きぬたのブログ一覧

ふと夕方、たまったモヤモヤを振り払うように山に向かいました。天気が今一で暗くなってたけど、桜はまだ咲いていました。桜は咲きっぷりと散り際の良さで好まれておりますが、出来る事なら私もそう有りたいと思ってます。

以前、ヴィヴィオが売れたりステラが好評だったりしたときDラーで聞いた話ですが・・

「軽の売れ行きどうですか？」
「御蔭さまで好評で先週は○○台売れました。」
「それじゃスバルも一息って感じですかね？」
「・・・軽は利幅が異様に少ないのでレガシィやインプレッサが売れないと・・・。」
「・・・・。」

昔っから軽は販売台数こそ出ていてもスバルにとって救世主たり得ない存在で有った事は事実であります。価格競争がやたら激しい上に、技術屋特有のオーバークオリティな作りこみ（それも目に見えない所で）、嵩むコスト。他社のようなお安い所見繕って”デザインだけ””カタログスペックだけ”素敵な軽自動車と張り合うには勿体ない位の車でした。それを販売現場では血の滲むような努力をして（値引きして）販売してたんですから儲かるわけ有りません。（軽一番のスズキが一息入れて飛躍を狙えるようになったのは、軽一番だったからではなくスイフトが売れたから、という事を忘れてませんか？）スバル360を売っていた時代とは、もう違うんです。
地球温暖化とか若者の自動車離れという現実も有ります。いくら軽自動車小型自動車の需要が見込まれても今のスバルには開発してモトが取れるほどの販売力はありません。
よって軽自動車開発と生産から撤退、という判断は随分思い切ったものとは思いますが、あながち間違いではないと思います。スバルは今、残された力を全て振り絞って水平対向エンジン搭載車の開発、生産、販売に取り組まねばなりません。また”事業規模に沿った”販売網の再構築に挑むべきです。当然、いろいろな”痛み”は伴うでしょうけど、このままジリ貧で全てご破算となるよりは良いと思われます。
商売にうるさいトヨタが311億！も出して株の追加保有を決めたのは”まだ回復への体力が有る”と判断したからに他有りません。またそれで取得した資金をスバルが会社再建の為最も有効な使い方をすると判断したからでしょう。私がトヨタで有れば、潰れそうな会社は買わんです。航空機産業云々の話もありますが、全世界的に航空機産業は超ハイリスク企業です。それを当てに購入したりもしないでしょう。なんせ自動車で天下とれそうなんですから。自動車部門でどうせ買うならGMとかクライスラーの方がまだ良いんじゃないでしょうか。
それを敢えてスバルに資本を投入するのは、スバルに十分な敬意を払い、残って欲しいと考えているからと私は思います。（役員派遣しないようですし、スバルが潰れた場合の社会影響とか、トヨタ自身の利益も考えているはずだけど）
またダイハツからOEM供給を受けるのは、軽自動車完全撤退、ではなくて一時撤退ではないんでしょうか。（やめてしまうならばOEMもいらないはず）

私は零細企業ながらも経営者です。お客さん大事にしてます。スバル的ではあるけど、随分凝った製品を時には赤字で出してたりします。いろいろ有って経営が行き詰まった時、一思いに潰そうかと思った事も有ります。でも今迄私を信用してついて来てくれたお客さんの事を思うと潰せませんでした。孤高を守るには、妥協の産物を販売して利益を上げ、店を守る必要も有りますし、一般に受け入れられる製品も出さねばならんのです。
未熟ながら経営者として、スバルの現状を思うと、今回の森社長の、スバルのプライドをかなぐり捨てトヨタに膝を屈した行動は、評価できると思います。（満点ではないでしょうけど。現状のスバルに311億円も無利息で貸してくれる銀行も無かったんだろうし）またそれを引き受けてくれたトヨタには
感謝すべき
と思います。
（尤も、頑張らないと飲み込まれてしまうんでしょうけど。浮かぶ事ができれば完全独立も夢ではない？？）

長年スバルに乗り続けてきた私としては、スバルが経営破綻ってニュースを聞くよりはずっとマシです。また妙な海外資本に買われるよりずっとマシです。（ジャガーどうすんだ？？）実に悔しいけど現実は受け入れないと。

というわけで皆さんもちっと冷静になりましょうね。