
この場合の「戦争」とは古いタイプの戦争(国家と国家の戦争)のことである。(現在行われている「第五世代戦争」のことについては触れていない)
国が戦争をする理由(動機)は大きく3つ
①自国が侵略され、生命や財産や国家体制が脅かされる、又はその恐れがある場合(防衛)
②自国の国益・権益が侵される、又はその恐れがある場合
③他国を侵略して自国の領土又は権益を拡大したい場合
①は②に包含されるが、ここでは①を自国の領土、②を自国の領土以外の権益と便宜上定義する。
防衛目的であっても良い戦争があるとも思えないが、動機の善悪(主観的な評価)はここではひとまずおいておく。
現在行われているウクライナ戦争を見てみる。
ロシアは侵攻の理由として①(NATOの東進とロシア系住民の保護)を主張しているが、西側は③だと非難している。
ウクライナの動機は①である。
一方アメリカは当事国でもないのに、NATOを巻き込んで実質的にロシアに激しく対抗している。
アメリカの自国領土は脅かされていない。
したがってその動機は明らかに①ではない。
何故アメリカ(民主党)がそこまで熱心に取り組むのか?
ロシアは核戦力を除けば、すでにアメリカの覇権のライバルではなかった。
(しかし皮肉なことに、ロシアへの経済制裁のおかげで国際基軸通貨ドルの威信低下は加速した)
アメリカは「民主主義」のため、と主張するが、客観的に見てウクライナは民主主義国家ではない。
選挙を行う国が民主主義とは限らないし、ウクライナはロシアと同じように民間放送局を閉鎖した。
また「国際法違反の侵略」も主張するが、自らも同じこと(イラクやシリアなど)を行なっているので説得力がない。
つまりアメリカが介入する動機は、ウクライナに影響力を持ち続けること(実質的な支配)に何らかの②国益、すなわち利権があるということだろう。
その副産物として、毎度のことだが兵器産業も潤っている。
お付き合いをさせられるヨーロッパ諸国はよい迷惑だが、ロシア恐怖症の国が多いので疑問は持たない。
日本は他人同士の諍いへのお付き合いはもうやめたらどうだろう。
最近欧州の軍事同盟のNATOに急接近している日本。
中国(台湾・尖閣有事)が怖いからロシア(ウクライナ戦争)を非難する、というのは馬鹿げている。
アメリカが戦争に介入するのはいわゆる「同盟国」(という名の属国または実質的な支配地域)だけではない。
アメリカは「国益」につながる地域の紛争へは、同盟非同盟関係なくこれまで積極的に介入・関与してきた。
「国益」につながらない紛争にはどんなに非人道的なことが行われていても一切関与してこなかった。
つまり道徳的な動機あるいはイデオロギー的な観点からは一切関わらなかった。
むしろ国益のためなら道徳やイデオロギーは関係なく介入してきた。
独裁政権を支援した例を枚挙するときりがない。
そしてあからさまに自国領土にはしなくても、限りなく③に近い軍事介入を行なってきた。
現在も国際法上は非合法なシリア駐留を行い、1/3の地域を支配している。
世界一戦争が好きな国アメリカ
さてアメリカの「国益」とはなんだろう。
この場合の国益とは、かならずしも国民や国家の利益ではない。
一番重要なのは「体制(レジーム)」の利益だろう。
レジームにはあらゆる経済的利益、政治権力、国家支配などが含まれる。
多分そのレジームとは、大統領の命より重い政治的影響力のある軍産複合体とか金融資本を含むディープステートなどと呼ばれるものだろう。
現ウクライナ政権も、1年経っても一切和平を考えないのは、国民の命より自国の現レジームを優先しているからではないか。
ウクライナ戦争の後に何が起きるか(Gonzalo Rira)😱
たしかにアメリカの方がやる気満々のようなことを言っている。じわじわと世論操作している?
2027年までに台湾侵攻準備 習氏が軍指示と米CIA長官
戦後ずっと在日米軍基地があるのは、日米安保条約による日本防衛のためだと漠然と思っていた。
同じようにそう思っていたトランプ前大統領は、就任当初世界中の在外米軍基地の縮小を言っていた。
しかし、在日米軍基地が何に使われてきたか、過去を振り返るとそうではないことがわかる。
日本は米軍の不沈空母であり、駐留しているのはアメリカの国益があるからだ。
日本は「おもいやり予算」で在日米軍基地の駐留費用の8割(世界中の駐留米軍基地の中でも最高の負担率)を負担している。
「アメリカの最高の友日本」は、残念だが、まさにプーチンが昨年の演説で言った「同盟国という名の属国」のようだ。
NHKが同時通訳で一度だけ放送したプーチン演説
(抜粋動画約2分):
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習近平にもそう思われているだろう。
韓国も似たようなものだが、恥ずかしいと非難される「バランス外交(蝙蝠政策)」を時々行なっているだけまだましかもしれない。
でも
在日米軍司令官の話を聞く限り、好戦的な米軍は台湾有事ではすでに韓国をあてにしていないようなので、日米韓三カ国の協力は不可欠ではないようだ。
そんな口実で「応募工(偽徴用工)」には謝罪はしない方が良いと思う。また子孫に禍根を残してしまう。
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アメリカ人が嫌いなわけではありません。
戦争をさせたがる悪人たちが嫌いです。
ネットフリックスで「西部戦線異状なし」という映画を観ました。第一次大戦フランス戦線でのドイツ志願兵の悲惨な話です。
今まで見た戦争映画の中で一番怖い映画でした。
オススメです。