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タツ1016のブログ一覧

2022年10月28日 イイね!

小悪魔外伝👿💧 ~間(はざま)~

小悪魔外伝👿💧 ~間(はざま)~あまりのことに俺は腰を抜かしたようになり、その場で漏らしてしまった(>_<)


立ち上がるにもうまく立ち上がれない…


ガクガクと震える膝でなんとか立ち上がり再び走り出したがうまく走れない。


早くここから逃げないと奴が来るかもしれない( ;∀;)


迫りくる恐怖の中俺は何度も後ろを振り返りぎこちなく沢を走り下った。


足元の白い霧は所々穴が開いたようになっており、そこからは赤いハサミを振り上げた異形の蟹があざ笑うかのように走る俺を見つめていた…


一目散に秘密の楽園を走り抜け、獣道に入る…


(ここまで来たら大丈夫かな⁉)(; ・`д・´)


足元の白い霧も少し薄くなってきたように感じた。硫黄のような匂いも薄まってきた。


右膝の切り傷からの出血も止まったようだった。



少しだけ冷静になった俺が気になったのは転んで沢の水でずぶ濡れになった全身よりも、漏らして濡らしたパンツとズボンだった…



(オカンに何て言おう…)(´;ω;`)ウッ…



そんなことを考えながら獣道を小走りで抜ける手前で俺の足が止まった。


「‼」


(そういえばジュリ蔵の前通らなアカンやん⁉)(;´Д`)




(うわっ、無理…無理やで…どうしよう……)(;´・ω・)



「あ、畑のおばちゃんの家があるやん‼」Σ(・ω・)



俺は思い出した…



獣道を抜けた所の沢のほとりには小さな畑があって、そこにはたまに畑仕事してる優しそうなおばちゃんがいて、虫取りに来た俺にお菓子やジュースをくれた事があった。



ただそのおばちゃんは「子供が一人でこんなとこに来たらアカンで(笑)」と言っていたので、そのおばちゃんが畑にいる時は秘密の楽園まで行くのは諦めていた。



そのおばちゃんの家(民家)が獣道を抜けた所の沢の反対側にポツンと1軒あったのだ。(家から出てくるのを見たことがあった)




短い坂道を上がると広い庭がありその奥にこじんまりとした佇まいの古い家がある。




気づけば俺はそのおばちゃんの家に向かっていた…




(せめてジュリ蔵の所まで一緒に行ってもらおう…)




(足のケガ見たらビックリするかなあ…)




(おしっこ漏らしてるのバレへんかなあ…)




西日が差す家の玄関に立ち中の様子を窺う。



「こんにちは!おばちゃん!」



中からの返事は無い。



「いますかーーー?おばちゃん…僕なぁ…虫取りに来てケガしてん!」(´Д⊂ヽ




シーンとした中で遠くに蝉の声だけがこだまする…



(おらんのかなあ…)



そっと玄関のドアに手をやる…




「ガラガラガラーーーー」



(開いてる‼)



スライド式の玄関ドアには鍵がかかってなかった。



「おば…‼」



開けたドアに顔を突っ込んでおばちゃんを呼ぼうとしたが途中で声が止まった。



その時俺の目に飛び込んできた異様な光景は…



玄関から家の奥まで丸見えだったのだが、リビングにある木製の大きな円卓の上に用意された何組ものおかずとご飯、箸や湯呑みなどが置いてありそれをテントのような大きな白い蚊帳が覆っていた。



今よそったばかりのようなおかずとご飯は全く人気のない部屋で不自然な違和感を感じずにはいられなかった。



青い羽根の扇風機だけがそこで静かに首を振っていた…



俺はゆっくりと後ろに下がりながらも目は部屋の奥に釘付けになっていた。



リビングの窓からも差し込んでる西日の向こう側…その奥にあるテレビは当時でもほとんど見なくなった白黒テレビで音は出てなかったが画面の映像は動いていた。



眩しい西日の向こうでよく見えなかったが、どこかの広場(公園)みたいな所に大勢の人がいて全員こっちを向きながら行進しているような気味の悪い映像が流れていた… 戦時中の日本兵のようにも見えた…。




(変な番組やってるなあ~⁉映画かなあ~?)(´・ω・`)?





「カラカラカラ…………」




俺はなるべく音を立てないよう玄関をそっと閉めた。




誰もいない円卓によそってあったご飯とか、つきっぱなしのテレビとか考えるほど不気味で気持ち悪かったがおばちゃん家族みんな二階で寝ているんだと思うことにして平静を保った。




それより何より心細さに押しつぶされそうだった。




(もう誰も頼る人おらん…)(._.)




もう覚悟を決めるしかなかった。




その時なるべく見ないようにしていた祠がある方の空が曇ってきている事に気づいた。



この時期よくある入道雲みたいな灰色の雲が山の麓方面から立ち込めてきた。



だがそのスピードが半端じゃない…



まるでコーヒーにミルクを流し込んだように渦を巻きながら空を覆っていった。




(夕立が来る前に帰らんと。ジュリ蔵の横は全速力で走り抜けよう)




俺はしゃがみ込みいつの間にかほどけていたスニーカーの紐を結びなおした。




立ち上がり深呼吸し空を見上げた… その時…




「…星でてるやん⁉…」



「⁇」




「え⁇なんで?なんで?」(´゚д゚`)




慌てて反対方向を振り向くと…




「…太陽ででるやん‼」




「うそやろ⁉」( ゚Д゚)




正気の沙汰ではなかった。




今でもハッキリ覚えている。



こちらに向かって渦を巻きながら広がってきた灰色の入道雲はやがて帯状であることがわかった。(空を2つに区切るように)



スッパリと切れた雲の向こうは真っ暗な夜空になっていた。




夜空には星が瞬いていた。






その雲の反対側は太陽が高い位置でさんさんと輝いてる。




夕焼けとか夕暮れじゃなく同じ空に昼と夜があった。(夕方と夜中⁉)





そして思ったのは…





(今何時やねん




そして…






ひょっとして俺は死んだのか⁉…)




恐ろしくも幻想的でこの世の終わりにも見えたその空を俺は茫然と眺めた…






何秒くらい経っただろう……






獣道を抜けた山道わきに立っている木柱の外灯が下の方からひとつづつ「ポッ」「ポッ」と点いてくるのが視界に入り我に返った。






山を下る道の先はもう暗がりになり黒く塗りつぶされたようで何も見えない。








反対側の秘密の楽園辺りは眩しい西日が差し込んでる。





(帰らなきゃ!)








後ろは日差し、行く先は暗闇…












罰当たりな小悪魔はこんなところで死んでたまるかと勇気を振り絞り真っ暗な世界に飛び込んで行った…



















空の上からは昼と夜の間(はざま)が静かにそれを見下ろしていた…






























小悪魔外伝 ~「罪と罰」~へ続く

















Posted at 2022/10/28 18:29:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔スピンオフ | 日記
2022年10月21日 イイね!

小悪魔外伝👿💧 ~異形~

小悪魔外伝👿💧 ~異形~

「うあああああああーーーーーーーーーーーーー‼」




砂防ダム下の水溜まりから大声を張り上げながら飛び出した俺は一目散に沢の下流に向かって走り出した…



相変わらず硫黄のような匂いが鼻をつく。



少し走った所でどうしても気になり止まって後ろを振り返った。



目を大きく見開きハアハアと肩で息をしながら後ろの砂防ダムを見上げた…(;゚Д゚)


眩しい程の日差しが差し込む水溜まりのキラキラした反射が砂防ダムの壁に幾つものウネウネとした陽だまりを作っていた。


見上げる俺の視界の端に黒いものが映った。



俺は目を凝らし見つめた…



砂防ダムの上…  左端の方…



黒いものが置いてある。



「ししまい⁉(獅子舞)……」


黒いシーサーのような顔に真っ白いたてがみ。


ただ砂防ダムの上にペタンと置かれている様だった。



「誰⁇」


無音状態の恐怖の中俺は震える声で尋ねた…


誰かのいたずらかと思ったのだ。


体の部分は見えない、真っ黒な顔に大きな目玉…剥きだした歯は金色で笑っているようにも見えた。


まるで金縛りにかかったような異様な空間の中で数秒間俺は謎の黒い獅子舞と見つめあった。


「プシュッ」


炭酸が抜けるような缶ビールの蓋を開けたような音とともに獅子舞はゆっくりと顔をこっちに向けた…


「い…生きてる⁉」


とたんに耳をつんざく周りの轟音‼((+_+))



「うわわわわわーー」



俺は思わず耳を塞ぎ身をかがめた。



だがそれは今までの無音状態から解放されずっと聞こえなかった風の音や沢の音蝉の鳴き声だと気づいて我に返った……(゜.゜)〈放心状態



「あっ‼ししまいは…??」



砂防ダムの上を見上げるともうどこにもその姿は無かった…



(こっちに来る⁉)( ;∀;)



俺は恐怖に震える足で立ち上がり水の入ったスニーカーをグシュグシュ言わせながら命がけで沢を下り走った。


もう悲鳴を上げる余裕もなく、これが夢なら覚めてくれと願いながら走った。



足元はまだ濃い霧のようなものが立ち込めていて良く見えないが構わず俺は走り続けた。


足場の悪い沢を全速力で下っていた俺はさっきから何度もこけそうになっていた。



それは岩の上を走るたびに何かを踏んで滑るのが原因だった。


そしてとうとう…




「ズリィィィィーーーーーガツン❕」




もう足の回転が限界なのと大きな岩の上で何かを踏み右足を大きく滑らせたことで俺は派手にスッ転んだ。




「痛ったああああ----!!」(´Д⊂ヽ


ゴロゴロと2回転程回り岩の下に投げ出された。


白い体操服をドロドロにしながら俺はしたたかにぶつけた右ひざを右手で押さえた。


指の隙間からは血がにじんでいた…


傷口がズキズキと痛んだ(:_;)



(今はそんなことより逃げなアカン!)


再び立ち上がろうとした時に霧のようなものが立ち込めるその下に何かがいるのに気づいた。



(何かいっぱい動いとる…)



そこで俺が目にしたものは無数の沢蟹だった。



今まで見たこともない体が黒くてハサミと足が異様に赤い沢蟹がウヨウヨとうごめいていた(基本的にこの辺の沢蟹は全体的に朱色)



(さっきから踏んでたのこれか…!汗)



転んですぐに立ち上がれない俺を取り囲むように異形の沢蟹はワサワサと動いていた…



(とにかく逃げなアカン)





そう思ったその時…



「プシュッ」



(またあの音や…)




周りを見渡す。




(けどアイツおらん…)




また硫黄のような匂いが濃くなった…   その時 
 




「プ・・・・・・」
 




(ん⁉)(´・ω・)








「プ・プ…ワッハッハーーーーーーーーーーーー‼」







頭上すぐ上の辺りから突然大きな笑い声が響き渡り谷間中にこだました。









(こ、これさっきの俺の笑い声やん⁉)







現実か夢かわからないような世界の中俺は混乱した…







ただ自分の意志とは別に股間からあふれ出る生暖かいものがこれは現実だよと物語っていた……























小悪魔外伝 ~間(はざま)~に続く
















Posted at 2022/10/21 09:41:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔スピンオフ | 日記
2022年10月07日 イイね!

小悪魔外伝👿💧 ~「恐怖の楽園」~

小悪魔外伝👿💧 ~「恐怖の楽園」~小学1年の頃から家の周りの草原や空き地で虫取りをしていた少年は歳をとるごとにその行動範囲を広げ、2年生の頃にはすでに近くの野山は制覇し、3年生ともなると川の源流を辿ることに興味をもち、4年生になる頃には誰も知らない山中の洞窟を発見し町内でもちょっとした有名人になっていた...


そんなときに発見した「秘密の楽園」


もちろんオカンや大人達は「行ったらダメ! (# ゚Д゚)〈アカンでーー‼」


と口うるさく言っていたがそんなことを聞くような俺ではないのである。


「秘密の楽園」は沢伝いに獣道を抜けると広がる秘境のような美しい場所でクヌギやコナラなどの木々が生い茂り細い沢を覆いつくしていた。


足元には澄んだ沢の水が岩の間をチョロチョロと流れ頭上を見上げれば切り立った深い谷の淵に青空が見える…


そして正面を見れば石を組み上げてできた古くて大きな砂防ダムがあった。苔でむした砂防ダムは周りの緑に溶け込み当時の俺にはまるで絵画のように見えた。


砂防ダムの向こうには水辺は無く森林になっており沢の源流は砂防ダムの中を通って流れているようであった。砂防ダムの下には澄んだきれいな水溜まりができていた。


水溜まりに木漏れ日があたりキラキラと周りの木々に反射している…


ただいつもと違うのは異様に静かなのと生き物の気配がしないこと。


それと硫黄のような匂いがすること。


俺は気にしない事にして試しにいつもクワガタが採れる大きなコナラの木を蹴ってみた。


「ドン!」


軽めに一発…  


低めの所にいるヤツならこれで落ちてくる。


木の上の方から「カサッ…カサッ…」


これは落ち葉と木の実が落ちてくる音。


(何もいない?じゃあ… )



「ドン!ドン!ドスン‼」


強めの連発…


木の上から「ーーーザザザザーーーーーーーバサッーーーーバサッ」


「何⁉何⁉」Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)


コナラの木に片手をついた状態で上を見上げてた俺は真上から黒くて大きな物が落ちてきたのに気づいたが余りにもとっさの事で避けようが無かった。


「ドッスーーーーーーーーン‼」



「ギャアアアアアアーーーー‼」(+o+)



俺の背中に当たりバウンドした。一瞬息ができなくなるほどの衝撃だった…


「うううっ……」


背中をおさえながら振り返ると大きなシマヘビが草の間でのたうっていた。


(痛った~~~ 汗 なんやシマヘビかいや… 木の上でカエルでも狙っとったんかな?…それにしてもツイてないにもほどがあるで…)(;'∀')〈ううっ…


シマヘビは幾度かのたうったあと、滑るように山の斜面に消えて行った…


「はぁ~~~」(ため息)


「ん?」(;´・ω・)


ふと気づくと視界はハッキリとしていて臭い匂いも消えていた。


谷の合間から吹き抜ける一陣の風がボーッと立ち尽くしていた俺を吹き抜けていった。


俺は砂防ダムの方に目を向けた。


(今日はクワガタはヤメや。カエルか蟹を捕まえよう…)


(時間的にはまだ4時頃やなぁ…まだもうちょい遊べるで…)


懲りない俺はまだ日の高い空を見上げながら残りの時間で何か収穫を得たいと考えていた。


砂防ダムの下には大きな岩が抉れてできた澄んだ水溜まりがあり、そこが秘密の楽園の行き止まりとなっていた。流れてくる水は砂防ダムの表面の苔を伝って落ちてくる水滴と、ダムの下から湧き水のように流れ出る水流によって夏でも冷たく澄んだ美しい水溜まりとなり幻想的な雰囲気を醸し出していた。


そーーっと足音を忍ばせて砂防ダムの下へと近づいていく…


キラキラ光る水溜まりの表面をクルクルと回りながら泳いでるミズスマシとその上をハグロトンボがフワフワと飛んでいるのが目に入る…   その時…


「キュッ!」(ピョン)
 


「チャポン‼」



一声上げた小さなカエルが岩の淵から水溜まりに飛び込んだ。


(おったぁ~~~‼)(゚д゚)!


一瞬だがこの辺では非常にレアな「カジカガエル」に見えた(あとレアなのは「モリアオガエル」)


カエルは深さ50㎝くらいの澄んだ水溜まりの中に素早く潜り石の下に身を潜めた…


(初めて見たで!あれはアカ(ガエル)やない!絶対捕まえな!そこの石の下におるはず‼)(≧◇≦)


カエルに続いて俺もすかさず水溜まりに飛び込んだ(靴履いたまま)



「ジャボーーン❕」(つ、冷たぁぁぁ~~)(;´Д`)



捕まえても入れ物が靴下以外無いのも忘れて俺は右腕の裾を濡らしつつ必死でカエルが逃げ込んだ石の下に手を突っ込んだ。


(あれ~~⁉ 行き止まりやのにカエルおらへん…)


手を突っ込んだ石の下はすぐ行き止まりになっていた。


(違う石の下に逃げたかな⁉)


俺はその近くにある石の下にも手を入れ、動かせる石は除けたりしながら探した。


半袖の両脇まで水に濡らしながらもあっちこっち探したがどうも見つからない…


気がつけば水をかき回したせいで水溜まりが茶色く濁り何も見えなくなっていた。



(ちょっと水が澄むまで待ってみよう…  )(・・;)



(・・・・・・・・・・・・)




(・・・・・・??)





(・・・・・・音せえへん・・・・・・)



意識はしてなかったが気が付けば無音状態… … なにこれ?… …



まるで時が止まったかのような感じ。



俺は辺りを見渡した。



ハァ ハァと聞こえるのはどうやら俺の呼吸の音らしい…



「あーーー、あーーーーー」



不思議に思い俺は声を出してみた…




無音の中俺の声だけが響く。



まるで誰かに耳を塞がれているようだ…



静か…とかいうレベルじゃない。聞こえるのは俺の吐息と心臓の鼓動だけ…



おれは本能でじっとして周りの気配をうかがったが無音以外何も変わった様子はない。



(俺の耳おかしくなったんかな⁉)(ーー;)




足で水をかき回してみた…




「ジャバ ジャバ」





(聞こえる…)




どこからともなくまた硫黄のような匂いが漂ってきた…






ここで俺は初めて言いようのない恐怖に駆られた…







「うあああああああーーーーーーーーーーーーー❕」








恐怖のあまりありったけの声を張り上げ俺は水溜まりから飛び出した…












ここからが本当の恐怖の始まりだった。




















小悪魔外伝 ~異形~に続く












Posted at 2022/10/07 09:54:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小悪魔スピンオフ | 日記
2022年10月02日 イイね!

迷子で「ドーーーーン⁉」(´◉◞౪◟◉)☝️

迷子で「ドーーーーン⁉」(&#180;◉◞౪◟◉)☝️まだ残暑が残る秋晴れの午後…


俺はあてもなくビートを走らせていた(^^)


そろそろ紅葉始まってる…?

景色のいい山の方へ行ってみるか…


ちょうど函館山の反対側の山へとビートを走らせた。


山の麓のコンビニで缶コーヒーを買い、ついでに駐車場で幌を上げオープンにして出発した(´ε` )


缶コーヒーをチビチビやりつつ山頂を目指す。


急角度な細い坂道をビートは甲高い排気音を響かせぐんぐんと登っていく…


山頂には大きな展望駐車場があり函館の街を一望できる。少し神戸の雰囲気に似ている気がした…俺はここからの景色が好きだった^_^


山は少し色づいてきてはいるが紅葉を楽しむのにはまだ少し早いようだ。


2、3枚スマホで写真を撮り俺はビートに乗り込んだ。


展望台からの景色を楽しんでいるカップルや家族連れを横目に駐車場から出ようとした時、登ってきた道が駐車場を越えてまだ先に続いているのがわかった。



俺の記憶ではてっきりこの駐車場で行き止まりだと思ってた(-.-)



(まだ先があるんや⁉どこに続いてんのやろか…?) 


俺の中の好奇心がムクムクと頭を持ち上げた。


駐車場を出て左右に分かれるが右の道には行ったことがない。


小さな冒険のような気持ちで俺はハンドルを右に切った。


起伏のなだらかな見通しの良い山道を抜けると牧草地帯が目の前に広がった。


(うわ〜 北海道らしいなぁ〜 あっ、牛! ゚д゚)


周りを見渡しながら初めて走る道を観光気分で流していた。


やがて長い直線道路となりその先は二手に分かれていた。


(もうちょっと行ってみたいからとりあえず右に行こ)


道は細くなったがアップダウンが続くミニ六甲みたいなワインディングに俺は夢中になった(気分はイニB 笑)


やがて下りになり下りきった先は三方向に分かれていた…(^_^;)


(まぁ こういう時はたいがい真ん中が正解やで^o^)


自信満々に真ん中の道を進んでいく…



100mも行かないうちに通行止めのマークがみえた(泣)



あわててバックで引き返し



「右、右、右、右ィィィーーーーーー!!」(オラオラオラーーー!!)


いちばん右の道を選んで



(これで間違ってたら俺は一生貧乏くじ!)(´;ω;`)


とか思いながら走ってると、どうやらどこかへ続いているらしい(貧乏くじセーフ!)ε-(´∀`*)ホッ


とにかくもう戻るのはしんどいからこの道がどこかに続いててほしい…


そしてまた道が分かれる…(・・;)


(行き先ぐらい書いとけや!)ヽ(`Д´)ノプンプン


(これやから○館市は!)←正解:○斗市


そんなことを思いながら


「左…と見せかけて右ィィーーー!!」



とフェイントをかけながら右へハンドルをきる。


するとまた広大な牧草地に出た…


とたんに牛糞のかほりがオープンカーの車内をかけめぐる(^o^)


(これを臭い思うたらアカン!これが土を肥やし、農産物を… を… )



「クッサァァーーーーー!!!」←!?



ちょっと言えないスピードで牧草地帯を走り去り、その先に出ているであろう道先案内の看板をさがした。


道は遥か先まで一直線…(かほりは消えた)



看板なんか無いやん……



「オ〜ハニィ〜〜♪俺はどこへ走ってゆくのか〜〜♫(^ρ^)」



とか口ずさんでる場合ではない(;´∀`)



これひょっとして大沼まで抜けちゃう?やっぱり遠くても引き返した方がええ?すれ違う車が無いってことは最悪行き止まり!?あれ?今日俺ビール冷やしたっけか??


いろんなことを考えながらひた走る…



ふと気づくと後ろからかなりの速さで近づいてくる車がいる。


「これは…」


俺はハザードを炊いてビートを左に寄せスローダウンした。


サンキューハザードを出しながら勢いよく追い抜いて行ったのは白いレクサスだった(多分GS)



(この車でまさか山に上らんやろ…函館ナンバーやったしこの道をよく知ってるヤツやな。俺の推測ではコイツに付いていけば国道に出ると見た!)


という勝手な憶測でついて行ってみる事にした(秘技ストーカー走行)



「何⁉コイツ速い⁉」(アムロ風)


さすが大排気量車。


直線ではみるみるうちに離される… (汗)


でも、ここ「山道」なんだよねぇ~~(・∀・)ニヤニヤ


下りのカーブではビートの方が速い! 少し追いつく…


が、やっぱり離されるるる〜〜(;´Д`)〈まぁ そだわな


そして白いレクサスは見えなくなった(タマちゃんなら勝てるのに)


「チキショーーーー!!」٩(′д‵)۶ (太夫風)



せめて… せめてビッちゃんにナビがあれば… ( TДT)

…… …… 


…… ( ゚д゚)ハッ!



あるやんけ!あるでしかし!(゚д゚)〈ナビタ~イム‼



俺はすっかり忘れていたズボンのポケットからスマホを取り出した…



(もっと早く気づけよな、俺!普通気づくよな、俺!そんなとこもかわいいな、俺!)


……


…………… 


……………………電波無いがなしかし(泣)…………………



…(どんだけ山奥やねん)( ゚д゚)ポカーン




さあ、気を取り直して!冒険の続きやで〜〜~!! 出発〜〜~!!(ノД`)・゜・


日が傾いた知らない山道をまた走る…


道の先は急な上り坂になった。


(また上りってか…わかった、わかった。今日はトコトン付き合ったるわ!はぁ〜 これが初デートとかやったらフラレとるで( ´Д`)=3)




上り坂を上りきった先が急に開けた。


「○○○カントリークラブ」(マアムではない)


大きな看板が立っていてその向こうはゴルフ場になっていた。駐車場にはけっこうな台数の車が停まっていた。


その中には先程追い越して行った白いレクサスも停まっていた。


俺もその中にビートを停めてゴルフ場の看板を見に行った。


看板には周辺の地図も描かれていた。



その地図は元来た道からゴルフ場までで終わっていた…(約20㎞)


(また戻らんとアカンのか…しかし)(;^ω^)


ふとさっきの白いレクサスを見ると喪黒福造!?みたいなオヤジが車のトランクからゴルフバックを降ろしていた。


俺は近づき福造に声をかけた…


「あの…すいません…国道に出て函館方面に行きたいんやけど展望台の方までまた戻らんとアカンのですか?」


怪訝そうな目で黙って俺を見ていた福造はおもむろに人差し指を……


……「看板」にむけて指しこう言った……


「すぐに出れますよ。左側に小さく書いてある赤い矢印の先ですよ」ニッコリ


その指の先の看板をよく見てみると現在地(ゴルフ場の駐車場)の左横ギリギリのとこにめっちゃ小さい赤い矢印の先に国道の表記があった。


「ドーーーーーーン❕」


されると思って一瞬引きつった俺だが


「あー、ほんまや~(^_^;)すいません、ありがとうございます」


とお礼を言ってビートに乗り込んだ。


走り去る時にルームミラーで後ろを見ると福造がレクサスの横でニヤニヤしながらこっちを見ていた…


(不気味なオッサンやけど親切な人やったな~)


ゴルフ場の駐車場を出たらすぐに国道までの案内標識があった。


山道を10分ほど走ると見覚えのある国道に出た。



俺はホッとしながら飲みかけのぬるくなった缶コーヒーに口をつけた。




(いろいろあったけど新しい道覚えたし収穫あったな~早よ帰ってゆっくり風呂にでも浸かりたいな~)(^ω^)






そんなことを考えつつ甲高いビートの排気音を響かせながら家路についた…





オレンジのような大きな夕陽が今日の小さな冒険を讃えていた…











<後日談>


ちなみに後で調べてみたら迷った三叉路の正解は左だったようです…(貧乏くじ言うたヤツ前に出ろ)('Д')




なんかすぐに国道に出るみたいやな~~~





ホ~~~ッ ホッホッホッホ...(´◉◞౪◟◉)












Posted at 2022/10/02 18:45:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | ビッちゃん | 日記

プロフィール

タツ1016です。函館市在住の53歳。バイクと車をこよなく愛する昭和な男です。独りよがりのくだらない日々の雑感や昔の思い出なんかを気が向いたら書き綴っていこうと...
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