
本記事は下記の続編です。
ぞうさんギター再始動、スバルBRZ試座、カポタスト比較
長らく放置していたZO-3ギターの上位機種、DIGI-ZO HYPERを再び手にしてから、五十路のギターキッズは夢中になって昔覚えた曲を中心に弾きはじめました。
しかし、どうもギターの調子が悪いのです。電源を入れると内蔵スピーカーから大きめのホワイトノイズが出ますし、プツプツ音が出たり、エフェクターの種類が勝手に切り替わったりします。
それらの症状について検索してみますと、このギターでは必ず発生する病気だということが分かりました。
使用されている電解コンデンサという部品には寿命があり、とっくにその期限を超えているとのことです。
それを全交換すれば治るらしいですが、具体的な修理方法について言及している記事は出てきません。
メーカーのサポートは終了しているようですし、ダメ元で自分で交換してみることにしました。
以下、将来の自分への備忘録として作業の手順を残しておきます。
まずは基板の摘出をします。背面のカバーを外しますとこのような状態となっておりました。
メイン基板はネジ3本で留まっておりました。それを外し、コネクタを全部外すと取り外せました。
サブ基板はスピーカーの左横、劣化したスポンジに包まれていました。それを除去し、コネクタを外し、取り外しました。
取り外し後の状態です。
背面カバーのネジ、基板2枚、スポンジの画像です。
続いて代替コンデンサを用意しました。
筒状のリード型は5本です。
メイン基板用
・16V/1000μF 2本
サブ基板用
・25V(16V)/47μF 1本
・25V(16V)/4.7μF 1本
・50V/1μF 1本
※元基板に付いていた(16V)は、購入先店舗に置いていないということで、25Vの物を購入しました。サイズは一回り大きいですが問題ありませんでした。メーカーは不明です。
(購入先:秋田市の音響サービス)
メイン基板のチップ型(表面実装用)コンデンサは同店では取り扱っておらず、通販のモノタロウを利用しました。
・16V/100μF 1個
日本ケミコン アルミ電解コンデンサ 16V dc 100μF
EMZA160ADA101MF61G
・16V/10μF 16個
ニチコン アルミ電解コンデンサ 16V dc 10μF
UWX1C100MCL1GB
総材料費:約1,700円
※チップ型コンデンサは最低発注数の都合で多めに買うことになりました。実際は約1,200円で済むかと思います。
資材が全て揃ったところでいよいよ交換作業に入ります。リード型コンデンサは、半田吸い取り線を使用し引っこ抜きました。そこに代替品を取り付けました。
問題はチップ型コンデンサです。半田ごては1本しかありませんが、半田は2箇所です。無理に取ろうとすれば基板のパターンが剥がれ、ゲームオーバーになる可能性が高いです。
私はいいのか悪いのか分かりませんが、次のような技を用い、取り外すことに成功しました。
1. ピンセットでコンデンサをつまみ、こて先を当てる端子の反対側に煽るように力を加えておく
2. 端子にこて先を当てる→わずかにコンデンサが傾く(画像の状態)
3. 反対側の端子も上記1と2を実施する
4. 再び最初の端子にこて先を当てると、コンデンサが大きく傾き、さらにこて先を伸ばし反対側のパッドにも当てると、コンデンサがポロっと取れる
チップ型コンデンサは、慣れてくると1個あたり1分程度で外すことが出来ました。
外した箇所のパッドを綺麗に清掃し、コンデンサを次々半田付けして行きます。周辺のチップ部品にこて先を接触させないよう、細心の注意を払って作業を進めます。
色々試行錯誤したり休憩したりして、約3時間の工程でした。手慣れている人であれば1時間以内に終わるのではないでしょうか?
ちなみにこの基板の製造当時は有害物質使用禁止のRoHS指令が出る前の物でしょうから、今回、それに合わせ半田は当時物の共晶(有鉛)タイプを使用しました。
翌日、ニッパーで、リード型コンデンサのリードを切断しました。(昨日ニッパーが行方不明になっており、やっと見つけました)
そしていよいよ基板を再取り付けします。仮組みし、電源を入れてみますと…バッチリ直っておりました!
ノイズの発生はありません。弦を爪弾き、各ツマミをひねると、切り替わるエフェクターに応じた音が出てきます。
そういえば購入した当時はこんないい音がしていたなと感動しました。
そんなこんなで、最後にメイン基板をネジ止めし、サブ基板はそれを包んでいた物の代替スポンジがなかったため、廃棄予定だったマイクロファイバータオルの一部を切り取りそれを巻いて絶縁し、リアカバーを取り付け、全ての作業が完了しました。
苦労に見合う結果が出たことで非常に満足しております。しかしまたいずれ電解コンデンサの寿命が尽きる日が来るので、この作業を再びしなければと思うと少し気が重いです。
余談ながら、昔エクストリームというバンドのMore than wordsという曲をよく練習しておりました。
この曲はテンポが遅く、コードは簡単な割に難しく聴こえるという、演者が上手そうに見える名曲ですが、曲の最後に難易度高めのライトハンド・タッピング奏法が控えているので完コピは無理でした。
そして今、羊文学というバンドの同名の曲にはまっております。呪術廻戦というアニメの曲らしいですが、メロディ、ボーカルの声、全て私の琴線に触れまくりです。
この頃は飽きもせず、ずっとこの曲のYoutube動画を見ながらギターをコピーをしております。何といっても難しいギターソロがないので最後まで弾き切ることが出来るので満足感があります。
ということで、今回の修理作業を終え、新旧二つのmore than wordsとの邂逅に、言葉以上の感情が芽生えたのでありました。
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故障・修理
Posted at
2024/03/03 16:45:09