5月11日、気象庁は、「令和5年4月の地震活動及び火山活動」を発表しました。
北海道、東北、関東・沖縄以外は、「特に目立った地震活動はなかった。」となっていますが、決して安心できる状態ではないように感じます。
地域別に見ていくと
【北海道地方】
「特に目立った地震活動はなかった。」となっていますが、千島海溝、日本海溝付近での海溝型プレート地震の発生リスクが高まっており、地震活動も活発化している感じがするので、今後の活動状況に注意したいところです。
この他、上川地方北部での余震活動が、依然、活発な状態であると感じます。
【東北地方】
○ 4月17日に福島県沖で M4.8 の地震(最大震度4)が発生しました。
(上記期間外)
5月6日に青森県東方沖で M5.7 の地震(最大震度4)が発生しました。
東日本大震災から12年が経過し、新たなエネルギーの蓄積が考えられること、また、依然、高い地震活動状況にあると感じます。
【関東・中部地方】
○ 能登半島の地震活動が続いている状況です。
石川県能登地方では、4月中に震度1以上を観測した地震が 10 回(震度3:1回、震度2:1回、震度1:8回)発生しました。
このうち最大規模の地震は、6日に発生した M3.3の地震(最大震度1)です。
(上記領域外)
4月21日に父島近海で地震(最大震度4)が発生しました。
父島近海では、3月31日から地震活動が活発になり、3月31日から4月30日までに震度1以上を観測した地震が 20回(震度4:1回、震度3:2回、震度2:2回、震度1:15 回)発生しました。
このうち最大規模の地震は、3月31日に発生した M5.7 の地震(最大震度2)です。
(上記期間外)
○ 5月5日・14:42分に能登半島沖で M6.5 の地震(最大震度6強)が、同日・21:58には M5.9 の地震(最大震度5強)が発生しました。
石川県能登地方では5月1日から11日・08:00までに震度1以上を観測した地震が 94 回(震度6強:1回、震度5強:1回、震度4:4回、震度3:9回、震度2:29 回、震度1:50 回)発生しました。
○ 5月11日に千葉県南部で M5.2 の地震(最大震度5強)の地震が発生しました。
繰り返しになりますが、東日本大震災の際、宮城沖から始まったプレートの割れは、福島県沖、茨城県沖と進み、房総沖に達するかと思いました。
これが、フィリピン海プレートに阻まれる形で止まっています。
ここに溜まった歪が、どの様な形で放出されるのか、また、関東平野直下に存在していることが考えられるプレートの大きな破片(関東フラグメント)の不安定さが増していると考えられることから首都直下型地震に対する更なる警戒が必要と考えます。
【近畿・中国・四国地方】
「特に目立った地震活動はなかった。」となっていますが、南海トラフ関連では、低周波地震、スロースリップ等、依然、高い活動状況にあると感じます。
【九州地方】
「特に目立った地震活動はなかった。」となっていますが、南海トラフに関連する日向灘、大隅半島沖、また、天草・熊本方面の活動も活発であると感じます。
【沖縄地方】
○ 4月10日に与那国島近海で M5.0 の地震(最大震度3)が発生しました。
○ 沖縄本島近海では、4月27日から地震活動が活発になり、4月27日から5月7日までに震度1以上を観測した地震が8回(震度2:3回、震度1:5回)発生しました。
このうち最大規模の地震は、5月1日に発生した M6.4 の地震(最大震度2)です。
発表資料は、いつも通り、総括の他、各地域ごとの詳細、火山活動、また世界の地震、火山についての詳細に分かれて発表されています。
繰り返しになりますが、各地の地震の発生の仕組み、過去の地震活動について、詳細にレポートされていますので、今後の防災知識としても役立つと思います。
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Posted at
2023/05/18 03:47:12