ミヤコ自動車工業 TS-104P
先般、エイリアンテックHPのブログにエンジンブローの報告があり、自分の愛車と同じ仕様のブローなのですごく気になりました。
気になる方は下記URLを参照ください。
https://alientech-japan.com/cat-blog/6690/
原因の説明では、何らかの機械的な原因によって、瞬間的に水温が尋常じゃないレベルまで急激に上昇し、ガスケットが抜けてしまってのブローのようですとされています。
この現象、自分も体験しておりまして、幸いエンジンブローには至っておりませんが、どういった状況かというと、現仕様にて高速道路を巡行中、車を数台追い越すため、5速でフル加速と減速を数回繰り返した直後に瞬間的にエンジン水温が130℃近くまで上がっているのが最高エンジン水温(タッチブレインOBD2表示)として記録されていたのです。
追い越しを終え、速度を落として気がついた時には、すでにエンジン水温は95℃になっていたので、ほんの数秒間の水温上昇だと思います。
なんで?と思ったのですが、素人なりに考察すると、パワーアップによってエンジンの発熱量が大きくなっていることと、高速道路の巡行でラジエターが冷え、サーモスタッドが全閉になっているときにフル加速したことで、エンジン内水温が急激に上がり、サーモスタッドが慌てて開き始めますが、開く速度はゆっくりなので、水温上昇に間に合わず、急激にエンジン内水温が上昇したのでは?と考えました。
注:ラジエターホースやラジエターに取り付けるタイプの水温センサーは、ラジエターの水温を表すので、エンジン内部の瞬間的な異常水温は計測されない可能性が高く要注意です。この異常水温を検出するには、OBD2接続などでエンジン内水温が計測でき、できればピークホールド機能があったほうが良いと思われます。
エイリアンテックでは、対策としてミドルテンプのサーモスタッドやラジエター交換が紹介されていて、その中で、このエンジンの最も効率がいい温度が90~95℃とされています。
以前、RRPのミドルテンプサーモスタッドを装着していたのですが、大容量ラジエターを装着していることもあり、通常走行時に75~82℃くらいで、開弁温度の79℃を基準に上下するため、通常走行では頻繁に80℃以下となり、あまり良くないと思ってすぐにノーマルサーモスタッドに戻していたのです。
そして、今回のブローが怖くなり、もう一度サーモスタッドを検討しようと思ったのです。
たしか20年程前には82℃で開くサーモスタッドが主流だったのを思いだし、使えそうな物がないかと探してみたところ、旧型のエブリイやジムニーに使用されているサーモスタッドがZC33Sと同じ大きさで使用できそうなのでモノタロウで購入してみました。
購入したのは、ミヤコ自動車製 品番TS―104Pです。
【諸元と価格の比較】
(ノーマル) 88℃ ― 100
約1500円
(RRP) 79℃ ― 90℃
約4400円
(TS―104P)82℃ ― ?
約1300円
※全開時のリフト量はすべて8ミリです。
鍋で炊いて作動状況を確認します(笑)。
ついでにノーマルやRRPも入れて、作動状況を比較してみてみました(下記画像参照)。
(ノーマル)
沸騰してしばらくしないと全開にならず、開弁してから鍋から出すとすぐに閉じてしまいます。
(RRP製)
一番早く全開になりますが、ミヤコ自動車工業に比べると全開時の隙間が狭い感じがします。
(TS―104P)
RRPが開き始めてから、しばらくすると正常に開き、沸騰前に全開になりました。
※TS―104Pと同じ型のサーモスタッドは多摩興業製もあり、品番W44DX―82Pです。
スズキ純正のパーツNOは、ミヤコ自動車のカタログによると、17670-76G00(50G00)のようです。
【取り付け】
下記のURLから整備手帳を参照ください。
【効果など】
走行すると、通常走行時はサーモが開き始める82℃を基準に上下していて、この時期では79~85℃くらいで安定します。
1回だけ、3~4速フルブースト時に90℃近くまで瞬間的に上がったりしましたが、サーモがすぐに開き84℃くらいに下がります。これが、もっと負荷のかかる5~6速でのフル加速だと100℃くらいにはなりそうです。
通常走行では、もう少し高い水温の方が、効率がいいと思いますが、瞬間的に大きく水温が上がる現象が怖いので、フルブースト時に最も効率が上がる水温域になればいいかとも思います。
また、数百キロ走行した感じでは、燃費などに影響が出ている感じはしないので、もう少し様子を見ようと思います。
夏場で走行してみないとわかりませんが、自分の使用状況では、ノーマルラジエターとこのサーモスタッドの組み合わせが一番いい感じになりそうな気がします。今後はオーバークール対策も検討していこうと思います。長文になり申し訳ありません。
PS:大容量ラジエターをつけて、オーバークール対策、、、ノーマルラジエターに戻そうかな、、、。
【後日R06.8.9更新】
冬場、夏場と使用して概ね79℃〜86℃で安定しています。
やはり水温変化は開弁温度82℃を基点に上下している感じで、夏場で時折り89℃くらいになりますが、問題の高負荷時の異常な水温上昇は確認できないので良かったと思います。
一方で、燃費は約1キロくらい悪化している感じです。
水温が90℃を超えないので少し燃料を多めに噴射しているのでしょうね。
まあ、ブローの心配をしながら走行するより、いいと思います。
【後日更新R07.5.31】
もう一つ気がついたことがあります。
今まで気にしていなかったのですが、前回のクーラント交換から5カ月が経過していますが、クーラントが減らなくなりました。
少しは減っているのでしょうが、明らかに減りは少なくなって、5カ月くらいでは継足しは不要となっています。
【関連投稿】
(サーモスタッドの交換作業の詳細)
https://minkara.carview.co.jp/userid/3254190/car/2937744/7593312/note.aspx
(ブリッツレーシングラジエターのパーツレビュー)
http://minkara.carview.co.jp/userid/3254190/car/2937744/11773566/parts.aspx
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購入したミヤコ自動車製 品番TS―104P
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A寸 44ミリ、B寸 36ミリ、C寸 26ミリです。
※画像は、多摩興業カタログから引用
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左からRRP、ノーマル、ミヤコ自動車製です。
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鍋で煮てみました(笑)
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鍋から出した直後です。左のRRPと右のミヤコ製はほぼ全開、真ん中のノーマルはすぐに閉じてきます。
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82℃の刻印
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サーモ交換後、通常走行後(距離30キロ程度)、アイドリング継続3分後の表示
購入価格 | 1,400 円 |
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入手ルート | ネットショッピング(その他) |
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