(仲間内メモ)高濃度レースガスのメリット
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ロータリーエンジンは一般的に
燃費が悪いと言われています。
まあ燃焼室の形状が概ね長方形
ですから、プラグふたつあっても
燃えにくいのはなんとなくわかり
ますよね。
実際にレシプロよりもかなり大食い
だと思います。
FD3Sのインジェクター容量の
合計は2800cc@ノーマル燃圧
なのですが。
レシプロならば2800ccあれば
2800 / 6 = 467馬力程度まで
使えるのに。
ロータリーエンジンだと
2800 / 7 = 400馬力くらいまでと
言われています。
耐ノック性の点で不利なハイオク
だとこんな感じになります。
このためハイオクの利用前提で
燃料系のシステムを構築すると。
もう少しデカいインジェクターが
欲しい。
もう少し容量のある燃料ポンプが
欲しい。
もう少し太い燃料ホースが欲しい。
みたいな気持ちになることが
良く出てきます。
ハイオクは入手は簡単で安いの
ですが。
ハイオクにこだわるとバカみたいに
非効率的な構成の燃料系が必要に
なったりするわけです。
なんと言いますか。。。
ビミョーに不足するから。
インジェクター買い替え。
ポンプ追加。
燃料ライン引き直し。
みたいなことが起こります。
コレだけでもかなりのコストです。
正直できれば避けたいレベルの
苦労があります。
レースガスでもガソリン系の物で
最終的に満足できればいいのですが。
もし、E85みたいなエタノール系で
さらに上を目指す場合。
前述の燃料系の手直しは全て無駄に
なります。
E85はガソリン系の1.5から1.6倍の
燃料消費なので全く必要なサイズが
かわってくるからです。
だから、前述の燃料系ステップアップ
時にここまで考慮して部品選びを
しますと。。。
もうマジで勘弁して下さいという
コスト負担になります。
僕みたいな庶民にはとてもとても。
という気分です。
さらにE85はガソリン系レースガス
よりは単価は安いのですが。
前述のように1.5とか1.6倍必要です。
(軽量化の妨げになる)
また金属やゴムへの攻撃性も高いので
運用も難しいです。
燃焼後に水が大量発生しますから、
潤滑油だって気を使います。
吸気温度を猛烈に下げるので、
パワー面でメリットはありますが。
はたして2ローターREの機械的限界
を引き上げてくれる効果があるのか?
そのあたりはビミョーです。
冷却効果がエンジン部品の負担を
減らすとの噂もありますが。
エンジンその物が発するパワーに
各パーツが耐えられない可能性は
少なくないと予想されます。
もちろん。。。
さまざまなデメリットと引き換えに、
パワーが出せることは事実なので、
トライする価値はあるかもしれません
が。。。
多くの方はパワーは出るけど短命と
言われれば躊躇すると思います。
そんなわけで、寿命と引き換えに
極端なパワーを狙う場合をのぞくと、
無難なのはガソリン系の燃料と
なるのですが。
純粋なハイオクですと。
ガソリン冷却のために、燃料系の
容量アップをしないと、安全に
高出力を楽しむことは難しかったり
します。
現在、信頼性の高い日本製の
インジェクターで大容量のものは
見つけるのが難しい状況なので、
このあたり凝ると地味にお金が
かかります。
オクタン価を上げる添加剤などで、
リスクを減らすことはできるかも
しれませんが、これを信じて
A/Fを絞るとかはコワいので、
やはりそれなりに燃料系の容量は
上げておかないとダメだと思います。
ある程度以上の高出力を狙う時は
大きなインジェクターへの買い替え、
インジェクター本数の追加、
送り用の燃料ポンプ追加、
燃料配管の引き直し。。。
こういったことをしたほうが無難と
なります。
ハイオクは入手容易で安いのに、
仕様変更コストはかなりかかる。。。
しかもE85仕様などには対応できず
中途半端な気分となります。
そんなこともあり、なかなか動けずに
いたのですが。。。
先日、監督さんの水色FDの
タイムアタックで現地セッティング
の様子を詳細に見学できるという
幸運にめぐまれました。
最高回転数
最高ブースト圧
A/F
吸気温度
最高速
。。。
セッティングする社長さんとの
会話で知りたかった情報が
たくさんえられました。
過去のセッティングデーターなどから、
とあるレースガス100%運用時の
目標パワーとその必要燃料の関係は
ある程度、類推していたのですが。
過去の知識としてある。
ハイオク向けの一般的な公式。
レシプロは。。。
目標パワーの6倍が必要な
インジェクター吐出量の合計。
400馬力ならば2400cc
REは7倍
400馬力ならば2800cc
コレらとの乖離があまりにも
あったので、不安だったのです。
ハイオクだとノッキング防止のために
ガソリン冷却が必要なので、
かなり濃い目のA/Fとなる。
(上述の式の場合、かなり濃い
A/F前提なんだと思います)
A/Fが濃いためにパワーが出やすい
パワー空燃比からは大きく離れる。
点火時期もブースト圧も無理は
できない。これもパワー面で不利。
これらの複合的要因で。
レシプロよりもはるかに大量の
燃料を必要としていたのですが。
レースガス100%での運用は、
そんな常識的な知識がぶっ飛ぶ
ほどの差異があって不安だったのです。
そういう意味でシャーシダイナモ上
の数値ではなくて、実走行でそれが
わかったことは大きな安心に
つながりました。
またガソリン系レースガスは
その成分にエタノールなどの
含酸素燃料が入っており、
それから取り出せるエネルギー量
がガソリン系の成分よりも少ない
ため、理想空燃比が濃い目になる
という話も知っていたので。
これも不安の一因でした。
レースガス100%で街乗りする
意味不明のお金持ちはいないとは
思いますが。
もし理想空燃比でフィードバック
かけて、高速巡行とかすると、
通常ハイオクよりは燃費が悪い
ということになるのだと思います。
しかしレースガスをパワーを出す
ために使うならば。。。
含酸素燃料の冷却効果で過剰な
ガソリン冷却は不要。
パワーを出すためにパワー空燃比に
近いラインで運用できる。
点火時期もかなり進められる。
これらの複合的要因で同じ出力
ならば、ハイオクよりも少ない
燃料で実現できる。
↑
パワー全開の領域での燃費は
意外なほど良いということですね。
。。。
ということなんだと思います。
(E85はほとんど含酸素燃料なので
こんな期待はできません。本当に
燃費悪いです(苦笑))
まとめますと。。。
ハイオクで壊さないためには、
きつめのガソリン冷却が必要不可欠。
このため大パワー時に大量の
燃料が必要なので。
並の燃料系だと出せるパワーは
それほど大きくはない。
E85はほとんど全てが含酸素燃料
なので、混合気の冷却効果は
素晴らしくインタークーラーすら
不要なほど。
確かにパワー面でメリットは大きい
のですが。。。
(含酸素燃料の効果で下から過給も
かかるけれど)
ゴム、樹脂、金属への攻撃性が
あまりにも高い。
潤滑の不安がある。
燃費がおそろしく悪く。
燃料系の設備が大がかりな物になる。
また大量の燃料を燃やすために、
超強力な点火系も必要になりがち。
これらのコスト負担はあまりにも
大きい。
しかし、その間?の燃料。
ガソリン系メインのちょっと含酸素燃料
のレースガスは。
理想空燃比付近は燃費悪いが、
最高出力付近は燃費良好。
(同じパワーでいいなら、必要な
燃料は少なめで大丈夫)
なので。。。
フルノーマルの燃料系とか。
フルノーマル燃料系に大容量燃料
ポンプと調整式燃圧レギュレーター
とか。
それに加えて。
プライマリーも純正850ccにかえた
程度の、コストパフォーマンスの
良いよくある燃料系であっても。
レースガス50%とか100%での
運用ならば。
燃料系から想定される常識的パワーを
大きく超えることが可能となるはず。
しかも含酸素燃料の効果で。
圧縮高めのFDローターでも
ノッキング率は低く保てるし。
過給圧はより下からかかります。
高濃度のレースガス運用は、
レースガスそのものの単価の
高さから、多くの人が興味を
持たないチューニング手法だと
思いますが。
やりすぎてトランクの中が、
コレクタータンクや燃料ポンプで
いっぱいみたいな、ストリートでの
運用が難しくなる仕様はちょっとと
考えられる方には実はメリット
大なチューニング手法ともいえるかと。
高価な。。。
燃料系の大容量化。
大型インタークーラーの導入。
大型タービンへの変更。
エンジンのローコンプ化。
これらを全てやれば、確かに
ハイオクでもかなりのパワーが
出せるようになりますが。
そのコストは決して小さくありません。
たまにしかサーキット走行しない
人であれば。
前述の多大なハードウェア投資の
変わりに。
ガソリン系レースガスの高濃度運用と
それに合わせたセッティングだけで、
小規模な設備投資であっても。
良好な結果を得ることは可能と
思えます。
コレクタータンクを装備して、
ガソリンタンクに入れるレースガスを
少なめにすることができれば。
ここぞという時にだけ。
20リッター、2万から3万の
燃料でパワーアップ。
(もちろんそれにあわせた
セッティング切り替えスイッチなど
はショップでつけてもらう必要は
ありますけどね)
フルノーマルに近い車両の
ブーストアップや。
ノーマルエンジンでタービン交換。
そういう感じの人には、コスト
メリット大きいと思います。
もちろん。
すでにタービン交換。
ローコンプのエンジン。
そしてそこそこ燃料系、点火系は
改修済みという場合は。
うまくセッティングすることにより、
ドラッグ仕様もビックリのパワーを
得られるはずです。
(ありがたいことに2ローターREの
機械的限界を超えない程度のパワー
な感じなのも、お得感をアップ
させてくれます)
問題点は。。。
レースガスはやはりそれなりに
お値段がすること。
レースガス100%濃度の運用に
なれたチューナーさんでないと
充分な効果が期待できないこと。
燃料系の容量不足はごまかせても、
タービンそのものの風量限界は
超えられないこと。
などがあげられます。
この方針を味わいつくすためには。
ちょっと大きめのタービンのほうが
良いかもしれません。
(ノーマルタービンだと意外に早く
風量限界に達してしまうかも?)
恥ずかしながら僕もタービンの
風量限界を感じる今日このごろです(苦笑)
でも、まあ今までは。。。
タービンの大容量化が先か?
燃料系の改修が先か?
あるいは両方同時なのか?
みたいに悩んでいましたが。
僕が今おかれている状況ならば。
タービンが先なのは間違いなさそう
です。
それがわかってスッキリしました。
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