• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

潟のブログ一覧

2023年08月19日 イイね!

岩手山登山(岩手県滝沢市)、山に轟く自衛隊の大砲の音

岩手山登山(岩手県滝沢市)、山に轟く自衛隊の大砲の音
8月某日、日本百名山の一つ、岩手山に登って来ました。

自宅から登山口まで約130kmですので早起きします。3時起床、3時30分自宅出発しました。

道中、美しいモルゲンロートの中、左車線の延長上に秋田駒ヶ岳が見えてきました。


6時、岩手山登山において最もポピュラーな、馬返し登山口に到着しました。カーナビを見ますと山裾は自衛隊の演習場になっていることが分かります。

ちなみに骨董品のカーナビなので、所在地は滝沢市なのに、今も滝沢村のままになっております。


現在、岩手山はガスに覆われ、右側の下部稜線がうっすらと見える程度です。そんな中、キャンプ場を通り抜け入山します。


秋田ではあまり耳にしないセミの鳴き声、ツクツクボウシの合唱を聴きつつ、広葉樹の下を歩きます。


ようやく1合目へたどり着きました。この時点でヘトヘトです。睡眠不足も重なり、果たして山頂へ到達出来るか不安でしたが、途中駄目そうなら引き返すことにし、さらに登ることにしました。


ガスと晴れ間が短い周期で変わります。暑い。ここで日焼け止めを首と顔面に塗りたくりました。


振り返りますと雲の上に早池峰山、栗駒山、鳥海山が見えました。この写真では残念ながら判別出来ません。

この辺りで突然大砲の音が轟きはじめました。自衛隊の演習のようです。この山には過去何度か登ったことがありますが、こんなことは初めてです。

私は夏休み中ですが、暦の上では平日だからでしょうか?国防のため仕方ないとはいえ、正直勘弁してほしいです。この後も殷々と延々続きました。


溶岩帯と樹林帯が交互に現れますが、全体的には単調な道です。このはしごが唯一のアクセントとなっておりました。


歩きにくい砂利道に足を取られながら、老婆の散歩のようなペースで高度を稼いでいきます。


ようやく8合目まで来ました。しばらく平坦な道となりますので、心が軽くなります。


8合目避難小屋前の水場。チョロチョロとしか出ていません。このぬるい水を一口いただきました。


山頂目指し、さらに歩きます。


9合目分岐。あと一息。


山頂部周回ルートの連絡路。細かい砂利によりスリップしやすく、歩きにくいです。


ようやく周回路へ到達。居並ぶ観音像と、見頃の終わりかけたコマクサに励まされながら進みます。


ゴールは目前。


そして山頂に到達しました。非常に疲れました。眺望は、雲とガスに阻まれ、ほとんどききませんでした。残念です。


晴れていれば胸のすくような大パノラマが堪能出来るのですが…まあ雲の広がる景色も悪くはありません。


三角点にタッチし、昼食タイムにします。本日のメニューは、オニオンチャウダーと、南高梅入りおにぎり一つです。疲れすぎて食欲はありませんが、無理やり食べました。


登ってきた道をパチリ。


これから下りる道をパチリ。3人組のトレイルランナーが駆け下りて行きました。その元気を分けてほしいです。

昼食を食べ終えたところで下山します。


山頂部を振り返りパチリ。


お鉢の中央には小山があり、誰が積んだのか賽の河原が二つあります。その下部には神社や石碑やエクスカリバーがあります。


グルっと一周したところで下山します。


8合目避難小屋。中ではカップラーメンやコーヒーが売られていました。


森を切り開いた自衛隊演習場が見えます。相変わらず山には大砲の轟音がこだましています。

音には何種類かあります。まるでドラムとティンパニーの試奏のようです。大砲ソムリエにはたまらないことでしょう。

下山するに連れ、音に迫力が増してきました。私がターゲットにされないことを祈るばかりです。


左手に均整の取れた、石川啄木ゆかりの姫神山が見えてきました。見て良し、登って良しの、好きな山です。


ようやく下まで来ました。登山道に張られたトラロープの向こう側は自衛隊の演習場です。


駐車場は目前。蝉時雨の中、時雨のような降雨に見舞われました。しかし広葉樹の葉っぱが傘代わりとなり、殆ど濡れることはありませんでした。

そしてキャンプ場の鬼又清水でのどを潤し、駐車場へ帰還しました。


熱中症気味で頭痛がします。この後、心身ポロボロの状態で帰宅の途につきました。


毎回、徹頭徹尾登りのこの山は私にはハード過ぎて、下山のたびに「二度と登るか」と思うのですが、喉元すぎればなんとやらで、また登りたくなります。

今回も「二度と登るか」と思ってしまいましたが、果たして次回はあるのでしょうか…?








Posted at 2023/08/19 08:10:04 | トラックバック(0) | 登山・アウトドア
2023年08月11日 イイね!

栗駒山登山(秋田・岩手・宮城県境)、秋田のエヴァンゲリオン関連逸品紹介(ババヘラ、酒)

栗駒山登山(秋田・岩手・宮城県境)、秋田のエヴァンゲリオン関連逸品紹介(ババヘラ、酒)
本日8月11日の山の日、栗駒山に登ってきました。

朝、栗駒山荘にて簡易地図を頂いた際、昭和湖付近から有毒ガスが噴出し、それより上の登山道が通行止めになっており、山頂へ向かうには左手のコースを行かなければならないと教えてもらいました。

いつも下調べをしないため、その情報を知らなければ途方に暮れていたと思います。助かりました。


さて、登山口付近の須川ビジターセンター駐車場に駐車したのはいいですが、天気はまさかの雨です。予報では曇天のはずでしたが…困りました。雨具はありません。

やがて雨は止むと信じ、しばらく待っておりますと、だんだん小雨から霧雨となり、何とか行けそうな状態になりましたので、いちかばちか出発しました。(8:30)


須川高原温泉の建物の脇を通り、山へ向います。


やがて名残ヶ原に出ました。大昔ここを通過したときはワタスゲの群生がみられましたが、今回は時期が遅いのか、それは見ることが出来ませんでした。


分岐がありました。ここを右へ行くのが昭和湖経由の最短ルートですが、通行止ということで、左へ向かいました。


沢を渡渉します。楽しいです。


雨の影響か、泥濘がいたるところにあります。秋田弁で言うところのスパネがズボンの裾に跳ね上がり、ヤバチィです。


やがて山頂に到達しました(11:00)。後に止みましたが、霧雨と曇天、ガスのおかげて涼しい山行が楽しめました。

しかし…ガスのおかげて眺望が全く楽しめません。ウン十年前に登ったときも全く同じ状況で、今年こそはと期待していたのですが、それは叶いませんでした。相性が悪いのでしょうか?


それはさておき、腰を下ろし、湯を沸かし、カップスープ・クラムチャウダー味とツナマヨ味のおにぎりを食し、ひと休み。

それも束の間、やや風があり体が冷えてきたので、すぐに下山しました。下りるにつれ晴れてきて、下界が見えるようになりました。もっと早くこうなってほしかったです。

それにしても日が差すと暑いです。昨日買ったばかりの日焼け止めを車に忘れてきたのが悔やまれます。


名残ヶ原。朝とはうって変わって黄緑色が空に映えます。


登山口に近づいてきました。


ここは須川の源泉とのことです。毎分6,000リッター湧出しているらしいです。


そして登山口へ帰還しました(13:20)。私にとっては緩くもなく、きつくもない、ちょうど良い山行でした。


この後、須川高原温泉ではなく、100円高い栗駒山荘へ向かいました。前者は眼の前が岩で眺望が楽しめませんが、後者は視界が開けているためそれが楽しめます。

いざ入湯。硫黄臭のする白濁した温泉で、期待通りです。しかし露天風呂へ入ったところ、アブが待ち構えており、いつ刺されるかと緊張を強いられ、そそくさと内湯へ。

ここの湯は私にとって熱めで、長湯出来ません。せっかくお金を支払ったのに、カラスの行水で早々退散しました。もったいない。


帰路、工事中の成瀬ダム見学。とてつもない資材と機材と人材によって作業が行われておりました。



それから横手市増田町の、仙人像が迎えてくれるふる里館へ。ここで成瀬ダムのダムカードをいただきました。


他にも、何も言わないのに発電所カード類もいただきました。



続いて増田町まんが美術館へ行きました。


目的は、現在企画展として開催されているエヴァンゲリオン大博覧会と秋田名物ババヘラアイスのコラボ商品、エヴァヘラアイスを購入するためです。


しかし長蛇の列。マイペースで盛り付けするババに付き合っていると、いつ食べることが出来るのか分かりません。

そこで自分で食するのはあきらめ、よその方に盛り付けているところを写真に収め、退散しました。



最後に、近所にある日の丸醸造へ行きました。


目的はエヴァンゲリオン大博覧会と同店の看板商品「まんさくの花」とのコラボ商品、「ミサト」を購入するためです。


私は日本酒を飲めませんが、一口ずつたしなみ、いつかミサト嬢とシンクロ率100%になるのが目標です?


店内の冷蔵庫には、様々な酒類が陳列販売されておりました。味の違いがわかる方にはたまらないのでしょうね。



それにしても今日は暑かったです。ジュース類をがぶ飲みし、アイスも食べ、ビールも飲んでしまいました。

胃腸の弱い私、夜分下痢オンになることは間違いないでしょう。明日か?わかラン、グレー?
Posted at 2023/08/11 20:16:26 | トラックバック(0) | 登山・アウトドア
2023年07月30日 イイね!

メロン食べ放題、もう一つの男鹿フェス、第35回日本海メロンマラソン大会出走(秋田県男鹿市)

メロン食べ放題、もう一つの男鹿フェス、第35回日本海メロンマラソン大会出走(秋田県男鹿市)
このほど男鹿市(旧若美町)で開催された主題のマラソン大会に参加してきました。

昨年も出場予定でしたが、ペアマラソンの相手が出走当日朝にコロナウイルスで40℃近くまで発熱し、急遽不参加となりました。

ちなみに私もその二日後、見事コロナウイルスによる発熱が見られ、せっかくの夏をだいなしにしてしまいました。

ですので今年こそはと楽しみにしておりました。おかげさまで今回は万全な体調で参加することが出来ました。


【初日】7/29(土)、前日受付ということで、会場の若美総合体育館へ向かいました。

ちょうど同市で同日に開催されるロックフェスティバル「男鹿フェス」と日程が重なっているため道路の渋滞を心配しておりましたが、混雑は見られず全く影響なしに到着することが出来ました。


体育館の中央に折り畳みテーブルが多数設置され、任意のテーブルにて受付を済ませます。ここで参加者名簿的な小冊子を貰います。


参加賞はわかみメロン2玉で、さらに先着で秋田米の新品種「サキホコレ」300gが貰えます。

私は推しの子、有馬かな嬢(仮名)とのペア参加でしたので、2セット貰いました。そして会場を後にしました。



【二日目】7/30(日)、9時30分頃、いくつかある指定駐車場の一つ、JAわかみに駐車し、会場へと徒歩で向います。

蔦で覆われた廃屋の向かい辺りの崖に、山上へ繋がる小径がありますので、そこを登って行きます。


結構な急登で、ウォーミングアップにちょうどいいです。


坂を登り詰めると、出店があったり、出走時間が早い参加者が走っていたりと、独特の雰囲気に包まれておりました。


荷物預かり所に、タオルや貴重品の入ったザックを預けました。


お手洗いを済ませ、やや離れたスタート地点へ向います。前方から野生のピカチュウが鳴きながら通過して行きました。



【本日のコース】



9時55分。スタート地点は100mほど先に見えます。そのとき右手前方からナマハゲがやってきました。雄叫びをあげない大人しい個体でした。


私はナマハゲ伝道士でありますが、どこの集落のお面だったか失念してしまいました。復習しなければ。…っていうか、ゼッケンが付いているので参加者なのですね。


そして10時、スタートの号砲が轟きました。同時に狼煙も連発で鳴り響き、否応なしに気持ちが盛り上がります。

しかし渋滞で中々走り始めることが出来ません。スタート地点を過ぎてしばらくしても、歩くことしか出来ませんでした。


ようやくスローペースで走れるようになりました。しかし未就学児等、いわゆる走るシケインが多数おり、それらを縫って走らなければならないため効率が上がりません。まあいいでしょう。そんなもんです。


ようやく給水所へ着きました。ぬるい水、これで喉を潤し、熱中症予防をします。


やがて昨日の受付場所、若美総合体育館が現れました。ここの路上上方にはシャワーが設置され、熱い体を一瞬冷やしてくれます。

その設備を撮影しようとしたところ、スマホの画面に「内部温度が上がり過ぎのため撮影出来ません」という旨の警告が出てしまい、カメラの起動及び撮影をすることが出来ませんでした。スマホにとっても過酷な環境ですね。


もうひと頑張りです。この先にも係員がホース片手に簡易シャワーをしてくれていましたが、スマホのカメラがしばしば熱による起動拒否をしたため撮影出来ませんでした。


スタート地点を過ぎ、グラウンド前の並木道ゾーンへと入りました。


そしてグラウンド入り。この左コーナーを駆け抜けるとゴールです。ちなみにペア参加者は、手を繋いでゴールしなければならないというルールがありますので、初々しいカップルに参加おすすめです。


ゴール後はポカリスエット配布があります。ありがたくいただきます。


ゴール地点を通過し、右前方のテントに向います。ここが参加した者のみ味わえる、メロン配布所となります。

甘くて美味しいわかみメロンが食べ放題ですので、これを目当てに参加する方が多数いるものと思われます。私もその一人でございます。食べるほどに若く美しくなれる…かも?


…とはいえ、30℃超えの気温の中、全力で走った後ですので、熱中症気味、具合が悪く、それほど多くは食べることが出来ませんでした(これは二人分の量です)。


早く帰宅して横になりたい、ということで、閉会式へは参加せず、会場を後にしました。

途中の崖から、蔦の絡まる傾いた廃屋、若美の田園を撮影しました。地平線の辺りが大潟村となっております。


車に戻り、温度計を確認してみましたところ、内気温が41.8℃、外気温が34.1℃となっておりました。正直、マラソンには適さない気温ですね。


しかし特産品のメロンが食べ頃になるのはこの時期ですので、今後も日程変更はないでしょうね。

そして帰宅後、カップヌードル・シーフード味を食し汁まで飲み干し塩分補給し、しばらく横になりますと、具合が良くなりました。

ということで、私が時々参加しておりますこの大会、熱中症のリスクがありますが、他県人も多く見られる人気のあるイベントとなっております。

興味ある方、来年以降参加いかがでしょうか?美味しいメロンが待っていますよ。



Posted at 2023/07/30 14:48:45 | トラックバック(0) | 登山・アウトドア
2023年05月25日 イイね!

登山:女神山(秋田/岩手県境) 2/2 …熊との遭遇

登山:女神山(秋田/岩手県境) 2/2 …熊との遭遇
登山日:2023.5.3

まずは1/2(前編)からご覧ください。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2788065/blog/46981105/

白糸の滝分岐から登り進むと、やがて目の前は見渡す限りのブナの森となりました。


T君と私は思わず感嘆の声を上げました。凄ェ!こんなの見たことがない!秋田の山にはいくらでもブナの森はありますが、大抵の場合斜面に生えております。


ところがここはどうですか!平坦な地面に生えています。適度な木と木の間隔で開放感があり、他の山では感じたことのない、癒やし、安らぎ、平和、爽快などなど、ポジティブな雰囲気に包まれます。

もちろん他の山でもこのような光景は見ることが出来るかもしれませんが、秋田で登山道がこのような場所を通っている場所は、私は寡聞にして存じません。

ここのポイント名称は、文字通り「ブナ見平」と言います。

そこには苦労して自分の脚で訪れた者にしか味わえない光景が広がっておりました。

これぞ登山のの醍醐味です。このような感動が時々あるので苦労をいとわずまた山に登りたくなってしまうのであります。


この感動は写真では決して伝えられないのが残念です。


今は春の若葉の頃。まだまだブナの葉っぱが大きくなっておらず、そのため空が見え、閉塞感が少ないというのも良かったです。ここで小休止し、ブナに浸りました。


時々残雪があります。地上の天の川を埋め尽くす星の数々はブナの実です。熊の大好物です。


ブナ見平を過ぎると稜線に出ました。前方には同じ山域の真昼岳が見えます。


登りです。脚は限界に近いですが、一歩また一歩、前進します。


手前のピークに来ました。やっと山頂に着いたと思ったのですが、前方に真の山頂が現れがっかりしました。まだまだ相当標高を稼ぐ必要があり、泣きたくなります。


鞍部へ下りていきます。


そして鞍部到着。ここからすぐに登りになると思いきや、山の右側の平坦な道を進んでいきます。そして分岐に出ました。

岩手県側からの登山客とはここで合流するようですが、今日は誰も居ませんでした。結局下山まで誰とも合わず、贅沢な貸切状態でした。


ここからは急登となります。息も絶え絶えで、脚も心臓も音を上げています。


一応つづら折りにはなっておりますが、殆ど直登に感じます。

ここで山麓の祭りの号砲が連発で轟きました。まるでチャイコフスキーの「序曲・1812年」のフィナーレのようです。

時節柄不謹慎なような気がしないでもないですが、素直にそう思いました。歓喜に包まれつつ、励まされるように気合いを入れ直します。


そして前方に何か見えてきました。


顔色の蒼い人に笑顔で迎えられました。反対面には「ゴミは持ち帰りましょう」との文字が書かれていました。


そしてようやく女神山山頂に達しました。標高955m、登山口から約6.3km、所要時間は約3時間30分、疲れ果てました。

このところ運動不足で、直近の検診では脂肪肝の疑いありと注意された私、筋肉はイミテーション・ゴールドになっているようです(?)。

秋田県側を背景に写真撮影。なぜか三角点らしき石柱が二つありました。


藪に近づいてもう一枚。真昼岳が指呼の間に望めます。T君は去年単独であそこからここまで縦走したとのことです。

ちなみに真昼岳は標高1,059mと、この山より若干高いですが、森林限界に達し木が生えていませんので、こことは比較にならない見事な眺望が楽しめます。

ゴメンね、去年の山と、また比べている…。


山頂部を離れて撮影。藪のない面積は狭いです。


岩手県側を撮影。こちらはある程度視界が開けています。


ザックを下ろし、お待ちかねの昼食タイム。本日のメニュー、T君はカレー味のカップラーメンとおにぎり2個でした。


私はかぼちゃスープとツナマヨおにぎり1個です。BGMはウグイスの鳴き声です。ホーホケキョの割合が2、ピヨピヨピヨの割合が8で、耳を楽しませてくれました。


こうして秋田の三浦友和ことT君と、ひと春の経験、蒼い時を過ごしました。

現在の時刻は13時30分、復路も往路と同じ登山道を辿ります。6.3kmの長丁場ですのでのんびりしていると日が暮れてしまいます。休憩もそこそこ、私気ままにハンドルきるの。

ブナ見平の手前、稜線から山中に入る分岐に差し掛かると、T君が「熊いだ!」と慌てた声を上げました。同時に熊よけの鈴を激しく鳴らします。三人模様の絶体絶命⁉

数十メートル先の残雪地帯に、確かに黒い物体が見えます。私は「ちょっと待って、プレイバック、プレイバック」と、鈴を鳴らし続ける彼を制し、追い払うのは写真を撮ってからにして、と言いました。

しかし時すでに遅し、こちらに気付いた熊は、右手の藪の中へと消え失せました。勝手にしやがれ、出て行くんだろ…。

ということで、写真は慌てて撮影したこの一枚のみでした。


熊はすぐに逃げてしまい残念でしたが、発見した時点でのT君の行動は正解です。

突然襲撃してくる可能性がありますし、もし子連れ熊であれば我々は死を覚悟せざるをえないものとなっていた可能性もありますので。

万が一不測の事態が起これば、三浦友和ならば「人間到る処洋服の青山有り」と言うに違いありません。

ちなみに私は登山を始めてから20年以上になりますが、山中での熊との邂逅は初めてです。静かな興奮に包まれました。

ブナに囲まれた森、ブナの実が溢れて、長い毛をなびかせ、君が歩いて行く…激しすぎる出会いの場面…危険な女神。

やがてブナ見平へと着きました。やっぱりここは素晴らしいです。清々しい気分で牛歩戦術しながら通過します。


横殴りの低木帯を通過します。


ようやく「湯田神社跡」まで戻って来ました。少し歩いて分岐の先に行ってみますと朽ちかけた神社がありました。

「跡」というからには更地になっているものと思っていましたが、社殿が残っていることに驚きました。

ここで柏手を打ち、最後の下山に入ります。


杉林をグングン下りていきます。


シダが輝いています。


やがて杉木立の間から、キラキラする水面が見えてきました。写真で伝えるのは難しいですが、フィナーレを迎えるのにふさわしい、私の下山の歴史の中で(?)、最も美しい光景でした。

日が当たれば、影が違う、色が違う、光が変わる…ごめんね?


最後の最後、急勾配の石段に怯えながら一步一步下り、登山口に帰還しました。時刻はちょうど16時、山頂から約2時間30分の行程でした。


帰り道、すぐそばの六郷温泉・あったか山に立ち寄り、日帰り入浴しました。


そして、シャワーのあとの、髪のしずくを、乾いたタオルで拭き取りながら、この地を後にしました。

最後に、小腹がすいた二人は、大仙市の市街地にあるラーメン屋「十郎兵衛」へ向かいました。


この店の一番人気だという塩ラーメンを食し、本日の山行を締めくくりました。


私にはちょうど良い量でしたが、大喰いのT君は物足りなさそうです。

これっきりこれっきりもう、これっきり〜ですか?と、彼の目が訴えていました…。



参考:(アプリの生データのコピペです。実際のデータとは誤差があります。)

2023-05-03 09:26:03~2023-05-03 16:00:50
合計時間: 6時間34分
平面距離: 13.77km
沿面距離: 14.19km
最高点の標高: 967m
最低点の標高: 207m
累積標高 (上り): 1179m
累積標高 (下り): 1163m
標高データの種類: GPS標高











最後のつぶやき:
・登山口までは殆ど舗装道路、最後に少し砂利道となる
・聞いたことのない野鳥の鳴き声がいくつか聴けた
・眺望を楽しむのならブナの葉が育つ前か枯れ落ちた後が最適
・山中にトイレなし、行き帰りに六郷温泉で借りるのが吉
・山口百恵の曲はどれも刺激的で素晴らしい

Posted at 2023/05/26 06:00:39 | トラックバック(0) | 登山・アウトドア
2023年05月25日 イイね!

登山:女神山(秋田/岩手県境)1/2 …トカゲの楽園

登山:女神山(秋田/岩手県境)1/2 …トカゲの楽園
登山日:2023.5.3

毎年GWにはどこかの山に登っているのですが、今回は未登頂の女神山を目指すことにしました。

所在地は下図の十字印のところです(標高は表示と違います)。今回は秋田県の美郷町側から登ります。


7時に自宅出発しました。今日の同行者は友人T君で、彼のジムニーに乗せて行ってもらいます。

目的地まで自宅から約80km、県央からだと山に行くだけでガソリン代がかさみます。そのため秋田県央で山登りを趣味にされている方は富裕階級ということになります(※私を除く)。

道中、彼のジムニー・ランドベンチャーを試乗させてもらいました。数年ぶりに運転するMT車の楽しいことと言ったら。

それはさておき、自宅を出発し約2時間、目的地の近くに面白そうな構造物を発見しました。

これは関田円型分水工と言い、周辺の集落に水を分配するための施設ということが分かりました。

似たような物は男鹿市の寒風山中腹、滝の頭円筒分水工がありますが、それとは明らかに造りが違います。どちらも、先人の知恵が伝わってきて感動します。










寄り道はそこそこに、目的地へ向かいます。酒屋とガソリンスタンドが隣り合っている店舗がありました。なぜか不安を感じます。


そして唐突にコボちゃんが現れました。


空中で街灯を持っています。なぜ?…後刻調べてみますと作者の植田まさし先生の父親が当地出身というご縁によるものでした。


やがて六郷ダムのほとりに出ました。登山口到着です。ここで靴を履き替え荷物の準備をし、いよいよ登山開始です。


登山口の標柱がありました。早速急勾配の石段を登っていきます。


鬱蒼と天にそびえる杉林を歩きます。久々の運動に、早くも体が悲鳴を上げ始めます。

地面にはアイコやワラビなどの山菜が生えています。採りながら登るのも一興ですが、山の幸が苦手な私はスルーします。


やがて「湯田神社跡」分岐にたどり着きました。ここを右折します。えっと、山頂までの距離は…5.9km!

今日は山もルートもT君におまかせで、全く下調べをしていませんでした。彼いわく「体慣らしのハイキングコースだ」ということで余裕をぶちかましておりましたが寝耳に水です。

私は天を仰ぎ、流れる雲さえ季節の色だとつぶやき、山口百恵のように軽いめまいを感じました。


この辺りが植生の変化点となっておりました。針葉樹の杉帯から広葉樹のブナ帯となってきました。

と、そのとき足下にトカゲが現れました。最初は驚きましたが、この後も数え切れないほど沢山見かけ、また出たかと全く動揺しなくなりました。


登山道には様々な花が咲いています。今回初めてグーグルレンズ機能を使ってみました。

表示された候補の一つ、スミレが正解かと思います(自信なし)。この後、様々な花に試してみたところ明らかに違う候補が表示され、鵜呑みにすれば間違ったまま覚えてしまうため、あくまでお遊びで参考程度に使用するのが良いかなと思いました。


群生するカタクリがありました。見頃は過ぎていました。


やがて視界が開けました。ここは「熊見」というポイントです。


右手には鳥海山が望めます。


左手には今回のターゲット、女神山が望めます。中央の乳房のような形状の山がそれでございます。体力を考慮すればワクワク1割、イヤイヤ9割です。


ポイント「カナクラ鞍部」に来ました。今日は山麓の集落で祭りをやっているのか、時折ドン、ド、ドーンと、狼煙の音が小さく山にこだましています。


ここで小休止、T君からバナナをもらいました。エネルギー補給し元気が出てきました。そして出発。


ちなみにこの山の登山道の地面は弾力があり、非常に歩きやすいです。マイナーな山のため地面が踏み固められておりません。

腐葉土および積もった落ち葉でふかふかしているのです。例え安全靴を履いていたとしても、まるでスケッチャーズの靴を履いているような心地がするでしょう。

これはまるで世界遺産・白神山地の藤里駒ヶ岳の樺岱ルートに優るとも劣らない地面の感触です。

視線を地面に転じますと黄色い可憐な花が群生しています。


やがて低木が横に生えた地帯が現れました。強風や積雪でこのような植生になったものと思われます。

全く手入れのされていない山であれば行く手を阻まれ、ここでゲームオーバーでした。

有志が、通行可能になるよう伐採してくれたおかげで先へ進むことが出来ます。感謝です。


そこを通過すると、ポイント「白糸の滝分岐」が現れました。ここが秋田と岩手の県境になります。


最初のポイント「湯田神社跡」までは急勾配でした。そこを通過し稜線に出た後は大きな起伏のない道でしたが、いよいよここから登りとなります。

そして現れた光景は…。


後編に続く。
登山:女神山(秋田/岩手県境) 2/2 …熊との遭遇
Posted at 2023/05/25 05:51:36 | トラックバック(0) | 登山・アウトドア

プロフィール

「峠での走りが楽しすぎ!奇跡のローパワー! http://cvw.jp/b/2788065/46909317/
何シテル?   04/24 20:56
「かた」と申します。活字多めの記事を好みます。 ※無言フォロー/解除ご自由に。 ※フォロー返しは、気が向けばします。 ※以下当てはまる項目多数の方とはこちら...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

愛車一覧

三菱 アイ オパオパ号 (三菱 アイ)
ファンタジーゾーンでの戦いを終え、無事に地球へ帰還した機体を中古で購入しました。 赤い ...
スズキ カプチーノ スズキ カプチーノ
(納屋でカプまみれ。手前右:初号機、手前左:2号機、奥:友人の五里霧中号) 【2号機/ ...
スズキ アルトラパン スズキ アルトラパン
スズキのディーラーにて、モデル末期につきもうすぐ販売終了ということで値引きを頑張ってくれ ...
スズキ カプチーノ スズキ カプチーノ
(秋田県男鹿市、世界三景「寒風山」。下回りが錆で朽ち果て車検不可となり、売却する前の最後 ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation