まだ残暑が残る秋晴れの午後…
俺はあてもなくビートを走らせていた(^^)
そろそろ紅葉始まってる…?
景色のいい山の方へ行ってみるか…
ちょうど函館山の反対側の山へとビートを走らせた。
山の麓のコンビニで缶コーヒーを買い、ついでに駐車場で幌を上げオープンにして出発した(´ε` )
缶コーヒーをチビチビやりつつ山頂を目指す。
急角度な細い坂道をビートは甲高い排気音を響かせぐんぐんと登っていく…
山頂には大きな展望駐車場があり函館の街を一望できる。少し神戸の雰囲気に似ている気がした…俺はここからの景色が好きだった^_^
山は少し色づいてきてはいるが紅葉を楽しむのにはまだ少し早いようだ。
2、3枚スマホで写真を撮り俺はビートに乗り込んだ。
展望台からの景色を楽しんでいるカップルや家族連れを横目に駐車場から出ようとした時、登ってきた道が駐車場を越えてまだ先に続いているのがわかった。
俺の記憶ではてっきりこの駐車場で行き止まりだと思ってた(-.-)
(まだ先があるんや⁉どこに続いてんのやろか…?)
俺の中の好奇心がムクムクと頭を持ち上げた。
駐車場を出て左右に分かれるが右の道には行ったことがない。
小さな冒険のような気持ちで俺はハンドルを右に切った。
起伏のなだらかな見通しの良い山道を抜けると牧草地帯が目の前に広がった。
(うわ〜 北海道らしいなぁ〜 あっ、牛! ゚д゚)
周りを見渡しながら初めて走る道を観光気分で流していた。
やがて長い直線道路となりその先は二手に分かれていた。
(もうちょっと行ってみたいからとりあえず右に行こ)
道は細くなったがアップダウンが続くミニ六甲みたいなワインディングに俺は夢中になった(気分はイニB 笑)
やがて下りになり下りきった先は三方向に分かれていた…(^_^;)
(まぁ こういう時はたいがい真ん中が正解やで^o^)
自信満々に真ん中の道を進んでいく…
100mも行かないうちに通行止めのマークがみえた(泣)
あわててバックで引き返し
「右、右、右、右ィィィーーーーーー!!」(オラオラオラーーー!!)
いちばん右の道を選んで
(これで間違ってたら俺は一生貧乏くじ!)(´;ω;`)
とか思いながら走ってると、どうやらどこかへ続いているらしい(貧乏くじセーフ!)ε-(´∀`*)ホッ
とにかくもう戻るのはしんどいからこの道がどこかに続いててほしい…
そしてまた道が分かれる…(・・;)
(行き先ぐらい書いとけや!)ヽ(`Д´)ノプンプン
(これやから○館市は!)←正解:○斗市
そんなことを思いながら
「左…と見せかけて右ィィーーー!!」
とフェイントをかけながら右へハンドルをきる。
するとまた広大な牧草地に出た…
とたんに牛糞のかほりがオープンカーの車内をかけめぐる(^o^)
(これを臭い思うたらアカン!これが土を肥やし、農産物を… を… )
「クッサァァーーーーー!!!」←!?
ちょっと言えないスピードで牧草地帯を走り去り、その先に出ているであろう道先案内の看板をさがした。
道は遥か先まで一直線…(かほりは消えた)
看板なんか無いやん……
「オ〜ハニィ〜〜♪俺はどこへ走ってゆくのか〜〜♫(^ρ^)」
とか口ずさんでる場合ではない(;´∀`)
これひょっとして大沼まで抜けちゃう?やっぱり遠くても引き返した方がええ?すれ違う車が無いってことは最悪行き止まり!?あれ?今日俺ビール冷やしたっけか??
いろんなことを考えながらひた走る…
ふと気づくと後ろからかなりの速さで近づいてくる車がいる。
「これは…」
俺はハザードを炊いてビートを左に寄せスローダウンした。
サンキューハザードを出しながら勢いよく追い抜いて行ったのは白いレクサスだった(多分GS)
(この車でまさか山に上らんやろ…函館ナンバーやったしこの道をよく知ってるヤツやな。俺の推測ではコイツに付いていけば国道に出ると見た!)
という勝手な憶測でついて行ってみる事にした(秘技ストーカー走行)
「何⁉コイツ速い⁉」(アムロ風)
さすが大排気量車。
直線ではみるみるうちに離される… (汗)
でも、ここ「山道」なんだよねぇ~~(・∀・)ニヤニヤ
下りのカーブではビートの方が速い! 少し追いつく…
が、やっぱり離されるるる〜〜(;´Д`)〈まぁ そだわな
そして白いレクサスは見えなくなった(タマちゃんなら勝てるのに)
「チキショーーーー!!」٩(′д‵)۶ (太夫風)
せめて… せめてビッちゃんにナビがあれば… ( TДT)
…… ……
…… ( ゚д゚)ハッ!
あるやんけ!あるでしかし!(゚д゚)〈ナビタ~イム‼
俺はすっかり忘れていたズボンのポケットからスマホを取り出した…
(もっと早く気づけよな、俺!普通気づくよな、俺!そんなとこもかわいいな、俺!)
……
……………
……………………電波無いがなしかし(泣)…………………
…(どんだけ山奥やねん)( ゚д゚)ポカーン
さあ、気を取り直して!冒険の続きやで〜〜~!! 出発〜〜~!!(ノД`)・゜・
日が傾いた知らない山道をまた走る…
道の先は急な上り坂になった。
(また上りってか…わかった、わかった。今日はトコトン付き合ったるわ!はぁ〜 これが初デートとかやったらフラレとるで( ´Д`)=3)
上り坂を上りきった先が急に開けた。
「○○○カントリークラブ」(マアムではない)
大きな看板が立っていてその向こうはゴルフ場になっていた。駐車場にはけっこうな台数の車が停まっていた。
その中には先程追い越して行った白いレクサスも停まっていた。
俺もその中にビートを停めてゴルフ場の看板を見に行った。
看板には周辺の地図も描かれていた。
その地図は元来た道からゴルフ場までで終わっていた…(約20㎞)
(また戻らんとアカンのか…しかし)(;^ω^)
ふとさっきの白いレクサスを見ると喪黒福造!?みたいなオヤジが車のトランクからゴルフバックを降ろしていた。
俺は近づき福造に声をかけた…
「あの…すいません…国道に出て函館方面に行きたいんやけど展望台の方までまた戻らんとアカンのですか?」
怪訝そうな目で黙って俺を見ていた福造はおもむろに人差し指を……
……「看板」にむけて指しこう言った……
「すぐに出れますよ。左側に小さく書いてある赤い矢印の先ですよ」ニッコリ
その指の先の看板をよく見てみると現在地(ゴルフ場の駐車場)の左横ギリギリのとこにめっちゃ小さい赤い矢印の先に国道の表記があった。
「ドーーーーーーン❕」
されると思って一瞬引きつった俺だが
「あー、ほんまや~(^_^;)すいません、ありがとうございます」
とお礼を言ってビートに乗り込んだ。
走り去る時にルームミラーで後ろを見ると福造がレクサスの横でニヤニヤしながらこっちを見ていた…
(不気味なオッサンやけど親切な人やったな~)
ゴルフ場の駐車場を出たらすぐに国道までの案内標識があった。
山道を10分ほど走ると見覚えのある国道に出た。
俺はホッとしながら飲みかけのぬるくなった缶コーヒーに口をつけた。
(いろいろあったけど新しい道覚えたし収穫あったな~早よ帰ってゆっくり風呂にでも浸かりたいな~)(^ω^)
そんなことを考えつつ甲高いビートの排気音を響かせながら家路についた…
オレンジのような大きな夕陽が今日の小さな冒険を讃えていた…
<後日談>
ちなみに後で調べてみたら迷った三叉路の正解は左だったようです…(貧乏くじ言うたヤツ前に出ろ)('Д')
なんかすぐに国道に出るみたいやな~~~
ホ~~~ッ ホッホッホッホ...(´◉◞౪◟◉)