以前に書いたかもしれません。
みんカラの検索機能では見つけられそうにないのと、
消してしまったかもしれないので、もう一度書こうかとw
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エンジン・オイルの硬さなんてわかっているよ〜
という方も多いでしょう。
ま、そういう方は流して下さい。
あと間違えていたらコメント頂けると幸いです。
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オイルの硬さはSAEという米国の団体の規定があります。
Society of
Automotive
Engineers
の略でSAEです。 日本語だと「米国自動車技術者協会」となります。
大抵のエンジンオイルはマルチグレードになっており、
10W-30
とか
5W-50
とか、見た事あると思います。
これはSAEで
このような硬さである事、となっています。
Wが付くと冬の寒い時期の始動性を考慮する硬さ(後ほど説明)
つかない方は、通常使用(100°C)でのオイルの硬さとなります。
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まず、この数値は
← 軟らかい 硬い →
0 10 20 30 40 50
という風になっていると思って下さい。
硬いとか柔らかいは↓この動画を見るとなんとなくわかるかも
動画内での頭の◯◯Wというの無視すると
50, 40, 30, 20
と並んでいますね。
50が硬いので中々金属玉は落ちてきません。
水飴の中を落ちながら進むようです。
とりあえず、硬さの番号については理解できたでしょうか?
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オイルに限らず、
モノは暖かくすると柔らかくなり、
冷やすと硬くなる
のは、なんとなく理解できますか?
理解できたら、頭の◯◯Wについて説明します。
コレは
冬の寒い時期の暖気前のエンジンオイルの硬さ
の指標です。
「
バッテリーも寒くて弱くなるのに、
エンジンオイルが硬かったらセルの回りが悪く、
エンジンが掛かり難くなる
」
というのは、感覚でわかりますか?
Wの前の数値が小さいと、冷気時にオイルが軟らかく
エンジンが掛かりやすい訳です。
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暖まった時の硬さの数値はWが付いてない後ろの方で、
ある程度オイルが硬くないとエンジン内の油膜が切れ、
焼きついてしまうのです。
昔はきっと原油を熱で分けただけで、
シングルの数値のモノしか無かったのでしょう。
現在はオイルに添加剤を混ぜ、
冬の寒い時期の低温時は比較的軟らかく、
エンジンが暖まっても比較的硬いというオイルが
作れるようになり
ダブル表記になったのです
(ダブル表記をマルチグレード化といいます)
現在は、燃費のために軟らかいオイルを使用し、摩擦抵抗を下げています。
だから5W-20とか軟らかいオイルがメーカー指定だったりします。
サーキット走行では高温・高負荷になるため、
エンジンオイルを硬めなのを使い、油膜切れを防ぎます。
つまり、後ろの方の数値が高いモノにする傾向があります。
↓ オイルの軟らかさ〜硬さの概念図でわかりやすいモノです。
前と後ろの数値の差が大きいと、温度変化でオイルの硬さは変化し難く
逆に近いと、温度変化でのオイルの硬さは変化しやすくなります。
(変化するのが当然ですから、高いベースオイル[化学合成油]や添加剤を投入して
変化し難くする訳です)
いずれにせよ低ければ軟らかく、高ければ硬いのは変わりません。
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サーキットで使用する場合、後ろの数値が高い
いわゆる「硬い」オイルをススメられる事が多いでしょう。
(例 : 10W-40とか5W-50とか)
油膜切れで焼き付きという事が発生しにくいからです。
一方で、上の動画でわかるように
オイルがエンジン内部で抵抗になります。
エンジンの回転上がりが悪くなり、
燃費も悪くなる可能性が増します。
特にNAではわかりやすいと思います。
硬いオイルはエンジンが壊れ難くなる安心感は
有りますが、逆に性能はイマイチとなり、燃費は落ちます。
もし本当に高性能なオイルがあるとしたら、
軟らかいのに油膜切れしない、劣化も少ないオイルです。
そんな夢みたいなオイルは安価な訳がありません。
ベースオイルが全化学合成で、高価な添加剤がタップリ入っているでしょう。
P.S.
ちなみに最近のオイルは省燃費用に5W-30、5W-20、0W-20のような
相当軟らかいオイルが使われています。
その代わりにエンジン側でクリアランスを詰めたりして、
油膜切れを起きにくくしていたりします。
Posted at 2021/03/19 00:38:42 | |
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