
家人から、ゲーム(エーペックス、アモングアス、ヒロアカ)等をやる際、プロコンのLスティックが倒している途中で引っかかり、キャラが動かしづらいとの愁訴がありました。
そこでまずは分解し、内科検診をしてみました。ネットで先人のターヘル・アナトミアを眺めつつ、手順通りバラしていきます。最初は左右のグリップを外しますが、そのネジの固いこと。
おなじみ、ワコーズのラスペネの力を借りてネジを緩まします。何とかネジ山を滑らせることなく取り外すことが出来ました。
続いて背面の黒い半透明カバーを外し、さらにバッテリーを外しました。
そして基板固定用のネジを外し、左右グリップ部のバイブレータの両面テープを強引に引き剥がし、それを外しました。
いよいよLスティックを診断してみます。すると確かに中央から任意の方向に倒した際、真ん中あたりで引っ掛かり、そこでさらに力を加えるとスティックを倒し切ることが出来るのですが、今度は指を離してもニュートラル位置へ復帰しません。
何か異物を除去したりすれば治るかもと淡い期待をしておりましたが、スティック部品自体の故障だということが判明したため、初日はバラしたまま、邪魔にならない場所へ寄せておきました。
即日、補修用スティックをネットで発注しました。
数日後、それが手元に届いたため、早速基板から故障したスティックを取り外そうと、ハンダ吸い取り線を用意しつつハンダごてをスティックの足に当ててみたところ、ハンダが溶けません。
どうやら使用されているハンダは鉛フリータイプのようで、昔ながらの共晶ハンダ用こてでは温度が低すぎ、歯が立ちません。
この日の作業は得るところなく終了です。
さてどうしましょう。そもそも手持ちの道具では、スティック取り外しは無理です。
鉛フリー用ハンダごてと、それ用の吸い取り線を新規購入することを検討しましたが、ここで掟破りの方法が脳裏を過ぎりました。プロの道具とプロの技を借りよう、と。
明くる日、某所へ基板と補修用スティックを持ち込み、電子機器組立1級資格所持者の某氏へ作業を丸投げしました。
彼はいい道具を持っております。ハンダ除去は、ハッコー社のハンダ吸取器・FM-204を使用しました。
ガン仕様の除去器の先端を端子に当てるとハンダが瞬時に溶け、すかさずトリガーを引くと液状化したハンダがガンの中へ吸い込まれていきます。
全ての端子のハンダを除去するのに5分もかかりませんでした。スルーホール内にもハンダは残らず、スティックは基板からポロッと外れました。
ついでに新しい奴付けてやるか?と聞かれたので、これ幸いと頼みました。鉛フリー対応ハンダゴテで綺麗に付けてくれました。写真は作業後のものになります。
報酬として彼にリポビタンDを1本渡し、自宅へ修理完了基板を持ち帰りました。そしてスティックの新旧比較をしてみました。
いずれもアルプス製の物で、殆ど同一でしたが、写真のように、正面の白い箇所が旧品はダース・ベイダーの頭のような形に対し、新品はT字となっておりました。何らかの改善があったものと思われます。
そして元に戻していきます。再組立完了後、動作確認しましたところ、無事に直っており、ホッとしました。
このように、私には鉛フリーハンダを修正できる環境がたまたま整っており、DIY修理が出来ましたが、ややハードルが高いため、同症状でお困りの方は無理せずメーカーへ修理依頼することをおすすめいたします。
同日、ついでに純正(左)ジョイコンの修理もしました。壊れたスティックの交換をします。通算5回目です。
今回は、ゲーム中に時々コントローラーが認識されなくなる症状も改善しようと、フレキ基板(茶)とアタッチメント部(黒)の部品も調達し、交換してみます。
ネジをどんどん外し、どんどんバラしていきます。
新旧、入れ替えました。
結果、スティックの故障は直りましたが、認識不良は再現し、改善には至りませんでした。どうやら本体側の部品に問題がありそうです。今後の課題が残ってしまいました。
ということで、鉛フリーハンダの手強さを知るとともに、色々構造について知ることが出来た修理作業となりました。
後継機の発売が噂される昨今、新機種にスイッチするまで、今後また何かあればだましだまし修理し使い続けて行こうと思います。
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故障・修理
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2024/06/14 18:35:56