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きリぎリすのブログ一覧

2025年04月28日 イイね!

駄々っ子たちの言い分

駄々っ子たちの言い分

グッタリしている犬を,動物病院に連れて行くため,クルマに乗せようとした途端,「あ,さっきのは演技です」とでも言いたげにスタスタ歩き出したり…
旅行に出掛けるので,犬を友人の家に預けに行けば,玄関前で前足を踏ん張り,見事なまでの拒絶ポーズ。

犬ってほんとに空気を読むというか,こちらの気持ちを察して豹変することがあり,たびたび驚かされる。
おかげで人間側が振り回されるのは,日常茶飯事だ。
犬に限らず,家族同然のペットたちは,確かな自己主張のワザを持っているように思う。

そんな存在は,何も生き物だけに限らない。
長年付き合ってきた愛車もまた,時にあからさまな気分屋に変貌する。
急いでいるときに限ってエンジンが掛からなかったり,助けも呼べない山奥で律儀にパンクするのだ。
機械のはずなのに,「今日は休みたい」とか言っているように思えてくる。

つい先日も,異音の止まない愛車を修理に持ち込んだが…
何ヶ月も鳴り続けていた異音は,ショップに着くなり,まるで,借りてきた猫のように静まり返った。
メカニックには「幻聴説」をほのめかされつつ,(私が嘘を言っていないか)愛車の様子を見たいとのことで,代車を借りる羽目に。

緊急出動するのは,走行距離10万キロ超えのベテラン,初めて乗るルーテシアである。
電子制御満載のクルマは,慣れるまでは厄介で,恐る恐る運転していると…
ルーテシアは何を察したのか?首都高の山手トンネルを走行中,ボンネットから白煙が上がった。
こいつ,それはちょっとやり過ぎだろ!
飼い犬に手を嚙まれるとは,まさにこのことだ。

なんとか狭い路肩に無理やり停めたものの…
何を期待しているのか?見ながら通過するクルマで,後ろにはあっという間に長蛇の列。
あたふたしていると,何処からともなく青い制服に身を包んだ首都高パトロール隊が,戦隊ヒーローのように登場。
パイロンを立てたり,レッカー手配も一瞬で,気づけば私はただの背景だった。

それにしても機械とはいえ,時に人を翻弄するこの駄々っ子ぶり。
意思のないはずのクルマたちも,案外こっそり心を持っているのかもしれない。
いや,持っていて欲しいと願う人間側の,ささやかなロマンなのだろうか…



※この場を借りて,今回の故障・渋滞に際し,多くの方々にご迷惑をお掛けしたことを深く陳謝申し上げます。

Posted at 2025/04/28 05:36:25 | コメント(17) | トラックバック(0) | クルマ
2025年04月22日 イイね!

トラクターのお客さん

トラクターのお客さん

ドアは半分。ルーフはオマケ。雨と風はフリーパス。
そんなクルマ,セブンには突然の雨に備えて,カッパは自己負担の標準装備だ。

そこで,レインウエアを求めて登山とスキーの専門店へ。
「どちらの山に行かれますか?」と店員に聞かれたので,「ヒルクライムはよく」と答えた。
すると本格的な登山装備を勧められたので,「いや,運転して(汗)」と訂正。

少し考え込んだ店員がパッと顔を明るくして言った。
「あっ分かった!トラクターですね!高原牧場とかの…」

違う…けど,なんか…ちょっと…否定できない。
たしかにセブンは,むき出し・直撃・振動など,農耕機械感が満載だ。

そして帰り道で,ふと思った。
「トラクターのお客さん」なら,やっぱりワークマンだろう。

その足で向かったワークマン。
妙に安心できたのは,言うまでもなかった。

Posted at 2025/04/22 07:02:08 | コメント(17) | トラックバック(0) | クルマ
2025年04月14日 イイね!

二つの魂,一つの哲学

二つの魂,一つの哲学

あるドラマの一幕で,納豆に醤油をかけている夫を眺めながら,妻がぼそっと一言。
「何で大豆に大豆なの?」

言われてみれば妙な話だ。
しかし,これを変だと切って捨てるのは早計だろう。
味噌汁に豆腐を入れるのも,大豆に大豆で…
ゆで卵にマヨネーズなら,玉子に玉子。
オムライスにケチャップは,トマトにトマトだ。
私たちは思いのほか「似た者同士」の組み合わせを日常的に許容している。

私は,ロータス・エリーゼに魅せられて幾年月。
そして今,もう一台,ある意味エリーゼを凌ぐ存在を迎えようとしている。
そう,ケータハム・セブンである。

他人は,「なぜ同じようなマシンが同時に必要なのか?」と問う。

エリーゼとセブンは,どちらもライトウエイトスポーツを代表するコーナリングマシンであり,根っこをたどれば同じロータスという血筋に行き着く。
エリーゼが現代的な洗練を纏(まと)っている一方で,セブンは古典を極めたピュアな存在。
似た者同士のようでいて,それぞれが異なる世界を見せてくれる。
だからこそ,この二台は共鳴し,共存できるのだと私は思う。

ありふれた食卓やガレージの片隅に,そんな哲学が転がっている。
見慣れた組み合わせに,もう一度目を向けたい。
似た者同士こそ,時に最も奥深いのだ。
大豆に大豆,玉子に玉子,そしてロータスと元ロータス。
小さな違和感から広がっていく世界も,また楽しい。

Posted at 2025/04/14 06:16:30 | コメント(8) | トラックバック(0) | クルマ
2025年04月08日 イイね!

琴瑟相和(きんしつそうわ)

琴瑟相和(きんしつそうわ)

満開の桜を見に行った折,ゆるりと並んで歩く老夫婦を見掛けた。
手を繋ぐでもなく,ことさら言葉を交わすわけでもない。
けれど,互いの歩幅が不思議なほど,ぴったりと合っている。
ただそこにいるだけで,周囲の空気が少し和らぐような,そんな二人であった。

「琴瑟相和」は,儒教の経典『詩経』に由来する言葉だ。
琴と瑟(しつ),二つの楽器が互いに調和し,美しい音色を奏でる様から,夫婦や人間関係の理想の在り方を言い表す。

ふと,この言葉が頭をよぎったのは,互いの「旋律が重なる」瞬間を感じたからだ。
しかし,それは人と人との間だけではない。
人と機械,人と環境の間にも,そうした調和の形は存在する。

例えば,クルマの運転―――ことMT車において,それは顕著だ。
クラッチを踏む左足,アクセルを探る右足,手元のシフトレバー操作。
すべてが調和しなければ,スムーズな加速減速は得られない。
この一連の動作が,しっくりと決まったとき,私はクルマと「合奏」しているような心地になる。

先日,MTばかりを扱う顔なじみのディーラーに,ATのアルピーヌA110で寄った。
小ぶりで俊敏,スポーツカーとしての資質には,何ら不足はない。
それでも,店の駐車場で誘導されながらバックするアルピーヌには,どうもぎこちなさが残った。

帰り際にスタッフから言われた。「やっぱり○○さんはMTじゃなきゃ,ですね(笑)」
そう,つまりATは下手ですね,という意味である。
だが,不思議と悪い気は起きなかった。
むしろ,心地よい照れ笑いが浮かんだ。

慣れ親しんだリズムでしか私は本来の調子が出ない。
リズムを生む為には,相手の呼吸を感じることが肝要だ。
たとえそれが,人であれ,機械であれ。

空を見上げると,折り重なる桜の隙間から,寄り添った二つの雲が見えた。
それはまるで,二つの存在が互いに調和を生んでいるかのようだった。
あの老夫婦のように,歩幅を合わせ,音を合わせ,静かに春を歩いてゆく―――
それができたときに,きっと世界はもう少し,美しく響くのだと思う。


Posted at 2025/04/09 06:12:18 | コメント(10) | トラックバック(0) | クルマ
2025年04月01日 イイね!

セブンは裸で眠れるのか?

セブンは裸で眠れるのか?

ディーラーさんやみん友さんから頂いた助言により,いくつかの誤りや認識不足に気づかされました。
ご指摘に感謝するとともに,内容を一部修正の上,訂正致します。




小学生のころ,お屋敷のクルマを覆った,大きなボディーカバーを見掛けると…
ピカピカの高級ガイシャの気配を感じたものだ。
しかし,カバーを外したら普通のクルマが出てきたときの,あのガッカリ感といったらなかった。

ボディーカバーは,クルマが大切に保管されている,いわばオーナーの愛で包まれている証。
しかし,低所得層の小倅(こせがれ)だった私は,妬(ねた)みからか?それが成金特有の嫌味に見えた。
仮にそれが大衆車であっても「何を大げさな!」と思ったものだ。
恥ずかしながら,へそ曲がりなガキだった。

実は,そんな屈折した少年時代の影響からか,私は未だにボディーカバーを使ったためしがない。
それが今更だが,購入を検討している。

何故なら,屋根もドアもないセブンがやって来るからだ。
正確に言えば,屋根もドアもオプションで頼んだが,簡易的で耐久性もなく,何よりも着脱が面倒なので,緊急時以外の出番は考えていない。
私はオープンカーに乗っていたこともあるが,セブンは一般的なオープンカーではない。
俗に言うオープンカーとは「屋根が開けられるクルマ」のことを言い,セブンは「屋根が取付けられるクルマ」に過ぎないのだ。

幸いなことに私の駐車場は自走式で,屋内なので雨の心配はないが,ほこりの対策は必要になる。
そこで思いつくのが,ボディーカバーやコックピットだけに蓋をするトノカバーだ。

ボディーカバーは,クルマ全体を覆ってくれるので万全に近いが…
セブンはボディー形状が形状なだけに,箱形のクルマにカバーを掛けるより面倒くさい。
逆に小ささや低くさが幸いして,カバーはとても掛けやすい。
それから停車直後はむき出しのマフラーが高温なので,カバーは触れただけで熔けてしまう。
冷めたころを見計らって,駐車場に戻るなんてバカバカしい。
しかし,カバーを少し張り気味に掛ければ,マフラーは,フロントフェンダーとリアフェンダーの大きな張り出しの間に隠れる。
用心のため,触れそうな箇所に断熱グラスウールテープなどを貼っておけば,特に問題ない。


一方トノカバーは,車室内の開口部に合わせたカバーを,ボタンで数ヶ所パチパチ留めるだけなので簡単だが…
最初に車体側とカバー側に,ボタンを打ち込んでおく煩わしさがある。
また,後々ハーフサイドスクリーン(窓なしのドア)を取付けたら,トノカバーも買い替えて,再度ボタンの打ち換えも必要になる。
取付けた場合は,トノカバーのボタンと共用して交互に付け替えれば,双方の利用が可能となる。
まぁ,トノカバーをはじめ,セブンのエクステリアパーツなんて…
安物のキャンプ用品みたいなビニール製で,夏はクニャクニャ,冬はパリパリになって,留めるのは大変そうだが…

さあ,どうしよう?…

小学生のころ,ボディーカバーに抱いたあの複雑な感情。
まさか自分がその購入を,真剣に考える日が来るとは思ってもみなかった。
だが,屋根もドアもないセブンを迎える今,もうそんなことを言っている場合じゃない。
―――そう,私はついに「何を大げさな!」と思われる側の人間になったのだ。

Posted at 2025/04/06 12:20:08 | コメント(14) | トラックバック(0) | クルマ

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きりぎりす(旧GRASSHOPPER)と申します。 ここ10年ほどで,やっと実用性0(ゼロ)のセカンドカーを持てるようになりました。 サルはエクスタシー...
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