つづきです。
クララとヨハネス、
お互いに認めあい尊敬しあう関係でした。
作曲した楽譜の草稿を送って意見を聞いては推敲する、ということをお互い繰り返していましたが、ふたりとも真面目すぎるキャラのため、衝突することも多々ありました。
特にヨハネスは
皮肉屋できつく言ってしまうタイプなので、その態度が非礼だと他人に嫌われることも多かったようです。
ヨハネスの作品を世に広めたいと、彼の曲を積極的に演奏していたクララに対し、
「私の曲の押し売りは止めてください」と言って傷付けたり・・・😅
娘オイゲーニエの日記にも、ヨハネスと意見を戦わせ、キツく言われて涙ぐむクララの様子が書かれています。
大きな衝突は、1868年ごろ、未亡人となったクララが演奏旅行に多忙を極めていた頃、ヨハネスは「演奏活動の一線を退いて、少し楽に暮らしてはどうか」と手紙に書き送りました。
これにクララは
激怒😅ジライヲ フンダ
ピアノ演奏はクララにとって
生きがいであり
癒しでした。稼ぎのためにやってるんじゃない、長い付き合いなのにそんなこともわからないの?という心情でしょうか。
ヨハネスにしてみれば、クララのピアノへの情熱を軽く見たわけでは無いでしょう。つい失言してしまってから慌てる。
わだかまりが晴れないまま、クララはブレーメンで開催されたヨハネスの”レクイエム”初演にしぶしぶ出かけました。
その
発表会が大成功を収め、音楽家ヨハネス・
ブラームスの名声は確固たるものになりました。
クララはそこで感激のあまり涙を流しました。
曲の出来映えだけでなく、ロベルトとクララが認めた若者がいまや大作曲家となったことへの感慨でしょう。
これでまた和解できたのですが、次の大波が・・・😅
ロベルトの死後、作品を後世に残したいと考えたクララは彼の
作品全集の出版についてヨハネスに相談し、協力を求めました。もちろんヨハネスは快諾。
しかし完璧主義者のヨハネスは作業の進捗が遅く・・・自分の健康不安もあり焦ったクララは協力者を増やしました。これにヨハネスは少々気分を害したようです。
一方、交響曲第4番の初稿版と晩年の改訂版、どちらを採択するかで意見が分かれました。
クララは最終完成型である改訂版を採るつもりでした。完成度よりも初稿版の若々しさを推すヨハネスは、全集とは別に初稿版の楽譜発刊を進めていました。
これを知った
クララはキレました😡1891年ごろの事です。
「作者に誰よりも近くにいた方のことですから、あなたの不満については私は何も申しません。
一致は到底不可能です。」と突き放しました。
晩年の大ピーンチ😨
またまたヨハネスは大慌て。謝罪の手紙を書き送ったり、新しい作品の楽譜を送ったりしましたが、冷たいクララ。
氷河期が2年ほど続きました。
クララ74歳の誕生日に、意を決し
ヨハネスは誠意ある手紙をしたためます。
「寛大なあなたの心を失った私は長い間苦しみました」
「友人に対するとき不器用であることを私は自覚しておりますが、あなたはこの私の短所についても長い間忍耐してくださいました」
「(この度のことが)40年わたる忠実なご奉公の後の新たな経験と諦めてしまうのはあまりに残念です」
「あなたとご主人が私の人生の最も美しい経験であり、最も高貴で豊かであったことを今一度申し述べます」
「あなたと彼に捧げる愛情と尊敬の思いは、永遠に私の心を温め、明るく照らし続けることでしょう」
心のこもった文章。LINEのこまぎれメッセージに慣れた現代人には書けません。
これを読み、さすがにクララも和解の手紙をヨハネスに送りました😊
ロベルト・シューマン作品全集・全29巻が刊行されたのは1881年から1893にかけて、ふたりの
和解の年に完成しました。

シューマン作品全集(第5巻)
クララ・シューマン編とあるのはクララのネームバリューを物語っています
その3年後1896年、
クララは76年の生涯を閉じました。脳卒中でした。
ヨハネスは葬儀に駆けつけようと列車に飛び乗ったものの間違えて鈍行に乗ってしまい、葬儀には間に合わず、埋葬される直前の棺を見ただけだったそうです。
クララはロベルトと同じ墓に葬られました。

埋葬の後のヨハネス
後を追うように翌1897年、
ヨハネスも63歳で亡くなりました。肝臓癌でした。
生涯独身のままでした。
これにて終了、と思いきや・・・ふたりが亡くなった後に大事件が😨
まだつづく<(_ _;)>
参考HP
Wikipedia:クララ・シューマン、ヨハネス・ブラームス
ニューノーマル後の趣味ピアノ日記
クララ・シューマンの生涯と感動
ブラームスとクララ・シューマンは恋愛関係にあったのか
クラシック音楽奇譚
クララ・シューマンが出会った二人の天才
”恋する作曲家”ブラームスのロマンティシズム
Posted at 2025/06/09 13:19:51 | |
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