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2024年05月12日

GRヤリスとMTオイル(前編)

GRヤリスとMTオイル(前編) ここみんカラではMT車率が高いでしょうが、2019年の国産車新規登録台数に占めるMT車の割合は、わずか1.6%以下だそうです。
そして2022年の第一種普通免許合格者のうち、72.9%はAT限定とのこと。
嘆かわしいような、当然なような、まぁ時代ですかねぇ。
ですからこのブログエントリーはほとんどの人には関係ないハナシということになってしまいます(悲)


エンジンオイルの低粘度化が進んで久しいですが、最近はMTのギヤオイルに関しても、同様の傾向が見られるようです。
以下、トランスファーやリヤデフではなくマニュアルトランスミッション(所謂変速機)のオイルの話です。

私は長いことスバルに乗っていて最近のギヤオイル事情には疎かった(スバルのマニュアルAWDギヤボックスは縦置き&フロントデフ一体式でハイポイドギヤがあるので、オイルの低粘度化はしづらい)のですが、GRヤリスになって75Wのシングルグレードという、あまりにやわらかいミッションオイルなのでビックリしました。
(2019年のSAE粘度分類の改訂により、正式には75Wのシングルという粘度グレードは事実上無くなったのですが、この件については・・・長くなるので書きません笑)

ところがいろいろ調べると、他のメーカーでも比較的新しいMT車は低粘度オイルを指定していることが多く、これは業界全体の流れのようですね。
当然ですがエンジンオイル同様、ギヤオイルも低粘度のほうがフリクション低減や燃費には有利です。

ミッションオイルで厄介なのは所謂フィーリングというやつですね。
エンジンオイルなどと違い手で直接操作するので感触が直に伝わり、わかりやすいわけです。
冷間(低温)時に多かれ少なかれシフトが渋くなるのは、MT乗りの方なら誰でもご存知かと思います。
さらに言えば粘度だけではなく摩擦調整剤などの添加剤とシンクロとの相性などもあるので、なかなかややこしく難しいところです。

人によって感じ方も違うし、必ずしもフィーリングが良い=良いオイルとは限らないけど、とはいえ感触が悪いと運転していて気分も良くないし評価も悪くなりがちです(まあ短期的にはそこしか評価するところがないわけですが)。


で、最近のMT車は低粘度オイルを前提につくられていてタイトな設計になっているのか、社外オイルに交換するとフィーリング以前に寒冷時にシフトができない(ギヤが入らない)といった、割と深刻な事態もあるみたいです。

GRヤリスの取扱書によると、

①トヨタ純正トランスミッションギヤオイル LV 75W
②API:GL-4、SAE:75Wの規格に適合する他のオイル


のどちらかを使えとなっていて、注意としてわざわざ別項で純正オイルがおすすめと書いてあり強く推奨されています。

まあ①の純正オイルにしておけば無難なのですが、諸事情で入手できないとかどうしても純正オイルが嫌だ(笑)という場合は、代替として②の条件を満たしたオイルを使うことになります。
GRヤリスは基本FFの横置きミッションなのでGL-4はまあわかるんですが、問題は「75W」のほうです。

ただでさえMTを設定している車種が今や数えるほどしかなく需要が少ないのに、ましてやシングルの75Wというのは、社外品では滅多にありません。

ひと昔前までは75W-90でも「やわらかめのギヤオイル」だったので、75W-85ですらなかなか探すのが大変です。
従って、当然ながらみんカラでも75W-90を使っている方が多いですね。

たまに、75W-90でも「低温側が同じ75Wなんだから冷間時の粘度は同じやろ」という人が(プロの整備士にも)いるんですが、これは誤解(というか多くの場合間違い)です。
厳密にいえば「冷間時」の温度にもよるんですが、一般的に我々がエンジン始動するときの温度(だいたい0〜30℃くらいですかね)で考えるならば、はっきり言って全然違います。
図を見れば一目瞭然なので、グラフをつくりました。

一般的な75W-90として人気のありそうなギヤオイルを3つ、
・GRヤリスのトランスファー用とリヤデフ用の純正75W-85
・ミッション用の純正75W

の温度と動粘度のシミュレーショングラフです。
alt

高温部を拡大するとこんなカンジ。
alt


すべて低温側は「75W」のオイルなわけですが、常温域(0~30℃)での粘度が段違いなのがおわかりでしょうか。エンジンオイルでも、これだけ違うとよほど鈍感な人でもわかると思います。
これは、SAEで規定されている75Wの粘度の条件となる温度が100℃とマイナス40℃しかなく、それ以外の温度での粘度は規定がないからです。
つまり、75Wというのはギヤオイルとして使える最低温度を定めたもの(マイナス40℃まで使えまっせということ)であって、我々が冷間時一般的に使用する温度での粘度を定めたものではないということです。
これ、実はエンジンオイルにも言えることなのですが、SAEの粘度分類に関しては以前のブログで書いているのでここでは省きます。

フロントに機械式LSDを入れているような場合はなかなか悩ましいところですが、ノーマルデフや純正トルセンデフの場合、またフロントデフが無いGR86/BRZの場合も、社外オイルにするのはちょっと慎重に考えたほうが良さそうです(ちなみにこの純正75Wは現行GR86/BRZのミッションでも指定されているオイルです)。

ただどうしても純正オイルが嫌だという人のために(笑)、代替になるオイルが無いか調べてみたんですが、ちょっと長くなったので後編に続く・・・。
ブログ一覧 | オイル | クルマ
Posted at 2024/05/13 05:29:59

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この記事へのコメント

2024年5月13日 23:21
こんばんは。

純正オイル・・・
侮りがたしですね。

私は お世話になっている 全部お任せしてるので フィーリングだけを伝えて 次の対応を考えるという感じですね。

でも こういう 事実を目の当たりにすると 社外品を入れるのも どうなんでしょう???となってしまいますね。

NUTEC UW-75 75W-85は 今年の冬 ギアの入りづらさはなくご機嫌に過ごせましたが、感覚とオイルの機能は違うのですね・・・

お付き合いもあるので 純正オイル入れてください♪ というのも言いづらく・・・

まっ、 ぶっ壊れないのなら 良しとします・・・
コメントへの返答
2024年5月14日 3:27
こんばんは〜

いや、フィーリングとオイルの良し悪しは「同じとは限らない」ということで、フィーリングも大事かと思いますよ。

メーカーとしては「純正オイルを使ってください」ということなんでしょうけど、車の性格上激しい使い方をする方も多いでしょうから、社外品も有用かもしれません。ただ犠牲になる部分もあるということでしょうね。

75W-85あたりはいい線かもしれませんね。フィーリングも良いなら尚のことです。
しかし…UW-75は私の小遣いでは予算オーバーで買えませんよ(泣)

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