サクラの納車1ヶ月の感想の続きを書く前に別の話題を。

時期外れの暑さだった昨日4月19日、やってきたのはファミリーマート千葉旭町店。
ここで行われていたのがこちら↓
ただご存じの通り、日本再展開後のヒョンデは店舗が少なく、気軽に試乗ということはできません。
・・・とwebページを見ていたら偶然今回の試乗キャンペーンを見つけ、その上千葉県での試乗会会場となっているファミリーマートも自宅から比較的近い! これはもう自分のためのキャンペーンと言っても過言ではない(いや言い過ぎだから(^^;) これは申し込みしない手はないぜ!
というのが1ヶ月くらい前でした(^^)
そしてついにきた試乗当日。予約時間の14時半の30分くらい前に到着。
2台のINSTERが待機。ともにグレードはLOUNGE。
試乗前の書類にサインしてスタッフさんと少し会話。すると、自分の前の時間帯は予約がなく、試乗を前倒しでスタートして良いと。これはラッキー! その上、試乗コースは一応設定されているけれど好きなように走って良いよ、ということでこれもラッキー!
自分はオレンジの方のINSTERをチョイスさせて頂き、まずは操作系回りの説明を受けました。
ちょっと感心したのは、ウインカーレバーとワイパーレバーの向きを日本に合わせてきたこと。あとナビはゼンリンのデータだそうで、このあたりも抜かりなし。「ウチの国のクルマが売れてねぇのは日本が悪い」とか言う前に、日本の事情に合わせる企業努力はしてるのかい、とツッコミされまくりだろうなぁ>某Tランプ氏、てな話しはさておき。
それと右側のウインカーレバーの下にあるのがギアのレバー
(公式ページより)
今まで体験したことないインターフェースでしたが直感的かつ合理的。特に違和感なくすぐに慣れました。理にかなった仕様だと思います。
ということで早速スタート!(助手席にスタッフさん同乗)
まず真っ先に感じるのがボディのガッシリ感。ドアを閉めたときの重厚な音とともに、内装の樹脂の質感ともども、方向性は完全に欧州車、もっといえばドイツ車のそれです。
そして足回りもゴツゴツ感は少なくしなやか。17インチのタイヤを履きこなして路面のザラツキ・凹凸をいなし、不快な振動も基本的にありません。
静粛性も高く、ロードノイズも最小限。
サイズはコンパクトカーですが、そのドッシリした走り味もあいまって、より上位のカテゴリを思わせる出来の良さ・質の良さにいっぺんに気に入りました。
ステアリングは結構太目ですが握りやすく、程よい重さ。パワステの味付けも自然で質感高いです。
肝心のEVとしての走行はスムーズで制御がよく練られています。ドライブモードを「スポーツ」に設定すると日産の「e-pedal」に相当する「i-pedal」が使用できます(回生ブレーキの強さも何段階かに調整可能ですがスポーツモードはデフォルトはMAX。ハンドルのパドルシフトでのマニュアル設定でも起動可能)。回生ブレーキが強くて最初戸惑いましたが、これも比較的すぐに慣れました(e-pedal車を運転しているヒトはすぐ慣れると思います。)INSTERの場合、i-pedalはゼロkm/hつまり完全ストップまでをサポートしているのも嬉しい仕様。(サクラのe-pedalは最後の最後はドライバーがブレーキペダルで停止)
スタッフさんと話しをしつつ、写真を撮りたかったので、いつものH公園に到着。
駐車スペースに停めて撮影しました。
日本人の目にはアクの強さは相変わらず・・・ですが、実車を間近でみると、カタマリ感のなかに独特の造形が非常にうまく練りこまれていて、長く生活を共にできそうなデザインの完成度の高さを感じました。
フロント・リアと比較してサイドビューは、比較的オーソドックス。
そこに変化を付けているのが、Bピラー回りのフロントとリアのドアで変えているデザイン処理ですが(フロントドア側はピラー根本のコーナーを曲線に、リア側はコーナーをスクエアに)、実車では思いのほか自然というか違和感がありませんでした。下のweb画像では結構、主張の強さを感じましたがボディカラーのせいかもしれません。
それとリアドアのノブはヒドゥン形式ですが、個人的にこのノブを採用した過去のモデルはいずれも使いにくく、デザイン性は高いけれど実用性は・・・という感想でした。
しかしINSTERのノブはノブを握りやすく、引き出しやすく、実用上問題ありませんでした。ノブの形状がシンプルで窪みのスペースを大きくとってある、などよく考えられています。その上のワンポイントのニッコリマークのお遊びとともに、非常にポイント高い箇所と思いました。
この角度からが良く分かりますが、リアのフェンダーとバンパーの処理が連続性をあえて設けていないですね。このあたりの処理も日本の国産車ではまず見られない特異な処理で好みの分かれるところかな。個人的には面白いと思います。
少し離れてややサイド寄りの角度から。この眺めが自分としては好みです。
そうそう、右左折時にメーター部に曲がる側の横後方が映し出される「ブラインドスポットビューモニター」機能、これは実用的でした。
(下はコナの同機能の画像です)
ということで土曜午後で道路が混んでいて距離はそれほど乗れませんでしたが、INSTER、非常に完成度高いクルマで、出来の良さを堪能させて頂きました。
■嬉しい装備
試乗車のLOUNGEは革シートが標準。
自分は革シートは大の苦手なんですよね。汗っかきなのでシートがぐっしょり、となってしまい、試乗のときは、毎度、販売店のスタッフさんに大迷惑かけてしまっています。
ところが、INSTERのLOUNGEは、シートヒーターとともに、ベンチレーションが装備されていました。
スタート前の装備の説明を受けているところからシートに触れているところが気持ちイイ!! 当日は異常な暑さでしたから、実用性も高く、大変助かりました。
高温多湿の日本にあって、革シートには真っ先に必要な装備と思いましたが、はてさて、これを装備している現行販売の革シート車ってどれくらいあるんでしょう(特にもっともこの国の気候を熟知している筈の国産メーカーのクルマ)。革シートにはセットで標準装備になって欲しいですね。
■自分が購入するとすれば
自分が選ぶとしたら中間グレードのVoyageで装備的にも十分満足。タイヤも15インチなのがむしろ好印象。
航続距離が400㎞以上あるというのは実用上、従来のガソリン車の感覚で使えるので、マイカーを1台のみ保有のご家庭にも現実味ある選択肢になってくるのではないでしょうか。
定員が4名ですが、5名定員でもフル乗車する機会が殆どなければ実用上の犠牲も基本的にはなし。
「生活を共にしてその充実度が上がること」が最優先条件の自分にとって、このINSTERというクルマ、正直ネガなポイントがありませんでした。
自分は「良いクルマ」であればブランドは関係ない人なので、サクラを購入していなかったら、コロッと契約に動いていたかもしれません。アブナイアブナイ(^^;
■アフターサービスも充実しているけれど・・・
そんなINSTERの唯一にして最大の問題は、やっぱりヒョンデの販売網の貧弱さですね。
千葉県の場合、もっとも近いディーラーは横浜になるそうです。(今回の試乗車も横浜からもってきているそうで)
そうなると購入後のメンテはどうなるんですかねぇ、と試乗ドライブしながら確認すると、スタッフ氏曰く「メカニックが横浜から取りにくる、て感じですかね」と。
殊にINSTERは電気自動車です。メンテが気軽に受けられないのは購入検討のうえで大きなハードルになるのではないかなぁ、と思います。
やはり各都道府県に1店舗くらいの直営店か、少なくとも代理店を設置するだけでも、ユーザーの拡大に大きな効果を産むのではないでしょうか。
前回の展開時には三菱が代理店業務を担っていましたが、日産傘下の今はそれも無理でしょうね。例えばテスラのディーラーに代理店業務を委託する、とか・・・は現実的に難しいのかな。
■かつてのあのクルマの後継?
以前のヒュンダイ日本展開時に試乗して衝撃を受けたのが、コンパクトカークラスのTBでした。
クリーンなデザイン、ボディの剛性感、足回り、シートの出来 etc スズキのスプラッシュの先を行く、まるでドイツ車のような味付けで、非常に出来の良いコンパクトカーでした。その上、車両価格もすこぶる安い。まさにコスパ最強のクルマで、当時、我が家でコンパクトカーを探していたら購入検討していたと思います。
今回のINSTERはコンセプトこそ違いますが、クラスは同じですし、全体のまとめ方からしてもTBの後継のように思えてなりませんでした(価格帯だけはまったく違いますが(^^;
その上、国産メーカーでは同カテゴリのEVモデルをリリースできていないなかで投入してきた意義も大きいと思います。
INSTERの出来が非常に良いだけに、販売網の弱さが台無しにしかねず、本当に勿体ないですね。
■サクラ vs INSTER
試乗終わって我がサクラをドライブすると・・・
INSTERに負けるかと思いきや、あらあら、結構互角なフィールで嬉しくなりました。
航続距離こそINSTERの圧勝ですが、その他のボディ剛性感であるとか足回りのしなやかさであるとか、ドライブフィールであるとか、軽自動車規格故キャパの点で不利なサクラですが、INSTERに勝るとも劣らない出来。
そして、走る・停まる・曲がるの挙動については、細部の煮詰めのきめ細やかさは、僅かにサクラに軍配が上がるかな、と。INSTERも基本的に高いレベルでまとめ上げられているので高次元での戦いですが、僅差でサクラが上回っているように感じました。このあたりが「制振制御」として長年培ってきた日産の一日の長だな、と。そのあたりで、全体の扱い易さで「(なぜかは判らないけれど)なんとなくサクラを好ましい」と思うユーザもいるかもしれません。クロスオーバールックが良いとなれば、(航続距離が気にならなければ)ekクロスEVを選択する、ということもできます。
とまぁ、とにもかくにも収穫の多い試乗会イベントでした。BYDなどほかのメーカーも企画されたら、ぜひ参加してみたいものです。
■BYDといえば
そうそう、BYDといえばこのカテゴリの「シーガル」というどストライクのモデルがあるのに、INSTERに先を越された格好。今からでも導入してこないかなぁ、と思ったりもします。
(シーガルの試乗記は例えば
こちらをご参照ください)
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Posted at
2025/04/20 18:13:59