2024年9月14日~16日、3連休を使って国道152号の浜松~茅野を縦断する旅に出ました。
ツーリングのお供はいつもの原付2種スクーターのBW'S100です。
全3日間の行程ですが、
1日目は夕方15時30分に出発し静岡県の富士市で1泊し、
2日目は浜松まで移動し国道152号を縦断の後、山梨県甲府市で1泊、
最終日は埼玉に帰るだけとなり午前9時に帰宅する2泊を含むツーリングです。
1日目【9月14日】
15時30分。埼玉の自宅を出発し国道16号内回りを進みます。八王子や橋本付近で渋滞に巻き込まれながら道志みちに入る前のガソリンスタンドで給油。

ENEOS 青山SS
道志みちのコンビニで小休憩。日が完全に暮れてこの先は暗闇の山道が続きます。
山梨県に入り、道の駅どうしに立ち寄るも直ぐに出発。
山中湖に出た後、篭坂峠を越えて静岡県入り。
国道469号に入る手前で大雨に遭い急いでレインスーツに着替えるも一瞬で濡れてしまいました。
雨の夜間走行は視界が悪く非常に走りにくいです。

県道24号は雨プラス濃霧
21時ちょうどに静岡県富士市にある快活CLUB「富士青葉店」へ到着。
快活CLUBの利用は今回が初めてで、リーズナブルに一泊できました。
移動日となる1日目は終了です。
1日目の走行距離は約149km。
燃費とルートマップはこのブログ最後に記載します。
2日目【9月15日】
2日目の行程は浜松まで進み、国道152号を北上するルートです。
雨雲レーダを確認しつつ空の様子を見に行くと昨夜からの雨が続き、待っても止みそうにないため6時に出発。
国道1号で富士川を渡ると左手に太平洋が見えてきます。この付近、車の流れが非常に速い。
由比港を過ぎたところで、東海道の旧道へ入りさった峠を目指します。

さった峠展望台駐車場
さった峠の展望台への道は工事中のため入れませんでした。

今回行けなかった展望台からは、国道1号のほかに東名高速道路とJR東海道線が見えてこの場所が交通の要所となっていることがわかります。
道の駅 宇津ノ谷峠で朝食休憩。

しぞ~かおでん

大根とイカ姿串、たぬきおむすび
天神屋 道の駅宇津ノ谷峠下り店
営業時間:7時00分~19時00分
https://utsunoya-touge.com/s_taberu
東海道の宇津ノ谷峠はトンネルがいくつかあり、平成と昭和の時代に作られた現道の国道1号岡部バイパスにある新宇津ノ谷トンネル上下線各1本、大正時代に作られた旧国道1号の宇津ノ谷隧道、明治時代に作られた宇津ノ谷隧道の計4本がある。
明治、大正のトンネルはどちらも藤枝側の斜面崩落のため通行止めでした。残念。

1876年に我が国初の有料トンネルとして開通した「明治宇津ノ谷隧道」
初代の隧道は失火によって崩落したため現存する隧道は二代目宇津ノ谷隧道
斜面崩落で通行止めでしたが9月19日に通行止め解除されたようです

1930年に開通した自動車の対面通行が可能な宇津ノ谷隧道
幅員が7mあり当時として非常に広い
着工が大正時代なので通称「大正トンネル」と呼ばれています
この先、ルート上にバイク屋さんやホームセンターがないので、
国道152号に入る手前のホームセンターでエンジンオイルの補給。
本田宗一郎ゆかりの地である浜松市二俣より国道152号と合流し北上開始。天気も回復。
天竜川に沿った道はセンターラインのある2車線の快走路。交通量も減り気持ちよく走れます。
走りやすい道も天竜川から逸れるといつの間にかに細い道となり、これから山岳地帯へと踏み込むように山深くなります。
山奥に鉄道が敷かれていてビックリ。
JR飯田線の相月駅を見つけ小休憩。

トンネルに挟まれた無人の「JR飯田線 相月駅」
国道152号をさらに進み水窪の町を過ぎると長野まで大きな集落はありません。
水窪にはガソリンスタンドが2件ありますがどちらも日曜日は営業していませんので注意が必要です。この日は日曜日で事前に調べると、ガソリンスタンド空白区間は83kmでBW'S100の燃料タンクでも大丈夫。
集落を過ぎた道はさらに細くなり、国道152号は日本列島を横断する断層「中央構造線」と絡み合うように長野の茅野まで続きます。この先国道152号の不通区間である青崩峠方面に向かってBW'Sを走らせます。
幾重のカーブを抜けると、山奥に突然現れる高規格な2車線道路。

水窪北インターチェンジ(仮称)跡
ここは以前自動車専用道路であった場所で、延長1,331mの草木トンネルと草木インターチェンジ跡までの約2.8kmが高速道路として開通しました。
私が持っているもっとも古い地図には、
”自動車専用道 125cc以下通行禁止
125cc以下のバイクは青崩峠方面へ” ツーリングマップル2004年版より
との記載があります。
現在では一般道化され原付も走行可能です。
ここは、かつて存在した三遠南信自動車道の旧道で、高速道路から一般道路へ格下げされた非常に珍しい道路です。

引用元:Wikipedia「三遠南信自動車道」
元高速道路を100ccのスクーターで走り抜けます。
【少し解説】
”あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退
峠までは徒歩で
青崩峠” ツーリングマップル2004年版より
三遠南信自動車道は中央構造線の非常に脆い地質により、当初計画されたルートを掘削することができなくなりました。そこで計画変更により先に開通した草木トンネルは三遠南信自動車道のルートから外れ、一般道へ格下げされた旧高速道路として残っています。
現在は新しいルートで青崩トンネルの開通に向けて工事中です。(トンネル本坑は2023年5月に貫通済み)
この青崩峠は国道152号に指定されていますが、現在でも自動車やバイクで峠を越えることができません。不通区間となっていて長野へは徒歩でのみ通り抜け可能。
県境を越えるための迂回路として兵越林道が青崩峠の代わりを担っています。

兵越林道の兵越峠で長野県入り
兵越峠を長野県側に下ると、国道152号と再び合流し飯田市遠山へ。

国道152号の青崩峠側を振り返る
工事区間を抜けると線形改良されたバイパス区間で2車線道路が復活します。

道の駅 遠山
13時前に旧木沢小学校へ到着。1932年に建てられた木造校舎が残ていて内部を見学できます。

廃校となっても人が集う旧木沢小学校

気になるインフォメーション「オートバイ125cc以下うかい路」
見学していると、スタッフの方に声をかけていただきお茶をご馳走になりました。一緒に朝購入した総菜パンで昼食としました。
地図を片手にこの先の茅野方面へ抜けるルートを確認、
この先地蔵峠を越えて大鹿村に入るためには、
いくつか案があるが、、、
① 国道152号は不通区間によりそもそも地蔵峠までの車道がない
② 国道を迂回する蛇洞沢林道は地蔵峠手前で災害により通行止め
③ 最も一般的な迂回路である矢筈トンネルは自動車専用道のため通行不可
④ 国道256号は不通区間があり車両通行不可により迂回路にならない
⑤ 頼みの綱、県道251号赤石隧道までの道は災害により通行止め
①から⑤までは通行できない。残るは、、、
⑥ 来た道を戻り国道418号で天竜峡や飯田市街を通る確実なルート
⑦ 学校に掲載されていた千代峠(林道?)を通るルート
⑦は今年3月に新しく開通した林道千遠線のようで、事前調べで出てこなかったルートです。
お茶を出していただいたスタッフに大鹿村まで北上できる道を尋ねると、
なんと、
「車は通れないけどバイクなら通れる。」とのこと。
良い情報をゲットし、先ずはBW'Sを給油するためこの付近で唯一日曜日営業のガソリンスタンドがある上村へ出発。

旧木沢小学校よりツーリング再開。

アポロステーション 上村SS
スタンドのスタッフにこの先の道を尋ねると
なんと、
「地蔵峠までの道は、完全に崩落していて今でも全く通り抜けできない。」とのこと。
引き返すほかのルートが断たれてしまいました。
⑤の、県道251号入口まで足を運ぶと全面通行止めの案内。

県道251号(調べると、橋梁補修のほか法面崩落もあるようです)
仕方なく、旧木沢小学校まで戻り
気になっていた⑦の林道千遠線を走ってみることに。

タイヤが良い仕事をしてくれます。

だんだんと道が荒れてきますがゆっくり走れば問題ないレベル
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倒木で行く手を塞がれる

落胆し国道まで引き返す

ゲートクローズ

林道入口には通行止めゲートがありましたが、
旧木沢小学校掲載のおすすめルート上には通行止め情報がありませんでした。
⑥の確実な迂回ルートで、大鹿村を目指すため一旦国道152号から離れます。
一般的な矢筈トンネルを通る③のルートだと1時間15分(約60km)のところ、
迂回を重ね3時間30分(約110km)をかけて大鹿村へ到着。
国道152号に無事復帰し、大鹿村中央構造線博物館へは17時30分に到着。
博物館の開館時間に間に合いませんでした。残念。
大鹿村中央構造線博物館
開館時間:9時30分~16時30分
休館日 :火曜日、年末年始(12/28~1/3)
https://mtl-muse.com/

中央構造線を跨ぐBW'S100
道の駅 歌舞伎の里大鹿へは売店営業時間内に到着。
お土産品だけでなく日用品も扱うコンビニ的な道の駅で、
閉店間際に国道ステッカーやお土産のほかに、お惣菜を購入して暫し休憩としました。
道の駅 歌舞伎の里大鹿
営業時間:
売店 9時30分~18時00分
レストラン 11時00分~14時30分(ラストオーダー 14時00分)
詳しくはHPを参照ください
https://kabukinosato.com/

親切な地図付きの道路情報マップあり
この先、国道152号の通行止めは無し。一気に茅野まで行けます。
18時を過ぎて、出発するころにはすでに真っ暗。おまけに日中は降らなかった雨が、、、
今日の目的地を山梨県甲府に設定し、暗闇の国道152号を走り抜けます。

18時40分 国道152号 分杭峠
ゼロ地場で有名になった分杭峠ですが、特に体感できるものはありませんでした。
国道152号分杭峠では、災害工事のため10月31日までの8時~12時と13時~17時の間、時間全面通行止めです。通り抜けの際は注意してください。
市野瀬集落まで下ると道も広くなり、杖突峠を越えて国道20号に入ったのは20時前。
給油を済ませ、甲府まで一気に走り抜けて2日目の泊地である快活CLUB 甲府上阿原店へ21時20分ごろ到着。
2日目の走行距離は約452km。
燃費とルートマップはこのブログ最後に記載します。
3日目【9月16日】
3日目の行程は山梨県甲府より埼玉へ帰宅するルートです。
朝5時、空は厚い雲に覆われていますが雨は降っていません。
甲府からのルートは、国道20号を使う道と国道411号を使う道に分かれます。
雨が降らなければ交通量が少ない国道411号を選択しますが、走り出してすぐに黒い雨雲を見て国道20号を選びました。

道の駅 甲斐大和
道の駅到着直前で雨に打たれました。レインスーツを着てすぐに出発。
延長2,953mの新笹子トンネルを抜けると目の前に朝日が射していました。

トンネル笹子側出口

振り返ると黒い雲をバックに虹

東の空は晴れていそう
大垂水峠を越えて八王子市街に入ると再び雨に。
最後の最後でレインスーツに着替えて国道16号を使い帰宅しました。
3日目の走行距離は約120km。
3日間すべての走行距離は約721km。
平均燃費は25.7km/l。
※ 今回もルート作成機能で軌跡を一部再現しています。そのため実際の走行軌跡と異なる部分があります。