お問い合わせも頂きましたので、少しまとめてみます。
まず、FFヒーターのFFとはForced Flue systemsの略で強制吸排気という意味だそうです。
家庭用でも壁から煙突が突き出しているFF式の灯油やガスファンヒーターがありますね。
私が今回キャンプ用に導入したのは、大陸製の本来は車載用のFFヒーターです。
古くから有名なのはドイツのベバスト社など製品ですね。
ベバストは日本にも法人があり、信頼感があります。
https://www.webasto.com/jp/
中身の構造はこんな風になっています。
つまり、
(23)燃焼用空気の吸気口
(21)排気口
(1)暖房用空気の吸気口
(15)温風吹出口
の4つがあり、空気は、燃焼系と暖房系の2系統にに分かれていますので、基本的には室内の空気は汚れない事になります。
もちろん燃焼した熱い排気ガスを外に捨てますので効率は悪いです!
私の購入したものは、ベバストの外観に似ている大陸製のFFヒーターの本体と5リットルの燃料タンク、燃料ポンプ、操作部を鉄のケースに入れて一体化した可搬型のものです。
従来は写真のように縦型のタイプしかなく、床置きのスペース効率は良いものの、倒れたらいやだなぁと思っていました。
今年になり立方体に近いモデルが出てきました。
数年前から冬キャンプ用の暖房をいろいろ検討していました。災害時も考えると電気のまったく要らない石油ストーブも魅力的でかなり悩みました。
トヨトミとか、アルパカストーブ(韓国)など。
また、煙突がテント生地に触れないようにきちんと処理ができれば、テント前室で焚き火感が楽しめる薪ストーブも魅力的で、みんカラにもずいぶん投稿しました。m(__)m
では!なぜFFヒーターにしたのか。
●メリット
・空気が汚れない
・比較的小型
・比較的安価(大陸製は可搬型仕立てで送料込1.6万円位)
・風量のある温風で早く暖まる
・燃費がよい
・掃除などの手間がない
●デメリット
・DC12Vが必要(2,000円位の12V 10Aのスイッチング電源で十分なはず)
・信頼性に疑問がある(信頼できるメーカー製は高額、本体だけで15万円位)
・騒音がある
・排気ガスがテント外に出る
・炎を見るような情緒的な楽しみがない
・明かりや煮炊きの用途には使えない
●石油ストーブを見送った理由(すべて調べただけで、実際には使用していませんので想像です)は、
・サイズが大きい
・高額
・灯油を入れたままでの運搬に懸念がある(メーカーは非推奨)
・テントの生地から離して、中央付近に置く必要がある
・暖まるのがゆっくり?
●薪ストーブを見送った理由(すべて聞いた話と想像です)は、
・煙突の処理が大変
・使用中や使用後の掃除が大変
・サイズが大きい
・燃費が悪い(薪が高い)
・透明な窓がついてるモデルは高額
やはり、FFヒーターは、小型なこと、温風が吹き出すので温まるのが早いこと、手間が掛からないことなどが良いですね。
さて、購入したFFヒーターですが、点火前にまず、点検のため分解しました。
上ケースを外した写真です。
FFヒーター側
燃料タンク側
真上から
燃料ポンプ
下側の吸い込む側のホースがこれしか被っていませんでした。
まぁ、ポンプ側の受け口の先端が太くなっているので簡単には抜けませんが、ここが抜けると5リットルの灯油ダダ漏れですね。!Σ( ̄□ ̄;)
奥まで差し込んで、インシュロックで締めておきました。
燃料ホースが切りっぱなしの板金に擦れています。
細いコルゲートチューブを被せました。
まっ!こんなもんですよね。f(^_^)
テスト燃焼は問題ありませんでした。
さて、実際の使用です。
本体はまったく熱を帯びませんのでテントの片隅に生地に触れた状態で設置することができます。
DC電源は今回は無線機用のDC13.8V 20Aの安定化電源(写真の白いビニール袋の中)を使用しました。実際には点火時にグローを温めてる間でも6~8A位の様ですので、もっと小さな電源でも行けると思います。点火後は燃料ポンプがコツン、コツンと働く度に1~2A流れているようです。平均電力は良くわかりません。
操作部です。配線が剥き出しですが、『仕様です』(笑)
H1~H6までパワーが変えられます。風量も自動的に上がります。
燃焼用の吸気は外気から取ることが推奨されていますが、私は面倒なので、室内から取っています。
気を使うのは排気管で、排気は80℃はあるようです。
芝生の保護のため浮かせ、また、テントの生地は少し離しておく必要があります。風で生地がはためいても大丈夫な様に注意しました。
さて、使ってみて分かったことは、
●メリット
・燃費がよい
3泊4日で、夜(寝ている間は消しました)と朝に使用して4リットルの灯油しか使いませんでした。400円位ですかね。※本来は軽油ですが、販売元で灯油の使用も可能としているところもあります。灯油の使用は基本的に自己責任になります。
・早く温まる
うちの広いテントの前室の室温が、約10分で5~10℃上がります。
●デメリット
・騒音はある。
パワーの設定にもよりますが、温風の吹き出す風量が多く、かなりの音がします。
また燃料ホンプがと3秒から0.5秒に一回くらいコツン、コツンと音がします。
パワーを下げると燃料ホンプの音が気になり、上げると温風の吹き出す音が支配的になります。
もちろん発電機などの比ではないくらい、小さな音ですが、キャンプの静寂な夜を楽しむという訳にはいきません。
心配していた排気音の方は、まったく無音のシーンとしたキャンプ場で、耳を澄ませて20m位で微かに聞き取れるか?という感じです。
逆に排気口から5m以内に、もしも他の方のテントがあったとすると。寝るときは気になる人もいるかも?!というレベルです。
先日のキャンプ場でも発電機は無論、禁止でしたので、念のためFFヒーターを使いたい!と事前に確認したら、OKでした。
キャンプ場オーナーもキャンピングトレーラーを持っていて、FFヒーターを使われていたこともあり、理解がありました。
・温度調整機能が無かった
私が買ったモデルは温度調整機能はなく、パワーが6段階の連続運転だけでした。室温の表示はあり正確なのですが。
温風調節のできるモデルもあるはずですが、再点火の度にグローに電流が流れるので、もしもバッテリーで使用する場合は辛いかもしれませんね。
それから、排気ガスの臭いですが、かなり良い燃焼をしているのか、排気口から風下でも3~5mも離れると臭いは感じられません。臭いとしては灯油ストーブの臭いですが、排気ガスもそれなりの流速で出てきますので、拡散するのが早いかなという感じです。
もう一点!
室内での臭いですが、なぜか点火時だけわずかに灯油の臭いがします。もしかすると燃焼用の空気は取り入れ口から逆流するのでしょうか?!
またFFヒーターの筐体のせいなのか、プラスチック臭がほんの僅かにします。
総じて、我が家のキャンプ場から出掛けて歩くスタイルでは、スイッチ1つで点火/消火ができ、火起こしや火消し、片付けの手間などがなく!なかなかキャンプスタイルに合った良い買物だったと思います。
注:電源オフ時にクーリング運転がありますので、燃焼中のいきなりの電源断はNGです。バッテリー運用時や停電は気になる点ですね。
耐久性やシーズンオフのメインテナンスなどは、まだよく分かりません。
また、なにかあれば、レポートしたいと思います。