
ついに今シーズン最後の走行となったNew Hokkaido GT最終戦。
天気が心配されたが、当日は見事なまでの秋晴れとなり、シーズンを締めくくるには最高のコンディションとなった。
今回は祝日での開催のため前泊ができず、当日朝にピットクルーをお願いしたNoieクンをピックアップして十勝入り。
しかし、今回はちょっと思うところがあった。
11月にサーキットを走るというのは実に5年ぶり。
最後に11月を走ったときは、前の156をクラブマンコースの3コーナーでクラッシュさせてしまった。
そんなこともあり、今回は何はさておいても「無事に帰る」ことが最優先だ。
タイムも順位も気にしない。
無事に終えることで、ネガティブな過去にケリをつけるのだ。
それに今回は、さらに慎重にならざるを得ない事情がある。
ブレーキもタイヤも「ギリギリの状態」だった。
先週末に左前後のタイヤローテをしたときに、
フロントに履いていたタイヤの状態を見て考えてしまった。
もっともコンパウンドがソフトなセンターのラバーが剥離してしまっている。
グッドイヤーのときもセンターが摩耗していたことはあったけれど、
ここまでハッキリと剥離するようなことはなかった。
もちろんこのタイヤはリアに移動した。
もっとも負担のかかる左フロントにはミゾが残っているタイヤを入れたが、
タイヤ全体で見たとき万全でないことは確かだ。
【フリー走行・予選】
good-eyeさんとJJ.さんが応援に駆けつけてくれて、
ピットの雰囲気も盛り上がる中、まずはフリー1本目。
秋晴れとはいえ、やはり気温が低い。
コースインしていつも通りに走り出すものの、
タイヤもブレーキもいつもと違う。
1コーナーではフロントが暴れ、ブレーキもジャダーが出る。
当然、それらがタイムにも表れパッとしない時計しか出ない。
予選では少し症状は改善されたが、
どう頑張っても先日のE&Wで出したシーズンベストに1秒近く及ばない。
冷静に考えればやむを得ない部分もあるが、
今シーズン最後の走行ということを思えば少々悔しい。
結局自己ベストの1.5秒落ち、シーズンベストの0.7秒落ちで終了。
【決 勝】
このまま無事に走り終えれば、EURO2のタイトル確定となる。
(エントリーしてるのは自分だけだが)
とはいえ似たようなタイムの人が他に2人いるので、
そこは緊張感を持ってグリッドについた。
前にいるBRZさんはフリーで好タイムを出している。
今回は少々分が悪い・・・一方で後ろのサラリーマンNEOさんはメキメキとレベルアップしてきている・・・ワンミスで前に出られる可能性が・・・
等と考えながらシグナルを凝視する。
久々にスタートが決まった。
無理して前には出るまいと思っていたが、BRZさんの前に出ることに。
さらに前を走るセリカのSさんも抜ける勢いだったが、
すぐに邪魔をしてしまうと判断しアクセルを抜く。
そこからはもうひたすら全力で走った。
もちろんミラーでBRZさんとサラリーマンNEOさんの距離も確認しながら。
前述のとおり、タイヤもブレーキも万全でないため
人間まで万全ではなくなっている。
ところどころでミスをしてしまう。
せっかくスタートの良さでリードしたのに、徐々に2台に詰められる。
しかしBRZとセリカは接近戦となっており、
そのおかげでレース後半は徐々にこちらのリードが再び広がる展開に。
そしてチェッカー。
予選よりひとつポジションを上げてのフィニッシュとなった。
【10周年記念レース】
いつもならこれでレースは終了、
同時に自分にとってのシーズンも終わるはずなのだが、今年は違う。
「NHGT10周年記念レース」というのが行われる。
これは事前にアナウンスされていたものなので、
私はGPコースを走れるのではないかと期待していた。
しかし私の淡い希望は叶わなかった。
つい先ほど終わったばかりの決勝レースが7周だったのに対し、
10周年レースは10周走るというものだった。
これでクルマが万全なら嬉々としてレースに臨むところなのだが、
ブレーキもタイヤももうイッパイイッパイ・・・
でもやっぱりレースがある限りは走ることに決めた。
コースオープンになるころにはもう日が傾いていた。
今度はグリッドスタートではローリングスタートとなった。
かつてNHGTのシリーズ戦でも「予選レース」というのがあったとき、
このローリングスタートでレースをしたことがあったな・・・。
その経験が役に立ったかどうかは不明だが、
スタート直後、またしてもBRZさんの前に出てしまった。
しかし今度は1コーナーでBRZさんに見事な大外刈りを決められ、
予選通りのポジションになる。
そのあとは後方のセリカに注意しながら周回を重ねる。
前にはBRZさんのテールは見えるが、とても追いつけそうにない。
ならば色々と走り方を試す機会と考え、
考えながら走ってはみるもののタイヤとブレーキがこの状態では
かえってグダグダになるばかり。
やはり道具が万全な状態でないと、試行錯誤ができないと実感する。
それでもなんとかポジションキープでフィニッシュ。
今度こそシーズン終了となった。
すっかり秋の景色となった十勝スピードウェイでの今シーズンが終わった。
クルマも人間もなんだかグダグダな感じだったけれど、
無事にシーズンを終わることができたのだから良しとしよう。
それに、今シーズンは特別、、いや特殊なシーズンと言うべきだろう。
コロナショックのままシーズンが始まり、
未だに収束の気配が見えないどころか状況は悪化している。
特に北海道はこれまででもっとも悪い状況だ。
そんな特殊な状況下で走れただけでもありがたいことなのだから、
結果に四の五の言うのは贅沢というものだ。
でもやっぱり続けるとイイこともあるようで、
表彰式ではなんと「2020NHGTシリーズ総得点」で2位入賞!
副賞もたくさんいただいちゃいました。
来年のことは誰も分からないだろうけれど、
なんとか例年通りのシーズンになってほしいと願うばかりだ。
自分にとっての2020シーズンは終わったが、
すでに来シーズンに向けてモチベーションは上がっている。
まずはみなさん、ありがとうございました!
Photo by good-eyeさん