
8月某日、日本百名山の一つ、岩手山に登って来ました。
自宅から登山口まで約130kmですので早起きします。3時起床、3時30分自宅出発しました。
道中、美しいモルゲンロートの中、左車線の延長上に秋田駒ヶ岳が見えてきました。
6時、岩手山登山において最もポピュラーな、馬返し登山口に到着しました。カーナビを見ますと山裾は自衛隊の演習場になっていることが分かります。
ちなみに骨董品のカーナビなので、所在地は滝沢市なのに、今も滝沢村のままになっております。
現在、岩手山はガスに覆われ、右側の下部稜線がうっすらと見える程度です。そんな中、キャンプ場を通り抜け入山します。
秋田ではあまり耳にしないセミの鳴き声、ツクツクボウシの合唱を聴きつつ、広葉樹の下を歩きます。
ようやく1合目へたどり着きました。この時点でヘトヘトです。睡眠不足も重なり、果たして山頂へ到達出来るか不安でしたが、途中駄目そうなら引き返すことにし、さらに登ることにしました。
ガスと晴れ間が短い周期で変わります。暑い。ここで日焼け止めを首と顔面に塗りたくりました。
振り返りますと雲の上に早池峰山、栗駒山、鳥海山が見えました。この写真では残念ながら判別出来ません。
この辺りで突然大砲の音が轟きはじめました。自衛隊の演習のようです。この山には過去何度か登ったことがありますが、こんなことは初めてです。
私は夏休み中ですが、暦の上では平日だからでしょうか?国防のため仕方ないとはいえ、正直勘弁してほしいです。この後も殷々と延々続きました。
溶岩帯と樹林帯が交互に現れますが、全体的には単調な道です。このはしごが唯一のアクセントとなっておりました。
歩きにくい砂利道に足を取られながら、老婆の散歩のようなペースで高度を稼いでいきます。
ようやく8合目まで来ました。しばらく平坦な道となりますので、心が軽くなります。
8合目避難小屋前の水場。チョロチョロとしか出ていません。このぬるい水を一口いただきました。
山頂目指し、さらに歩きます。
9合目分岐。あと一息。
山頂部周回ルートの連絡路。細かい砂利によりスリップしやすく、歩きにくいです。
ようやく周回路へ到達。居並ぶ観音像と、見頃の終わりかけたコマクサに励まされながら進みます。
ゴールは目前。
そして山頂に到達しました。非常に疲れました。眺望は、雲とガスに阻まれ、ほとんどききませんでした。残念です。
晴れていれば胸のすくような大パノラマが堪能出来るのですが…まあ雲の広がる景色も悪くはありません。
三角点にタッチし、昼食タイムにします。本日のメニューは、オニオンチャウダーと、南高梅入りおにぎり一つです。疲れすぎて食欲はありませんが、無理やり食べました。
登ってきた道をパチリ。
これから下りる道をパチリ。3人組のトレイルランナーが駆け下りて行きました。その元気を分けてほしいです。
昼食を食べ終えたところで下山します。
山頂部を振り返りパチリ。
お鉢の中央には小山があり、誰が積んだのか賽の河原が二つあります。その下部には神社や石碑やエクスカリバーがあります。
グルっと一周したところで下山します。
8合目避難小屋。中ではカップラーメンやコーヒーが売られていました。
森を切り開いた自衛隊演習場が見えます。相変わらず山には大砲の轟音がこだましています。
音には何種類かあります。まるでドラムとティンパニーの試奏のようです。大砲ソムリエにはたまらないことでしょう。
下山するに連れ、音に迫力が増してきました。私がターゲットにされないことを祈るばかりです。
左手に均整の取れた、石川啄木ゆかりの姫神山が見えてきました。見て良し、登って良しの、好きな山です。
ようやく下まで来ました。登山道に張られたトラロープの向こう側は自衛隊の演習場です。
駐車場は目前。蝉時雨の中、時雨のような降雨に見舞われました。しかし広葉樹の葉っぱが傘代わりとなり、殆ど濡れることはありませんでした。
そしてキャンプ場の鬼又清水でのどを潤し、駐車場へ帰還しました。
熱中症気味で頭痛がします。この後、心身ポロボロの状態で帰宅の途につきました。
毎回、徹頭徹尾登りのこの山は私にはハード過ぎて、下山のたびに「二度と登るか」と思うのですが、喉元すぎればなんとやらで、また登りたくなります。
今回も「二度と登るか」と思ってしまいましたが、果たして次回はあるのでしょうか…?