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タツ1016のブログ一覧

2022年05月21日 イイね!

小悪魔の懺悔 最終話😈💧そして…<again>

小悪魔の懺悔 最終話😈💧そして…<again>「うわーーーーーーーーっ‼」

突然のおっちゃんの怒鳴り声に俺は腰を抜かしそうになりながらも悲鳴を上げて走って逃げた。

家の玄関に靴を脱ぎ捨てランドセルを投げ自分の部屋に転がり込んだ。

さっきのは何?冗談?それともとうとう俺にブチ切れた…⁉

俺は部屋の壁にもたれ肩で息をしながら今までの事を思い出してみた…

(いや、タンクに虫を入れたのはおっちゃんは知らんはずや…誰も見てなかったはず・・・まさか・・)


「コロちゃん⁉」←(笑)


(いや、いや、いや、それはないわ~ ^^; せやけどなんでわかったんやろ?)


それはもちろんバイクの調子が悪くなったおっちゃんがタンクを調べたからであって、今ならそれが分かるがその時の俺には不思議でならなかった。


それよりいつも優しかったコロちゃんのおっちゃんがあの時なぜ豹変したのか俺にはわからなかった(お前呼ばわりされたのはショックだった…涙)


それからはまたおっちゃんの家の前を通らない生活が始まった…

コロちゃんの散歩もすっかり行かなくなって俺もどこか寂しい気持ちでいた…

あの日からバイクも停まったままである。


一月ほど経ったある日の夕方、家の前でソフトグライダー(駄菓子屋の飛行機)を飛ばして遊んでいるとコロちゃんのおっちゃんがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。おっちゃんは手にビジネスバッグのようなものを持ち、スーツを着ていた。

「タッちゃん、久しぶりやな、元気か?」

久しぶりに見るおっちゃんは少し痩せていて一回り小さくなったように見えた。

「ああ、おっちゃん。こんにちは…」

そう言った俺はあの日のことを思い出し下を向いた…(._.)

「お母ちゃんおるかなぁ?」  

「うん、おるで」

「ああ、良かった。ちょっと寄らせてもらうわな~」


俺の家に行こうとするおっちゃんに

「あの、おっちゃん…」

俺はホントはバイクに虫を入れたことを謝りたかったが、あの日のトラウマが蘇り思ってたことと全く関係ない適当なことを口にしてゴマカシた…

「おっちゃん、あの…コロちゃん元気⁉(^_^;)」

「ああ、コロなぁ… 病気やねん…(-_-)」

「え…⁉(´゚д゚`)」

「ま、まぁ そんな心配ないわ。すぐ良くなるで」

「そ、そうなん?かわいそうに…コロちゃん…」

「今は家の中に上げとうから会われへんけど、元気になったら小屋に戻るからまた散歩につれていったってな、タッちゃん(^.^)」

「うん、わかったで、おっちゃん(^○^)」




そう言っておっちゃんは俺の家に入っていった。どうやら新しく町内会長に任命されたあいさつ回りの様だった。


その後もやっぱりなんとなくおっちゃんの家は近寄りがたく避けていた(^_^;)


でもコロちゃんの事はずっと気がかりだった…


それからまた一月ほど過ぎたある日…


商店街で買い物を終え帰ってきたオカンが台所で買ってきたものを袋から出しながら…


「あ、そういえば八百屋のおばちゃんに聞いたけどコロちゃんのおっちゃん一週間くらい前に入院したみたいやで。最近すごいやつれてたもんなぁ~かわいそうに…」


「ウソやん⁉(゚д゚)!」


俺はダッシュで家から駆け出しおっちゃんの家に向かった。ずっと避けてて久しぶりに来たおっちゃんの家。ドアはキッチリ閉ざされ、玄関のポストには数日分の新聞がそのままになっていた。


コロちゃんの小屋は屋根がはがれ、飲み水が入っていた銀色のボウルも泥が付いたままひっくり返り、主を失った小屋から伸びた青いリードが悲しげに地面に横たわっていた…


そして久しぶりに近くで見たバイクは所々錆び、かごの中には無数の落ち葉が積もっていた…


「ウソやん…(´;ω;`)ウッ…」


俺はただ立ちつくすしかなかった…



夕日があたる遠くの山から寂しげに鳴くひぐらしの声が聞こえてきた…



少し高くなった空が夏の終わりを告げていた…




コロちゃんのおっちゃんとコロちゃんはその後家に戻ることはなかった…




秋も深まる頃おっちゃんの家は取り壊され更地となった。




同時にコロちゃんの小屋もおっちゃんのバイクも無くなった…






   

~~~~~~~~~~~~~そして時は過ぎ~~~~~~~~~~~~~~~~







昭和61年10月、俺は16歳で自動二輪中型免許を修得した。



憧れの新型バイク「CBR400Rエアロ」の赤白カラーのやつを親にお金を借りて新車で購入した。今日がその納車日だ(^_^)


大阪からトラックで運んでもらって家に新しいバイクが到着したのはもう暗くなってから。


以前住んでた山の麓の家から引っ越して今は都会暮らしになり快適だ(^^)


トラックからバイクを降ろしてもらい、納車手続きをした。


心配したオカンが家の玄関から俺に声をかける…


「もう暗くなってるから明日でええんちゃうの?今来たばっかりの新しいバイクでどこ行くの?危ない」


11月の風は肌寒く俺はジャンパーのジッパーを首まで上げてメットを被りながら


「大丈夫、すぐ帰ってくるから」


と言い残し慣れない初めてのバイクでぎこちなく出発した(・_・;)


目指すは昔の家…コロちゃんのおっちゃんの家があったところ。


走り出して20分ほど…


久しぶりに帰ってきた昔の家の周りは外灯も少なく鬱蒼としていて昔のような活気は無かった。


「確か…この辺やったよな」


独り言をつぶやきながら暗くて寒い夜道にバイクを停めた。
 
コロちゃんのおっちゃんの家があったところは空地になっていて以前の風景とはまったく違ったものになっていた。



(確かこの辺にコロの小屋があって、この辺が庭で…と、言うことはこの辺にバイクが…?)


(こっち向きに停めてあったはずやから…でも、もうちょい先か?ん?このヘコみなんやろ… …」



「………!!」



「こ、これおっちゃんのカブのスタンドのヘコみや……!!」



カブに跨ったおっちゃんの元気な姿がフラッシュバックした。




被ったままのメットの隙間から雫がこぼれ落ちた…




何年も何年も長い間同じ位置にピッタリと停められ続けたおっちゃんのカブのスタンドはアスファルトに大きなヘコみを作っていた。


俺が幼い頃に何度も何度も跨っては遊んでたバイク…


いつもおっちゃんが小さな俺を後ろに乗せてくれて大人になったらもらうはずだったバイク…




俺はCBRを押して向きを変えそのヘコみにピッタリあてがうようにしてスタンドを立てた。



すっかり暗くなった夜空には街灯が少ないためか無数の星空が広がっていた…



俺はメットを被ったまま、周りに誰もいないことを確認してシールドを上げた…



そして夜空に向かい…



「おっちゃん、俺バイク乗りになったで。おっちゃん知らんやろ?このバイク400で1番速いやつやで!スゴイやつ買ったで、俺!」



「おっちゃん、俺なあ、あともうひとつ言わなアカンことがある。あの日おっちゃんに怒られたのは俺が悪いからしょうがない…でもな、最後までコロちゃんの散歩行けんかったことはゴメンなぁ〜、ゴメンなぁ~、おっちゃんゴメンなぁ~~(´Д⊂ヽ」



CBRの赤いタンクの上にポタポタと涙の雫が溢れ落ちた…



俺はあの日からずっと心に引っかかっていた…



あの日おっちゃんのバイクに虫を入れて壊したこと、それをずっと言えずにいたこと…


そしておっちゃんの身体が悪くなっているのに俺はコロちゃんを散歩に連れて行ってあげられなかったこと…



俺の心の奥にずっと残ってた…



いつか謝ろうと思ってた…


「ふぅ」


俺は大きく息を吐き出しメットのシールドを下げた。


バイクのエンジンをかけ、スタンドを上げる時に一瞬躊躇った…


「おっちゃん、ありがとう。俺、ずっとバイクに乗るよ!同じ『HONDA』やで、おっちゃん(^^)」


「ガチャ」





俺はスタンドを上げ昔のおっちゃんの家を後にした。









遠くでコロが吠えたような気がした… 

    






              小悪魔の懺悔〈完〉   
  

    







~~~~~~~~~~~~またまた時は過ぎて〈again〉~~~~~~~~~~~







令和4年3月某日…




函館はこの日今年初めて最高気温が15度を上回り晴れ渡る青空の下俺は家のダイニングから9rを外に出してきた(;´∀`)



約5ヶ月ぶりに外の空気に触れる9rは春の日差しを受けライムグリーンの車体は一層輝いて見えた。


俺はバッテリーを繋ぎ、燃料コックを「ON」にしチョークレバーを回してエンジンキーをひねった。


「今年一発目、かかってくれよ~(^^)」と、祈る気持ちでセルボタンを押したが「キュキュキュキュ…」というだけで一向にエンジンがかかる気配がない。


冬季室内保管するにあたって、ガソリンは満タンに入っている。


なんとなく嫌な予感がして念の為ガソリンコックを「OFF」にしてコックに繋がるホースを抜いてから下にウェスをあてながらまた「ON」にしてみた…


「ガソリン来てないやん!(TT)」


なんでやねん(#^ω^)と思いながらタンクからガソリンを抜いて別容器に移しバイクからタンクを下ろして原因を究明してみた…


(なんか燃料コックがあやしいなぁ…)


燃料コックをタンクから外しホースも外し、フィルターなども調べていると「ポトリ」と黒くて小さなゴミが落ちた^_^;


(いや、いや、いや、家の中で保管しとったのになんでゴミなんか入ってんねん 怒)


すぐにタンクに燃料コックを取り付け、ホースをつなぎ、タンクをフレームに乗せて固定し、抜いたガソリンをまた入れ直した。


これでかかるはず…頼む…(>_<)


「キュキュキュ… キュ… ヴォン!ヴォン!!」


9rのアクラポ管からは乾いた重低音が鳴り響いた…(≧∇≦)b


「早速大沼あたりまで行ってみるか…(#^^#)」


メットを被りシールドを下げた。


その時…


「ほら〜コロ〜、こっち、こっち」


犬を散歩させてるお爺さんが歩道を通った。



「ん⁉柴犬でコロかぁ… (笑)」



柴犬に引っ張られながら小走りに走るお爺さんを俺はどこか懐かしい気持ちで眺めていた…



「出来すぎてるなぁ……(;^ω^)」




「… … … ( ゚д゚)ハッ!」



「ひょっとして(゚д゚)‼」



俺は9rから降りてガソリンコックあたりに入っていたゴミを探し出して指でつまんで拾いあげ手のひらに乗せてよく見てみた…



「やっぱり!!」



黒いゴミに見えたそれはとても小さな虫だった…
 




おっちゃんは俺が「カワサキ」に乗り換えたのが気に入らないのだろうか…







早春の透き通る青い空、あの日と同じ青い空…







俺は空を見上げてつぶやいた…













      「おっちゃん、これで『おあいこ』やな(笑)」












                            again〈完〉


 










 


      最後まで読んでいただきありがとうございました。tatsu















       


Posted at 2022/05/21 23:06:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | 小悪魔の懺悔 | 日記
2022年05月20日 イイね!

小悪魔の懺悔〈後編〉😈💧

小悪魔の懺悔〈後編〉😈💧やり場のない怒りにまかせて復讐を誓った俺だが実際どうすればいいのかまだ幼い俺にはわからなかった。

「大人なんてみんなズルいや(TT)」

普通の小学生ならこれで終わるだろう。

しかし俺はそんなタマではなかった(^^) 

近所でも評判の悪ガキだったのである。


神戸の山の麓の集落で育った俺は家も貧乏でいつも一人で山へ行って遊んでいた。神社や寺や墓なども俺の遊び場で、今考えると恐ろしい事だが祀ってある祠を開けたり(何か巻き物?みたいなのが入ってた 汗)お稲荷さん(陶器で出来た小さな狐の神様)で怪獣ごっこしたり、卒塔婆を川に流して石で攻撃したりして遊んでいた(≧▽≦)


もちろん怒られた 笑( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン 


お稲荷さんをマジックで黒く塗って「ロデム(笑)」に改造したのがバレた日には神社の境内で1時間正座の刑に処されたりもしたが俺は懲りなかった(´ε` )


そんな俺の復讐劇である。


本来なら墓場にいる青大将を捕まえてきて(蛇は友達^_^)夕方に風呂に入ってるコロちゃんのおっちゃんの風呂場の窓から投げ入れるのは容易いが、そこは日頃優しく俺に接してくれたという温情から情状酌量とした←何様⁉笑


当時の俺には友達が少なく友達の代わりとなってくれていたのが野山の昆虫達である。


山で捕ったクワガタやカブトを商店街のペットショップに売りさばいて小遣いにしていたのもこの頃だったな(ガキだと思ってめちゃめちゃ足元見られたけど)


俺は押入れの奥から小さな箱を出してきた。


そっと開けると中には無数の「セミの抜け殻」(・∀・)ニヤニヤ


家から出てバイクに乗ろうとしたら前カゴにいっぱい「コレ」がついてたら…  …プーッ クスクス(*´艸`*)


早速次の日に決行することにした。


日曜日の朝のアニメ劇場観た後にビニール袋に移し替えたセミの抜け殻一盛りを持ち俺はそそくさと家を出た。


「タッちゃ〜ん昼ご飯までに帰ってき〜や〜」


オカンの声を背に俺はコロちゃんのおっちゃんの家へ向かった。


(うわっ!おった… 汗)


コロちゃんのおっちゃんはバイクのシートを開けて赤くて四角いノズルの付いたカンのような容器からバイクの中に何かを注いでいた。


俺は右手にセミの抜け殻袋をブラ下げたままその様子を食い入るように見入った。


「おっ、タッちゃん、こんにちは(^^)」


「こんにちは、おっちゃん、何しとん?」


俺は復讐中だったことも忘れて訪ねた。


「ああ、これな、ガソリン入れとるねん。バイクはなぁ、ガソリン入れんと走らんのや」


俺は初めて見る液体のガソリンに興味津々だった(´・ω・`)


近くに寄ってみるとガソリンの匂いが鼻をついた。


バイクにガソリンを補給し終わったおっちゃんはガソリンキャップを閉め、シートを「バンッ」と勢いよく閉めた。


「ガソリンは火がついたらドッカーン☆やからな、タッちゃんもわかるやろ?単車が危ないってこと」


「そうなんや。わかったわ〜('_')」


「わかったなら、それでヨロシ!わ〜っはっはっは…(^○^)」


おっちゃんは高笑いしながら家に入っていった。



…5分後俺は登山道の入口にある高台にいた。ここからはコロちゃんのおっちゃんの家がよく見える。もちろん横に停めてあるバイクも丸見えだ。


俺は大きなクヌギの木の下、セミの抜け殻をいじりながらひたすら"その時"を待った…


いつも11時頃おっちゃんは歩いて商店街へ買い物に出かけるのを知っている…その時がチャンスだ(>ω<)


俺はさっき見たカブのガソリンタンクの中がどうなっているのかが見たくて見たくてしょうがなかったのだ。


20分ほどしてセミの抜け殻が全部カスカスになった頃コロちゃんのおっちゃんが家から出てきた…


高台から見てるとそのまま商店街の方へ坂道を下って歩いて行った。


俺は走って高台を下りおっちゃんの家の前まで来た。コロちゃんは何かを察したのか寝てる状態でも目だけがこちらを伺っていた・ω・


俺は恐る恐るバイクのシートに手をかけてみた…


上へ引っ張ってみたが上がらない…(-_-)


両手で持ってガチャガチャと力ずくで上げてみると「ガチャリ」と音を立ててシートが開いた!(今考えるとシートロックが壊れていたのかな?)


シート下にはガソリンキャップが銀色に鈍く光っている…


俺は口から心臓が飛び出そうになるのを感じながらそのキャップを回してみた…


……固い……


両手で両側から掴んで回すとちょっとだけ回ったような気がした。一息ついて両手をブラブラした後にもう一度同じようにして回すとキャップは回り、「スポッ」と音を立てて外れた。とたんにさっきかいだガソリンの匂いがまた鼻をついた。


(中真っ暗やん…汗)


タンクの中を覗き込むが暗くてよくわからない…


かろうじて日の当たる表面に薄ピンクの液体が見える…


(どうしたものか…)


その時ふと目についたのが開いたシートの内側にくっついていたダンゴムシ。



俺はそっと指でつまんで… …


「ポチョン…」(ゴメンよ~ (´Д⊂ヽ)


(う〜〜ん、よく見えない…)


すぐ近くの草むらからバッタちゃんを捕まえてきて…


「ポチョン…」(俺の好奇心が悪いねん、ゴメンよ~)


「わぁ、沈んでいった⁉⁉」(゚д゚)!


興奮しながら顔を上げた先には飛んで火に入るカミキリムシが草むらに着陸中…


もちろん「ポチョン...」(運のないヤツめ…へッへッ…)←開花した


「さ~て次の獲物は誰かな?グッヘッヘッヘ…(゚∀゚)」と周りを見渡した時


「ワンッ‼」


突然コロちゃんが吠えた。


(わーーーっ!ヤバい‼おっちゃん帰ってきたんかな?Σ(・ω・ノ)ノ!)


俺は慌ててガソリンキャップを締めてシートを「バタン」と思いっきり閉めた。


(あれ?誰もいない…)


と思ったら坂道の下から誰かが上がってくる・・・


(ヤバい今度こそコロちゃんのおっちゃんか?汗)と思って身構えていると…


「アンタそんなとこで何やってんの⁉お昼に帰りや言うたやろ?」


…買い物帰りのオカンだった (笑)


俺が夢中で虫を探している間にいつの間にかお昼近くになっていた。


「タッちゃんの大好きなクジラ買ってきたから今日のお昼はクジラの竜田揚げにするで~(^-^)」(当時は給食でも出た)


「ヤッターーーーーー‼ヽ(^。^)ノ」


俺は自分が今やらかした事も即座に忘れてオカンと一緒に家に帰った。



家で『TVジョッキー』を観ながら俺の大好きなクジラの竜田揚げをほおばっていると家の外を「スタタタ…」っとおっちゃんのカブが走っていく音が聞こえて俺はホッと胸をなでおろした(*‘∀‘)


そんなことも忘れた次の土曜日のこと…


また学校が半ドンで昼前に終わった俺は一人道草を食いながら家に向かって歩いていた。


連日の猛暑でこの日も晴天だった。学校帰りに駄菓子屋で買ったねじ込み式の炭酸ジュース(キャップの部分に粒状炭酸が入っている)を飲みながら坂道を登っていた。



コロちゃんのおっちゃんの家の近くまで来た時…



「ん⁉おっちゃん?」



家の横に停めてあるバイクにどっかりと腰掛けたおっちゃんはよれた白のランニングシャツにグレーの短パンの姿でタバコをプカプカとふかしていた…


その時のおっちゃんの瞳はどこか寂しげで遠くを見つめていた…


「こんにちは、おっちゃん(^^)」



「おお、おかえりタッちゃん(^_^)」



「ええ天気やなぁ~けど暑いなぁ~おっちゃん(^^)」




「せやなぁ~(^。^)y-.。o○」



「… …」



「… … …」



「お、おっちゃん、今日はバイクに乗らへんの?」




「バイクぅ⁉・・・バイクなぁ・・・乗られへんねや(-。-)y-゜゜゜」




「…な、なんで乗られへんの?(;´・ω・)」




「壊れたんや・・・(~_~;)」




ドキッ(ーー;)



「… …」




俺はビビリながらも必死にかわいい顔を作ってニッコリ聞いてみた…








「…な…  なんで…壊れたん⁈(*´ω`*)モキュ」





























「お前が虫入れたからやー!!(# ゚Д゚)」(どっかーーーーーーーん❕)




















 








~最終話<again>へ続く~











Posted at 2022/05/20 20:42:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔の懺悔 | 日記
2022年05月18日 イイね!

小悪魔の懺悔〈中編〉😈💧

小悪魔の懺悔〈中編〉😈💧「おお、タッちゃん!久しぶりやなあ〜最近見んかったけど元気にしてたか?^_^」


そう言ってバイクを停め満面の笑みを浮かべるコロちゃんのおっちゃん。


コロちゃんはしっぽをちぎれんばかりに振りながらリードをいっぱいに伸ばし俺の足に飛びついた^ェ^


ニコニコしながらおっちゃんは言った。


「タッちゃんまたいつでもええからコロ散歩に連れて行ったってな〜^_^ コロも楽しみにしとるで」 


「うん!ええよ ^^;」


(あれ〜?やっぱりバイク傷つけたこと気づいてないのかなぁ~!?いつも通りのおっちゃんやし…このまま傷のこと言わんとこうかな~ 汗)


「じゃあな、タッちゃん」


コロちゃんのリードを引っ張り俺から引き離し再びバイクで走り出そうとするおっちゃん…


「あ、あの、おっちゃん!!」


思わず俺は声に出した。いつも優しくしてくれるコロちゃんのおっちゃんのバイクに傷つけてずっと知らんぷりなんかできない…


俺の中の天使が俺を突き動かした(笑


「どないした?」


走り出したところでいきなり俺に呼び止められたおっちゃんはキョトンとした顔で振り返った(同時にコロちゃんも振り返った)


真夏の午後。俺の背中に一筋の汗が流れる…


「お、おっちゃん、ゴメンな、あのな、おっちゃんのバイクな、俺な…」



「ああ、知ってる、倒したんやろう?壁に。ハンドルと壁の傷みたらわかるわ」



俺が話してる途中にかぶせるようにおっちゃんは言った。



「タッちゃんはおっちゃんの単車好きやもんなぁ。いつも学校帰りに跨って遊んでるのおっちゃん知ってるで〜。せやけどタッちゃん怪我無いか?おっちゃんの単車が好きならなんぼ乗ってもええけどなぁ〜怪我だけはせんといてよ 笑」


続けておっちゃんはこう言った。


「おっちゃんの単車ボロやからちょっとぐらい傷つけてもべっちょない、べっちょない〜(別状無い)気にすんな~(⌒∇⌒)」


俺はバイクに傷つけたことを許してもらったことよりもこれから学校帰りに堂々とバイクに乗れる(跨げる)ことの方が嬉しかった。


それからの俺は学校帰りにおっちゃんのバイクに跨ってから家に帰るのが日課となっていた。おっちゃんの家の玄関が開いていようが閉まっていようがコロちゃんが小屋に居なくても俺はバイクに跨って遊んだ。



そんな毎日を過ごしていたある日のこと…



土曜日の半ドン授業で終わり、昼前に家の近くまで帰ってきた俺はいつものようにランドセルを背負ったままバイクに跨りアクセルを捻ったり、ブレーキをかけてみたりして遊んでいた(もうコカすのを恐れて体を揺らしたりすることはなかった)


すると前方からコロちゃんのおっちゃんとコロちゃん、そしてもう一人横に誰かと一緒にこっちに向かって歩いてくるのが見えた。


「おーい、おっちゃ〜〜〜ん\(^o^)/」


俺はバイクに跨ったままおっちゃん達の方へ向かって両手を大きく振った。


俺を見つけたおっちゃんは一瞬止まった(コロちゃんも… 笑)


あれ?どうしたんだろう?一緒に歩いてるのは町内会長さんかな…?


俺はなんとなく嫌な感じがした。というのもこの町内会長さんはいつも仏頂面をしたコワいイメージの人で笑っている顔を一度も見たことがなかったからだ(-_-メ)


嫌な予感は的中した。



「コラッ!!なにしとんや!!」



怒号が飛んだ。



「子供がバイクに跨ってコカしてケガでもしたらどうするつもりや!お母さん泣くぞ!さぁ、早よ降り!!」


町内会長は遠くからすごく通る声で手を上げたまま固まってる俺に向かって叫んだ。


急に怒られた俺はびっくりしてすぐさまバイクから飛び降りた。


すると慌てた様子で少し駆け足でこっちに向かってくるおっちゃんが見えた(withコロちゃん…)


俺の目は訴えていた(おっちゃんが許可したんやもんな!あのおっさんに言うたって!)


俺の近くまで来たおっちゃんは町内会長に聞こえるような声で予想外のことを口走った。


「ホラッ!タッちゃん!おっちゃんのバイクに跨ったらアカン言うたやろ〜。ホンマ困った子やなぁ~ (´Д`)ハァ…」




俺は自分の耳を疑った(・・;)




後から追いついてきた町内会長にコロちゃんのおっちゃんは続けてこう言った。


「ワシもこの子が乗ってるの見たらいつも注意しとるんやけどなかなか聞いてくれまへんのや~ ^^;」


そう言っていたおっちゃんの目が今度は泳いでいた…


「違うで!おっちゃんいつでもバイクに跨ってええってこの前言うたで!バイクに傷ついてもええって言うたで!( ゚д゚)」


精一杯の勇気を振り絞りながら明後日の方を向いてるおっちゃんを尻目に町内会長に言い返した。


「そんなわけないやろ~。○○さん(おっちゃんの本名)元警察官やで。来月からこの人が町内会長を引き継ぐんやで。そんな事言うわけないやろ~」


「な、タッちゃん、お母さん心配するからはよ帰り(^-^)」と作り笑顔で優しく俺に諭したつもりだろうおっちゃんの顔はもう悪代官にしか見えなかった…



大人からの圧倒的な裏切りを受けて傷ついた心のまま俺はトボトボと家に向かって歩いた…


ふと空を見上げると俺の心とはうらはらに抜けるような夏の青空が広がっていた。


(バイクに乗れんようになってもた…)


零れそうになる涙をこらえながら青空に誓った…



『コ・ノ・ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ?』 ←古っ 笑)



悲しいような虚しいような気持ちはやがて黒い渦となり...





俺の中の悪魔が俺を突き動かした……






〜〈後編〉へ続く〜 
 








Posted at 2022/05/19 07:21:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔の懺悔 | 日記
2022年05月17日 イイね!

小悪魔の懺悔〈前編〉😈💧

小悪魔の懺悔〈前編〉😈💧俺がバイク好きになった原因はほんの些細な出来事からだった。



俺が小学生の当時、周りでバイク乗りと言えば「コロちゃんのおっちゃん」(小太りでコキタナイ感じで一人暮らしの冴えない中年 笑)と「タカちゃん」(若くてイケメンだがバリバリのヤンキー 汗)の2人だけだった。(なんか…どこかで書いたような気が…^^;)



家族が母親と妹しかいなかった俺に対してコロちゃんのおっちゃんはまるで父親のように接してくれた。そしてタカちゃんは歳の離れた(怖い)兄貴的存在だった。



コロちゃんのおっちゃんのバイクはボロボロの黒いカブ(ちなみにコロちゃんというのはコキタナイ柴犬だけどかわいい 笑)で、タカちゃんのバイクはピカピカのタイガーカラーのZ2。



まるで対照的な2人だった。



コロちゃんのおっちゃんのバイクはいつもだいたい家の横に停まっていて学校帰りの俺は家におっちゃんが居ないのを見計らってはバイクに跨って運転してるつもりになるのが密かな楽しみだった(#^^#)



タカちゃんのバイクはタカちゃんの家の前に停まってたとしても近づくのでさえ躊躇った(-_-) それは以前タカちゃんに学校帰りに捕まって無理やり後ろに乗せられた時のトラウマとZ2の現実離れした大きさと体にまで響いてくる爆音が怖かったからだ。



コロちゃんのおっちゃんのカブには時々後ろに乗せてもらっていた。俺にとっても身近で愛着のあるバイクだった。「僕が大人になったらバイクちょうだい^_^」とよくおっちゃんに言ってたっけ。



なので自然と学校帰りにこっそり跨るのはコロちゃんのおっちゃんのバイクだった。



そんなある日…



いつものように小学校からの帰りにコロちゃんのおっちゃんの家の玄関が閉まってて(おっちゃんがいる時はいつも開いている)コロちゃんも小屋に居るのを確認(いつも寝てる)してから俺は颯爽とカブに跨った。至福の時だった…



そして手元のウィンカースイッチをいじったり、アクセルを回しながら口で「ブィーン♪ ブィーン♪」と言いながら体を揺らせていい気分になっていたその時…



「ガシャッ☆」



「ああっ⁉」



体を左右に揺らせて遊んでたうちに揺れが激しくなってバイクの右側全体を横の壁に激しくぶつけてしまった(>_<)



車体は倒してないものの、バイクの右側には壁に擦れてついた真新しい傷ができていた… 



(どうしよう… 泣)



すぐに力づくで必死にバイクを立て直し、慌てて自分の家へ逃げ帰った(T_T)



その後の事は考えたくもなく、知らない顔して過ごし、学校からの帰り道はコロちゃんのおっちゃんの家の前を通らない反対側から帰った。



数日が経った頃、俺は罪悪感に苛まれていた…


(正直におっちゃんに言おう…許してくれるはずや…俺時々コロちゃんを散歩に連れて行ってやってるし…もともとバイク傷だらけやし^^;)とか考えながら学校からの帰り道を歩いていると前方からバイクに乗りながらコロちゃんを散歩させてるおっちゃんがこっちに向かってくるのが見えた。 





「あっ!!」(゚д゚)!(ヤバい…)






今逃げても顔見られてるよな…(-_-;)と観念した俺は普段通り「あっ、おっちゃん、こんにちは(^^)コロちゃんの散歩なん?今日は涼しくてええなぁ〜」とにこやかに声をかけたが俺の目は泳いでいた…





~<中編>へ続く~
(長くなりそうなので4話に分けました)



                      






Posted at 2022/05/17 17:41:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔の懺悔 | 日記

プロフィール

タツ1016です。函館市在住の53歳。バイクと車をこよなく愛する昭和な男です。独りよがりのくだらない日々の雑感や昔の思い出なんかを気が向いたら書き綴っていこうと...
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