俺がバイク好きになった原因はほんの些細な出来事からだった。
俺が小学生の当時、周りでバイク乗りと言えば「コロちゃんのおっちゃん」(小太りでコキタナイ感じで一人暮らしの冴えない中年 笑)と「タカちゃん」(若くてイケメンだがバリバリのヤンキー 汗)の2人だけだった。(なんか…どこかで書いたような気が…^^;)
家族が母親と妹しかいなかった俺に対してコロちゃんのおっちゃんはまるで父親のように接してくれた。そしてタカちゃんは歳の離れた(怖い)兄貴的存在だった。
コロちゃんのおっちゃんのバイクはボロボロの黒いカブ(ちなみにコロちゃんというのはコキタナイ柴犬だけどかわいい 笑)で、タカちゃんのバイクはピカピカのタイガーカラーのZ2。
まるで対照的な2人だった。
コロちゃんのおっちゃんのバイクはいつもだいたい家の横に停まっていて学校帰りの俺は家におっちゃんが居ないのを見計らってはバイクに跨って運転してるつもりになるのが密かな楽しみだった(#^^#)
タカちゃんのバイクはタカちゃんの家の前に停まってたとしても近づくのでさえ躊躇った(-_-) それは以前タカちゃんに学校帰りに捕まって無理やり後ろに乗せられた時のトラウマとZ2の現実離れした大きさと体にまで響いてくる爆音が怖かったからだ。
コロちゃんのおっちゃんのカブには時々後ろに乗せてもらっていた。俺にとっても身近で愛着のあるバイクだった。「僕が大人になったらバイクちょうだい^_^」とよくおっちゃんに言ってたっけ。
なので自然と学校帰りにこっそり跨るのはコロちゃんのおっちゃんのバイクだった。
そんなある日…
いつものように小学校からの帰りにコロちゃんのおっちゃんの家の玄関が閉まってて(おっちゃんがいる時はいつも開いている)コロちゃんも小屋に居るのを確認(いつも寝てる)してから俺は颯爽とカブに跨った。至福の時だった…
そして手元のウィンカースイッチをいじったり、アクセルを回しながら口で「ブィーン♪ ブィーン♪」と言いながら体を揺らせていい気分になっていたその時…
「ガシャッ☆」
「ああっ⁉」
体を左右に揺らせて遊んでたうちに揺れが激しくなってバイクの右側全体を横の壁に激しくぶつけてしまった(>_<)
車体は倒してないものの、バイクの右側には壁に擦れてついた真新しい傷ができていた…
(どうしよう… 泣)
すぐに力づくで必死にバイクを立て直し、慌てて自分の家へ逃げ帰った(T_T)
その後の事は考えたくもなく、知らない顔して過ごし、学校からの帰り道はコロちゃんのおっちゃんの家の前を通らない反対側から帰った。
数日が経った頃、俺は罪悪感に苛まれていた…
(正直におっちゃんに言おう…許してくれるはずや…俺時々コロちゃんを散歩に連れて行ってやってるし…もともとバイク傷だらけやし^^;)とか考えながら学校からの帰り道を歩いていると前方からバイクに乗りながらコロちゃんを散歩させてるおっちゃんがこっちに向かってくるのが見えた。
「あっ!!」(゚д゚)!(ヤバい…)
今逃げても顔見られてるよな…(-_-;)と観念した俺は普段通り「あっ、おっちゃん、こんにちは(^^)コロちゃんの散歩なん?今日は涼しくてええなぁ〜」とにこやかに声をかけたが俺の目は泳いでいた…
~<中編>へ続く~
(長くなりそうなので4話に分けました)
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小悪魔の懺悔 | 日記
Posted at
2022/05/17 17:41:47