃費では、先代アクセラと比べて 32% の向上を実現
 ・旧型 SKYACTIV-D 2.2 と同程度の燃費
 ・エンジン単体でも SKYACTIV-G 2.0 より全域でトルクを向上
 ・さらに Mazda3 SKYACTIV-G 2.0 よりスポーティなギヤ比であるにも関わらず WLTC で 10% 程度の燃費向上

ということです。
しかもここには書きませんでしたが、

 ・ガソリンNAエンジンよりも高いレスポンス
 ・ターボの様なターボラグはない
 ・エンジンのカプセル化により実燃費向上

これらを短くまとめると、

 ・ディーゼルエンジンと変わらない燃費
 ・ガソリンエンジンより伸びやかな走り

ということです。

車のドライビングが上手い人、感度が高い人なら、こんな技術的でクドい説明がなくても試乗すれば感じ取れるかと思います。

私がお世話になっているディーラーの営業の1人は、買う気もなかったのにマツダ主催の社内向け SKYACTIV-X の試乗をして、結局ロードスターを売って Mazda3 SKYACTIV-X を書いました。

どうして?と聞く私に対して「ロードスターみたいな気持ち良さがある4ドアハッチバックだったから」とのこと。

■日本で走りの良さは評価されるのか?

一番の問題は、日本の市場では走りの良さ(悪さ)はほとんど評価されないということです。マニアはもちろん、評論家だって怪しいものです。

だって30系プリウスみたいなクソみたいな酷い車でも、何年も販売台数トップだったんですから。

これも日本の交通状況では、車の走りの良さを感じ取ることが難しいという点が大きいと思います。だって全体の4割が市街地走行で、郊外も含めて8割以上なんですから。(それでも30系プリウスはちょっと…)

 WLTC と JC08 の比較と WLTC の問題点
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/44054078/

そんな偉そうな私ですが、買い換えるとしても SKYACTIV-D 1.8 を買うでしょうね。だって燃費がいいし、十分なトルクと馬力だし。

でも運転好き、中でも MT 好きな人は、SKYACTIV-X ってすごく良い車だと思います。
だから欧州では売れているんですね。
Posted at 2020/06/04 17:01:10 | コメント(1) | トラックバック(0) | | クルマ
2020年06月02日 イイね!

給付金の給付やマスクの配布に時間がかかるのはあたりまえ

このブログではあまり政治的なことを記事にするつもりはなかったけど、世間でのワイドショー脳があまりに目に余るので。

(でもワイドショー脳は、こんな長い記事は絶対に読まないだろうな、だってワイドショーが流した情報を咀嚼もせずに飲み込むだけの雛鳥みたいな情弱なんだから)

■給付金が遅い

給付金にしろマスクにしろ、国が何かを国民に配る場合は3ヶ月程度かかるというのは、そういう仕組み(法律)だから。

小野田紀美【自民党 参議院議員(岡山県選挙区)】(3月30日)
https://twitter.com/onoda_kimi/status/1244610780101656576

①本日コロナ対策本部があり、様々意見を述べた中で「早急な現金の一律給付」もお願いしたのですが、ひな壇の議員の方から一律現金給付を行う方法における物理的な障害についてご指摘頂きました。今の日本の法律、仕組みだと、一律現金給付には3か月程度かかってしまう現実があるとの指摘。

②まず、当然ですが国はお金を振り込むべき国民の口座を知りません。口座を指定してもらうための書類を送るための住所も把握していません。自治体から住民票をもつ国民に給付申請書を郵送し、振込希望口座等を記載し返送してもらう必要があります。

③自治体にその事務をお願いする場合、法定受託義務に該当しない事務のため、実行してもらうためには予算等各自治体の議会にはかる必要があります。各議会の承認を得て、申請書類を送付し、記載し返送してもらい…等を経ていくと、3か月程度かかってしまうという見込みとの事です。

④なお、法定受託事務の判断基準の一つである「生存にかかわるナショナル・ミニマムを確保するため、全国一律に公平・平等に行う給付金の支給等に関する事務」にあたるのではないかとの質問もしましたが、今回の場合はあたらないという扱いにあるとの返答でした。

⑤「では米国のように小切手を送付してはどうか」という提案もしましたが、小切手を送る場合でも同様に住所を把握している自治体にその事務をお願いしなくてはならず、この場合も法定受託事務に該当しないため、現金時と同様に各地方議会を通さねばならず…現金よりは少し早くなる程度のようです。

⑥マスク販売管理にせよ現金給付にせよ「マイナンバーがあれば」というとすぐに「国による一元管理だ!コロナをマイナンバーで管理するために利用するな!」勢が出てくることは容易に想像できますが、今の日本の法律や制度だと出来ない事が多すぎるのです。
(選挙に関する事を引き合いに出される方多いのですが、選挙に関する事務は現制度の中で法廷受託義務に該当しているので迅速に出来るのです。)

遅いと言う人は「政府は国の法律を無視しろ」と言っている様なもの。
もちろん時間がかかるのは良くない話だけれども、その原因はマイナンバーと口座番号の紐付け(国が国民の口座番号を知ること)を当時の野党が大反対したから。
その国会の間違った判断は、国民が選んだ国民の代表の判断なんだから、国民がケツを拭くのはあたりまえ。

■マスクが届かない

マスクの世帯配布が正式に決定したのは令和2年4月7日の閣議決定。
この通り、普通にやると3ヶ月かかるので、マスク配布については当初から日本郵便の世帯情報を利用することが発表されている。2枚という決め打ちも、迅速に配るためで、当初からそのように公表されている。
そのため、早い人は4月22日には届いている。

 長谷川ゆう(4月22日)
 https://twitter.com/youhasegawa08/status/1252766558704644098

この布マスクは世帯だけではなく、介護施設や小中学校に優先的に配布されており、こちらは3月にはマスクが確保され、閣議決定とほぼ同時期に到着している。

 経済産業省(3月10日)
 https://twitter.com/meti_NIPPON/status/1237364641921003520
 「ミャンマーから #マスク が到着しました。
事業者各社の協力もあり、高齢者の介護施設や障害者施設、保育所、今般の学校休業に伴う学童保育などの現場に行き渡るように準備を進めております。」

 金玉満堂・電子版(10万円)(4月7日)
 https://twitter.com/pied_crow/status/1247420017282441216
 「介護施設にも布マスクがメッチャ到着。普段は洋服を作ってるベトナムの会社が製造。#布マスク」

マスクを確保した業者は、マスコミとワイドショー脳の国民から嫌がらせを受けている。

 ユースビオ代表が語った「創価学会との関係」「脱税事件」「ペーパーカンパニー疑惑への反論」
 https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/mask2

この当時、公明党も何も関係なく、国はマスクを大量に仕入れられる業者を目を皿のようにして探していましたよ。

■マスク2枚だけ

マスク配布が正式に決定したのは令和2年4月7日の閣議決定とは既に書いた通りだけど、その中身はこれ。

 「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」について
 https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/2020/20200407_taisaku.pdf

ここに書かれているのは、マスク配布だけではなく、雇用の維持、資金繰り対策、事業継続に困っている中小・小規模事業者等への支援、生活に困っている世帯や個人への支援、など多岐に渡っている。

一時期、他国に比べて貧弱な支援だという「デマ」がばらまかれていたけど、下記の各国の施策と比べて欲しい。

 新型コロナウイルス(COVID-19)による影響を受けた事業者へ対する各国の補助金などの対応
 https://www.shopify.jp/blog/small-business-government-relief-programs

デマ1)ニュージーランドでは収入が30%減少した場合は150000ドル、フルタイムの従業員は週585ドル、パートタイムは週350ドル受け取れる。

現実)上記は間違いで、30%収入減少があった【給与支払いが困難な事業者】が、週585ドル/週350ドルを最大150000ドル受け取れるという施策。週585ドルでも65円換算で38025円です。
日本なら雇用調整助成金に当たるもので、日本の上限額は8330円/日、5日労働で最大週41650円、事業者が最低でも1割負担なので労働者の所得としては約46千円になります。上限はありません。

デマ2)香港は18歳以上であれば現金日本円で14万5千円支給されている。

現実)香港では個人給付はあっても、そのほかの雇用調整助成金のような経済施策はありません。

デマ3)ドイツではフリーランスや小規模経営者に60万円が振り込まれた。

現実)個人給付ではなく、従業員10人以下(フルタイム相当)の事業者に最大1万5,000ユーロが支払われるという話です。(60万円は1ヶ月分)
条件があり審査があったため、10万社以上が応募して2万社のみ給付(ベルリン)。
3ヶ月で180万円、週に直すと15万円、これを数人規模の会社の運転資金にしてくださいという話であって個人給付ではありません。

デマ4)アメリカでは大人1人につき13万円で手厚い。

現実)アメリカでは子供は5500円なので、両親と子供1人という世帯では日本と同等。しかももし新型コロナにかかったら、治療費平均1464ドルなので治療で吹き飛ぶ額。

結局、海外の方がいいと言い出す人は、全体像を見ているのではなく、特定の条件では海外の方が良いと言っているに過ぎないということ。

■費用が高い

466億円というのも、あくまで「予算(予備費)」が466億円というだけの話で、実際にかかった金額は90億円。

 マスク調達は予算額より少ない90億円に収まる=菅官房長官(4月24日)
 https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2020/04/273445.php

マスク配布の様に、費用よりも時間が重要な施策は、大枠の予算を多めにとってGOをかけるのは当たり前の話じゃないのかな。

■結論

マスクにしても「配られて困るもの」ではないのだから、文句を言う筋合いではないはず。
マスクや給付金だけではなく緊急経済対策も含めて、日本は世界各国と比べて、かなり手厚い処置を行っている。

マスクが足りないと騒いで、国が配布するとなったら費用がかかると騒ぐ、それって大人として、人間として問題がないか?

民主主義の基本は、政府の施策を正当に是々非々で評価すること。
問題点を指摘したり批判するのは当然だけど、良い点を良いと評価しなければ、民主主義の最大の問題である衆愚政治になってしまう。

日本の仕組み(法律)の限界なども考慮せず、自分が満足するかしないかだけで政府に文句を言うのは、中学生の反抗期(中二病)と全く変わらない、老年性中二病だと思うよ。
Posted at 2020/06/03 12:23:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年06月01日 イイね!

WLTC と JC08 の比較と WLTC の問題点

しばらくブログの更新をサボってました。
SKYACTIV-X の記事を書きたいなと思ったのですが、その記事を書く前に、燃費表示について記事にしないといけないかなと思って、久しぶりに記事を書きます。

多くの方は「カタログの燃費表示は実際の燃費より高いのはあたりまえ」と思っていますよね。そう、車好きには常識と言っていい話です。

「でも何で?」

と聞かれると、答えられる人ってどの程度いるんでしょうか。

■ JC08 は日本の交通事情を考慮した燃費モード

燃費を計測するにしても、色々な車を比較したい場合は、その走行パターンを統一しなければなりません。
大昔、車の燃費計測のための走行パターンは 60km/h での一定走行でした。しかしこれでは実燃費との乖離が大きいということで、1973年に10項目の走行パターンを想定した10モード、1991年に更に15項目を追加して 10・15モードという走行パターンが採用されました。
しかしそれでも実燃費との乖離が大きく、2011年には JC08 という走行パターンが制定されました。


(国交省 燃費測定モードについてより引用)

これを見ていただければ分かる通り、10・15モードより複雑になり、走行距離も長くなっています。日本の道路状況を想定し、最高速度 60km/h で時々信号にかかる郊外での状況や、最高速度 30km/h で停止時間も長い渋滞での状況、そして最高速度80km/h で高速道路を走る状況など組み合わせ、平均速度は 24.4km/h で、最高速度は 81.6km/h となっています。

■WLTC は世界標準

JC08 日本の交通事情を考慮した燃費モードだと書きました。
同様に、アメリカにはアメリカの、欧州には欧州の、それぞれ独自の走行パターンで計測した燃費モードが定められています。
それに対して WLTC は「世界の交通事情」を考慮し、世界各国で共通の走行パターンで燃費を計測することを目指したものです。


(国交省 乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の概要について より抜粋)

JC08 と WLTC の大きな違いは、JC08 は市街地も渋滞も高速道路も全部まぜこぜにして1つの燃費だけを示していましたが、 WLTC は WLTCモードという燃費だけではなく、市街地モード(WLTC Low)、郊外モード(WLTC Midium)、高速道路モード(WLTC High)の3つの燃費も併記されることです。


(国交省 燃費の表示内容が変わります! より抜粋)

ここまで長かったですけど、みなさんご存知ですよね。
本題はここからです。

■WLTC の問題点

ここまではWLTCが導入された2年前に記事にしたとしても「そんなことはわかってるよ」と言われるような内容です。
しかし、改めて2年前のどの記事を読んでも、JC08 に対する WLTC の問題点(懸念点)が記載されていません。

ですので、改めてここで記事にしておこうかと思った訳です。

【問題点1:日本の交通事情と乖離している】

すでに書いた通り、JC08 は日本の交通事情を勘案して、走行パターンが定められています。
しかし WLTC(WLTP)は世界(日米欧印韓)の実際の走行パターンを勘案して作っていますので、どうしても日本の実情とは乖離します。

そのため、日本では WLTC で定められている、最高速度131.3km/h を想定した超高速モード(WLTC Ex-High)」が省かれています。



しかしそれで解決した訳ではありません。

私が考えるもっと大きな問題は、市街地・郊外・高速道路の走行パターンの比率が、日本の実情と全く合っていないのです。


(環境省 WLTCの国内導入について より抜粋)

この右側円グラフを見て分かる通り、

日本:市街地4割、郊外4割以上、高速道路2割以下

世界:市街地2割以下、郊外2割、高速道路3割、超高速3割以上

という交通事情の違いがあります。
日本では、車が走行する大半の時間(8割)が、市街地と郊外なのに対して、世界的には市街地を走行する距離は少なく、高速道路が主なのです。

ですが、残念ながら日本のWLTC燃費は世界標準に合わせて計算されています。

【問題点2:停止時間が短い】

皆さんご存知の通り、日本は国道でも信号が多く、多くの運転時間を停止時間として費やしています。

この停止時間ですが、JC08 では実に 29.7% が停止時間なのに対して、WLTC では 15.4% しかないのです。


(国交省 乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の概要について より抜粋)

これも日本の交通事情と、世界の交通事情の違いが理由です。

これを受けて、トヨタは大胆にもアイドリングストップを廃止しました。

 新型ヤリスがアイドリングストップをやめた意外な理由 燃費至上主義に終止符!? それとも…??
 https://bestcarweb.jp/news/122785

トヨタの広報の公式回答は、

「スマート&ストップ(=アイドリングストップ)は、燃費改善のためのアイテムです。今回のRAV4、カローラ、ヤリスは、TNGAエンジンを採用しており、スマート&ストップがなくても、充分競合性があるためにスマート&ストップの設定をしておりません」

だそうですが、要は「JC08 から WLTC になったらカタログ燃費には大して影響しないのでやめました」ということです。さすがカタログ値を追い求めるトヨタです。

 「クルマを走らせる楽しさ」へのこだわり――マツダ・アイドリングストップ開発の哲学
 https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1006/29/news004.html

「実際に、i-stopを搭載したアクセラセダン(AXELA Sedan 20E/5速AT)を借りて、金曜日夕方の都内を走ってみた(2010年6月25日16時40分~18時)。すると、1時間のうち約23分はアイドリングストップをしている。」

カタログ燃費にはほとんど影響がなくても、現実には30%以上もの停車時間があるとしたら、アイドリングストップは要らないと言えるのでしょうか。
私はアイドリングストップのお陰で、渋滞時のイライラが大きく解消したので、簡単には否定できません。

■結論

WLTC でどうやってカタログ燃費を見るべきなのかの結論です。

・WLTC 燃費は無視
・大都市圏に住む人や、買い物などに使う車は、WLTC 市街地モードを参考にしましょう
・郊外や旅行などに使う車は、WLTC 市街地モードと郊外モードの平均を参考にしましょう。
・毎日30分以上、渋滞もなく通勤に使っている人は郊外モードを参考にしましょう。

これだけで実燃費との乖離は相当抑えられると思います。
Posted at 2020/06/01 13:58:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | | クルマ

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