
ぢつは私、
腕時計も好きなんです。
特に
機械式腕時計が好物です。
とはいえ腕時計を何本もコレクションしているわけではなく、ネットや雑誌で、
一生手の出ない超高級・複雑機構・機械式腕時計を眺めてはウットリしているだけです(^_^;)
人生も折り返し点をとうに過ぎ(^_^;)、思い出の腕時計について備忘録として書くことにしました。
オトコはメカが好きなもの。腕時計好きも多いはずと想像します。よろしければおつきあい下さい。
第4回は
セイコー・エルニクス SEIKO ELNIX です。
意外と高い・・・
この時計は、私が
高校入学の記念に、両親から贈られたものです。初めて身につける本格的な腕時計。一気に大人になったような高揚感を感じました。
SEIKOは日本を代表する時計メーカーです。1881(明治14)年、服部時計店として創業し、
1913(大正2)年に国産初の腕時計「ローレル」の製造を開始しました。
1960(昭和35)年、初代グランドセイコーを世に出す頃には、スイスのクロノメーター規格と同等の性能を備えたメーカーに成長しました。
エルニクスは1975(昭和50)年頃発売でした。
名前から想像されるとおり、当時は
電子時計と宣伝されました。まだクオーツ時計も発売されていなかった頃の電子時計とは?
ここでちょっと
時計の構造について簡単な解説の時間です。
機械式腕時計は、ゼンマイを動力として動きます。
ゼンマイを仕込まれた
香箱車という歯車が動力源。その回転力を歯車で伝達し、秒針の付く四番車に
ガンギ車が付いています。
テンプはヒゲゼンマイで往復運動する、柱時計の振り子に相当する
調速機。この調速機こそが腕時計の心臓部であると言えます。テンプは通常1秒間に6〜10振動するように設定されており、この動きが時計の針の進行を律しています。

機械式腕時計の、チッチッチッチ・・・という音はアンクルとガンギ車が奏でているのです。癒やされますねぇ。

こちらはブレゲの
トゥールビヨン。
本来はガンギ車が四番車(秒針)を回すのですが、これは調速機のほうが回転します。
ひげゼンマイは非常にデリケートで、重力に対する時計の向きによってたわみ、それがテンプの等時性を狂わせます。調速機自体を回転させることで、重力による誤差を相殺する仕組みがトゥールビヨンです。
もう、この動きは
ミクロの小宇宙としか言いようがありません! (*´д`*)ハァハァ
・・・すいません、つい熱くなり脱線しました (;^_^A アセアセ…
さて、エルニクスはなんと
ゼンマイの代わりに電池の力で電磁テンプを動かす機械式腕時計というしろものです。
・・・今、冷静に考えると、何のメリットがあるのかよく分かりません(^_^;)
まだまだ手巻きの腕時計も多かった時代。ねじを巻かなくても、あるいは自動巻ならば腕に付けなくても、動き続けるというのが唯一のメリットでしょうか。放置プレイに強い時計(^o^;)
参考までに、1969年に販売された
クオーツ時計では、調速機が水晶振動子に置き換えられています。音叉型に加工された水晶に微電圧を掛けると決まった周波数で振動します。これを検知して電子回路で1秒刻みで動くステップモーターを駆動する、という仕組みでした。機械式の日差何秒という精度を、月差何秒というレベルまで飛躍的に向上させました。
さらに参考までに、現在グランドセイコーには
スプリングドライブという世界唯一の機構を持った時計があります。これはエルニクスの逆で、動力源にはゼンマイを使用。ゼンマイの動力で針を動かし、発電して水晶振動子を作動させその信号で針の進行を電子的に調速するという凝ったしくみです。いわば電池交換不要のクオーツ時計。こちらはクオーツと機械式のいいとこ取りと言えます。
エルニクスは心臓部が機械式なので、当然精度も機械式並み。厳密に言うと数年ごとにオーバーホールしなければ精度を保てません(そこまでするような高級機ではありませんが)。
そして、私の記憶によれば、
電池の寿命が短く、1年も持たなかったように思います。これは、テンプを動かすためにかなりの駆動力が必要だったためと思われます。
(クオーツでは針を動かすだけの動力があれば良く、それも1秒1回と省エネ)

エルニクスはマイナーな機種のまま姿を消すこととなります。
ああ・・・
ノスタルジー (´Д`;)
画像はネットで拾ったものです。問題があれば削除します<(_ _)>
Posted at 2017/10/05 19:11:39 | |
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