♪真夏のピークが去った
♪天気予報士がテレビで言ってた
♪それでもいまだに街は
♪落ち着かないような気がしている
炎天下を運転していると,この曲がFMから流れてきた。
盆を過ぎると秋風が立ち,秋の虫の音(ね)が聞こえてくる。
しかし,年々残暑が厳しくなっていることを考えると,この時期にピッタリの曲だと感じながら,小学生の頃を思い返していた。
小学生にとって「夏」と言えば夏休み。
私の夏休みは,宿題そっちのけで,クワガタを取りに自転車で遠出したり,友だちと水鉄砲やプールで毎日はしゃいでいた。
もう少し学年が進むと,盆踊りや花火など,夜も出掛けるようになる。
しかし,子供ではどうにもならなかったのが,海水浴とスイカ割りだった。
私の住む街から海までは遠く,クルマで連れて行ってもらうしかなかったのだ。
大人になったら,好きなだけ海へ出掛け,思う存分スイカを割りまくってやるぞ!と心に秘めていた。
そんな思いに駆られ,今日は海まで足を延ばし,ハマグリを浜焼きで楽しんでいる。
あれから年月が経ち,大人になった私は確かに自由に海へ行けるようになった。
だけど,子供の頃に夢見た「大人の夏」とは,少し違う現実が待っていた。
日頃は仕事に追われ,休日は涼しい部屋でゆっくりしたい。わざわざ渋滞に巻き込まれてツラい思いはしたくない。
幼い頃の自分が描いていた「大人の夏」は,もっとキラキラしていて,もっと冒険に満ちたものだったように思う。
それでも,今でも時折子供の頃の無邪気な夏を追いかけたくなる。
朝早く起きてひんやりした空気を感じながら雑木林でクワガタを探したり,蝉の声に耳を傾けたりする瞬間が懐かしい。
あの頃の夏は,青空が広がり無限の可能性を秘めていた。
今でも時々,あの頃の自分に戻れたらと思うときがある。
大人になった今だからこそ,その無邪気さや純粋さが,どれほど貴重で美しいものだったかを理解できる。
焼けたハマグリを目の前にしながら,ふと思う。
殻の中でじっくりと熱を感じながら,いつか開く瞬間を待つハマグリのように…
私もまた子供の頃の純粋な思いを胸の奥に秘めながら,夏は心の中に眠るあの頃の自分と向き合う時間なのかもしれないと…
仕事ではないが所用で北海道を訪れていた。
観光でなくても,道北は移動しているだけでその風光明媚な景観に目を奪われてしまう。
丘の緑が目に心地よく,空気はどこまでも澄んでいて,日常の喧騒から離れた穏やかな時が流れているのを感じる。
車窓から見える広い大地と,青いキャンバスに描かれた白い雲に,心が解き放たれるかのようだった。
昔のクルマはエアコンを使うと,露骨にエンジンの出力が奪われて,まるでアクセルが抜けたようだった。
だから今でもカリカリのマシンだと,わざわざ取り外し,逆にそれで悦に入るレースオタクさえ存在する。
しかし昨今,温暖化の加速した殺人的な夏は,夜ですらエアコンなしでは走れないのだ。
先日私は,かねてより先輩からお誘いのあったランチに招待され,清里高原へ向かっていた。
待ち合せは正午だったが,中央道の渋滞を考慮して朝のうちに出発することに。
ところが,朝から20kmの事故渋滞。
外気温は35℃を超え,車内はサウナ状態。
クルマが風を切っていないだけで,車内まで暑いような気になる。
このエアコン壊れているんじゃないか?と吹出口に手をかざすと…やっぱり温風しか出ていない。
A/Cのスイッチを入れたり切ったり,設定温度を最低にしたり,風量を最高にしてもまったく効かない。
それにしても蒸し暑くて暑くて,窓を開けても閉じても変化なし。
ずっと我慢していた私の自律神経は限界に達し,発汗作用は一気に働き始める。
トンネルに入ると,窓を開け放ったほうが涼しくて,トンネルから出たくないぐらいだった。
そう言えば,今日の食事はキノコのフレンチと言っておられたが…
蒸し暑いかと思えば,トンネルでは少し冷んやりするんだか分からないこの感じは,キノコの培養室みたいだ。
以前この先の諏訪で見た一夜茸は,たった一晩で成長すると言う。
この分だと明日になれば,シートのあちこちの隙間から謎のキノコが生えているに違いない。
毒キノコで意識が朦朧(もうろう)として,チラチラ幻覚が現れる。
日本の夏に対応してないフランス車の冷媒能力を呪いながら,渋滞を抜けるのをひたすら待った。
汗グッショリになりながらも,やっと到着。
背中に貼り付くTシャツが気持ち悪くて,背すじを伸ばしたまま先輩にご挨拶すると,他人行儀だと謗られたので理由を話すと…
前泊しておられた先輩は,最初から部屋にはエアコンがなかったが過ごしやすく,朝はロビーの暖炉に薪がくべてあったと笑われた。
この差はなんだ!
神様は何人もいるというのに,いったい神様たちは何処を見ているのだろうか?
もう熱中症気味で食欲もなくなり掛けたころ席に着くと,セルヴーズが大きな木の箱をテーブルに載せた。
シェフが直々に収穫してきたキノコだった。
店に来るまで,マッシュルームやトリュフあたりを勘繰っていたのでビックリ。
(冒頭写真)腕時計と比べてもひときわ大きいのが仁王シメジ。殻を突き破って出てきた赤いのが卵茸。紫色のがコムラサキシメジ。他は日本のボルチーニと呼ぶような数々とのことだった。
秋でもないのに八ヶ岳南麓の大地の恵みを神様に感謝しつつ…
美しくもあり,珍しい料理の数々を堪能させてもらった。
先輩,ご馳走さまでした。
おかげさまで,スーパーでは決して見掛けないキノコばかり食べましたが,まだ死神は現れておりませんw
ただ,しばらくは余韻で笑いが止まりませんでした…
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